訪問看護に必要な資格一覧｜看護師・療法士・関連資格をわかりやすく解説。

訪問看護を利用する際、「どのような資格を持つスタッフが来てくれるのか」は気になるポイントではないでしょうか。

訪問看護には看護師や准看護師、リハビリテーションの専門職など、複数の専門職が関わっており、それぞれが高度な知識と技術をもって在宅療養をサポートします。
訪問看護に必要な資格について理解しておくことで、どんな支援が受けられるのか、どの専門職が自分に適しているのかが明確になります。

ここでは、訪問看護に関わる資格の種類や役割をわかりやすくまとめました。

訪問看護に関わる資格とは？

訪問看護では、利用者の自宅にスタッフが訪問し、医師の指示に基づき医療的ケアや生活支援を行います。
関わる専門職は複数ありますが、中心となるのは看護師・准看護師・リハビリテーションの専門職です。
それぞれに求められる知識や役割が異なるため、まずは訪問看護に必要な資格の基本を押さえておくことが大切です。

訪問看護に必要な資格の基本

訪問看護に従事できるのは、国家資格である看護師・准看護師や、医師の指示のもとリハビリを提供するリハビリテーションの専門職（理学療法士・作業療法士・言語聴覚士）などです。
中でも看護師は、医療行為を行える点で訪問看護の中心的存在となります。
訪問看護に必要な資格は種類によって専門性が異なるため、利用者が抱える疾患や生活状況に応じて適切なスタッフが担当します。

また、訪問看護にも種類があり、「精神科訪問看護」で携わる職種は医療的ケアだけでなく、精神面のフォローや家族支援など多面的に関わるのが特徴です。

看護師と准看護師の違い

訪問看護の現場では、看護師と准看護師のどちらも活躍しています。
大きな違いは「医師の指示の受け方」です。

看護師は医師の包括的な指示のもと自主的な判断で行動できる一方、准看護師は医師または看護師の具体的な指示を受けて業務を行います。
そのため、緊急対応や判断が求められる場面では看護師の役割がより重要になります。

ただし准看護師も訪問看護で活躍でき、利用者の状態観察・生活支援・服薬サポートなど幅広い業務を担います。
両者がチームで協力することで、より安全で質の高い在宅ケアが提供できます。

訪問看護における看護師の資格

認定看護師

認定看護師は、特定分野において高い知識と技術を備えていると認められた看護師です。
訪問看護では「在宅ケア」や「皮膚・排泄ケア」など、在宅支援と相性のよい分野が多く、利用者の状態に応じて専門性を発揮します。

認定看護師になるには、通算5年以上の実務経験（うち3年は該当分野）が必要で、指定教育機関での研修後に審査へ進みます。
合格すると認定看護師として活動でき、訪問看護現場でも高度な判断力が求められる場面で大きな力を発揮します。

資格の中でも専門性が高く、医療ケアの質を引き上げる存在です。

専門看護師

専門看護師は、患者や家族が抱える複合的な問題を総合的に捉え、支援・相談・調整を行う高度な役割を持つ看護師です。
現在は13分野で資格取得が可能で、看護師免許取得後に大学院で専門的な教育を受けることが必須となります。
実務経験も必要で、一定条件を満たした上で認定審査に合格すれば、専門看護師として活動できます。

訪問看護の現場では、医療・生活・精神面を含めた多角的な支援が求められるため、専門看護師の視点は非常に重要です。
利用者や家族の不安を軽減しながら、生活に寄り添うケアを提供する点が大きな特徴です。

特定看護師

特定看護師とは、医師が作成した手順書に基づき、特定行為を実施できる看護師のことを指します。
正式には資格名称ではなく、「特定行為研修を修了した看護師」を指す国の制度です。

研修を修了すると、医師の判断を待たず一定範囲の医療行為を実施でき、訪問看護での緊急時対応や処置の迅速化に役立ちます。
たとえば創傷処置や呼吸・循環に関するケアなど、在宅医療で重要となる行為を安全に提供することが可能です。

