仕事を通し精神疾患を患ってしまったら?

仕事でのストレスが原因で精神的に追い詰められていませんか?
もし精神疾患になってしまった場合、仕事を続けるか、休んで療養するか、いっそ辞めてしまうか・・・と悩んでしまいますよね。
今回は精神疾患が原因で仕事を休職・退職する際の手続きについて分かりやすく説明します。
大事なことなので、医師や職場の人とよく相談して、最善の方法を選択していきましょう。
もし仕事を通して精神疾患を患ってしまったら
仕事のストレスや悩みが原因で精神疾患を患うことがあります。はじめに、仕事が原因で精神疾患になった場合の対処法について見ていきましょう!
仕事を通して患う可能性のある精神疾患
病名例 | 症状 |
---|---|
統合失調症![]() |
・幻覚や妄想 |
うつ病![]() |
・気分の落ち込み ・身体のだるさ |
適応障害![]() |
・特定行動における不安、憂鬱 ・神経過敏 |
仕事の悩みやストレスなどが原因で発症することが多い精神疾患として、統合失調症やうつ病、適応障害などが挙げられます。
統合失調症は幻覚や妄想などの症状が出る精神疾患で、原因は明らかではありませんが、就職や転職などで自分を取り巻く環境が大きく変化した時に発症することが多いです。
うつ病は仕事のストレスが引き金になって発症することが多く、うつ状態が持続します。適応障害も仕事のストレスが原因で発症することがあり、不安や焦りなどの症状が出ます。
仕事上の代表的な悩み
悩み | 例 |
---|---|
ストレス![]() |
・人間関係 ・職場の環境 ・通勤など |
圧力![]() |
・上司 ・仕事ノルマ |
精神的被害![]() |
ハラスメント全般 |
仕事での悩みとして、ストレス・圧力・精神的被害などが挙げられます。仕事のストレスで多いのは人間関係のストレスで、ストレスが蓄積すると精神疾患を患う原因になります。
圧力はストレスに含まれますが、過酷なノルマを与えられたり、上司からのプレッシャーがきつくなると、ストレスが蓄積してうつ病などの精神疾患を患うリスクが高まります。
精神的被害はハラスメント全般で、上司からのパワハラ行為などが該当>します。精神的被害もストレスの一種であり、ハラスメントを受けると精神疾患になりやすいです。
放置は論外と考える
仕事のストレスなどが原因で精神疾患を患った場合、精神疾患の多くは進行性疾患ですので、放置しておくとますます症状が悪化して、取り返しがつかなくなってしまいます。
特に長時間労働でストレスが蓄積している場合は、過労死や突然死をすることもあるので、そのまま放置するのは大変危険です。早めに対処しましょう。
心身の状態が良くない場合は早めに周囲の人や医師に相談し、適切に対処することが必要です。勤務先に産業医が在籍していれば産業医に相談すると良いでしょう。
精神疾患を患ってしまった場合の選択肢
- 治療をしながら仕事をする
- 休職をして治療に専念する
仕事のストレスなどが原因で精神疾患を患ってしまった場合は、上記の2つの選択肢があります。では、精神疾患を患ってしまった場合の選択肢を見ていきましょう!
選択肢①治療をしながら仕事をする
精神疾患を患った場合は、精神科や診療内科などのメンタルヘルスを専門とする医療機関で治療でき、仕事を続けながら治療をすることも可能です。
仕事を続けるかを悩んでいる場合は、主治医に相談して判断を仰ぎましょう。勤務先に産業医が在籍している場合は、産業医に相談することをおすすめします。
また、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」や日本産業カウンセラー協会が実施している「働く人の悩みホットライン」を利用すると、電話で気軽に相談できます。
選択肢②休職をして治療に専念する
仕事のストレスが原因で精神疾患を患った場合は、精神疾患の原因になったストレスを取り除かないと症状はますます悪化します。
この場合、仕事を辞めなくても一時的に休職をすることで、精神疾患の治療に専念できます。休職の期間は2〜3カ月程度になることが多いですが、医師と相談して決めましょう。
なお、休職をして在宅療養をする場合は、精神科訪問看護サービスを利用すると在宅療養のサポートが受けられ、早期の社会復帰を目指せます。
選択肢①精神疾患の治療をしながら仕事をする
では次に、精神疾患の治療をしながら仕事を続けるにはどうすれば良いのかを詳しく見ていきましょう!
