PTSDの原因とは?なりやすい人の特徴・症状・治療法まで解説
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、誰にでも起こり得る精神疾患の一つです。戦争体験や自然災害、交通事故、暴力被害など、強い恐怖やショックを伴う出来事がきっかけとなり、心や体に深い影響を及ぼします。時間が経過しても不安や恐怖が消えず、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。本記事では、PTSDの原因を中心に、症状や治療方法、支援の選択肢について分かりやすく解説します。ご自身やご家族に心当たりがある方は、ぜひ最後までご覧ください。
PTSDの原因

PTSDの原因は一つではなく、人それぞれの体験や置かれた状況によって異なります。一般的には、命の危険を感じるような出来事や、強い恐怖・無力感を伴う体験が引き金となり、心に深い傷が残ることで発症すると考えられています。特に、出来事が突然起こり、逃げ場がないと感じた場合や、強いショックを受けたまま十分なケアを受けられなかった場合は、PTSDの原因として影響が長期化しやすい傾向があります。
また、同じ出来事を経験してもPTSDを発症する人としない人がいる点も特徴です。これは、性格傾向や過去のトラウマ経験、周囲のサポート環境などが複雑に関係しているためです。例えば、相談できる人がいない状態で強いストレスを抱え続けると、心の回復が追いつかず、症状として表面化しやすくなります。PTSDは「心の弱さ」が原因ではなく、誰にでも起こり得る反応であることを理解することが大切です。
- 自然災害(地震、洪水、津波など)
- 交通事故
- 暴力被害(DV、虐待、性的暴行など)
- テロ事件
- 重大な病気の診断
- 幼少期のトラウマ
- 愛する人との突然の別れ
これらの体験は、日常では想像しにくいほどの精神的負荷をもたらします。特に幼少期の体験や、繰り返し起こる暴力・虐待などは、成長後も影響が残りやすいとされています。出来事から時間が経っても恐怖や不安が消えない場合は、心が危険から身を守ろうとしているサインかもしれません。早めに原因を理解し、適切な支援につなげることが、回復への第一歩となります。
PTSDになりやすい人の特徴とリスク要因

PTSDは、特別な人だけが発症する病気ではなく、強いストレス体験をすれば誰にでも起こり得ます。しかし、同じ出来事を経験しても発症の有無や症状の重さに差が出ることがあり、その背景にはいくつかの特徴やリスク要因が関係しています。PTSDの原因をより深く理解するためには、こうした個人差にも目を向けることが重要です。
まず、過去にうつ病や不安障害などの精神疾患を経験したことがある方は、ストレスへの耐性が低下している場合があり、PTSDを発症しやすい傾向があるとされています。また、幼少期に虐待やネグレクトなどのトラウマ体験がある場合、大人になってからの強いショックが引き金となり、症状が表れやすくなることもあります。これらは本人の性格や努力の問題ではなく、これまでの環境や経験が影響している結果です。
さらに、出来事の直後に十分な休養が取れなかったり、気持ちを吐き出せる相手がいなかったりすると、心の整理が追いつかず、恐怖や不安が長く残ってしまうことがあります。特に、周囲に理解者が少ない環境では、「自分が弱いからつらいのではないか」と自責の念を抱え込みやすく、症状が悪化するケースも見られます。サポートの有無は、回復のスピードや安定度に大きく影響します。
また、真面目で責任感が強く、感情を表に出すのが苦手な人ほど、つらさを一人で抱え込みやすい傾向があります。その結果、心身が限界を迎えたときに、フラッシュバックや過覚醒といった形で症状が現れることも少なくありません。PTSDになりやすい特徴があるからといって悲観する必要はなく、早い段階で適切なケアや支援につながることで、症状の軽減や再発予防が十分に期待できます。
このように、PTSDの発症には体験そのものだけでなく、性格傾向や過去の経験、周囲の支援体制など複数の要素が関係しています。自分自身や家族がリスク要因に当てはまると感じた場合は、無理に一人で抱え込まず、専門家への相談を検討することが大切です。
PTSDの症状

PTSDの症状は、トラウマとなる出来事を経験したあと、しばらく時間が経過してから現れることも多く、自分では原因に気づきにくい場合があります。症状の現れ方には個人差がありますが、大きく分けると「記憶に関する症状」「気持ちや行動の変化」「身体や神経の過敏さ」に関するものがあり、これらが複雑に絡み合うことで日常生活に支障をきたします。PTSDの原因となった体験が心の中で処理しきれず残っている状態が、さまざまな不調として表面化すると考えられています。
トラウマ体験を突然鮮明に思い出してしまう
悪夢
トラウマ体験に関する悪夢を見る
回避
トラウマ体験を思い出させるような場所や人を避ける
興奮状態
常に緊張状態が続いたり、ちょっとした刺激で過剰に反応してしまう
感情の麻痺
喜びや悲しみなどの感情を感じにくくなる
集中力の低下
集中力が持続せず、仕事や勉強に支障が出る
これらの症状の中でも、特に多くの方が悩まされるのがフラッシュバックです。突然、当時の映像や音、感情がよみがえり、まるで再び同じ体験をしているかのような感覚に襲われます。また、常に神経が張りつめた状態が続く「過覚醒」では、物音や人の気配に過敏になり、眠れなくなるケースも少なくありません。こうした状態が続くと、心身ともに疲弊し、仕事や家事、人間関係にも影響が及びます。
さらに、つらい記憶を避けようとする回避行動が強まると、外出や人付き合いを極端に控えるようになり、孤立感が深まることがあります。その結果、うつ病や不安障害などの二次的な精神疾患を併発する場合もあり、早めの対応が重要です。PTSDの症状は「気の持ちよう」では改善しにくく、専門的な理解と継続的な支援が回復への鍵となります。
PTSDの治療

