アルコール依存症の原因や併発の恐れのある精神疾患について解説

アルコール依存症は多量飲酒が原因、と言われています。
実のところ、「多量の飲酒はアルコール依存症になってしまう」とほとんどの方は知っているでしょう。では多量飲酒をしてしまうきっかけとはなんなのでしょうか。
多量飲酒してしまうきっかけさえつかめれば、依存症になるリスクを減らせるかもしれません。今回はそのことについて紹介します。
アルコール依存症に繋がる原因とは
アルコール依存症は多量飲酒が原因
中瓶1本
日本酒、焼酎
1合
ウィスキー類
60ml
グラスワイン
1杯
アルコール依存症になるきっかけは、1日に飲んでよいとされている量をはるかに上回る量の飲酒です。
適切な1日のアルコール摂取量は純アルコールの量は平均20gとなっており、上記に記載の量が目安となります。この量の3倍以上になると多量飲酒と判断されます。
多量飲酒はさまざまなアルコールに関する問題を引き起こし、その代表的なものとしてアルコール依存症があります。
飲む量を決めずににだらだら飲んでしまうと、無意識に多量飲酒している場合があるので注意が必要です。
つい飲んでしまうのは薬物依存と同じ
飲酒には精神的な依存性があり、少しずつ飲酒量を自分でコントロールできなくなってしまうのが特徴です。
これは薬物依存と同じ仕組みであり、脳が正常な判断をできなくなっている証拠なのです。
アルコール依存症はだらしないからなるといったイメージを持たれがちですが、脳や精神の機能が大きく関係しています。
飲んでよいとされている量を上回る飲酒が毎日行われることで、脳が適切な判断ができなくなり引き起こされるものなのです。
多量飲酒に繋がるきっかけ
多量飲酒してしまう原因は人それぞれ様々ありますが、大きく3つに分けられます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
①お酒に強い
1つ目のきっかけは、そもそもお酒に強く、人よりも多くの量を飲めるというものです。
1日平均をこえてもまだ飲めると感じてしまうので、多量飲酒に繋がりやすいと言えます。
②ストレスの発散
2つ目のきっかけは、ストレスを発散させるために飲んでいるうちに量が多くなってしまうパターンです。
飲酒することで嫌なことを忘れられる解放感から、自分が飲める範囲をこえてしまっても飲み続けてしまうのです。
③ただ酔いたい
3つ目のきっかけは、お酒を飲んで酔っている時の感覚が心地よく、ただその状態を長く味わいたいというものです。
心地よい状態を長くキープするために自然に飲む量が増え、多量飲酒になってしまう場合があります。
きっかけがアルコール依存症に繋がるまで
ステージ①耐性
- 酒が強く多量に飲む
- 酒が弱いが飲酒経験を経て耐性を得る
アルコール依存症のはじまりとして、体内でアルコールに対する耐性ができたというのは重要なポイントです。
たとえお酒に弱かったとしても、毎日飲酒を続けていれば少しずつ体がアルコールに慣れていきます。
また、もともと飲める方が多量飲酒を続けていくことで、更なる多量飲酒が可能になることも少なくありません。
日常的な飲酒により、離脱症状として吐き気・眠気・ふらつきなどお酒が切れた時に感じることが多くなり、症状を止めるためにお酒をのんでしまうのがアルコール依存症のはじまりです。
ステージ②精神依存
- 鬱屈したメンタルの発散
- 事あるごとに飲酒する理由を作る
多量飲酒を続けアルコールへの耐性ができてくるころには、精神的な依存もはじまってきています。
アルコールに対する耐性ができてくると、飲酒することは自分にとって心地よいものに変わるからです。
その結果、嫌なことがあった日・疲れた日・頑張った日などなにかしら理由をつけて飲酒しようと思うようになります。
何かあった時にアルコールに頼りたいと感じるようになった場合、精神的な依存はすでにはじまっているのです。
ステージ③身体依存
- 不眠
- 手のふるえ
- 血圧の上昇
- イライラする
アルコールに対し精神的に依存するようになってしまうと、必然的に飲む量や回数が増え、今度は身体への依存性が出てきます。
お酒がきれることにより、上記のような症状が出ることは飲酒が習慣化されていることを示し、症状がおもくなると幻覚や痙攣野発作が出現したりします。
ここまで来ると突然飲酒をやめることは難しくなり、お酒がないと日常生活が不便に感じるようになります。
ステージ③で内臓疾患も併発する
・肝臓に中性脂肪がたまる
・動脈硬化につながる
アルコール性肝炎
・右上腹部に痛み
・黄痰の発生
・重篤化すれば死亡
肝硬変
・アルコール性肝臓病の最終段階
・肝臓不全を起こし死亡
身体的な依存がはじまりお酒がないと生活が不便と感じるようになると、臓器など身体の内側にまで影響が出はじめます。
アルコールは肝臓に大きな影響を与えるので、特に肝臓の病気に気を付けなくてはなりません。
