ナルコレプシーの原因を解説!日中に強い眠気に襲われる方は要チェック!

ナルコレプシーの原因について知りたいとお考えですか?ナルコレプシーとは、時間や場所に関係なく突然強烈な眠気に襲われて眠ってしまうという病気です。
放置すると重大な事故につながる恐れがあるため、症状に気づいたら早急に治療する必要があります。
では、一体どのようなことが原因でナルコレプシーを発症してしまうのでしょうか?
この記事では、ナルコレプシーの原因について詳しく紹介していきます。日中に強い眠気に襲われてナルコレプシーを疑っている方は、ぜひチェックしてくださいね。
ナルコレプシーの原因は?
ナルコレプシーのような過眠症は、昔から存在しています。研究も進み、いくつかの原因も分かっているので、治療法も確立されている病気です。
脳内の神経細胞の機能低下
ナルコレプシーの原因の1つは、神経細胞の機能の低下です。神経細胞が上手く動作しなくなくことで、ヒポクレチンと呼ばれる神経ペプチドを生成できなくなります。
このヒポクレチンは、睡眠や食欲に関わる働きをすると考えられています。そのため、ヒポクレチンが生成されないと長時間の覚醒を維持できなくなってしまうのです。
このことが原因となり、睡眠に異常をきたすナルコレプシーが発病してしまいます。
感染症による自己免疫過程への影響
主に寒い時期に流行するインフルエンザなどの感染症が、ナルコレプシーの原因になる場合もあります。インフルエンザの他にはA郡連鎖球菌咽頭炎なども注意が必要です。
これらの感染症を患うと、自己免疫過程に影響を及ぼしナルコレプシーが発病すると考えられています。
感染症の発病とナルコレプシーの発病には、数カ月間が空くことが特徴です。感染症以外では、事故などで頭部を損傷することで引き起こされるケースもあります。
遺伝的な要因
一卵性双生児の場合は、片方がナルコレプシーになるともう片方もナルコレプシーになることがあります。
また、親がナルコレプシーである場合、子供の発病リスクはそうでない子供よりも40倍も高いのです。そのため、遺伝的な要因が強いと考えられています。
しかし、遺伝的な要因をもって生まれても、必ずナルコレプシーを発病するわけではありません。遺伝的な要因もナルコレプシーを発症するきっかけの1つに過ぎないのです。
ナルコレプシーの代表的な症状
ナルコレプシーはいくつかの症状があります。ここからは代表的なナルコレプシーの症状について解説していきます。
睡眠発作
もっとも代表的と言われるのが、日中の突然の強い眠気です。ただの眠気ではなく、実際に体を動かしていても寝てしまうので、睡眠発作ともいわれています。
例えば会議で自分が話しているのに眠ってしまう、自転車をこいでいるのに眠ってしまうなど、実際にはありえないようなタイミングでも寝てしまう症状です。
これは、お昼の後の眠気とは大きく異なります。抗いがたい眠気で、車の運転中であれば事故にもつながりかねない状態に陥ります。
情動脱力発作
情動脱力発作とは、強い感情がきっかけで体の力が抜けてしまう症状です。強い感情とは驚きや喜び、笑いなどで、マイナスの感情だけでなくプラスの感情もきっかけとなります。
虚脱感を感じるだけでなく、実際に首や足などから力が抜けて崩れ落ちることもあります。あごの力が抜けてろれつが回らなくなるので、周囲も気づくことができる症状です。
情動脱力発作は、長時間続くことはありません。数秒から長くても数分で元の状態に戻ります。
睡眠麻痺
睡眠麻痺とは、金縛りとも呼ばれる症状です。通常夢を見ている状態の体は「動くな」と脳から命令されています。
命令が解除される前に起きてしまうと、目が覚めたのに体を動かすことができません。これが金縛りの原因です。
また、睡眠に関してはナルコレプシーの多くの患者が寝入りばなや入眠直後に、幻覚を見ることがあります。
夢のようにぼんやりとした幻覚でなくとても鮮明なため、現実と区別できないこともあるほどです。
ナルコレプシーと合併しやすい障害は?
