アルコール依存症の原因や併発の恐れのある精神疾患について解説
アルコール依存症は、多量飲酒が原因と言われています。しかし、多量飲酒をしてしまうきっかけは、人それぞれです。
仕事や人間関係のストレス、不安や孤独感、病気やケガなど、多量飲酒をしてしまうきっかけはさまざまです。
今回この記事ではアルコール依存症の原因となる多量飲酒やアルコール依存症の治療法について解説していきます。
アルコール依存症の原因となる多量飲酒
アルコール依存症の原因になる多量飲酒とは
中瓶1本
日本酒
1合弱
ウィスキー類
60ml
グラスワイン
1杯
アルコール依存症の原因になる「多量飲酒」とは、1日の飲酒量が厚生労働省が定める「適度な飲酒」の3倍以上飲酒することをいいます。
厚生労働省によると、男性の「適度な飲酒」は1日あたり2ドリンク以下、女性は1ドリンク以下とされています。
1ドリンクは、ビール中瓶1本(500mL)や、日本酒1合弱、焼酎1杯に相当します。
1日の適量の3倍以上飲酒すると、多量飲酒とみなされます。多量飲酒を続けると、アルコール依存症になるリスクが高まります。
コントロールできない飲酒をしてしまう病気
飲酒には精神的な依存性があり、少しずつ飲酒量を自分でコントロールできなくなってしまうのが特徴です。
アルコールは、脳の報酬系に作用して、快感や幸福感をもたらします。そのため、アルコールを飲むと、脳が「もっとアルコールを飲みたい」という欲求を抱くようになります。
また、アルコール依存症は、薬物依存と同じように、脳や精神の機能が大きく関係しています。アルコールの大量摂取が続くと、脳の報酬系が異常をきたし、だれでもアルコール依存症になる可能性が高まります。
多量飲酒に繋がるきっかけ
多量飲酒してしまう原因は人それぞれ様々ありますが、大きく3つに分けられます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
①お酒に強い
多量飲酒に繋がるきっかけの一つは、元来お酒に強く、人よりも多くの量を飲めることです。
そのため、1日平均の摂取量を超えても、まだ飲めると感じる傾向があり、多量飲酒につながりやすいと言えます。
②ストレスの発散
2つ目のきっかけは、ストレスを発散させるために飲んでいるうちに量が多くなってしまうパターンです。
飲酒することで嫌なことを忘れられる解放感から、自分が飲める範囲をこえてしまっても飲み続けてしまうのです。
③ただ酔いたい
3つ目のきっかけは、お酒を飲んで酔っている時の感覚が心地よく、ただその状態を長く味わいたいというものです。
心地よい状態を長くキープするために自然に飲む量が増え、多量飲酒になってしまう場合があります。
きっかけがアルコール依存症に繋がるまで
ステージ①耐性
- 酒が強く多量に飲む
- 酒が弱いが飲酒経験を経て耐性を得る
アルコール依存症の始まりは、体内にアルコールに対する耐性ができることです。
たとえお酒に弱くても、毎日飲酒を続けていれば、少しずつ体がアルコールに慣れていきます。
また、もともとお酒に強い人は、多量飲酒を続けていくことで、さらに多量飲酒が可能になることも少なくありません。
日常的に飲酒を続けていると、アルコールが切れたときに、吐き気や眠気、ふらつきなどの離脱症状が現れるようになります。そして、これらの症状を止めるために、またお酒を飲んでしまうのです。
ステージ②精神依存
- 鬱屈したメンタルの発散
- 事あるごとに飲酒する理由を作る
多量飲酒を続けアルコールへの耐性ができてくるころには、精神的な依存もはじまってきています。
アルコールに対する耐性ができてくると、飲酒することは自分にとって心地よいものに変わるからです。
その結果、嫌なことがあった日・疲れた日・頑張った日などなにかしら理由をつけて飲酒しようと思うようになります。
何かあった時にアルコールに頼りたいと感じるようになった場合、精神的な依存はすでにはじまっているのです。
ステージ③身体依存
- 不眠
- 手のふるえ
- 血圧の上昇
- イライラする
アルコールに対し精神的に依存するようになってしまうと、必然的に飲む量や回数が増え、今度は身体への依存性が出てきます。
お酒がきれることにより、上記のような症状が出ることは飲酒が習慣化されていることを示し、症状がおもくなると幻覚が出現したりします。
ここまで来ると突然飲酒をやめることは難しくなり、お酒がないと日常生活が不便に感じるようになります。
ステージ③で内臓疾患も併発する
・肝臓に中性脂肪がたまる
・動脈硬化につながる
アルコール性肝炎
・右上腹部に痛み
・黄痰の発生
肝硬変
・アルコール性肝臓病の最終段階
