訪問看護と自立支援医療と負担限度額

自立支援医療という言葉を聞いたことがありますか?自立支援医療とは、訪問看護などの自己負担額を軽減できる制度です。
この制度を活用することで、通院による医療費などの経済的負担が軽減でき、体調の安定や治療に専念することができます。
しかし、自分が自立支援医療の対象となるのか、取得するにはどのようにすればいいのか?など、わからないことが多く悩んでいる方もいらっしゃることでしょう。
そこでこの記事では、自立支援医療の種類や条件、取得方法などについて詳しく紹介します。
訪問看護にも役立つ自立支援医療ってどんな制度?

外来、デイケア、訪問看護等の自己負担額を軽減できる「自立支援医療」について見ていきましょう。
自立支援医療制度の目的は?
自立支援医療制度は、根本的な治癒が難しいとされる精神疾患の医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
精神疾患は明確な原因や治療法が確立されていない部分も多く、長く付き合っていかなければならないもの。
毎月の診療費や薬代で家計の負担を圧迫するケースも多くみられるため、経済的負担を減らすためにこのような制度ができました。
精神疾患の治療のために医療機関へ通院する場合、基本的には1割負担になります。(医療費の9割を医療保険と公費で負担できます。)
対象となる障害や治療例は?
対象となる主な障害:
・精神疾患
治療例:
・向精神薬
・精神科デイケア等
更生医療・育成医療
対象となる主な障害:
・肢体不自由
・視覚障害
・内部障害
治療例:
・関節拘縮
・人工関節置換術
・白内障
・水晶体摘出術
・心臓機能障害
・弁置換術
・ペースメーカー埋込術
・腎臓機能障害
・腎移植
・人工透析
自立支援医療制度が対象になるのは、精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症の方や、通院による精神医療を継続的に必要とする方です。
症状がほとんど消失している方でも、再発を予防するために通院治療を続ける必要があると判断された場合は対象となります。
精神通院医療の他、更生医療・育成医療にも適用され、心身の障害を持つ方のサポートをします。
更生医療では身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の方、育成医療では18歳未満で身体に障害を有する児童が対象です。
自立支援医療の対象となるサービス
- 病院
- 診療所
- 薬局
- 訪問看護ステーション
自立支援医療制度の対象となるサービスは上記のとおりです。各都道府県知事が指定した指定自立支援医療機関において自立支援医療制度を利用することができます。
病院や診療所だけでなく、スタッフが訪ねてくれる訪問看護ステーションも対象となっています。
自立支援医療制度を利用すると自己負担額が軽減できて治療を続けやすくなるので、まずは自治体の担当者やケアマネジャーなどに相談してみてください。
自立支援医療の負担限度額は?

基本的には1割負担なのですが、世帯の所得に応じた医療費の上限額が設定されているので、そちらも紹介いたします。
一定所得以下
0円
住民税非課税
(本人収入80万円以下)
負担上限月額2,500円
住民税非課税
(本人収入80万円超)
負担上限月額5,000円
生活保護世帯の場合、月0円の実質負担なしとなります。市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円以下の場合、月2,500円までです。
また、市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円を超える場合は月5,000円までとなっています。
簡略化した表になっていますが、詳しくは最寄りの役所窓口にて相談の上ご確認ください。
中間所得層
・医療保険の自己負担限度額
・育成医療の経過措置
・高額治療継続者
(重度かつ継続)の場合
負担上限月額:5,000円
住民税33,000円以上〜235,000円未満
・医療保険の自己負担限度額
・育成医療の経過措置
・高額治療継続者
(重度かつ継続)の場合
負担上限月額:10,000円
中間所得層は、住民税33,000円未満か住民税33,000円以上〜235,000円未満かで区分されます。
「重度かつ継続」の対象疾病とは、 認知症や高次脳機能障害等の器質性精神障害、統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病、躁うつ病等の気分障害などのことです。
その他、3年以上の精神医療の経験を有する医師によって「集中的・継続的な通院治療を要する」と診断された方も含まれます。
一定所得以上
住民税235,000円以上
負担限度額
・公費負担の対象外
(医療保険の負担割合・負担上限額)
・高額治療継続者(重度かつ継続)の場合
負担上限月額:20,000円
所得が一定以上ある方は、基本的には自立支援医療制度を受けることができませんが、「重度かつ継続」に該当すると判断されれば受けられます。
先述したとおり、「重度かつ継続」の対象疾病は認知症や統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病などのことで、精神疾患の場合は当てはまることが多いです。
一定所得以上の方でも、重度かつ継続に該当する場合はきちんと自立支援医療制度を受けることができるのでご安心ください。
自立支援医療を受けるまでの流れ