訪問看護は利用者の容態変化に即座に対応する場面も多いため、特定行為研修修了者が在籍している事業所は大きな安心につながります。

国家資格に分類されるリハビリテーションの3職種

看護師とリハビリテーションの専門職の違い

訪問看護の現場には、看護師だけでなく作業療法士（OT）、理学療法士（PT）、言語聴覚士（ST）

一方で作業療法士、理学療法士、言語聴覚士は、身体や精神に障害をもつ方に対し、生活動作や社会参加を目指すリハビリテーションを提供します。
看護師が健康管理を中心とするのに対し、リハビリテーションの専門職は機能回復や動作改善など専門的な評価と訓練を行う点が大きな違いです。

訪問場面では「医療ケア」と「リハビリ支援」の両軸が必要となるため、訪問看護に必要な資格の中でもリハビリテーションの3職種の役割は欠かせません。

理学療法士の専門職

理学療法士（PT）は、主に「基本動作能力」の回復や維持を目的にリハビリを行う専門職です。
基本動作とは、立つ・座る・歩く・起き上がるなど生活の基盤となる動作のことを指します。

訪問看護では、疾患や障害により動作が難しくなった利用者に対し、筋力訓練やバランス訓練、日常生活動作の練習を行い、自宅で安全に生活するための支援をします。
また温熱療法・電気刺激などの物理療法を用いることもあり、在宅でも可能な範囲で適切なリハビリを提供します。

養成校（大学・専門学校）で3〜4年学び、国家試験に合格することで取得できます。

作業療法士

作業療法士（OT）は、身体だけでなく精神面も含めて「日常生活の動作」「趣味活動」「社会参加」など幅広い領域にアプローチする専門職です。
理学療法士との違いは、精神疾患を含む利用者に対してもリハビリを行う点で、訪問看護では特に重要な役割を担います。

調理や家事などの応用動作練習、精神面の安定に向けた支援、生活リズムの整えなど、その人らしい生活を取り戻すためのサポートを行います。

全国にある養成校で3〜4年学んだ後、国家試験に合格すると資格が取得できます。

言語聴覚士

言語聴覚士（ST）は「話す・食べる・コミュニケーションする」ための機能に特化した専門職です。
脳血管疾患や発達障害、認知症などにより言語機能が低下した方に対し、発声・発語の練習、コミュニケーション手段の提案などを行います。
また、嚥下障害のある方には安全な食事方法の指導や訓練を実施し、誤嚥リスクの軽減に努めます。

訪問看護の現場では、食事の安全性向上や意思疎通の改善により生活の質を高める重要な役割を担います。
国家資格として評価の高い職種であり、医療と生活をつなぐ専門家として活躍しています。

訪問看護に関連するその他の資格

ケアマネジャー（介護支援専門員）

ケアマネジャーは、介護保険制度の中で利用者の生活全体を把握し、最適なサービス計画（ケアプラン）を作成する専門職です。
訪問看護とは直接的な医療行為こそ異なりますが、在宅生活を支える上で欠かせない存在であり、訪問看護と連携する場面も多くあります。

ケアマネジャーが行うアセスメントは、利用者の生活背景や家族状況など幅広い情報をもとに行われるため、適切な訪問看護の利用にも深く関わります。
看護師やリハビリテーションの専門職と協力しながら、利用者が安心して在宅で生活できるよう支援する重要な専門職です。

介護福祉士

介護福祉士は、介護の分野における国家資格であり、身体介護や生活援助の専門家として高いスキルを持ちます。
訪問看護そのものを行う資格ではありませんが、訪問介護や在宅支援の場面で連携することが多く、利用者の生活全体を支える存在です。
特に高齢者の利用者が多い訪問看護では、看護師と介護福祉士が同じ利用者を担当するケースも多く双方の専門性を組み合わせることでより安全で質の高いケアが可能になります。

介護福祉士は、医療と生活の橋渡し役として訪問看護を支える重要なパートナーです。

社会福祉士

社会福祉士は、福祉領域の国家資格であり、生活や環境面の課題を抱える利用者に対し、相談援助や制度利用のサポートを行う専門職です。

訪問看護の利用者は、身体の問題だけでなく、経済的・心理的・社会的困難を同時に抱えているケースも少なくありません。
そのため社会福祉士は、医療保険・介護保険・障害福祉サービス・生活保護など、多様な制度の情報提供や手続きサポートを行い、利用者の生活基盤を整える役割を担います。