ナルコレプシーは特定の障害を合併しやすいことが分かっています。ナルコレプシーと診断された場合は、障害を発病しないように注意することが必要です。
症状 | 合併する割合 |
---|---|
気分障害 (うつ病・うつ状態) ![]() |
3人に1人 |
不安障害![]() |
4人に1人 |
肥満 (病気の初期に急速にすすむ) ![]() |
3~4割 |
長時間気分の落ち込みが続くうつ病などの気分障害、そして強い不安から日常生活に支障をきたす不安障害です。
ナルコレプシーを患うと、高い確率でこのような障害を併発します。併発してしまった場合には、ナルコレプシーの治療とは別にそれぞれの症状に対しての治療も必要です。
寝る時間などが増え、新陳代謝が落ちたために肥満になりやすくなります。肥満状態が長引くと、糖尿病など別の病気を併発するので体重のコントロールは大切です。
ナルコレプシーの診断はどのようにされる?
精神疾患の中には、眠気が増す症状がある疾病もあります。そのため、眠気があるから=ナルコレプシーと診断するわけではありません。
睡眠ポリグラフ検査
睡眠ポリグラフ検査とは、ナルコレプシーの他に睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を調べることができる検査です。
一晩を使って睡眠中の脳波、筋電図、心電図、鼻の空気の流れ、酸素飽和度、胸・脚の動きなど体中のあらゆる情報を収集します。
通常の睡眠はノンレム睡眠が先におこります。ナルコレプシー患者の睡眠状態は通常の睡眠とは違い、入眠直後にレム睡眠に陥るといった点が特徴的です。
白血球の血液型検査
ナルコレプシー患者の99%以上の方は、特定の白血球の血液型を有しています。その白血球の型を調べるための血液型検査です。
現在の研究では、この特定の白血球の血液型がナルコレプシーの原因遺伝子であることが解明されています。
しかし、この型は健常者であっても日本人なら12~13%の方が有している型です。そのため、この白血球型を有しているから絶対にナルコレプシーになるとは限りません。
脳脊髄液中のオレキシン濃度検査
情動脱力発作の症状がある方に有効なのが、脳脊髄液中のオレキシン濃度検査です。その名前の通り、脳脊髄液中のオレキシン濃度を測定します。
情動脱力発作を起こす方の9割近くの方が、脊髄液中のオレキシン濃度が測定限界以下まで減少しています。
現在の睡眠障害国際分類では、たとえ情動脱力発作の症状が無くてもオレキシン濃度が異常低値ならナルコレプシーと診断できるとされています。
ナルコレプシーの治療方法は?
一般的にナルコレプシーの治療は、薬物治療と薬物を使用しない行動療法などを併用して行われます。それぞれの特徴を紹介していきます。
薬物療法
症状 | 薬名 | 副作用 |
---|---|---|
日中の眠気![]() |
メチルフェニデート モダフィニルなど |
気分が高揚する 喉が渇く ドキドキする(動悸) 胃が痛む |
情動脱力発作![]() |
クロミプラミン (アナフラニール®) など |
便秘や喉の渇きなど |
ナルコレプシーの薬物治療は、症状の緩和に用いられます。そのため、同じナルコレプシーの患者でも、症状が異なれば処方される薬も異なる仕様です。
主に使用されるのは、表にまとめている薬です。メチルフェニデートやモダフィニルは精神刺激薬で、眠気に効果があります。
クロミプラミンはうつ病の治療薬で、情動脱力発作の他に睡眠麻痺や入眠時幻覚に作用する薬です。
副作用がある薬なので、医師の説明をよく聞き用法容量を守って服用してください。
行動療法
行動療法とは、患者が行う行動に対して指導などを行う治療法です。例えば、生活習慣を整え、規則正しい生活を送ることも行動療法になります。
ナルコレプシー以外の睡眠障害でも、生活習慣の改善は高い効果があることが分かっています。生活習慣を整えるといっても、難しいことはありません。
できるだけ決まった時間に睡眠をとり、決まった時間に起きる。昼寝も決まった時間に行い、暴飲暴食は避けるなどです。
1日のリズムが作られ眠くなる時間帯などがわかれば、その時間帯を避けることで車の運転などもできます。
生活環境の改善
ナルコレプシーに限らず、病気の治療には周囲の家族や同僚、友達などの理解が重要です。特にナルコレプシーは、眠っている姿を見られ怠けていると勘違いされることもあります。
病気のことを知られることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、周囲に秘密にしながらの治療はハードルが高いのも現状です。
理解を得られると、治療期間も日常生活や仕事においても過ごしやすくなります。このように、治療をしやすいように周囲の環境を整える努力も大切です。
ナルコレプシーの診断・治療は何科に行けばいい?
