別表8とは?訪問看護が手厚くなる状態の一覧
「別表8」という言葉は、訪問看護を始めるときや、ご家族が在宅での医療的ケアを調べているときに見かけることがあります。むずかしそうに見えますが、別表8は「特別な医療管理が必要な状態の人が、より手厚い訪問看護を受けられるようにする」ための国の基準です。人工呼吸器や在宅酸素、カテーテル、褥瘡(じょくそう)など、在宅で続けるケアがある方に関わってきます。
この記事では、別表8にどんな状態が当てはまるのか、該当すると訪問看護がどう手厚くなるのか、よく混同される別表7や介護保険との違い、そして「自分や家族が当てはまるか」をどう確認すればよいかまで、訪問看護を利用するご本人・ご家族の目線でわかりやすく整理します。
別表8(厚生労働大臣が定める状態等)とは?訪問看護での位置づけ
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別表8は、正式には「特掲診療料の施設基準等 別表第八」といい、在宅で特別な医療管理を続けている人をまとめた「状態のリスト」です。別表8に当てはまると、訪問看護で回数や時間にしばられにくくなり、より手厚いケアを受けやすくなります。まずは別表8がどんな仕組みなのかを押さえておきましょう。
別表8は「特別な医療管理が必要な状態」のリスト(病名ではなく状態)
別表8の大きな特徴は、病名ではなく「状態」で決まることです。たとえば「人工呼吸器を使っている」「気管カニューレが入っている」「真皮を越える深い褥瘡がある」といった、在宅で手のかかる医療管理が続いている状態が対象になります。同じ病気でも、その人が今どんな管理を受けているかによって当てはまるかどうかが変わります。
別表8に該当すると訪問看護を手厚く受けられる
別表8にあてはまると、通常より多い回数・長い時間・複数の看護師での訪問など、状態に合わせた手厚い訪問看護を受けやすくなります。在宅で医療的なケアが続く方ほど、こうした特例が暮らしを支える助けになります。具体的な内容は3章でくわしく説明します。
なぜ別表8という仕組みがあるのか
在宅で人工呼吸や中心静脈栄養などを続ける方は、こまめな観察やケアが欠かせません。通常の枠だけでは支えきれないことがあるため、状態に応じて柔軟に訪問できる仕組みとして別表8が設けられています。「手のかかる在宅療養を、制度の面から後押しする枠組み」と考えるとわかりやすいでしょう。
別表8に該当する状態の一覧

ここでは、別表8に当てはまる主な状態を、わかりやすく「呼吸」「栄養・排泄」「皮膚・その他」に分けて整理します。下に挙げるのは別表8の代表的な項目で、あくまで一般的な目安です。ご自身が当てはまるかどうかは、最終的には主治医が訪問看護指示書で判断します。
人工呼吸器・気管カニューレ・在宅酸素など呼吸の管理
呼吸に関わる在宅管理は、別表8の中でも代表的なものです。たとえば次のような状態が含まれます。
- 在宅人工呼吸(在宅で人工呼吸器を使用している状態)
- 気管切開・気管カニューレを使用している状態
- 在宅酸素療法を行っている状態
- 在宅持続陽圧呼吸療法(CPAPなど)を行っている状態
- 在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態
これらは日々の観察やトラブル時の対応が重要になる管理のため、別表8で手厚い訪問が受けやすくなっています。
中心静脈栄養・留置カテーテル・人工肛門・週3日以上の点滴など
栄養や排泄に関わる管理も、別表8の対象に多く含まれます。
- 在宅中心静脈栄養法(IVH・TPN)を行っている状態
- 在宅成分栄養経管栄養法を行っている状態
- 留置カテーテル・在宅自己導尿を行っている状態
- 人工肛門または人工膀胱を設置している状態
- 在宅自己腹膜灌流・在宅血液透析を行っている状態
- 週3日以上の点滴注射が必要と認められる状態
口から食べることがむずかしい方や、排泄の管理が必要な方など、暮らしに密着したケアが続く状態が幅広く含まれているのが特徴です。
真皮を越える褥瘡・在宅難治性皮膚疾患(2026年度に追加)など
皮膚やその他の管理では、真皮を越える深い褥瘡や、在宅悪性腫瘍等の指導管理、在宅自己疼痛管理などが別表8に含まれます。さらに、2026年度(令和8年度)の改定で「在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている者」が新たに加わりました。こうした対象は改定で見直されることがあるため、最新の内容はかかりつけの医療機関や訪問看護ステーションでご確認ください。
別表8に該当すると訪問看護はどう変わる?(特例とメリット)
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別表8に当てはまると、訪問看護の「回数」「時間」「人数」の枠がやわらぎ、状態に合わせた手厚いケアを受けやすくなります。ここでは別表8で受けられる主な特例を紹介します。実際にどこまで利用できるかは、状態やニーズに応じて変わります。
週4日以上・1日2〜3回の複数回訪問ができる
医療保険の訪問看護では、通常は週3日まで・1日1回が目安とされています。別表8に当てはまる場合は、この枠がやわらぎ、週4日以上や1日2〜3回の訪問ができるようになります。たとえば朝と夕に吸引やケアが必要な方でも、生活のリズムに合わせて来てもらいやすくなります。
1回90分を超える長時間訪問・複数名での訪問ができる
通常の訪問は1回30〜90分が目安ですが、別表8に該当する状態では、90分を超える長時間の訪問や、看護師が複数名で訪問する対応も可能になります。体位変換や処置に時間がかかる場合や、ひとりでは対応がむずかしいケアがある場合に役立ちます。実際の回数や時間は、状態とご希望をふまえて、ステーション(介護保険ならケアマネジャー)と相談しながら決めていきます。
特別管理加算など手厚い管理が受けられる
別表8に当てはまる状態では、計画的で手厚い管理を評価する「特別管理加算」などが利用できる場合があります。これは、リスクのある医療管理を継続して見守るための仕組みです。料金や加算の取り扱いは年度の改定や保険の種類によって変わるため、最新の内容や自己負担の目安は、訪問看護ステーションや各窓口でご確認ください。
別表8と「別表7」「介護保険の16特定疾病」の違い