考え得るできること
- 医師への相談・カウンセリング
- 生活リズムの修正・休養
- ストレスの受け取り方を考える
仕事を続けながら精神疾患の治療をするには、次の方法が考えられます。では詳しく見ていきましょう!
①医師への相談・カウンセリング
精神疾患の治療をしながら仕事をする際には、医師に相談して仕事を続けても大丈夫であるかを確認することが必要です。
自分一人で判断して仕事を続けてしまうと、精神疾患の治療に悪影響を及ぼすことがありますので、専門家である医師の判断を仰いだうえで仕事を続けるかを決めましょう。
勤務先に産業医が在籍している場合は産業医に相談できますし、全国の精神保健センターや「こころの健康相談統一ダイヤル」などに電話で相談することも可能です。
②生活リズムの修正・休養
ストレスを感じながら仕事をしていると生活リズムが狂ってきますので、精神疾患の治療をしながら仕事をするには、生活リズムを修正して規則正しい生活を送ることが必要です。
また、無理をして仕事を続けると、ますます精神疾患の症状が悪化しますので、無理のない範囲内で仕事を続け、心身が疲れた時には必ず休息するようにしましょう。
生活リズムを改善して休息を取るようにしても、仕事を続けることが負担に感じる場合は、主治医やソーシャルワーカーに相談して、このまま仕事を続けるかを決めましょう。
③ストレスの受け取り方を考える
仕事のストレスが原因で精神疾患を患った場合は、ストレスの受け取り方を変えてみると、精神疾患が改善できる場合があります。
仕事を続けていると、どのような人でもストレスを感じるものですが、ストレスの受け取り方には個人差があり、多少のストレスを受けても平気な人は数多く存在します。
精神科や心療内科などの医療機関では精神疾患の治療に認知行動療法を採用している場合があり、認知行動療法を受けるとストレスの受け取り方を変えるコツがわかります。
異動・転職も視野に入れる
- 異動
- 転職
仕事を続けながら精神疾患の治療をしようと検討する場合は、異動や転職も視野に入れると選択肢が拡がります。では、異動と転職のメリットとデメリットを見ていきましょう!
対策 | ![]() 異動 |
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メリット | ![]() ・働きたい部署で働ける ・人間関係、労働環境の刷新 ・退職する手間がない |
デメリット | ![]() ・要望が通らない場合がある ・労働環境が変わらない、また悪化する |
①異動のメリット・デメリット
職場の人間関係のストレスや直属の上司からのパワハラなどが原因で精神疾患になった場合は、他の部署や支店に異動することで問題が解決できる場合があります。
異動のメリットは、勤務先を退職しなくても仕事を続けられるため、今までのキャリアが無駄になることはなく、人間関係や労働環境を刷新できることです。
異動のデメリットは、異動を申し出ても却下される場合があり、異動ができたとしても、人間関係や労働環境がさらに悪くなる可能性があることです。
対策 | ![]() |
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メリット | ![]() ・今までのキャリアを別会社で活かせる ・会社との縁が切れる ・今までの会社よりも働きやすい場合がある |
デメリット | ![]() ・転職活動が長期化する ・労働環境が前職よりも悪化する |
②転職のメリット・デメリット
異動ができない場合は、転職をすると問題が解決できる可能性があります。現在の勤務先と完全に縁を切りたい場合は転職を検討すると良いでしょう。
転職のメリットは、今までのキャリアを別の会社で活かすことができ、現在の勤務先よりも働きやすく、ストレスをあまり感じずに働ける可能性があることです。
転職のデメリットは、精神疾患の治療をしながら転職活動をしなければならず、転職に失敗すると今までよりもさらに労働環境や人間関係が悪化する恐れがあることです。
選択肢②休職をして治療に専念する
では次に、仕事を休職して精神疾患の治療に専念するには、具体的にどのようにすれば良いのかを見ていきましょう!
治療に専念する場合にすべきこと
- まず休職手続きをする
- 傷病手当の申請してみる
- 治療・休息しつつ今後の先行きを考える
休職をして治療に専念する場合は、上記の事項を行うことが必要です。では、これらを詳しく見ていきましょう!
