アスペルガー症候群の人はコミュニケーションが苦手?特徴や原因を解説

近年、大人の発達障害が注目をあびています。
コミュニケーションなどが上手くできず、社会生活が上手く行かない場合が増えてきているのです。その原因のひとつとして、アスペルガー症候群が考えられます。
アスペルガー症候群に困っていて、生活のサポートを必要としている方はシンプレまでお気軽にご相談ください。
アスペルガー症候群の症状とコミュニケーション
コミュニケーション力の不足
・文字の読み書きが苦手
・何通りかの意味を持つ言葉の使い分けが苦手
相手の言動に対する理解力の不足
・あいまいな言葉や指示が苦手
・身振り手振りの解釈が苦手
想像力の不足
・指示されたこと以外の想像が苦手
・相手の表情を読み取ることが苦手
現在では言語や知的能力に問題がないものをアスペルガー症候群、遅れがあるものを自閉症として両方を合わせて自閉症スペクトラム障害と呼称されています。
しかし、やはり上記のような行間を読み取る、言葉の裏側の意味を察知するといった非言語コミュニケーションを苦手としています。
また、この他にも上司と部下といった社会的上下関係を理解しづらいため、友達のように目上の方に接してしまうといった場合があります。
その際に注意しても理解できないため、周囲の理解を深めトラブルに発展させないようにしていくことが大切です。
社会性の不足
・自己中心的な行動が多い
・場にそぐわない行動をしてしまう
・他人に対しての興味が薄い
発言面
・一方的な会話をしてしまう
・場にそぐわない発言をしてしまう
以上の特徴から特に社会人になってからアスペルガー症候群の方は苦労する傾向にあります。
例えば、職場特有の人間関係を理解できずストレスを溜め込みやめてしまうケースなどもあるようです。
知的発達などは問題ありませんので、再就職するには問題ないのですが、人間関係にまつわる問題はずっとついて回ります。
それを防ぐためには、1人で抱え込まずに悩み事を周囲や誰か信頼できる人に相談する習慣をもつことが重要となります。
興味やこだわりの偏り
・興味がある分野への記憶力や集中力が高い
・ルールは忠実に守ることができる
マイナスに働く特性
・融通を効かせることが苦手
・要領があまりよくない
このようなプラスの面は特に反復練習が鍵を握る分野で高い能力を発揮できます。例えば、パソコンや語学や地理の暗記などがそれにあたります。
しかし、あまり興味のない分野や業務などにはマイナス面も相まってより悪い方向へ状況が流れてしまうことも多くあります。
したがって、プラスやマイナスを踏まえた上でアスペルガー症候群の特性を活かせる環境調整をすることがより重要となります。
また、行動療法や精神療法などによりマイナス面をある程度緩和していくことも可能であるため、生活しやすい環境を目指せます。
感覚の偏り
・偏食
・特定の音や感触を好む(嫌う)
・暑さ、寒さ、痛みに鈍感
ぎこちない動作・行動
・姿勢が崩れがちになる
・細かい作業が苦手
以上のような感覚過敏は常人には理解され難く日常生活に支障をきたすほどの苦痛とストレスとなっている場合があります。
また、逆に感覚が極端に鈍く反応する感覚鈍麻も特徴に含まれます。このように感覚が大きく偏っていることが多くあります。
これらの偏りは、肌が火傷しているのに気づかない時に大きな怪我や事故を招くので本人や周囲の人間も良く把握していなければなりません。
また、感覚の違いで過度に反応しているとは思わずに、受けているストレスや辛さを想像して理解することが大切です。
アスペルガー症候群は発見が遅れる事も多い
一見すると障害とわかりにくい
アスペルガー症候群の方は知的能力に問題はなく、言語障害や遅れなども見られないとされています。
それどころか勉強ができる方も多く存在するので、障害があるとはみなされないまま大人になる事例が多くあります。
そのため、個性的な人と見られる場合や孤立してしまっている人などが見られ、本人も自覚がなく障害だと受け入れられない人もいます。
したがって、そういった事態を防ぐことや診断時の参考のためにも、幼少時の様子や身体初見などを詳細に把握し、子どもの頃から障害の検討をしておくことが大切です。
発見が遅れた時の二次障害
アスペルガー症候群の方はその特性により自分がなぜおかしいと思われるのかわからず。ストレスを抱え、うつ病などの二次障害などを併発する場合があります。
特に社会人や結婚を機に周囲との違いに苦しみ、うつ病以外にもパニック障害や統合失調症などを引き起こす可能性があります。
そのようなことにならないためにも大人の方であれば、不調があればカウンセリングなどの受診をする、子どもへは環境調整や自己肯定感が下がらないような配慮が必要です。
そもそもアスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムのひとつ
アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムと呼ばれる発達障害のうちの一種です。社会性やコミュニケーション、イメージすることなど様々な障害を持ちます。