別表8を理解するうえでつまずきやすいのが、よく似た名前の「別表7」や、介護保険の「16特定疾病」との違いです。ここを整理しておくと、別表8の位置づけがすっきりわかります。名前は似ていても、役割はそれぞれ異なります。
別表7(疾病)との違い(状態か病名か)
別表7は「病名」のリスト、別表8は「状態」のリストです。
別表7は、ALSや多発性硬化症、末期の悪性腫瘍など、特定の病気の名前で決まります。一方の別表8は、人工呼吸や褥瘡など「いま受けている管理・状態」で決まります。病名がきっかけになるのが別表7、その人の状態がきっかけになるのが別表8、と覚えるとわかりやすいでしょう。
なお、ALSで人工呼吸器を使っているように、別表7と別表8の両方に当てはまることもあります。その場合は、両方の特例が受けられると考えられます。
別表8だけでは保険は切り替わらない(介護保険が優先されることが多い)
ここが別表7との一番大きな違いです。別表7に当てはまると介護保険の認定があっても医療保険が優先されますが、別表8は「状態」を示すもので、別表8に当てはまるだけで自動的に医療保険に切り替わるわけではありません。介護保険を使っている方の場合は、別表8単独では介護保険が優先されることが多くなります。
別表8に当てはまる方でも、別表7の対象だったり、特別訪問看護指示書が出ていたりといった事情があれば医療保険になることもあります。どちらの保険になるかはご本人の状況によって決まるため、迷う場合は主治医や訪問看護ステーション、ケアマネジャーに確認すると安心です。16特定疾病は介護保険を使えるかどうかを決める別の仕組みで、別表8とは目的が異なります。
自分や家族が別表8に該当するか確認する方法

「家族が別表8に当てはまるのか知りたい」というとき、ご自身で判断しようとすると迷いやすいものです。別表8の該当は、専門職と一緒に確認するのが基本です。ここでは確認の進め方を紹介します。
該当を判断するのは主治医(訪問看護指示書で確認)
別表8に当てはまるかどうかを判断するのは主治医です。訪問看護は、主治医が出す「訪問看護指示書」にもとづいて提供されます。指示書や診療情報には、該当の判断につながる状態が記載されているため、まずは主治医に「別表8に当てはまりますか」と相談すると確認できます。看護師が病名や状態を決めるわけではなく、医師の判断をもとにケアを組み立てていきます。
ケアマネ・訪問看護ステーション・市区町村の窓口に相談する
すでに介護保険を使っている方はケアマネジャーへ、これから訪問看護を考えている方は訪問看護ステーションへ相談すると、状態の整理や保険の見通しを一緒に確認してもらえます。費用や制度の手続きで分からないことがあれば、市区町村の窓口や医療ソーシャルワーカー(MSW)も相談先になります。「自分で全部調べなければ」と抱え込まず、相談しながら進めていきましょう。
制度や対象は改定で変わるため最新情報を確認する
別表8の対象や訪問看護のルールは、年度の改定や地域・施設の方針によって変わることがあります。この記事の内容も執筆時点の一般的な目安です。実際に利用するときは、最新で正確な内容を主治医・訪問看護ステーション・市区町村の窓口などでご確認ください。
別表8に該当する方への訪問看護でできる支援

