学習障害は遺伝するの?関係性や特徴について簡易チェックしよう

学習障害(LD)はこどもの頃に見つかった後も一生つきあっていく病気です。
学習障害には生まれつき要因とこどもが育つ環境の要因があります。こどもが学習障害かもしれないと感じたら早めの対策が必要となります。
学習障害に困っていて、生活のサポートを必要としている方はシンプレまでお気軽にご相談ください。
学習障害と遺伝の関係
学習障害の遺伝確率
- 学習障害は生まれつきの特性
- 遺伝的要因は強いが明確な原因は不明
学習障害は生まれつきの脳の機能障害ではないかと言われており、なかでも身体へ指令を出す脳や脊髄などの中枢神経に障害があると言われています。
中枢神経は指揮官として身体の各部を動かす機能を持っており、この部分に異常がある場合に学習障害になることが多いと考えられています。
現在のところ親から子への遺伝はなんらかの関連があると考えられていますが、はっきりとしたことがわかっておらず明確な結果はでていません。
学習障害になりやすい遺伝子を受け継いだとしてもそれだけでは発症せず、環境の影響を受けて発症するため、同じ親から産まれた兄弟姉妹でも発症する子としない子がいます。
学習障害は男児に多い
学習障害は小中学生の5〜15%にみられると言われており、30人クラスの中に1.5〜4.5人いる計算になります。
小学低学年ではかなの読み書きでつまづくことが多く、高学年になってくると漢字の音読み訓読みができないなどで気づくことが多く見られます。
男女のどちらにも見られる可能性がありますが、男女比は2〜3対1で他の発達障害と同じように男児に多いと言われています。
発達障害全般に男児が多く見られるのは、染色体が関係しているのではないかと言われていますが明確な結果は出ていません。
学習障害は発達障害の1つ
学習障害とは
学習障害とは、知的発達には遅れが見られないものの、読み書きや計算能力など特定の能力に限定して遅れが見られる発達障害を言います。
知能の低下が見られないため、学習障害によって苦手なことが「やる気がない」「努力が足りない」と誤解されることもあり、本人はとても苦しんでいることがあります。
「学校に行きたくない」や勉強や普段の生活へのやる気が下降している背景には、学習障害が隠れているかもしれません。
学習障害は現在のところ手術や内服などでの根本的な治療法はありませんが、環境を調整したり適切なサポートを受けることで困難に感じていることを軽減できると言われています。
学習障害の種類
学習障害には、読字の障害を伴うもの、書字表出の障害を伴うもの、算数や計算の障害を伴うものの3つのパターンがあります。
読字障害
文字を読むことに障害があり、乳幼児では発音がはっきりできず、はなし始めが遅くなるほか、入学後は文章を読むことにつまづいたり、文字の書き取りが苦手と感じたりするなどの症状がみられます。
学習障害の中で一番多くみられ「音読が苦手で読むのが遅い」「形の似ている文字を見分けにくい」などの特徴もみられます。
書字障害
文字を読むことはできるのに書くことが苦手で、鏡文字になったり、マスや行からはみだした文字を書く、文法がうまく使えず適切に句読点を使えない、などの症状が特徴です。
手と目、手と足などを同時に使う協調運動の障害も見られるため、自転車をこぐ、ボタンを留めるといったことがうまくできない、できても非常に時間がかかるなど、年齢や知能面とは不釣り合いな行動が見られます。
算数障害
算数・計算する、考えて答えを導き出すことに障害があり、数を数えられない、「多少」という抽象的なイメージができない、数字や数式を理解できないといった症状がみられます。
簡単な計算でも難しく感じ、数の大小の理解が困難なことが多く、筆算や九九、繰り上がり繰り下がり計算など、算数の内容が難しくなるにつれて理解度がさらに低くなってしまいます。
小学校就学前の学習障害
はなし始めや言葉や文字を覚えるのが遅いことや、身体の使い方やバランスがぎこちなくスキップができない、ボタンが留められない、ハサミやのりが使えないなどの手先の不器用さが見られることがあります。
見られていた症状が学習障害だった、と後でわかることはありますが、就学前の段階では成長過程との判断がつきにくいため、この時期は経過を見ていき、就学後に判断することとなります。
成人の学習障害
学習障害は生まれつきの障害であり成人になって発症することはありませんが、周囲に気づかれず成長し、仕事や社会生活で困った経験から診断を受けてわかる場合があります。
言われたことが理解できずに同じような失敗をしたり、お釣りの計算ができなかったりといった症状が見られるときには学習障害の可能性があります。
学習障害の診断
出生前や乳児での診断は難しい
個人差がとても大きく生まれつきの特性であり、見た目の形態には異常がないため、出生前の診断では判断が難しいとされています。
「後から考えるとあの症状は…」と思い当たることがあったとしても、その時点では正確な診断はできず成長とともにわかるようになってきます。
幼児期ではことばの発達の遅れや手先の不器用さ、みんなで遊ぶことが苦手でボタンのかけはずしができない、はさみやのりがうまく使えないといった症状から発見につながることがあります。
しかしいずれの場合にも、成長過程との判別が難しいため、この時期の診断は困難な場合が多く経過をみて診断を受けることになります。
児童期以降に判明することが多い