そのため、空気を読むことや慮ることが苦手なため、周囲の人間との交流が上手くいかず、敬遠されたり孤立したりする場合があります。
また、こだわりが強く好きなものに関しては驚くほどのめり込むため、自分の決めたルールやルーティンから外れることを嫌がる傾向にあります。
しかし、そういった面も夢中になれるものや集中できる環境を作ることで大きな成果に繋がるといった能力でもありますので、社会で活躍することも可能です。
知的発達・言語発達の遅れは見られない
アスペルガー症候群に見られるのはコミュニケーションに問題があるなどの自閉症状だけであり、知能や言語能力に問題は見られないことが特徴です。
もし自閉症状と知的能力や言語の遅れがあった場合は、高機能自閉症や自閉症がおそらく該当すると言われています。
また、アスペルガー症候群はむしろ高学歴の方がいることや特定分野の知的能力が高い場合があることがわかっています。
したがって、一見すると障害があるとは思えない人も多く、判別が難しいとされているケースが多く存在します。
アスペルガー症候群の原因
生まれつきの脳の機能障害が原因
はっきりと原因はわかっていませんが、生まれつきの遺伝的要因だと考えられています。
その要因が胎児期や出生後の心身の発達、環境要因と影響し合うことで脳の機能障害として表れると言われています。
環境要因とは言っても両親の育て方が関係しているわけではなく、同一家系で発生しやすいことから遺伝要素を第一として脳の前頭前野などに起こる障害と考えられています。
また、男女比では男性が3倍女性より発症しやすく、なぜかはわかっていないのでそちらも原因の究明が待たれています。
両親の育て方が原因ではない
アスペルガー症候群などの発達障害は原因がはっきりわかっておらず、環境的な要因を指摘されることがあります。
しかし、それは胎児や生まれたばかりの環境を指しており、育て方に影響されて障害が起こるといったものではありません。
さらに環境要因は原因の一要素に過ぎず、遺伝的要因による脳機能の偏りが大きなウェイトを占めていると考えられています。
そのことから育て方や愛情の注ぎ方などは関係がないと言えますので、罪悪感を抱く必要はありませんので、安心してください。
アスペルガー症候群の治療
コミュニケーション訓練
- 心理療法
- カウンセリング
- 行動療法
このような治療法は心理社会的治療と呼ばれており、行動分析や行動療法を用いたトレーニングも含みます。
特に社会生活が円滑に過ごせるように相手の心や気持ちに関心を向けて読み取るトレーニングをメンタライゼーション・トレーニングと呼びます。
他の人はこういう時にこう考えるというのを技術的に学び、共感はできなくても経験則として知り、実生活で活かすことが可能です。
また、その他にも聴覚の感覚が過敏な方へはSSPという特殊な音楽を聞かせて、症状やストレスを緩和させる治療も存在します。
薬物治療
- 興奮やパニックなどの対症療法
- うつなどの二次障害に対する薬物投与
周囲との軋轢や誤解されて心ない言葉を投げかけられるなどの経験からアスペルガー症候群の方は心理的負担による二次障害が起こることがあると先述しました。
薬物療法はその予防策や補助的なものとして投薬される場合や既に起きてしまった二次障害の緩和のために行われることがあります。
しかし、アスペルガー症候群の特性そのものを治す、改善できるといった特効薬のようなものは存在せず、また薬には副作用もあります。
したがって、医師と信頼関係を築き、用法用量を必ず守ってあくまで補助薬という認識をもつことが大切です。
周囲の人の対応
家族や恋人がアスペルガー症候群であった場合、相手への気遣いや不満などが心理的負担となり、精神や肉体に変調をきたすことがあります。
これをカサンドラ症候群と呼び、より献身的な人がなりやすいとされていますので、気持ちを溜め込まず誰かに相談することが大切です。
また、職場や学校においては特性を理解し、本人にあった環境づくりを目指すのが理想的な対応だと言えます。
近しい家族や恋人、または職場や学校などの関係者に共通していることは、特性を理解して認めてあげることが何よりも重要だということです。
アスペルガー症候群とADHDの違い
・相手の気持ちを理解することが難しい
・相手の伝えたい内容を理解できていない
・場にそぐわない言動をしてしまう
ADHD
・相手の気持ちは理解できるが、相手を配慮した行動に移すことが難しい
・うっかりミスが多い
・言動のタイミングが合わない
この他にアスペルガー症候群が持つと言われる感覚過敏や感覚鈍麻についてはADHDの方に見られるといったことはほとんどないようです。
また、強いこだわりを持つことに関してもADHDの方にそのような特性は見られないというのが現在の見解となります。
しかし、両方を区別するのは難しいとされており、例えば理屈は異なってもどちらも相手を不快にさせる言動をしてしまうなどが原因です。
また、両方が併存している例もあるため、診断名で全てを断定せず個人に表れた特性をしっかりと見定めて対応していくことが大切です。
アスペルガー症候群かも?と思ったら相談を!
