ナルコレプシーの症状ってどんなもの?

ナルコレプシーは睡眠障害の一つとして知られていますが、具体的にどのような症状があるのかはわからない方が多いと思います。
そこでこの記事では、ナルコレプシーの症状について詳しく見ていきましょう。
睡眠障害がありナルコレプシーを疑っている方はぜひこの記事を参考にして適切な対応をとるようにしてください。
ナルコレプシーにはどんな症状がある?

突然強い眠気に襲われ眠ってしまう
1つ目の症状は、突然強い眠気に襲われ時間や場所を問わず眠ってしまうというものです。
夜に充分な睡眠を取っていても、時間や場所を問わず何度も急な眠気が襲ってくるのがナルコレプシーの特徴です。
車の運転中など集中していても突然眠くなり、危険を伴うので病院での治療が必要になります。
どの年代でも発症する可能性はありますが、思春期に発症する場合が多く古くから知られている過眠症の一種です。
情動脱力発作を伴うこともある
2つ目の症状は、強い眠気だけではなく、情動脱力発作を伴うこともあるというものです。
情動脱力発作とは、泣く・怒る・笑うなどの情動の大きな変化をきっかけとして全身の力が抜けてしまう症状です。
ナルコレプシーは立ったまま眠気が襲うこともあるので、その状態で情動脱力発作が起こると危険が伴います。
前触れがなく突然起こるものなので、対策を取るのが難しく怪我や事故に注意しなければなりません。
睡眠麻痺や夜間熟眠障害などを伴うこともある
3つ目の症状は、睡眠麻痺や夜間熟眠障害などの睡眠障害を伴う場合もあるというものです。
睡眠麻痺とは、睡眠時の脱力と意識の覚醒が同時に起こる状態で、金縛りとも呼ばれます。
夜間熟眠障害とは、ある程度の睡眠時間が確保できていても起きた時に疲れが取れず眠った感じがしない状態のことです。
意に反して起こる睡眠に脳や身体が対応できなくなり、心地良い睡眠が取れなくなってしまう場合があるのです。
ナルコレプシーになってしまう原因は?

脳内にある神経細胞の機能低下
ナルコレプシーになる原因の1つとして考えられているのが、脳内の神経細胞の機能低下です。
興奮の伝達・抑制に作用するオレキシンという脳内物質の欠乏によるものであると言われています。
人間の体には覚醒・ノンレム睡眠・レム睡眠の3つの状態があり、オレキシンは覚醒の状態に作用する物質です。
その物質が欠乏することにより、脳の中の睡眠と覚醒の切り替えが不安定になる疾患だと言われています。
感染症などによる自己免疫過程への影響
2つ目の原因として考えられているのが、風邪などの感染症などによる自己免疫過程への影響です。
上記でご紹介したようにナルコレプシーにはオレキシンという物質と深い関わりがあります。
ナルコレプシーと診断された患者の脳脊髄液中のオレキシンの濃度は極めて低いと言われています。
この濃度が下がる原因の1つとして風邪などの感染症があり、突然症状が現れ始めることもあるのです。
頭部外傷や遺伝的な要因で起こることも
3つ目の原因として考えられているのが、頭部外傷や遺伝的な要因で起こる場合についてです。
ナルコレプシーと診断された患者には、免疫を担っている細胞に一定の異常があることが発見されました。
この免疫を担う細胞の異常は遺伝によるものの場合がほとんどであり、それが原因でオレキシンを異常な物質とみなし攻撃してしまうのです。
また、頭を強くぶつけるなどの頭部外傷によってオレキシンの数が減ってしまい、ナルコレプシーを発症する場合もあると言われています。
ナルコレプシーの検査・診断方法は?