就学前までは学習障害の傾向があっても知的面の遅れはなく気づく機会が少ないため、本格的に学習を始める小学校入学後に判明することが多くみられます。
学習障害の場合には漢字を繰り返し練習しても、計算問題をたくさん解いても症状は改善せず、家庭での育て方やしつけは問題ではありません。
学習障害をもつ子どもの症状やサポートはそれぞれ異なりますが、環境を整えたり勉強方法を工夫したりすることで困難さを軽減することができると言われています。
音読が極端に苦手だったり、数は数えられるのに計算だけができないなどの症状が見られるときには、地域の発達相談窓口や発達障害の診断ができる医療機関で相談してみましょう。
学習障害の検査
学習障害の検査 | 検査方法 |
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1![]() |
知的機能検査 |
2![]() |
ひらがな音読検査 |
3![]() |
その他補足検査 |
学習障害の検査は子どもの場合、発達障害を専門とする小児科で受けることができますが、成人の場合には専門性がある医療機関が限られているので事前に確認する必要があります。
まずは問診で妊娠経過から出産時、今までの生育・養育歴、既往症や家族歴、現在の症状や困りごとなどを確認します。
またそれと並行して脳の器質的な病気や異常、てんかんがないかを脳波検査、頭部CTやMRIなどで検査します。
そして年齢に合わせた知能検査や認知能力検査などの心理検査を行い、総合的に学習障害があるかを判断します。
学習障害の簡易チェックリスト
それぞれの障害には以下のような症状が見られますので、心配な症状が見られるときには一度チェックしてみましょう。
読字障害
読字障害では文章の意味やつながりを意識して読むことができず一字一字を読むため、音読み訓読みの使い分けができなかったり、単語の途中で区切って読んでしまったりすることがあります。
特殊音節には拗音(きょうしつ)、促音(はっぱ)、長音(いもうと)、撥音(べんきょう)の4種類があり、これらを読んだり書いたりするところでつまずくことが多くみられます。
書字障害
自分では文字を正しく書いているつもりでも鏡文字を書いてしまったり、小学一年の終わりになってもひらがなを書くことができないなどの症状が見られます。
文字を形成する部分の大きさや位置関係を捉えたりすることが苦手で、文字の形や大きさがバラバラになってしまいマス目や行からはみ出してしまうことがあります。
読字障害・書字障害の合併
読字障害があると書字障害も併せて見られることが多く、正しい単語認識ができず、表記されている文字を声に出すことが苦手であるという特徴がみられます。
文章の理解ができず本を読む機会が減るため、語彙力や知識を得られる機会が減り、勉強についていけず不登校になったり、コミュニケーション能力が養われなかったりなど、社会適応に支障がでることがあります。
算数障害
数字や「+」「-」などの記号を認識することが苦手なため、書かれている数字や数式を理解できず、簡単な計算を難しく感じたり数の大小の理解が困難に感じたりします。
推測することや視覚的な認識が苦手なため、図形を理解できなかったり、文字のバランスや間隔が合わせられず、筆算の桁が揃わないなどの症状が見られます。
学習障害をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
- 精神疾患に特化
- 利用者様の自主性を尊重
- 利用者様それぞれに合わせた親身な対応
- 医療機関や行政との連携
精神疾患に特化した訪問看護ステーションで都内を中心に展開しており、発達障害をはじめうつ病や認知症、統合失調症など精神疾患をもつ方のご自宅へ訪問しています。
精神疾患に関する専門知識や経験を持つ看護師が在籍し、疾患だけでなく日常生活や社会生活なども含めてサポートいたします。
利用者様の大切にしている考え方や生活背景を尊重し、その人らしく安心して自宅療養できるように支援します。
また訪問している看護師だけでなく地域全体でサポートできるように、必要時には各医療機関や行政とも情報共有しながら連携を図ります。
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お問い合わせには電話のほかにメールでも受け付けておりますので、営業時間外の場合にはこちらもご利用いただけます。
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まとめ
学習障害は脳や脊髄などの中枢神経に障害があると言われており、またなりやすい遺伝子を受け継いだとしてもそれだけでは発症せず環境の影響を受けて発症すると言われています。
知的面の遅れはなく、就学前まではその傾向があっても気づかれないことが多くあり、「頑張りが足りない」「勉強不足」という誤解を受け、本人はとても苦しんでいることがあります。
学習障害は根本的な治療法が確立していませんが、環境を整えたりサポートの仕方を工夫することで苦手な分野を補うことができます。
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、あなたらしく生活できる環境を作り、悩んでいる方やそのご家族を支援いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
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