①まず休職手続きをする
休職をして精神疾患の治療に専念するには、まずは休職手続きを行うことが必要です。休職制度は企業ごとに定められていますので、人事課に問い合わせて確認しましょう。
仕事のストレスなどが原因で休職をする場合は、医師に依頼して診断書を書いてもらい、診断書を添付して休職届を提出します。
産業医が在籍している企業であれば、産業医が休職が必要であると判断した場合は診断書を書いてくれますので、診断書を添付して休職届を提出します。
②傷病手当の申請をしてみる
休職する場合は、未消化の有給休暇が残っている場合は、有給休暇を申請すると一定期間は給料が支給されます。
仕事のストレスが原因でうつ病などの精神疾患になった場合は、労災認定されると労災保険金が支給されますが、必ずしも労災認定されるとは限りません。
労災保険金が支給されない場合は、医師の診断書を添えて傷病手当の申請をすると傷病手当金が支給されますので、休職期間中でも一定の収入が得られます。
③治療・休息しつつ今後の先行きを考える
休職期間中は精神疾患の治療に専念し、ゆっくり休息して心身の疲れを癒やすことが大切です。今後の先行きのことは、心身の状態が良くなってから考えるようにしましょう。
精神疾患の症状が快方に向かってきたら、今後の先行きを考えなければなりませんが、復職や転職などの選択肢があります。
どうすれば良いのかわからない場合は、精神疾患の方を専門に就労支援を行っている就労移行支援事業所に相談すると、専門家による適切なアドバイスが受けられます。
休職中に転職活動するのはOK?
休職中に転職活動をすることは可能ですが、精神疾患の治療のために休職していることを隠して転職活動をするのはリスクがあります。
履歴書に休職中であることを明記し、面接でもきちんと話して採用されれば問題はありませんが、休職中であることを隠して採用されると、採用取り消しになる場合があります。
採用後は転職先に源泉徴収票を提出しなければならず、休職期間中は給料の支払いがなく不審に思われることがあるので注意が必要です。
訪問看護の利用
休職中は病院に通院しながら自宅療養をするケースが大半ですが、精神科訪問看護を利用すると、看護師などの医療従事者が自宅を訪問し治療のサポートをしてくれます。
ご家族の方も支援が受けられますので、精神疾患の治療に関することや正しい看護の仕方、お薬に関することなど、どのようなことでも気軽に相談に乗ってもらえます。
精神科訪問看護のサービス内容は多岐にわたっており、具体的なサービス内容については後で詳しく説明します。
サービス名 | ![]() 精神科訪問看護 |
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職種 | ![]() ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | ![]() ・原則週3日以内 |
精神科訪問看護の概要
精神科訪問看護では看護師や作業療法士などの医療従事者がご利用者様の自宅を訪問し、主治医の指示に従って適切なケアを行い、在宅療養をトータルサポートします。
精神科訪問看護は医療保険と介護保険を使用でき、医療保険で訪問看護サービスを利用する場合は原則として週3回までの訪問が可能で、自己負担額で利用できます。
介護保険で訪問看護サービスを利用する場合は利用回数に制限はなく、ケアマネージャーが作成したケアプランに基づいてサービスを利用できます。
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護の内容
精神科訪問看護サービスの内容は上記のように多岐にわたり、生活支援や自立支援、症状の悪化防止・服薬支援、社会復帰へのサポート、ご家族の方へのサポートなどを行います。
一般の訪問看護サービスとは異なり、精神科訪問看護は精神疾患に特化していることが特徴で、精神医療に精通している医療従事者によるトータルサポートが受けられます。
精神科訪問看護を利用することで、ご利用者様が家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようしっかりとサポートを行い、ご家族の方への支援も行います。
まとめ
仕事のストレスなどが原因でうつ病などの精神疾患になった場合は、医療機関の医師や企業に在籍している産業医と相談して今後のことを決めましょう。
精神科訪問看護は、社会復帰に向けて障害や病気をお持ちの方をサポートするサービスです。
シンプレ訪問看護ステーションには、精神疾患の専門知識や臨床での経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、あらゆる精神疾患に対応しています。
こころの健康問題をひとりで抱えて悩むのではなく、相談することが大切です。うつ病などの精神疾患でお悩みの方は、わたしたちにご相談ください。
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