スモンと訪問看護|在宅療養を支える支援
スモン(亜急性脊髄視神経症)は、かつて整腸剤キノホルムの副作用によって起きた薬害として知られる神経の病気です。新たな発症はなくなったとされていますが、当時発症された方は高齢になり、下肢のしびれや歩きにくさといった症状とともに、ご自宅で長く療養を続けておられます。スモンの療養は、訪問看護を上手に使うことで在宅でも続けやすくなります。
このページでは「スモンと訪問看護」というテーマで、症状や原因をやさしくおさらいしたうえで、在宅での暮らしを訪問看護がどのように支えられるのか、医療保険・別表7による費用のしくみまで含めて整理します。「住み慣れた家で、これからも安心して暮らしてほしい」というご本人・ご家族の不安が、少しでも軽くなればと思います。
スモン(亜急性脊髄視神経症)とは?
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スモン(亜急性脊髄視神経症)は、かつて整腸剤として使われていたキノホルムによって起きた薬害として知られる神経の病気です。下肢のしびれや歩きにくさが長く続くことが多く、訪問看護では、こうした症状とともに暮らす方の在宅療養を支えています。新たな発症はなくなったとされていますが、当時発症された方は高齢になり、ご自宅での生活を続けておられます。
スモンはどんな病気か|薬害として広がった経緯
スモンは、英語名のSubacute Myelo-Optico-Neuropathy(亜急性脊髄視神経症)の頭文字をとった呼び名だといわれています。1950年代から1970年ごろにかけて、おなかの不調に対して処方されたキノホルムという整腸剤が原因で、全国で多くの方が発症したと伝えられています。原因が薬であると判明し、国はキノホルムの製造・販売・使用を中止しました。それ以降は新たな患者さんは生まれていないとされ、いまは当時発症された方の療養が中心になっています。
現在のスモン患者さんの状況|高齢化と新規発生のない病気
発症から数十年が経ち、患者さんの多くは高齢になっています。スモンは女性に多い傾向があるといわれ、現在は神経症状が慢性的に固定した状態で、しびれや歩きにくさ、視力の低下などとつき合いながら生活されている方が少なくありません。新たな発症がない一方で、加齢にともなう体の変化や持病が重なりやすく、在宅での見守りや医療的なサポートの必要性は続いていると考えられます。こうした背景から、訪問看護による在宅での支えが役立つ場面が多くなっています。
スモンの主な症状

スモンの症状は、まずおなかの不調から始まり、その後に神経の症状が現れるのが特徴だといわれています。下肢のしびれや歩きにくさが長く続くことが多い病気です。訪問看護では、これらの症状による生活のしづらさをやわらげ、ご自宅で安全に過ごせるよう支援します。
下肢のしびれ・歩行障害などの神経症状
スモンでは、足先から始まるしびれや、ジンジン・ビリビリといった異常な感覚が両足に出やすいとされています。感覚は左右ともにみられ、足の先のほうほど強い傾向があるといわれます。さらに、下肢の力が入りにくくなることで立ち上がりや歩行が不安定になり、重い場合には歩くことが大きく制限されることもあると考えられています。長く座る・立つといった日常の動作にも影響しやすく、転倒に注意が必要な場面が増えていきます。
視力障害・自律神経の症状
神経の症状は足だけでなく、目にも及ぶことがあるとされています。一部の方では視力の低下がみられることがあるといわれます。あわせて、便秘や排尿の困りごと、立ちくらみといった自律神経の不調が重なることもあると考えられています。こうした症状は日によって感じ方が変わることもあり、ご本人にとってはつらさを言葉にしにくい場合もあります。日々の小さな変化に気づける見守りが、暮らしの安心につながります。
高齢化にともなう合併症(白内障・高血圧・関節痛など)
発症から長い年月が経つなかで、スモンそのものの症状に加えて、加齢による体の変化が重なりやすくなっています。白内障や高血圧、関節の痛みなどを合併しやすいといわれ、慢性的な痛みや不眠、めまいなどに悩まされる方もいます。複数の不調が同時にあると、ご本人もご家族も「どこに相談すればよいか」と迷いがちです。気になる症状が続くときは、自己判断で抱え込まず、主治医やかかりつけ医に相談することが大切です。
スモンの原因|整腸剤キノホルムによる薬害

