過食症について相談する前に知っておきたい治療法を解説

近年、「過食症」という摂食障害に悩む方が増えています。
単なる食べ過ぎとは異なり、過食症は心と体のバランスが崩れた状態であり、適切な治療をせずに放置すると、深刻な健康問題につながることがあります。
しかし、過食症は適切なサポートと治療によって、回復を目指せる病気です。
今回この記事では、過食症について知っておきたいことから、治療方法について解説します。
この記事が、過食症で苦しんでいるご本人、ご家族、そして支援される皆様にとって、解決への手がかりとなれば幸いです。
過食症の方の治療方法
過食症の治療は、医療機関での専門的なサポートを中心に、心理的な側面、身体的な側面、社会的な側面からのアプローチを組み合わせて行われます。
以下に主な治療方法をご紹介します。
精神療法(心理療法)
過食の背景には、不安や落ち込みといった感情面のつらさや、周りの人との関係が影響していることもあります。
心理療法を通して、そうした過食の背景にある課題にも取り組みながら治療を進めていきます。
また、広く用いられている精神療法の一つに、認知行動療法があります。
これは、過食を引き起こす考え方のクセや行動パターンに気づき、より良い対処法を身につけていくものです。
薬物療法(くすりを使った治療)
過食症の方には、SSRIという種類の抗うつ薬が用いられることがあります。
気分の落ち込みや不安を和らげ、過食の衝動やストレスを軽減する効果があります。
ただし、薬物療法は過食症の治療の一環であり、気持ちや行動のパターンを見直す精神療法と並行して行うことで、より良い結果が期待できます。
使用にあたっては、医師や看護師と相談しながら進めることが大切です。
対人関係療法
対人関係療法も治療の選択肢の一つとして挙げられます。
前述した認知行動療法は、個人の思考や行動パターンに着目し、より健康的な対処法を身につけることを目指します。
それに対し、対人関係療法は患者様の日々の人間関係に焦点を当て、その中で生じる感情的な問題やコミュニケーションの改善を通して症状の軽減を図ります。
対人関係療法では、良好な対人関係を築き、維持すること、孤立感を減らすことなどが目標を定めます。
具体的なテーマを設定し、ロールプレイングなどの訓練を通して、より円滑な人間関係を築くためのスキルを習得していくアプローチが取られます。
家族療法・支援(ご家族との関わり)
過食症は、家庭環境や家族関係も影響を受けることがあります。
家族療法では、ご本人だけでなく、ご家族も治療に関わることで、より穏やかな環境づくりを目指します。
「どのように接すれば良いかわからない」といったご家族の不安に対してもサポートが行われ、支援する側の負担軽減にも繋がります。
そもそも過食症とは?
過食症(神経性過食症)は、比較的短い時間に大量の食べ物を摂取し、その後、自己誘発性の嘔吐や過度な運動、下剤の使用などによって、摂取したカロリーを帳消しにしようとする行動を繰り返す精神疾患です。
分類 | 影響・症状の例 |
---|---|
身体的な影響 | ・過食 ・体重増加を防ぐ排出行為 ・肥満への恐怖 |
精神的な影響 | ・自己否定感が低い ・うつ症状や不安感 ・強迫的な思考や行動 ・人との関わりを避ける |
過食症では、過食後の後悔や自己否定感が強まることで、また過食を繰り返してしまうという悪循環が生じやすいと言えます。
早期に専門的なサポートを受けることが大切です。
過食症の方の訪問看護の活用について
過食症の方の中には、医療機関への通院が精神的な負担となる場合があります。
また、症状によっては、「外出することに抵抗がある」「人と会うのが辛い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合でも、医療機関での治療を受けながら訪問看護を利用することで、ご自宅で医療的なケアと精神的なサポートを受けることができます。
過食症への訪問看護の有効性
訪問看護では、患者様の症状や生活状況に合わせて、以下のような支援を提供しています。
- 食生活や体調の変化を日々観察し、異常があれば早期に対応
- 過食のトリガーとなる出来事や感情の変化に敏感に気づく
- 医師や関係機関と連携を取り、支援体制を整える
ご本人が「一人ではない」と感じられることは、回復への大切な一歩となります。
過食症の方への訪問看護でできること
訪問看護では、患者様の症状や生活状況に合わせて、以下のような支援を提供しています。
定期的な体調確認と服薬管理
お薬の飲み忘れがないか、副作用はないかなどを確認し、必要に応じて医師に報告します。
食事内容や食行動のアドバイス
極端な食事制限や一度に大量に食べるなどの傾向を共有しながら、栄養士からのアドバイスも参考に、バランスの取れた食事について一緒に考えます。
生活リズムの調整支援
不規則な生活は過食の要因となることもあるため、日中の活動を促したり、睡眠の質の改善をサポートしたりします。
メンタルケアと傾聴
「誰にも話せない」「理解してもらえない」と感じがちな過食症の方にとって、看護師との信頼関係は心の安定に繋がります。
ご家族へのサポート
ご本人だけでなく、ご家族への対応やケアの方法についてもお伝えします。
訪問看護は生活に寄り添いながら、着実に回復を支える役割を担うことが期待できます。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
1割負担![]() | 1,299円/回 | 855円/回 |
2割負担![]() | 2,598円/回 | 1,710円/回 |
3割負担![]() | 3,897円/回 | 2,565円/回 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
シンプレ訪問看護ステーションのご紹介
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。
過食症をはじめとする摂食障害や、うつ病など、心のケアを必要とする方々に対して、それぞれの状態に合わせたサポートを心がけています。
看護師や作業療法士がご自宅へ訪問し、医療的なケアはもちろん、心の声に耳を傾け、安心して過ごせるよう包括的な支援を行います。
「誰かに頼りたい」「自分らしい生活を取り戻したい」と感じている方へ、私たちが寄り添い、サポートさせていただきます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
過食症は、ご本人の意志の弱さから起こるものではありません。
心の奥にある傷つきやストレス、考え方の偏りが影響して現れる心の病気です。そのため、回復には時間をかけ、周りの支えが重要となります。
私たち訪問看護ステーションでは、過食症をはじめとする摂食障害をお持ちの方が、少しずつご自身のペースで生活を取り戻せるよう、医療と生活の両面からサポートさせていただきます。
「通院に負担を感じる」「家にいると気持ちが不安定になる」「一人で悩んでつらい」と感じている方は、まずはお気軽にシンプレ訪問看護ステーションまでご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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