アスペルガー症候群とは何なのか?
アスペルガー症候群とは、こだわりの強さや感覚の過敏などの特徴を持つ発達障害です。自閉症スペクトラム障害の一種ですが、言語の遅れはありません。
この点が自閉症とアスペルガー症候群の大きな違いです。
アスペルガー症候群の方は、コミュニケーション障害が見られるため、一人では困難に感じることもあるでしょう。
そこで今回は、アスペルガー症候群の概要や症状、相談場所について紹介します。
アスペルガー症候群とは?割合はどれくらい?
アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群は、社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージの障害、こだわりの強さなどの特徴がある発達障害です。
言語や知能の遅れはないのですが、周囲の方とのコミュニケーションに困り、理解されにくいことから、「変わり者」と周りからは思われている方が多いです。
しかし、学業成績は良かったり、大人になった後、実はアスペルガー症候群だったと診断される方もいるようです。
アスペルガー症候群の原因
アスペルガー症候群の原因は、遺伝や環境の複合的な影響によって引き起こされると考えられています。
遺伝的な要因としては、脳の機能障害につながる遺伝子の異常が考えられます。また、胎児期の体内環境や周産期のトラブルなども、原因のひとつと考えられています。
育て方が原因ではないと医学的に否定されています。アスペルガー症候群の子供を育てている家庭で、子育てに問題があるのではないかと考えている方は、安心してください。
アスペルガー症候群と併存症について
アスペルガー症候群には様々な併存症があるといわれています。併存症とは、併存疾患とも呼ばれ、ある病気が原因となって起こる別の病気のことを言います。
併存症を発症する割合
アスペルガー症候群には様々な併存症が知られています。併存症を発症する割合としては、約70%以上の方が1つの精神疾患、40%以上の方が2つ以上の精神疾患を持っていると言われています。
アスペルガー症候群の方は、言語や知能に遅れはありませんが、社会性やコミュニケーションに障害があります。そのため、他者とコミュニケーションがうまくいかずに、周囲から誤解されやすい傾向にあります。
このような状態が長年にわたって続くことにより、ストレスや不安などの精神疾患を引き起こすことがあります。
・抑うつ症状
・不安
・焦燥
・意欲低下などの症状
強迫性障害
自分の行動に強迫観念を抱く
適応障害
・強い不安
・抑うつ症状など
併存症の種類
アスペルガー症候群の併存症の中で特に知的能力障害(知的障害)が多く、そのほかにもADHD、発達性協調運動症、不安症、抑うつ障害、学習障害がしばしば併存します。
また、睡眠障害やてんかん、便秘などの医学的疾患を併発することもあります。
また、その中でもてんかんの併存は、知的障害の重い人ほど多く見られます。
アスペルガー症候群の症状
周囲の方とコミュニケーションを取るのが難しい
アスペルガー症候群の方は、相手の気持ちや考えを読み取ることが苦手で、場の雰囲気を察することが苦手です。
相手の気持ちを理解するには、相手の立場に立って考えることが大切です。しかし、アスペルガー症候群の方は、相手の立場に立って考えることが苦手です。
そのため、相手の気持ちを理解できず、誤解を招くような言動をしてしまうことがあります。
場の空気を読むためには、周囲の方の表情や声のトーンなどから、場の雰囲気を読み取ることが大切です。
アスペルガー症候群の方は、場の空気を読み取れず、周囲から浮いてしまうような言動をしてしまうことがあります。
ある特定のことに強いこだわりを持つ
アスペルガー症候群の方は、特定のものやことに強いこだわりを持つ傾向があります。そのため、一度興味を持ったものに対しては、時間を忘れて夢中になることがあります。
こうした自分が興味を持ったものに対しては強いこだわりを持っているのも、アスペルガー症候群の症状の特徴です。
対して自分が興味がないものには、まったく興味を示そうとすることなく、なかなか行動することができません。
毎日の生活がルーティン化する傾向がある
アスペルガー症候群の方は、自分の行動や習慣を一定に保つことにこだわりがあります。そのため、毎日の行動がパターン化しやすいのが特徴です。
それだけでなく、いつもと違うパターン、例えばお風呂と夕食の順序が逆になるといったことを非常に嫌がる傾向にあります。
また、予期せぬことが起こったときにパニックなりやすい傾向もありますので、毎日の生活がルーティン化する傾向があります。
アスペルガー症候群のチェックリスト
コミュニケーションや社会性
- 空気を読むことができない
- 相手の悪意や真意がわからない
- 友人関係が維持できない
人とのコミュニケーションを取る中で、相手の表情を読むことができなかったり、空気を読むことができない。
また、対人関係や友人を作ることが苦手で、友人関係を維持することができないのも、アスペルガー症候群の症状の特徴ですので、自分や家族にそれがないかチェックしてみましょう。