重症化してからではないと自覚症状がないものもあり、早期発見のためには定期的な健康診断を受けることが重要です。
重篤化すると死亡することもある危険なものばかりなので、アルコールを摂取する方であれば定期的な検査が必要です。
そのほか精神疾患を併発する場合もある
アルコール依存症になると、他の精神疾患になることもあり、その代表的なものにうつ病があります。
もともとうつ病でアルコールに依存してしまう場合と、アルコール依存症になったからうつ病になる場合の2パターンです。
どちらも飲酒しているときは嫌なことや辛いことを忘れられるという経験が大きく影響しています。
どちらが先であっても、お互いに影響しあって症状を強めてしまうので、精神的に不安定な状態での飲酒には注意が必要です。
原因から見るアルコール依存症の治療
①医療機関に従った治療プログラム
・断酒を実行
・様子を見つつ精神療法
・再発防止のための経過の確認
減酒治療
・減らす酒量を設定
・酒量をみつつ投薬治療
・再発防止のための経過の確認
②支援団体を通じた自己啓発
アルコール依存症の怖さを伝えたり支援する団体として、ASKという活動グループがあります。
ASKは病気にならない・くいとめる・共によりよく生きるの3つの予防を目標に、依存問題の予防・回復に努めているグループです。
アルコールだけではなく、ギャンブルや薬物・ゲームへの予防・支援・回復も取り扱っています。
こういったグループの活動に参加しながら、自己啓発に取り組むというのも1つの方法です。
③精神科訪問看護で治療の管理を依頼
サービス名 | 精神科訪問看護 |
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職種![]() |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数![]() |
原則週1~3日以内 (※例外もあります。) |
アルコール依存症の治療には、精神科訪問看護を使って他の人の力を借りるという方法もあります。
精神科訪問看護とは、アルコール依存症やうつ病をはじめとしたさまざまな精神疾患に特化した訪問看護サービスです。
週1日~3日ほど看護師などのスタッフが定期的に自宅を訪問し、普段の生活の介助や服薬などのサポートをおこないます。
具体的な訪問の日数は、利用者様のご希望や状態、医師からの指示によって調整することになります。訪問看護利用の料金には保険が適用されるため、少ない負担でサービスを利用できるのも魅力の1つです。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、アルコール依存症・うつ病・統合失調症などさまざまな精神疾患に対応しています。
サービスを受ける方の自分でやりたいをという気持ちを大切にし、1人1人にあった看護サービスを提供しています。
医療機関と連携をとりながら、利用者様の治療がよりよい方向に進むようサポートをしたり、ご相談があれば利用者のご家族様の支援もいたします。
スタッフが定期的に自宅を訪問し、生活リズムの調整や服薬管理など利用者さまの状態にあわせた支援をおこないます。
精神疾患の一例
・酒類(アルコール)に依存する
・アルコール中心の生活になってしまう
自閉スペクトラム症
・正常な社会的関係を構築ができない
・強迫的な行動や儀式的な行動がみられる
双極性障害
躁状態とうつ状態を頻繁に移り変わる
PTSD
・時間がたってからもトラウマが残っている
・トラウマからくる原因への逃避行動
その他精神疾患全般
シンプレ訪問看護ステーションで取り扱っている精神疾患は、アルコール依存症のほかにもたくさんあります。
たとえば、強い恐怖などが原因となり通常の生活を送ることが難しくなってしまうPTSDや、生まれつき持っていることが多い自閉スペクトラム症などです。
また、気分の上がり下がりが激しく、自ら命を絶ってしまう危険が高いことでも知られている双極性障害にも対応しています。
シンプレでは、お子さまからお年寄りまで幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
シンプレの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ
アルコール依存症は、日常的に多量飲酒が繰り返されることで脳が正しい判断を下せなくなることで引き起こされます。
1人で克服することは難しいと言われており、誰かの力を借りたほうが治療もよりよい方向に向かうと考えられます。
こころの健康問題は抱えかかえこむのではなく、相談することが大切です。わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。
アルコールでお悩みで訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。