訪問看護と組み合わせることで、その人らしい生活を継続しやすくなる点が大きなメリットです。

そもそも訪問看護とは？利用条件や使える保険内容

訪問看護とは

訪問看護とは、看護師やリハビリテーションの専門職などの医療専門職が利用者の自宅を訪問し、医師の指示に基づいて医療ケアや生活支援を行うサービスです。
通院が難しい方や、自宅での療養を希望する方にとって欠かせない仕組みであり、年齢を問わず必要と判断されれば利用できます。

訪問看護では、バイタルチェックや服薬管理、健康相談などの看護ケアに加え、リハビリテーションや家族への支援も行われます。
医療機関だけでは補いにくい「自宅での生活状況」を踏まえて支援できる点が大きな特徴であり、資格を持つ専門職が連携しながら継続的なサポートを提供します。

訪問看護の利用条件

訪問看護の利用条件は難しくなく、「医師が必要と判断した場合」に利用できます。

介護サービスのように要介護認定が必須というわけではなく、慢性疾患・精神疾患・障害・加齢による体力低下など幅広い理由で利用が可能です。
ただし、状態が一時的に悪化したから一度だけ点滴をしたい、といった単発利用はできず、継続的な医療的ケアや生活支援が必要と認められるケースが対象となります。

訪問看護は医師・看護師・リハビリテーションの専門職が連携して行うため、本人だけでなく家族も含めた生活全体の支援が受けられる点が特徴です。

訪問看護で利用可能な保険（医療保険・介護保険）

訪問看護では「医療保険」または「介護保険」のどちらかが適用されます。（※併用は不可）

要介護・要支援認定を受けている方は原則として介護保険を使用し、それ以外の方は医療保険が適用されます。
また、介護保険対象者であっても、医師が特別訪問看護指示書を発行した場合や、厚生労働大臣が定める特定疾病に該当する場合には医療保険で訪問看護を利用することができます。

保険の使い分けは利用者の状態に左右されるため、訪問看護ステーションや医療機関と相談しながら決めるのが一般的です。

訪問看護のサービスを提供する施設

病院・診療所

病院や診療所が提供する訪問看護は、医療機関内に専用の訪問看護部門を設置して行われるケースが多く、外来部門が兼任することもあります。
利用者の主治医が直接指示を出すため、通常は訪問看護指示書が不要で、診療録にそのまま指示が記載される仕組みです。

また、訪問看護に適用される保険は、提供場所が病院だからといって医療保険に限定されるわけではなく、利用者の状態や診断内容によって医療保険・介護保険のどちらになるかが決まります。

医療機関からの訪問看護は、医師との連携が非常に密であるため、病状が変化しやすい利用者にとって大きな安心材料となります。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、地域に密着して訪問看護を提供する専門事業所で、管理者には保健師または看護師が就任します。
医師の指示書に基づく訪問看護を中心に、利用者の生活と医療を継続的に支える役割を担っています。
事業所ごとに対応エリアが定められており、その範囲内で看護師やリハビリテーションの専門職が訪問します。
資格を持つスタッフが複数名在籍しており、医療処置から精神面のフォロー、家族支援まで幅広いケアを提供できるのが特徴です。

地域の利用者が安心して在宅療養を続けられるよう、多職種連携を行いながら支援が行われます。

設備や体制の違い

提供場所	場所	設備
・病院 ・診療所	事業の用に供する区画	必要な設備および備品
訪問看護ステーション	専用の事務所	必要な設備および備品

病院・診療所では、施設内の一角を訪問看護部門として使用するだけで開設できますが、訪問看護ステーションは専用の事務所を構えたうえで運営されます。
設備については、法令で細かく指定されているわけではなく、提供するサービス内容に必要な備品が揃っていれば運営が可能です。