別表8に当てはまる方は、在宅で続く医療管理を抱えていることが多く、ご本人もご家族も不安を感じやすいものです。訪問看護は、医療的なケアと暮らしの両面から在宅療養を支える役割を担います。ここでは、別表8に関わる方への支援の例を紹介します。
医療処置・状態観察など在宅療養のサポート
看護師は、人工呼吸器や酸素、カテーテル、褥瘡などの状態を定期的に観察し、必要な処置やケアを行います。気になる変化があれば、主治医へ報告・相談して、次の対応につなげます。看護師が治療方針を決めるのではなく、観察した内容を医師に伝え、医師の判断を在宅で支える橋渡しの役割と考えるとイメージしやすいでしょう。
呼吸・栄養・スキンケアなど暮らしに合わせた支援
吸引や経管栄養、スキンケアなどのケアは、ご家庭ごとにこれまで続けてきたやり方があります。看護師は、これまでのやり方を一緒に確認しながら、その人の暮らしに合わせて支援していきます。すべてを一方的に教えるのではなく、ご家族のほうが詳しいことも多いため、困ったときに相談できる相手として伴走するのが訪問看護の役割です。
ご本人とご家族の不安に寄り添う伴走
在宅での医療的ケアは、ご家族だけで抱え込むと負担が大きくなりがちです。訪問看護が定期的に入ることで、「相談できる相手がいる」という安心につながります。体調の変化への備えや、夜間・休日の連絡体制など、不安を減らす工夫を一緒に整えていけるのも、訪問看護を利用するメリットです。
別表8の在宅療養を支える訪問看護ならシンプレ訪問看護ステーション

別表8に当てはまるような在宅での医療管理は、ひとつひとつのケアに観察と判断が求められ、ご家族だけで支え続けるのは大変です。シンプレ訪問看護ステーションは、専門職が定期的にご自宅にうかがい、医療的なケアと暮らしの両面から在宅療養を支えます。住み慣れた家での生活を続けたいという思いに寄り添います。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師などの専門職がご自宅を訪問し、状態の観察や医療処置、服薬や栄養の管理、ご家族への相談支援まで、一人ひとりのペースに合わせてサポートします。別表8に関わる呼吸・栄養・スキンケアなどの管理についても、これまでのやり方を一緒に確認しながら、主治医やケアマネジャーと連携して在宅での療養を支えます。「家でやっていけるだろうか」という不安を、相談しながら少しずつ軽くしていける体制を整えています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問の頻度は、状態やご希望に合わせて週1〜3回を目安に、必要に応じて週4回以上の対応も相談できます。1回の訪問はおおむね30〜90分で、状態によっては長時間の訪問にも対応します。土曜・祝日のご相談も受け付けており、ご本人だけでなくご家族の不安についても一緒に考えていきます。まずはお気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ|別表8を活かして住み慣れた家で療養を続けるために

別表8は、人工呼吸器や在宅酸素、カテーテル、褥瘡など、特別な医療管理が必要な「状態」に当てはまる方が、より手厚い訪問看護を受けられるようにする仕組みです。病名で決まる別表7とは違い、別表8は状態で決まり、別表8だけで保険が切り替わるわけではない点がポイントでした。
該当するかどうかは主治医が判断し、回数や時間は状態とご希望をふまえて相談しながら決まります。ひとりで抱え込まず、主治医・訪問看護ステーション・ケアマネジャー・市区町村の窓口に相談することで、在宅での療養はぐっと続けやすくなります。住み慣れた家で暮らし続けたいという思いを、訪問看護が支えていきます。気になることがあれば、シンプレ訪問看護ステーションまでお気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。別表8の対象となる状態や、保険・加算・費用のあつかいは、年度の改定・地域・施設の方針・ご本人の状態により異なる場合があります。参考:厚生労働省「特掲診療料の施設基準等」別表第八、厚生労働省・近畿厚生局「訪問看護療養費の取扱い」ほか。最新・正確な内容は、主治医・訪問看護ステーション・市区町村の窓口などでご確認ください。
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