訪問看護の加算の仕組みってどうなっているの?

訪問看護を利用していたら利用料金がいつもより高かった、なんてご経験はありますか。
それは契約時に設定された利用料金に加えて、急な利用などで追加料金が生じているからです。
利用料金や加算料金は厚生労働省で厳しく決められているため、訪問看護ステーション独自に料金を引き上げることはできません。
今回は見落としがちな訪問看護の加算料金について、詳しくご紹介します。
訪問看護の基本料金と加算料金
訪問看護を利用するにあたっての基本料金と、発生し得る加算料金とについて詳しくご紹介していきたいと思います。
基本料金と加算料金の違い
料金 | 基本料金![]() |
加算料金![]() |
---|---|---|
概要 | 訪問看護の利用の際に かかる基本料金のこと |
基本料金とは別に発生する料金 |
例 | 精神科訪問看護基本療養費Ⅰ、Ⅲ | ・緊急時の訪問看護 ・初回看護 ・特別管理 |
基本料金
まず基本料金ですが、これは医療保険の訪問看護を利用する際に発生する基本的な費用のことを指し、利用者1人について1日1回の算定となります。
「訪問看護基本療養費」という名称で取り上げられることも多く、訪問看護指示書と訪問看護計画書に沿って、看護師などが訪問看護をおこなった場合に発生します。
例えば、精神科に特化した訪問看護なども注目されていますが、その場合は精神科訪問看護基本療養費Ⅰ、Ⅲに沿って料金が定められているというわけですね。
加算料金
また、基本料金が定められている一方で、特定の条件を満たすことで追加される費用である加算料金もあり、基本料金とは別で発生します。
例えば、初回看護や緊急時の訪問看護などにも基本料金に追加する形で料金が発生しますし、「複数名訪問看護」や「乳幼児」などの訪問看護の場合も加算に該当するようです。
深夜、早朝などの時間帯に対応してもらえたり、難病であっても対応可能であったり、長時間の訪問が可能であったりとメリットも多いので、ぜひ押さえておきましょう。
適用保険によって自己負担額が異なる
適用保険 | 医療保険![]() |
介護保険![]() |
---|---|---|
対象者 | 医師が必要と判断 | 要介護・要支援認定を受けている (原則65歳以上) |
利用上限 | 原則週3回以内 | 要介護・要支援度に準じる |
自己負担額 | ・70歳以上 1〜3割 ・6〜69歳 原則3割 ・6歳未満 2割 |
原則1割 (一定以上の所得者は2~3割) |
訪問看護は、適用される保険の種類によって自己負担額に変動があり、上記の表のような形で、対象者の状況や定められている訪問の規則なども併せて考慮されます。
例えば、医療保険については医師の判断によって適用可否が決定され、対象者の年齢によって自己負担額も決まり、70歳以上であれば1割から3割負担に留まります。
また、対象者が要介護の状態でかつ原則として65歳以上であれば介護保険も適用されるので、こちらも併せて覚えておくと良いでしょう。
利用料金は月ごとの基本料金+加算料金の合計で決まる
ここまで、訪問看護における「基本料金」と「加算料金」についてご紹介して来ましたが、最終的な利用料金は月ごとの基本料金と加算料金の合計で決定します。
加算料金がどのように追加されるかは、当然「どのサービスを追加したか」で変動するので、現時点での料金はどのくらいか…を概算で良いので頭に入れておくと良いですね。
また、基本として、訪問看護療養費は利用者さん1名につき、1日1回、週3日までと定められており、精神科訪問看護基本療養費にも適応されるので、覚えておきましょう。
訪問看護で生じる加算料金の詳細
訪問看護を利用する際に発生する加算料金の詳細について、どのような内容となるのか詳しく見ていきたいと思います。
おおよそ2種類に大別される
- 種類①追加オプションとして織り込まれる場合
- 種類②緊急時・一時的などに発生する場合
加算料金 | 概要 |
---|---|
特別管理![]() | 特定医療機器の管理 |
24時間体制![]() |
24時間体制での看護 |
早期、深夜利用![]() |
早朝、深夜時に看護 |
初回利用![]() |
第1回目の看護 |
種類①追加オプションとして発生する場合
訪問看護利用時に、加算料金が追加で発生する場合の一例が上記の表で、例えば特定医療機器の管理が必要な利用者さんの場合は「特別管理」料金が加算されます。
また、利用者さんの中には24時間体制での看護を必要としたり、早朝や深夜などのイレギュラーな時間帯の看護を希望するケースもあるので、その場合も加算になります。
そして、意外に見落としがちな点でもありますが、初回利用時にも追加料金が発生するので、こちらもしっかり押さえておきましょう。
加算料金 | 概要 |
---|---|
緊急対応![]() |
予定にない利用を 希望する場合 |
退院時共同指導![]() |
病院、施設等に退所後に訪問看護を 利用する場合 |
種類②緊急時などに発生する場合
本来は予定をしていなかった出来事や私用など緊急時に加算料金が発生することも少なくなく、上記の表のパターンなどはそれに該当します。
また、元々は予定にない利用となるケースは「緊急対応」扱いとなり追加料金が必要になりますし、病院や施設を退所後に訪問看護を利用する場合も加算料金に該当します。
ただし、緊急対応などに関しては、利用先が常時対応可能体制である必要があるなどの条件も確認する必要があるので、事前に問い合わせておくと安心ですね。
特別管理加算が適応されるケース例
対象者:悪性腫瘍(ガン)患者
管理内容:鎮痛剤療法等の管理
在宅気管切開患者指導管理
対象者:呼吸機器を身に着けている患者
管理内容:機器の確認、管理
気管カニューレを使用している状態
対象者:気道に気管カニューレを使用している患者
管理内容:気管カニューレの動作確認、管理
留置カテーテルを使用している状態
