PTSDの治し方を徹底解説|症状・原因・治療法・回復のためのサポートまで【シンプレ訪問看護】
「PTSDの治し方を知りたい」「つらい記憶を少しでも楽にしたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、過去の出来事が原因で現在の生活に影響を及ぼす精神的な障害です。
本記事では、PTSDの治し方について、原因や症状、治療法などを分かりやすく解説します。
また、回復をサポートする精神科訪問看護についてもご紹介しますので、治療の一歩を踏み出したい方はぜひ参考にしてください。
PTSDとは?
PTSDの概要
PTSDとは「心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder)」の略で、命の危険を感じるような体験や事故、災害、虐待、暴力などが原因で発症する精神疾患です。
トラウマ体験が記憶として心に強く刻まれることで、時間が経っても恐怖や不安、過去の出来事の再体験といった症状が現れることがあります。
特に日本では災害や犯罪被害などがきっかけで発症するケースも少なくありません。
適切な治療を受けることで症状を緩和できるため、「PTSDの治し方」を知っておくことは非常に大切です。
原因と種類
単純性PTSD
PTSDは原因となる事柄によって、2つに分けられています。その1つが単純性PTSDで、突発的な事故や大きな災害で命の危機を体験することで発症するPTSDです。
命に係わる大きな事柄を体験すると、人は心に大きな傷を負います。ただし、PTSDが発症した人すべてに治療が必要なわけではありません。
症状が軽ければ、時間が経つにつれて記憶が薄れPTSDの症状が軽減する方も一定数存在します。
複雑性PTSD
長期間にわたって虐待を受けたり、繰り返し暴力を受けたような人は、心が深く傷ついてしまい、トラウマ体験が蘇ってフラッシュバックなどの症状が現れることがあります。
このように、長期的・慢性的に恐怖感にさいなまされ、身震いするようなつらい出来事を体験した人が発症することが多いPTSDを複雑性PTSDといいます。
PTSDの症状って何があるの?
再体験症状
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の代表的な症状のひとつが「再体験症状」です。
トラウマ体験を思い出すきっかけがあると、まるでその出来事をもう一度経験しているかのように感じてしまいます。
これを「フラッシュバック」と呼び、音や匂い、ニュース映像などが引き金となって突然起こることもあります。
再体験が繰り返されることで、日常生活に支障をきたしたり、強い恐怖や焦りを感じることがあります。
そのため、PTSDの治し方を考える際には、この再体験症状のコントロールが重要なポイントとなります。
回避症状
PTSDのもう一つの特徴が「回避症状」です。
トラウマ体験を思い出すような場所・人・会話・状況を避けようとする行動が見られます。
例えば、事故現場に近づけない、関連する話題を拒否するなどの行動が該当します。
これは無意識の防衛反応であり、心を守るための自然な反応ともいえますが、あまりに避け続けると社会生活が制限され、孤立につながる可能性もあります。
PTSDの回復のためには、専門家のサポートを受けながら少しずつ心の負担を軽くしていくことが大切です。
過覚醒症状
PTSDの人は常に緊張状態にあり、音や光などに敏感に反応してしまうことがあります。
これを「過覚醒症状」と呼びます。
具体的には、寝つきが悪い、ちょっとした物音で目が覚める、集中力の低下、怒りっぽくなるなどの症状が挙げられます。
心が常に警戒モードになっているため、リラックスすることが難しく、身体的な疲労もたまりやすくなります。
過覚醒症状が続くと、自律神経の乱れや不眠症などを併発するケースもあるため、早めの治療と生活環境の見直しが必要です。
PTSDの治し方をチェック
薬物療法
PTSDの治療では、まず「薬物療法」が行われることがあります。
抗うつ薬や抗不安薬を中心に、症状の緩和や気分の安定を目的として処方されます。
代表的なものに、パロキセチンやセルトラリンといったSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)があります。
これらの薬は脳内のセロトニンの働きを整え、不安や緊張を和らげる効果があります。
ただし、薬はあくまで症状をコントロールするためのサポートであり、根本的な「PTSDの治し方」には、心理療法との併用が大切です。
服用にあたっては、必ず医師の指導を受けて正しく行うようにしましょう。
持続エクスポージャー療法(PE療法)
PTSDの治療で多く用いられているのが、持続エクスポージャー療法(PE療法)です。
これは、トラウマ体験の記憶や状況を安全な環境の中で少しずつ思い出す「暴露療法」の一種です。