専門外来 | 初診に適した診療科目 |
---|---|
睡眠障害専門外来(いびき外来)![]() |
呼吸器内科 耳鼻科 精神科 心療内科 神経科 |
ナルコレプシーの診療は、さまざまな診療科で行われています。しかし、できれば睡眠専門の外来で治療を行う事をおすすめします。
ナルコレプシーのような睡眠障害の場合は、専門となるのは精神神経科や神経内科です。表にまとめている通り、耳鼻科などでも診療することはできます。
睡眠障害専門外来を自分で探して受診することもできますが、自分が患っている症状が必ずしも睡眠障害であるかは分かりません。
そのため、近隣の医療機関を受診して、必要であれば専門外来を有する医療機関へ紹介状を書いてもらうと二度手間にならずスムーズに治療を進められます。
精神疾患との合併は精神科訪問看護を利用する選択肢も
ナルコレプシーと精神疾患を合併した場合でも、基本的に治療は通院で行われます。そのため、薬の管理などを自分や家族が行うことが必要です。
精神科訪問看護とは?
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
対応スタッフ![]() |
看護師 准看護師 作業療法士 |
訪問日数![]() |
原則週3日以内 |
精神科訪問看護とは、精神疾患を患い自宅などで療養している方に対してサポートを行う事業です。スタッフは医療従事者であることから、必要であれば医療行為も行えます。
訪問看護は主治医が必要と判断すれば利用することが可能です。年齢などの制限はなく、あくまでも医師の判断で利用の有無が決定します。
医療保険が適用される場合は、原則として週3日以内の訪問日数になります。しかし、患者の様態などによっては週4日以上の訪問もできる仕組みです。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
主な精神科訪問看護のサポート内容はリストにまとめている通りです。注目してほしい点は、利用者のみならずその家族の悩みなども請け負うことができることです。
地域の様々な関係機関と連携を図りながら、家族が地域から孤立することを防ぐ役割もあります。
サポート内容は患者の状態や環境の変化で調整することが可能です。不具合があれば訪問看護のスタッフや主治医に相談し、都度内容を確認していきます。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!
当シンプレ訪問看護ステーションは2020年に開業した、精神疾患に特化した訪問看護ステーションです。
シンプレ訪問看護ステーションとは?
・ナルコレプシー
・統合失調症
・双極性障害
・不安障害
・パーソナリティ障害
・アルツハイマー型認知症適応障害
・アルコール依存
・薬物依存
・知的障害
・発達障害
・精神疾患全般
主な看護内容
・生活支援・自立支援
・症状の悪化防止・服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援
シンプレ訪問看護ステーションは精神疾患に特化した訪問看護を行う訪問看護の事業所です。うつ病などの精神疾患や発達障害など幅広く対応しております。
当ステーションには専門知識や経験があるスタッフが多数在籍していますので、精神科訪問看護サービスを受けるのが初めての方でも、お気軽にご相談いただければと思います。
スタッフが定期的に自宅を訪問し、生活リズムの調整を行ったり、症状で悩まれている方に対して、生活が少しでも安心したものになるようにお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ
強い眠気に襲われるナルコレプシーは、気分障害などの精神疾患を合併するリスクが高い障害です。合併した場合には、同時に治療を進める必要があります。
症状が重度でなければ基本的に通院での治療となるため、家庭での服薬や生活リズムの管理はとても大切です。
シンプレでは、症状の悪化の防止サポートや服薬の指導などもしております。利用者様へのサポートを通じて社会復帰に向けての一歩をお手伝いします。
訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。