ステーションは地域密着型であるため、スタッフ間の連携体制や訪問体制が整っている点が特徴で、利用者の生活に寄り添った柔軟なケアを実現しています。
訪問先で医療的処置を行うため、各職種が持つ専門性と判断力が重要であり、適切な体制づくりが質の高いサービスに直結します。

シンプレ訪問看護ステーションにお任せ下さい！

シンプレ訪問看護ステーションとは？

シンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しています。
うつ病・統合失調症・発達障害・依存症など幅広い疾患に対応しており、利用者の不安や生活の課題に寄り添い、一人ひとりが自分らしい生活を続けられるよう支援しています。
訪問する職員は、看護師・准看護師・作業療法士など、資格を持つ専門スタッフで構成されており、医療面だけでなく精神面・生活面のサポートまでトータルで対応できる点が強みです。

利用者とその家族にとって、安心して相談できる身近な存在を目指しています。

シンプレで利用している保険は？

シンプレ訪問看護ステーションでは、医療保険・介護保険のいずれも利用可能です。

特に医療保険においては、自立支援医療制度（精神通院）や生活保護の医療券、心身障害者医療費助成制度（マル障）、義務教育就学児医療費助成（マル子）、ひとり親家庭等医療費助成（マル親）など、利用者の負担を軽減するさまざまな制度に対応しています。
自立支援医療制度は通常3割負担が1割まで軽減されるため、精神疾患で継続的な通院や訪問看護が必要な方にとって大きな支えとなります。

特に経済面で不安がある場合でも、スタッフが制度の利用について丁寧にサポートいたします。

シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア

<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア

<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア

シンプレ訪問看護ステーションは、東京都を中心に上記のエリアでサービスを提供しています。
近隣の市区町村であっても訪問可能な場合がありますので、まずはお気軽にご相談ください。
幅広いエリアでの訪問に対応しているため、地域に密着しながら利用者の生活に寄り添ったサポートを行うことができます。

訪問時間は1回あたり30〜90分、訪問回数は週1〜3回を基本としており、必要に応じて柔軟に対応しています。

まとめ

訪問看護には看護師・リハビリテーションの専門職など多様な資格者が関わる

訪問看護には、看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士など、複数の専門資格を持つスタッフが関わります。
それぞれが医療や生活支援の専門性を発揮し、利用者の自宅療養を支える重要な役割を担っています。
疾患の種類や生活環境に応じて担当職種が変わるため、幅広い視点から支援ができる点が訪問看護の強みです。

自宅での療養の質を高めるためにも、どのような専門職が関わっているかを理解しておくことは非常に大切です。

資格によって役割や専門性が異なる

訪問看護に携わる資格は多く、役割や専門性もそれぞれ異なります。

看護師は医療中心のケア、准看護師は具体的な指示に基づく支援、リハビリテーションの専門職は動作や生活能力の改善など、利用者の状態に合わせて担当する内容が変わります。
こうした多職種が連携することで、医療・生活・精神面のサポートを総合的に提供することができるのが訪問看護の魅力です。

訪問看護に必要な資格の違いを理解することで、より適切なサービス選びや相談がしやすくなります。

利用条件や保険制度を理解することが大切

訪問看護は、医師が必要と判断すれば年齢を問わず利用でき、医療保険・介護保険のどちらかが適用されます。
制度の仕組みを理解することは、利用者の負担を軽減し適切なサービスを選ぶうえで欠かせません。

特に自立支援医療制度（精神通院）や各種助成制度の活用は、精神疾患や慢性疾患を抱える方にとって大きな助けとなります。
制度について不安がある場合は、訪問看護ステーションに相談することで具体的なアドバイスを受けられます。

安心してサービスを受けるなら専門の訪問看護ステーションへ

自宅で安心して生活するためには、信頼できる訪問看護ステーションを選ぶことが重要です。
専門資格を持ったスタッフがそろっている事業所であれば、疾患に応じた適切なケアや生活のサポートを受けることができます。
地域の状況や対応エリア、提供できるサービス内容などを確認しながら、自分に合ったステーションを選択しましょう。

シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師・准看護師・作業療法士など専門資格を持つスタッフが連携し、利用者と家族の安心に寄り添ったサポートを提供しています。

まずはお気軽にご相談ください。

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