繰り返し思い出す練習を行うことで、心がその出来事に慣れていき、恐怖や不安の反応が徐々に弱まっていきます。
最初はつらく感じることもありますが、専門のセラピストと一緒に進めることで安全にトラウマの影響を減らすことができます。
眼球運動脱感作療法(EMDR)
EMDR(眼球運動脱感作療法)は、トラウマ体験を思い出しながら目を左右に動かすことで、脳の神経処理を促す心理療法です。
セラピストの指示に従って目を動かすことで、脳が記憶を再処理し、不快な感情を軽減する効果が期待できます。
薬物療法と異なり、副作用が少なく、欧米でも高い効果が認められている治療法です。
対人関係療法
PTSDによって、人とのつながりを感じにくくなったり、孤立感を抱くことがあります。
対人関係療法では、周囲の人との関係を見直し、コミュニケーションの再構築を目指します。
他者との関係性を取り戻すことが、トラウマからの回復につながる大切なステップとなります。
特に、信頼できる支援者との関係を築くことは、心の安定と安心感を取り戻す助けになります。
セルフケアの方法
生活習慣の改善
PTSDの治療と並行して、生活リズムを整えることも大切です。
バランスの取れた食事や十分な睡眠、軽い運動を取り入れることで、ストレス耐性を高められます。
また、カフェインやアルコールの摂取を控えることも、心の安定に役立ちます。
リラクゼーション法
深呼吸や瞑想、ヨガなどのリラクゼーションを取り入れることで、緊張や不安をやわらげることができます。
特に、腹式呼吸は自律神経を整える効果があり、過覚醒状態を落ち着かせるのに役立ちます。
自宅でできる簡単な方法から取り入れてみましょう。
信頼できる人に話す・支援を求める
PTSDの治療を進めるうえで、一人で抱え込まずに信頼できる人に相談することが大切です。
家族や友人、医療スタッフなど、あなたの話を受け止めてくれる人とつながることで、孤立感を減らすことができます。
また、精神科訪問看護などの支援サービスを利用することで、回復のスピードを高めることもできます。
PTSDと併発しやすい疾患
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、単独で発症することもありますが、他の精神疾患と併発するケースも少なくありません。
トラウマによって心身が疲弊し、うつ病や不安障害、アルコール依存症などを引き起こすことがあります。
これらの疾患は互いに影響し合うため、PTSDの治し方を考える際には、併発疾患のケアも欠かせません。
それぞれの特徴と対処法を確認していきましょう。
うつ病
PTSDと特に併発しやすいのが「うつ病」です。
トラウマによって自信や希望を失い、気分の落ち込みや無気力、睡眠障害などが続く状態が見られます。
うつ病を放置すると、回復意欲の低下や自殺念慮につながる危険もあります。
薬物療法に加えて、心理的サポートや生活リズムの改善を組み合わせることで、症状の軽減が期待できます。
PTSDとうつ病の双方にアプローチする治療を受けることが重要です。
不安障害
不安障害もPTSDと併発しやすい疾患のひとつです。
強い緊張感や恐怖が続き、動悸・息苦しさ・震えなどの身体症状を伴うこともあります。
トラウマ体験によって「またあのことが起きるのでは」と感じるため、外出や人との交流を避けてしまう傾向があります。
カウンセリングや認知行動療法で不安の原因を整理し、少しずつ安心できる生活を取り戻すことがポイントです。
アルコール依存症
PTSDのストレスを和らげるためにアルコールに頼ってしまうケースもあります。
しかし、飲酒を続けるとアルコール依存症を引き起こし、心身の状態を悪化させてしまいます。
アルコールは一時的に気分を紛らわせても、根本的な解決にはなりません。
医療機関や専門のリハビリプログラムを利用して、ストレスの原因であるPTSDそのものの治療を進めることが大切です。
睡眠障害
PTSDの患者さんは、トラウマを思い出す悪夢や強い不安のために眠れなくなることがあります。
寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早く起きてしまうなどの症状が続くと、心身の疲労が増し、PTSDの症状が悪化することも。
睡眠環境を整え、医師の指導のもとで適切な薬やリラクゼーション法を取り入れることが有効です。
特に、睡眠の質を高めることは、PTSDの回復を支える重要なステップです。
治療の手助けができるのは精神科訪問看護
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の回復には、専門的な治療だけでなく、日常生活のサポートも欠かせません。
そこで役立つのが「精神科訪問看護」です。
自宅にいながら看護師や作業療法士の支援を受けられるため、治療を続けやすく、安心して療養できる環境が整います。
PTSDの治し方を実践していくうえで、訪問看護は心のケアと生活支援の両面から回復を支える大切な存在です。
訪問看護とは?