PTSDの治療は、原因となった体験や現在の症状の強さ、生活環境に応じて段階的に進めていくことが大切です。強い不安や恐怖が続く状態では、日常生活そのものが負担となるため、無理に一人で乗り越えようとせず、専門的な治療を受けることが回復への近道となります。PTSDの原因に直接向き合いながら、心と体の両面を整えていくことが治療の基本的な考え方です。
心理療法
曝露療法や認知処理療法など、トラウマ体験への対処方法を学ぶ
薬物療法
抗うつ薬や抗不安薬など、症状を軽減するための薬を使用する
グループ療法
同じ体験をした人たちと話し合い、互いに支え合いながら回復を目指す
心理療法では、つらい記憶を少しずつ整理し、安全な形で向き合う練習を行います。最初は抵抗や不安を感じる方もいますが、専門家のサポートのもとで進めることで、記憶に振り回されにくくなる効果が期待できます。一方、薬物療法は、不眠や強い不安、抑うつ気分などを和らげ、心身の負担を軽減する目的で行われます。治療は単独ではなく、状況に応じて組み合わせるケースが一般的です。
PTSDの治療は短期間で完結するものではなく、回復には時間がかかることも少なくありません。しかし、適切な治療と支援を継続することで、症状が落ち着き、日常生活を取り戻していくことは十分に可能です。焦らず、自分のペースを大切にしながら取り組む姿勢が重要となります。
訪問看護という選択肢
PTSDの症状が強く、通院そのものが負担になっている方にとって、訪問看護は現実的で心強い選択肢の一つです。自宅という安心できる環境で支援を受けられるため、外出への不安が強い方でも治療を継続しやすくなります。訪問看護では、服薬状況の確認や生活リズムの調整、気持ちの整理をサポートする相談対応などを行い、日常生活全体を支えます。
- 薬の服薬指導
- 心理的なサポート
- 生活習慣の指導
- 社会資源の紹介
「一人では不安」「誰かに見守ってほしい」と感じている方にとって、定期的に訪問してくれる存在は大きな安心につながります。治療と生活支援を同時に進められる点も、訪問看護ならではのメリットです。
PTSDでお悩みならシンプレ訪問看護ステーションへ

PTSDは、適切な治療や支援を受けることで、少しずつ症状の安定や生活の立て直しを目指すことができる疾患です。しかし、強い不安や恐怖、外出への抵抗感から「病院に通うこと自体がつらい」と感じている方も少なくありません。そのような場合、自宅で支援を受けられる訪問看護は、PTSDの原因や症状と向き合うための現実的な選択肢となります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、PTSDをはじめとした精神疾患に特化した訪問看護を行っており、利用者様一人ひとりの状況やペースを大切にした支援を心がけています。トラウマ体験を無理に語らせることはせず、不安や緊張が強い時期には、安心して日常を送るための関わりを重視します。「安心できる関係性」を築くことが、回復の土台になると考えているからです。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
当ステーションには、精神科訪問看護の経験を積んだ看護師・准看護師・作業療法士が在籍しており、医療的な視点と生活支援の両面からサポートを行います。服薬管理や体調確認だけでなく、生活リズムの調整、再発予防に向けた関わり、社会復帰に向けたサポートまで幅広く対応しています。
また、東京23区を中心に、西東京市・武蔵野市・三鷹市・調布市・府中市・東久留米市、埼玉県の一部エリアに対応しており、祝日や土曜日の訪問も可能です。週1〜3回、1回30〜90分と、症状や生活状況に合わせた柔軟な訪問体制を整えています。医療保険や各種助成制度を活用できる点も、多くの方にとって安心材料となっています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
PTSDの原因まとめ

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、自然災害や交通事故、暴力被害、虐待、突然の別れなど、強い恐怖や無力感を伴う体験をきっかけとして発症します。これらの出来事は誰の身にも起こり得るものであり、PTSDの原因は決して特別なものではありません。大切なのは、体験の大きさそのものよりも、その出来事が心にどのような影響を与えたかという点です。
また、発症には体験後の環境や周囲のサポート体制も深く関係しています。つらい気持ちを誰にも打ち明けられない状態が続いたり、十分な休息やケアが受けられなかったりすると、恐怖や不安が心の中に残りやすくなります。その結果、フラッシュバックや過覚醒、回避行動といった症状が長期化し、日常生活に支障をきたすことがあります。これは心が弱いからではなく、強いストレスにさらされたことによる自然な反応です。
PTSDの治療では、心理療法や薬物療法を中心に、生活全体を整えていく支援が重要となります。特に外出や通院が難しい方にとっては、訪問看護を取り入れることで、安心できる環境の中で治療と生活支援を継続しやすくなります。早めに適切な支援につながることが、回復への大きな一歩となります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、PTSDを含む精神疾患に対し、専門的な知識と経験をもとに、一人ひとりの状況に寄り添ったサポートを行っています。もし不安やつらさを一人で抱え込んでいる場合は、無理をせず、相談できる選択肢の一つとして訪問看護を検討してみてください。
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