保健所・保健センター・精神保健福祉センター
発達障害支援センターとは、発達障害を持つ子どもや大人への支援を行う専門機関になります。各都道府県や政令指定都市が指定した社会福祉法人などにより運営されています。
発達障害を持つ方やその家族が豊かな生活を送れるように保険や医療、教育や労働といった各関係機関と連携し、支援ネットワークを構築して支援を行っています。
それにより本人やその家族は相談だけでなく、カウンセリングやトレーニングだけでなく就労に関する支援も受けることができます。
また、発達障害に関する理解を世間に広めるため、講演会や発達障害を持つ人への対応方法などの研修をあらゆる公共機関や一般企業に行っています。
発達障害者支援センター
発達障害支援センターとは、発達障害を持つ子どもや大人への支援をする専門機関となります。各都道府県や政令指定都市が指定した社会福祉法人などにより運営されています。
発達障害を持つ方やその家族が豊かな生活を送れるように保険や医療、教育や労働といった各関係機関と連携し、支援ネットワークを構築して支援をしています。
それにより本人やその家族は相談だけでなく、カウンセリングやトレーニングだけでなく就労に関する支援も受けることができます。
また、発達障害に関する理解を世間に広めるため、講演会や発達障害を持つ人への対応方法などの研修をあらゆる公共機関や一般企業に行っています。
病院・クリニック
アスペルガー症候群など発達障害で悩まれている方を受け入れている精神科のクリニックや病院は全国に広く存在します。
また、発達障害を専門としたクリニックも多くあり、子どもから大人の患者様とそのご家族の支援を提供しています。
また、規模の大きな病院などでも発達障害外来という名称で患者の受け入れを始める病院が増えてきています。
このように少しずつですが、病院やクリニックでも昔と比べ発達障害の方を受け入れ、支援するところが増加していますので、患者にとって一つの光明となっています。
精神科訪問看護という手段もある
精神科訪問看護は看護師や保健師、作業療法士が直接患者様のご自宅へ訪問して相談や生活のサポートをいたします。
病院や保健センターへ出向く勇気が持てない、または移動できないといった事情をお持ちの方には最適な選択の一つだと言えます。
また、本人が望む生活を第一としておりますので、無理な治療等は行わず精神的負担を取り除く再発防止や生活支援を目的としています。
本人だけでなくご家族の心理的負担を取り除くのも使命に含まれますので、一度依頼されるのをお考えになるのも手段の一つです。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
- 精神疾患に特化
- 利用者様の自主性を尊重
- 利用者様それぞれに合わせた親身な対応
- 医療機関や行政との連携
シンプレはあらゆる精神疾患を抱える患者様やご家族に特化したサービスを中心に展開しており、それを強みとしている訪問看護ステーションです。
まず1番にご利用者様本人の望む自分らしい生活を送れることを優先して考えており、ご利用者様自身の主体性を尊重して支援しています。
また、バックオフィスと看護師が常に連携し、緊急を要する事態にもすぐに医療機関や行政などの関係機関へ連絡するといった対応ができるよう備えています。
シンプレの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ看護ステーションは上記エリアを中心としてサービスを承っており、日々奔走しています。
また、上記以外のエリアについても対応可能となる場合がございますので、お悩みであればまずはお気軽にお問合せください。
訪問看護ステーションは患者様の自主性を何よりも重んじ、日々精進しておりますので、きっとお役に立てると思います。 ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ
アスペルガー症候群は言葉以上の気持ちや事情を理解することが苦手であり、こだわりがとても強いといった特徴があります。
原因は脳の機能に偏りがあると見られており、両親の育て方は関係がなく知性や言葉の発達なども問題がないといえます。
しかし、職場や学校などで特性によりトラブルになることもあり、そうならないための社会性トレーニングなどが治療法として存在します。
シンプレではアスペルガー症候群の方への生活やトレーニングの支援も行うことができますので、選択肢の一つとしてまずはお気軽にご相談ください。