訪問看護とは、医師の指示のもとで看護師がご自宅を訪問し、健康管理や服薬支援、生活面のアドバイスなどを行う医療サービスです。
精神科訪問看護では、PTSDやうつ病、不安障害などの精神疾患を抱える方を対象に、症状の観察やコミュニケーションを通じて再発予防をサポートします。
自宅療養を選ぶ方にとって、通院の負担を軽減しながら安心して治療を続けられるメリットがあります。
精神科訪問看護のメリット
精神科訪問看護には、通院治療では得にくい利点がいくつもあります。
自宅という安心できる環境で看護を受けることにより、患者さんの心の状態が安定しやすくなるのです。
ここでは、訪問看護を利用する主なメリットを3つご紹介します。
自宅でリラックスして看護を受けられる
精神的な不安が強い方にとって、外出や病院への通院は大きな負担になります。
精神科訪問看護では、住み慣れた自宅で療養できるため、心身のリラックス効果が高く、安心して治療に取り組むことができます。
定期的な訪問により孤独感が軽減され、「ひとりではない」という安心感を得られる点も大きなメリットです。
コミュニケーションによる病状の観察
訪問スタッフは、会話や表情、生活の様子を通じて病状の変化を細かく観察します。
たとえば、食欲の低下や睡眠リズムの乱れなどを早期に把握し、医師への報告や生活改善のアドバイスにつなげます。
小さな変化を見逃さないことが、再発防止や症状の安定につながるのです。
他の福祉サービスとの連携がとりやすくなる
訪問看護を利用することで、他の支援機関との連携もスムーズになります。
就労支援センターや行政サービスなど、社会復帰を目指す支援にもつながりやすくなります。
看護スタッフが関係機関との調整をサポートしてくれるため、ひとりで抱え込まずに安心して支援を受けられます。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレ訪問看護ステーション
シンプレ訪問看護ステーションは、PTSDやうつ病、統合失調症、発達障害など、精神疾患をお持ちの方を対象とした訪問看護サービスを提供しています。
患者さま一人ひとりの気持ちに寄り添い、自分らしい生活を取り戻せるようサポートするのが私たちの使命です。
PTSDの治し方のひとつとして、医療と生活支援の両面から支える「精神科訪問看護」を選択される方が増えています。
医師や病院、行政、福祉機関と連携しながら、退院後の生活支援や服薬管理、再発予防、社会復帰に向けたサポートを行っています。
利用者さまが安心して暮らせるよう、看護師や作業療法士が定期的に訪問し、継続的なケアを提供します。
シンプレ訪問エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
今後はさらに事業を拡大していく予定となっており、上記エリア外でも対応できる場合もあります。
お気軽に電話や問い合わせフォームでお問い合わせください。
また、シンプレでは以下のような制度を活用し、利用者さまの経済的負担を軽減しています。
- 自立支援医療制度(精神通院)
- 心身障害者医療費助成制度
- 子ども医療費助成制度
- 生活保護による医療費支援
介護保険をお持ちの方でも、「精神科訪問看護」は医療保険が適用されます。
費用面のご相談も含めて、安心してご利用いただけます。
私たちシンプレは、患者さまの回復を一緒に見守りながら、「もう一度、自分らしい毎日を送る」ための支えとなります。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
PTSDの症状と治療法の整理
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、過去のつらい体験が原因で、心に深い傷を残してしまう疾患です。
症状には、再体験・回避・過覚醒などがあり、これらは日常生活に大きな影響を与えることがあります。
治療法としては、薬物療法・持続エクスポージャー療法・EMDR・対人関係療法などが効果的で、セルフケアの実践も大切です。
PTSDの治し方は一人ひとり異なりますが、医療と心理の両面から支援を受けることで、確実に回復への道を進むことができます。
早期に治療を始める重要性
PTSDは時間の経過で自然に良くなることもありますが、多くの場合、専門的な治療を早期に始めることが改善への近道です。
症状を放置すると、うつ病や不安障害などを併発する可能性が高まります。
早めに受診し、信頼できる医師やカウンセラー、訪問看護などと協力しながら、自分に合った治療を進めることが大切です。
早期の対応が、心の安定と社会生活の回復につながります。
一人で抱え込まず相談することが回復への第一歩
PTSDの症状に苦しんでいる方は、「自分だけがつらい」と感じてしまうことが多いですが、決して一人ではありません。
専門の支援を受けることは、弱さではなく「回復への前向きな行動」です。
もし、外出や通院が難しい場合は、精神科訪問看護を利用するのも選択肢のひとつです。
シンプレ訪問看護ステーションでは、PTSDをはじめとした精神疾患をお持ちの方に寄り添い、生活支援と再発予防をサポートしています。
一歩を踏み出す勇気が、あなたの未来を変える最初のきっかけになります。
どんな小さな不安でも、まずはご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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