アルコール依存症になると、身体の様々な機能に悪影響が現れます。
特に、肝臓はアルコールの影響を受けやすく、肝臓病を発症するリスクが高まります。肝臓病は、重症化すると死亡することもある危険な病気です。
そのため、アルコールを摂取する方は、定期的に健康診断を受けることが重要です。
そのほか精神疾患を併発する場合もある
アルコール依存症は、他の精神疾患を併発するリスクが高くなります。
代表的なものにうつ病があり、もともとうつ病でアルコールに依存してしまう場合と、アルコール依存症になったからうつ病になる場合の2パターンがあります。
どちらも、飲酒することで嫌なことや辛いことを忘れられるという経験が大きく影響しています。
どちらが先であっても、お互いに影響し合って症状を強めてしまうので、精神的に不安定な状態での飲酒には注意が必要です。
原因から見るアルコール依存症の治療
①医療機関に従った治療プログラム
・断酒を実行
・様子を見つつ精神療法
・再発防止のための経過の確認
減酒治療
・減らす酒量を設定
・酒量をみつつ投薬治療
・再発防止のための経過の確認
アルコール依存症を治すには、お酒を飲まないこと(断酒)が基本です。
断酒治療は、断酒するまでの準備(解毒期)、社会復帰の準備(リハビリテーション期)、断酒を維持するためのサポート(アフターケア)の3つの段階に分かれています。
断酒治療では、心理社会的治療が行われます。
また最近では、いきなり断酒が難しい人のために、減酒(飲酒量を減らす)治療も注目されています。
減酒治療では、心理社会的治療を中心に、日記などで日々の飲酒状況を記録し、医師と共有することで、治療を継続しやすくなります。
②支援団体を通じた自己啓発
アルコール依存症の怖さを伝えたり支援する団体として、ASKという活動グループがあります。
ASKは病気にならない・くいとめる・共によりよく生きるの3つの予防を目標に、依存問題の予防・回復に努めているグループです。
アルコールだけではなく、ギャンブルや薬物・ゲームへの予防・支援・回復も取り扱っています。
こういったグループの活動に参加しながら、自己啓発に取り組むというのも1つの方法です。
③精神科訪問看護で治療の管理を依頼
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 |
原則週1~3日以内 (※例外もあります。) |
精神科訪問看護とは、アルコール依存症やうつ病をはじめとしたさまざまな精神疾患に特化した訪問看護サービスです。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、アルコール依存症・うつ病・統合失調症などさまざまな精神疾患に対応しています。
治療においては、家族のサポートや安心できる環境作りが重要なため、精神科訪問看護では安心して自宅療養できる環境を整え、再発を予防していきます。
医療機関と連携をとりながら、利用者様の治療がよりよい方向に進むようサポートをしたり、ご相談があれば利用者のご家族様の支援もいたします。
スタッフが定期的に自宅を訪問し、生活リズムの調整や服薬管理など利用者さまの状態にあわせた支援を行います。
精神疾患の一例
・酒類(アルコール)に依存する
・アルコール中心の生活になってしまう
自閉スペクトラム症
双極性障害
PTSD
その他精神疾患全般
シンプレ訪問看護ステーションで取り扱っている精神疾患は、アルコール依存症のほかにもたくさんあります。
たとえば、強い恐怖などが原因となり通常の生活を送ることが難しくなってしまうPTSDや、生まれつき持っていることが多い自閉スペクトラム症などです。
また、気分の上がり下がりが激しく、自ら命を絶ってしまう危険が高いことでも知られている双極性障害にも対応しています。
シンプレでは、お子さまからお年寄りまで幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
アルコール依存症の原因となるのは、日常的に多量飲酒が繰り返されることで脳が正しい判断を下せなくなることで引き起こされます。
こころの健康問題はご家族の中や、一人で抱えかかえこむのではなく、相談することが大切です。わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。
アルコールでお悩みで訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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