自立支援医療を利用するには、利用したい医療機関を申請書に記載し申請する必要があります。流れをチェックしていきましょう。
主治医に相談
自立支援医療制度を利用するにあたり、自立支援医療受給者証と自己負担額管理票が必要です。
先述した「重度かつ継続」に当てはまるかどうかは、医師の記載する診断書で判断されます。
自立支援医療制度を利用できる病態なのかを確認するためにも、まずは主治医の先生に相談してみることが大切です。
市役所で手続きをする
主治医に自立支援医療診断書を作成してもらったら、必要書類を揃えて市役所で手続きをします。
診断書の他、印鑑、保険証の写し、マイナンバー個人番号確認書類、市民税非課税の方は年収が分かるもの、課税(非課税)証明書などが必要です。
診察券やお薬手帳など、登録したい医療機関と薬局の所在地と名称が分かるものなども必要になります。
地域によって異なる場合もあるため、どんな書類が必要になるのか、事前に市役所に連絡をして確認することをおすすめします。
自立支援医療受給者証・自己負担額管理票が届く
手続きしてしばらくすると自立支援医療受給者証と自己負担額管理票が届きますが、1ヶ月以上かかる場合がほとんどですので早めに申請しましょう。
有効期限は市町村での受理日から1年間となります。(病状や治療方針によっては2年の場合もあります。)
引き続き制度を利用したい場合は再度手続きをしてください。有効期間が終了する3ヶ月前から再認定の申請ができます。
自立支援医療で受けられる精神科訪問看護とは?

「精神科訪問看護」も自立支援医療制度の対象サービスの一つですが、ここからは精神科訪問看護についてご紹介します。
精神科訪問看護の概要
サービス名 | 精神科訪問看護![]() |
---|---|
ケア内容 | ・日常生活の維持 ・生活技能の獲得 対人関係の維持など |
訪問日数 | 原則 週3日以内 |
精神科訪問看護は「精神科」に特化したサービスです。精神障害者の社会生活機能の回復を目的とし、さまざまサポートをおこないます。
医療従事者が訪問し、必要な看護・療養上必要な援助・社会復帰指導などをおこなうので、安心できる場所でサポートを受けられます。
訪問日数は原則週3日以内となっていますが、自己負担で多く通うことも可能です。自費で訪問看護を利用する場合は経済的負担が大きくなるのでよく検討しましょう。
お宅に訪問するスタッフは、精神障害の医療の分野で活躍する精神保健福祉士や看護師などの医療従事者で、安心して利用できます。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
サポート内容は上記のとおりです。精神科訪問看護では、個々の患者さんに応じたプログラムや治療、症状のコントロールをおこないます。
日常生活の援助や自立支援、症状の悪化防止だけでなく、家庭・社会的問題の解決もお手伝いします。
訪問するスタッフは精神障害の分野で活躍するスタッフなので、病気を理解した上で症状と上手に向き合うことができます。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!

最後に、東京都内で精神科医療に特化した訪問看護サービスを提供しているシンプレ訪問看護ステーションをご紹介します。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
・統合失調症
・双極性障害
・アルツハイマー型認知症
・適応障害
・アルコール依存
・薬物依存
・知的障害など
主な看護内容
・生活支援
・自立支援
・症状の悪化防止
・服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、さまざまな精神疾患に対応しています。
認知症や統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病などについても気軽に相談ができます。
シンプレ訪問看護ステーションには精神疾患に関する専門的な知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、幅広い病状に対応可能です。
看護師など専門職のスタッフが定期的にお宅を訪問し、家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるよう支援を行いますのでお気軽にご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区
シンプレ訪問看護ステーションの拠点は新宿高田馬場で、対応エリアは上記のとおりです。
記載しているエリアを中心に行っていますが、他のエリアの方も対応が可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせをください。
また、シンプレ訪問看護ステーションは24時間365日体制です。必要時には緊急訪問看護を提供できる体制を整えていますので、安心してご利用いただけます。
まとめ

根本的な治癒が難しいとされる精神疾患は長く付き合っていかなければならないもので、家計の負担を圧迫するケースが多いです。
経済的負担を減らすために「自立支援医療制度」というものがあるので、サポートが必要な方はぜひご利用ください。
自立支援医療制度は病院や診療所、訪問看護ステーションといった各都道府県知事が指定した指定自立支援医療機関が対象となっています。
シンプレ訪問看護ステーションでも精神科に特化した「訪問看護サービス」を提供しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。