対象者:留置(導尿)カテーテルを使用している患者
管理内容:留置カテーテルの動作確認、尿の廃棄
訪問看護の加算料金の中には、患者さんの疾患の種類や症状の強さによっては上記の表のように特別管理加算が適応されるケースも考えられます。
例えば、利用者さんが癌を患っている場合は「鎮痛剤療法の管理」が必須となりますし、呼吸器気を使用中の患者さんの場合はその機器の確認や管理が必要になりますよね。
また、中には気道に気管カニューレを付けている方などもいらっしゃるので、その場合は動作確認なども併せて必要になるため、専門的な知識も必須です。
加算は日ごと・月ごと・1回の利用時と分かれる
訪問看護の追加オプションの料金加算のタイミングとしては、1日あたり、月ごと、1回の利用時…というように、利用したサービスによって変動します。
また、時間も「30分未満までは●●円だが30分以上だと●●円」というように、30分を過ぎると料金がアップする仕様になっているので、覚えておくと良さそうですね。
どのタイミングでどのサービスを追加利用したか、を把握しておくとその月に発生した最終的な利用金額も算出しやすいので、こちらをぜひ押さえておくようにしましょう。
訪問看護基本料金・加算料金を試算するなら
訪問看護基本料金や加算料金について、実際に利用する前に試算してから検討したいという場合の方法についてご紹介したいと思います。
利用先の訪問看護ステーションに相談・HP上で確認
まず、既にどの訪問看護ステーションを利用するかおおよその見当がついている方向けですが、検討している施設に直接相談するか、HPを確認するのも有効です。
実際に電話をして聞いてみる際は、こちらの状況をスタッフに説明した上で料金の試算をすることが可能なので、より精度の高い結果が期待できます。
一方、HP上に記載されている料金を元に自分で試算するのも、好きな時間にいつでも自分のタイミングで実行できるので、こちらもおすすめです。
利用料金シュミレーターのサイトで計算する
また、インターネット上にある訪問看護ステーションのHPの料金シミュレーターを利用して料金を試算するのも一つの手段です。
利用者の状態や年齢などを踏まえ、どのサービスを利用予定かを確認した上で試算することで、大体どのくらいに費用が必要になりそうかを把握することができます。
ただし、これらはあくまでも「試算」なので、実際に利用する場合は試算時の料金とズレが生じることもあるので、こちらを理解した上で利用するようにしましょう。
シンプレの精神科訪問看護について
ここまで訪問看護ステーションの基本料金や加算料金について見てきましたが、精神科に特化した訪問看護ステーションであるシンプレについてご紹介したいと思います。
シンプレ訪問看護ステーションとは
シンプレ訪問看護ステーションは、特に精神科に特化した訪問看護サービスを展開しており、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられる看護を提供しています。
患者さんの中にはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら社会復帰を目指したい」という方もいるので、お子さまからお年寄りまで幅広い考え方、価値観を大切にしてわたしたちは寄り添います。
また、ご利用者様の主治医や関係機関と連携を取り、ご利用者様が家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようしっかりとサポートを行い、ご家族の方への支援も行います。
訪問看護の利用プラン
サービス名 | 精神科訪問看護![]() |
---|---|
職種 | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | ・原則週3日以内 |
シンプレ訪問看護ステーションの訪問看護を利用する場合のプランですが、訪問日数は原則として週に3日以内、医療従事者が訪問すると定められています。
訪問するのは、患者さんの担当医師の指示のもとで看護師や准看護師、そして作業療法士が担当し、患者さんの補助や服薬の指導なども併せておこなっています。
看護師とバックオフィスが常に連携を取っているので、緊急時もすぐに各関係機関に連絡でき、訪問している看護師だけでなく、ステーション全体での看護を行っています。
精神科訪問看護の内容
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護は、患者さんが健康的な日常生活を送り、さらには生活技能の拡大、家族関係を含む対人関係を円滑にするためのフォローなどもおこないます。
また、現状の精神症状が悪化するのを防いだり、医療機関と連携してケアをおこなっていくなど、患者さんの心身のサポートにも対応します。
さらに、患者さん自身を尊重して、社会生活を営む上でのエンパワーメントも考慮した上で、自信を持ってもらうことなどもフォローの一つとなります。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションでは、東京都を拠点に訪問看護サービスを展開しております。
今後はさらに事業を拡大していく予定となっています。
上記のエリア以外に自宅がある場合でも対応できる場合がありますので、まずはお気軽に電話や問い合わせフォームでお問い合わせください。
まとめ
色々と見てきましたが、訪問看護を利用する上では、前もって加算料金についても考慮しておくことが望ましいと分かりました。
精神科訪問看護は、社会復帰に向けて障害や病気をお持ちの方をサポートするサービスです。
シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。精神の症状でお悩みの方は、わたしたちにご相談ください。
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