スモンの原因は、おなかの不調に使われていた整腸剤キノホルムにあることがわかっています。薬の副作用によって起きた薬害として広く知られています。原因が判明し薬が使われなくなったことで、いまは新たな発症はないとされ、訪問看護の現場で出会うのは、長く療養を続けてこられた方が中心です。
キノホルムとスモンの関係
キノホルムは、もともと下痢や腹痛などの腸の不調に対して使われていた整腸剤です。この薬の服用がスモンの発症につながったと考えられています。一説には、キノホルムによって体内のビタミンB12が不足することが関係しているともいわれていますが、詳しいしくみについては完全には解明されていないといわれています。いずれにせよ、原因となる薬が特定されたことが、その後の対策につながりました。
薬害としての経緯と現在の位置づけ
スモンは、原因が薬であると突き止められたあと、国がキノホルムの製造・販売・使用の中止を決めたとされています。これ以降、新しい患者さんは生まれていないといわれています。その一方で、すでに発症された方の症状は慢性的に続くため、長期にわたる療養と生活の支えが必要とされてきました。現在は、患者さんの健康管理や相談に応じるしくみも整えられており、在宅での暮らしを医療と福祉の両面から支える体制づくりが続いています。
スモンの治療と在宅での過ごし方

スモンの神経症状は慢性的に固定していることが多く、現在の治療は症状をやわらげる対症療法が中心だとされています。完治をめざす特効薬は確立されていないといわれますが、しびれや痛みへの対応、リハビリ、生活の工夫によって、在宅でも穏やかに過ごしやすくなります。訪問看護は、こうした日々のケアを医療面から支える役割を担います。
現在は対症療法が中心
スモンの症状の多くは長い時間をかけて固定しているとされ、治療はつらい症状を軽くすることを目的に進められます。下肢のしびれや痛みに対しては、神経の働きを整える薬や痛み止めなどが使われることがあるといわれています。どの薬をどう使うかは、症状の出方や体の状態によって一人ひとり異なるため、主治医が診察のうえで判断します。自己判断で薬を増やしたり減らしたりせず、気になることは処方した医師に相談することが大切です。
しびれ・痛みへの対応とリハビリ・体操
薬による対応に加えて、体を動かすリハビリや「スモン体操」と呼ばれる運動が取り入れられることもあるといわれています。関節がかたくなるのを防いだり、血のめぐりを保ったりする目的で、無理のない範囲で体を動かすことがすすめられる場合があります。ただし、体の状態に合わない運動はかえって負担になることもあるため、内容や頻度は専門職と相談しながら進めると安心です。訪問看護では、その方の状態に合わせて、こうした運動やケアを一緒に確認していきます。
在宅で気をつけたいこと(転倒・視力低下・生活の工夫)
在宅での暮らしでは、転倒の予防が大きなポイントになります。足のしびれや力の入りにくさ、視力の低下が重なると、ちょっとした段差でも転びやすくなります。手すりの設置や床の片づけ、滑りにくい履き物など、住まいの環境を整える工夫が役立ちます。また、日々の体調や気持ちの変化に早めに気づけるよう、見守りの目があると安心です。どんな備えが向いているかは、暮らしぶりに合わせて訪問看護や担当の専門職に相談してみるとよいでしょう。
スモンで訪問看護を利用するには|医療保険・別表7・費用

スモンで訪問看護を使うときは、多くの場合医療保険が適用されます。これは、スモンが医療保険で訪問看護を受けられる対象(別表7)に含まれているためです。費用や利用回数のしくみを知っておくと、これからの見通しが立てやすくなります。
スモンは別表7に該当し医療保険で利用できる
スモンは、医療保険で訪問看護を利用できる「別表7(厚生労働大臣が定める疾病等)」に含まれています。別表7に該当すると、年齢や要介護認定にかかわらず医療保険が優先されます。この区分は、申請して認めてもらうものではなく、主治医が診断にもとづいて訪問看護指示書に記載することで適用されます。介護保険の認定を受けている方でも、スモンであれば医療保険での訪問看護となる点が特徴です。
訪問の頻度・時間の目安
医療保険の訪問看護は、通常は週に3日まで、1回あたり30〜90分程度が目安とされています。ただし別表7に該当する場合は、週4日以上の訪問や、1日に複数回の訪問もできるようになります。実際にどれくらいの頻度で来てもらうかは、ご本人の状態やご家族の状況をふまえ、訪問看護ステーションや主治医と相談しながら決めていきます。これらの回数や時間は制度の改定で変わることもあるため、最新の内容は利用するステーションや市区町村の窓口で確認すると安心です。
費用のしくみと公費による負担軽減
訪問看護の費用は、医療保険の自己負担割合に応じて決まるのが基本です。スモンの場合、公費による医療費助成の対象とされ、自己負担が軽くなるしくみがあります。公費による助成は、手続きや対象の範囲が決まっており、年度によって内容が変わることもあります。どの制度が使えるか、どこに申請すればよいかは、市区町村の窓口や医療ソーシャルワーカー(MSW)、訪問看護ステーションに相談すると整理してもらえます。費用の見通しに不安があるときも、一人で抱え込まず早めに相談しておくと安心です。
訪問看護がスモンの方にできる在宅サポート