そして、相手の嘘や悪意が分からずに、簡単に騙されてしまったり、自分ではキレイな身だしなみのつもりでも、清潔感がないといわれてしまうのもそれに当たります。
こだわりや想像性
- 同じやり方にこだわる
- 予定調和が崩れると焦り始める
- 他人の話に興味が持てない
アスペルガー症候群の方は、ある特定のことや物事に強いこだわりを持つ傾向があります。
そのため、同じやり方やものを繰り返したり、物事が予定通り進まないと動揺したりすることがあります。
また、悪気がない真実を言ったことで、対人関係が悪化したことがあるなど、想像力の欠如も特徴のひとつです。
感覚過敏
- 感覚刺激に過剰に反応する
- 気温や季節に合わせた衣類が選べない
- 偏食がひどい
アスペルガー症候群の方には、限定した感覚刺激に対して過剰に反応してしまう「感覚過敏」という症状がある方がいます。
他にも、飲食店などの大勢の方がざわついている場所では、相手との会話が聞き取りにくい「鈍麻」や偏食がひどく、特定の食感のものが食べられないなども。
上記以外にも、季節や気温に合わせた衣服の調節がうまくすることができないか方も当てはまります。
アスペルガー症候群に関するQ&A
アスペルガー症候群の治療方法は?
併存症の対症療法として用いられる
精神療法
社会性を身につける治療法のこと
アスペルガー症候群の治療方法は、遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合っているため、根本的な原因を治療することはできません。
うつ病や適応障害などの併存症が出ている場合は、その対処療法として薬物療法が用いられます。
また、アスペルガー症候群の方が社会的なふるまいができるように、精神療法(カウンセリング)で対人関係や社会性を身につける「認知行動療法」が用いられます。
アスペルガー症候群の相談ができる場所は?
保健相談・発達障害などの心身障害相談を行う
子育て支援センター
育児に関する不安の相談に応じてくれる
発達障害者支援センター
発達障害者の総合的な支援を行う
精神科訪問看護
訪問看護師によるサポート
アスペルガー症候群かどうかを診断してもらうためには、医療機関への受診が必要ですが、こうした発達障害と向き合っていくために様々な相談できる施設があります。
発達障害者支援センターは、発達障害児への支援を総合的に行うことを目的とした施設で、各都道府県が指定した社会福祉法人が運営しています。
精神科訪問看護は、精神疾患に特化した訪問看護で、アスペルガー症候群の併存症として精神疾患に悩んでいる方やその家族を、自宅まで訪問して支援。
さまざまな相談場所がありますので、当事者や家族が抱え込まずに相談してください。
シンプレ訪問看護ステーションにお任せください!
シンプレ訪問看護ステーションって?
自分らしく自立した生活を営めるための支援
症状の悪化防止・服薬支援
生活状況を観察しながら受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
主治医や関係機関と連携を取りなが社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
シンプレ訪問看護ステーションは、うつ病などの精神疾患の方に特化した訪問看護サービスを提供しています。
専門知識を持った看護師や作業療法士などのスタッフが定期的に訪問し、家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるように支援します。
アスペルガー症候群などの発達障害との付き合い方を一緒に考え、自分らしく自立した生活を営めるようにひとりひとりの幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
コミュニケーションや生活状況を観察し、症状の悪化の防止サポートや服薬の指導などもしておりますので、安心してお任せいただければと思います。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区を中心にサービスを展開しています。上記エリア以外でも利用ができる場合もありますので、まずは気軽にお問い合わせください。
アスペルガー症候群と診断された方はもちろん、それ以外の精神疾患を患っている方も年齢問わず利用することができますので、是非ご相談してください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事ではアスペルガー症候群の症状や特徴、その原因について解説してきました。
アスペルガー症候群は脳の一部の機能が異常をきたすことにより起こる発達障害で、併存症としてうつ病などの精神疾患を患うこともあります。
アスペルガー症候群の症状はさまざまですので、心当たりがある方は医療機関への受診をおすすめします。
精神の症状でお悩みで、訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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