訪問看護では、看護師などの専門職がご自宅をたずね、健康状態の観察やケア、生活の相談に応じます。スモンの療養では、症状の変化に気づいて主治医につなぐことや、ご家族の負担をやわらげることも大切な役割です。ここでは、訪問看護が在宅でできる支援を具体的にみていきます。
体調の観察と主治医への橋渡し
訪問看護師は、訪問のたびに血圧や体温、しびれや痛みの様子、食事や排せつの状況などを確認します。小さな変化に早く気づき、主治医へ報告・相談することが大きな役割です。看護師が治療の方針を決めるのではなく、観察した内容を医師に伝え、必要な治療やケアにつなげる橋渡しをします。気になる症状があるときは、受診のタイミングについても一緒に考えてくれる心強い存在です。
服薬・しびれ・痛みのケア
スモンでは、しびれや痛みとつき合いながらの生活が続くため、薬の管理も大切になります。飲み忘れや飲み間違いがないよう確認したり、痛みやしびれの強さを記録して主治医に伝えたりといったサポートを行います。痛みのやわらげ方や楽な姿勢の取り方など、日々の困りごとに合わせた工夫も一緒に考えます。これまでご家庭で続けてこられたやり方も確認しながら、無理のない形でケアを組み立てていきます。
リハビリ・生活動作のサポート
体を動かしにくくなると、家の中での移動や着替え、入浴などの動作が負担になりがちです。残っている力を活かし、できる動作を保てるよう支援します。関節がかたくならないための簡単な運動や、安全に動くための工夫を、その方の状態に合わせて取り入れます。福祉用具や住まいの工夫が役立つこともあり、必要に応じて担当の専門職と連携しながら、暮らしやすい環境づくりを一緒に進めます。
ご家族の負担をやわらげる支援
在宅での療養では、医療的なケアに加えて、食事や入浴、移動の手助けといった暮らしの支えも必要になり、その多くをご家族が担うことになりがちです。訪問看護では、こうした介助のしかたを一緒に確認したり、訪問介護(ヘルパー)など使える制度・サービスの相談に乗ったりして、ご家族だけで抱え込まずにすむよう支えます。スモンの患者さんの多くは高齢のため、65歳以上で要介護の認定を受けている場合は、移動や入浴などの生活面の介助を訪問介護で、医療面のケアを訪問看護で、と役割を分け合うこともできます。どんな支えが使えるかは、ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談すると整理してもらえます。
スモンの在宅療養を支えるならシンプレ訪問看護ステーション

ここまでみてきたように、スモンの療養は、症状とつき合いながら在宅での暮らしを続けることが中心になります。その毎日を医療と生活の両面から支えるのが訪問看護です。シンプレ訪問看護ステーションでも、神経の難病や医療的なケアが必要な方の在宅生活をサポートしています。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師などの専門職がご自宅をたずね、体調の観察・服薬の管理・療養生活の支援を行います。シンプレは精神科の訪問看護に強みを持ちながら、医療や介護を必要とする方への訪問看護にも対応しています。スモンのように長く療養を続ける方に対しても、一人ひとりの状態やペースに合わせて、観察やケア、ご家族への相談支援を行います。主治医や関係する専門職と連携しながら、住み慣れたご自宅での暮らしを続けられるよう支えます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
シンプレ訪問看護ステーションでは、上記のエリアを中心に訪問しています。訪問の頻度は週1〜3回ほどが目安で、状態によっては週4回以上の訪問にも対応します。1回の訪問はおおむね30〜90分で、土曜・祝日のご相談にも応じています。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談もお受けしていますので、「家でやっていけるか不安」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ|スモンの在宅生活は訪問看護で支えられる

スモン(亜急性脊髄視神経症)は、かつてキノホルムによって起きた薬害として知られる神経の病気で、いまは当時発症された方が高齢になりながら在宅で療養を続けておられます。下肢のしびれや歩きにくさとつき合う毎日を、訪問看護が在宅で支えます。スモンは別表7に該当するため、多くの場合は医療保険で訪問看護を利用でき、公費による助成で費用の負担が軽くなるしくみもあります。
体調の観察や薬の管理、リハビリ、ご家族への支援まで、訪問看護が担える役割は幅広く、住み慣れた家での暮らしを続ける助けになります。「家で看ていけるだろうか」と不安を感じたら、まずは主治医や訪問看護ステーション、お住まいの市区町村の窓口に相談してみてください。早めに相談しておくことで、これからの見通しが立てやすくなります。
ご相談の問い合わせはこちら▼
※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。制度の内容や保険のあつかい、費用は年度の改定・地域・ご本人の状態により異なる場合があります。参考:難病情報センター/厚生労働省/スモンに関する調査研究班(国立病院機構)。最新・正確な内容は、主治医・訪問看護ステーション・お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
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