睡眠ポリグラフ検査(PSG)
・脳波
・眼球運動
・心電図
・筋電図
・呼吸曲線
・いびき
・動脈血酸素飽和度など
入院日数
一泊二日
検査費用
入院費などを含めて5万円前後(3割負担)
睡眠ポリグラフ検査は睡眠時無呼吸症候群などを調べる際に用いられる検査方法です。
検査は一泊二日の入院で行われ、心電図や脳波を測る機械を24時間付けた状態で過ごします。
検査をする際に痛みなどはありませんが、様々な機器が着くので少し不自由さを感じるかもしれません。
入院して検査を行い後日詳しい結果が出るという場合がほとんどなので、結果が出るまでに少し時間がかかります。
反復睡眠潜時検査(MSLT)
・2時間おきに睡眠潜時を計5回検査
・眠気の程度を評価
入院日数
9時〜18時ごろ
検査費用
・初診時:約 8,000円(3割負担)
・約28,270円(3割負担)
反復睡眠潜時検査とは、MSLTと呼ばれる過眠症を調べるために行われる検査方法です。
日中に強い眠気を感じる過眠症を調べるものなので、ナルコレプシーの検査にも適しています。
反復睡眠潜時検査は、過眠症と診断され薬を処方する際に必ず受けていなくてはならない検査です。
この反復睡眠潜時検査を受けていない方は、原則として過眠症の薬を服用することはできません。
覚醒維持検査
睡眠判定指標を用いた入眠潜時の測定
入院日数
・20分または40分の検査
・起床時刻から1.5~3時間後より2時間間隔で4回
検査費用
保険適応外のため要問い合わせ
覚醒維持検査とは、眠いと感じてからどの程度起きていられるかという意味の覚醒維持能力を測るための検査です。
眠気が強いほど長く起きていられないことを利用し、それによって眠気の強さなどを測る検査方法になっています。
この検査で測った眠るまでの時間の平均値を使って、眠気の程度を比較していきます。
ナルコレプシーと思われる日中の眠気が、普通の眠気と程度の違うものであるということを証明することが可能です。
ナルコレプシーの治療方法は?

生活指導
1つ目の治療方法は、生活指導によるものです。主にナルコレプシーの症状が軽度の場合に行われます。
普段の生活習慣を見直し、睡眠記録表に24時間の睡眠と覚醒の状況を記録していきます。
それを医師に見てもらい睡眠時間の調整などをメインとした生活習慣の見直しを行うのです。
短時間の昼寝をしたり、適宜カフェインを摂取するといった方法で症状の改善を図ります。
薬物療法
2つ目の治療方法は、薬物療法です。こちらはナルコレプシーの症状が中〜高程度の場合に行われる治療法です。
睡眠時間が取れていても寝た気がしない熟眠障害には、より眠りを深くするための睡眠薬が処方されます。
反対に日中に強烈な眠気が襲ってきてしまうという方には、覚醒作用のある中枢神経刺激薬が処方されます。
どちらも副作用が出る場合があるので、医師の指示をよく聞き用法容量を守って服用するようにしましょう。
ナルコレプシーかもと思ったときの相談先は?

睡眠障害全般を扱う睡眠外来
1つ目は、睡眠障害全般を扱っている病院や専門機関などの睡眠外来に相談するというものです。
日本人には睡眠障害に悩まされている方が多いため、睡眠専門の外来がある病院は多くあります。
ナルコレプシーは最初は睡眠が取れていなく日中眠くなってしまう状態と見分けが付きづらく医療機関にかかるのを迷う方も多いです。
しかし、いつ突然強烈な眠気がくるか分からないので、心配な時は早めに診てもらうようにしましょう。
精神科・精神神経科・神経内科
2つ目は、精神科・精神神経科・神経内科などの精神系の専門機関に相談するというものです。
ただし、病院によっては診断や検査などをを他の病院や専門の機関に依頼する場合もあります。
そのため自分が行こうと思っている病院がどの程度まで診断できるのかを事前に調べておくのがおすすめです。
実際に電話で問い合わせて、ナルコレプシーの診断をしてもらえるか聞いてみるのも良いでしょう。
他の精神疾患と併発なら精神科訪問看護が利用できることも

精神科訪問看護とは?
サービス名 | 精神科訪問看護![]() |
---|---|
対応スタッフ | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | 原則週3日以内 |
精神科訪問看護とは、精神疾患に特化した訪問看護を受けることができるサービスです。
看護師などの資格を持った人が自宅まで来て看護をしてくれるので、ストレスや精神的負担が少ないのがメリットになっています。
原則週3日利用することができ、利用料金には医療保険が適用されるので少ない負担で利用できます。
ただし、決められた条件をクリアしている場合に限り週3日以上の利用することも可能です。
精神科訪問看護のサポート内容
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護では、日常生活の介助を受けながら同時に心のケアをしてもらうことができます。
コミュニケーションを取りながら症状悪化の防止を意識し、気分転換の手伝いなどもしてもらえます。
また、利用する方へのサポートのみではなく、家族や対人に対するサポートやアドバイスも受けることが可能です。
精神疾患の場合薬が多く処方されることもあるので、飲み忘れを防ぐためも管理なども任せることができます。
精神科訪問看護ならシンプレ訪問看護ステーションへ!

シンプレ訪問看護ステーションの看護内容
・統合失調症
・双極性障害
・不安障害
・パーソナリティ障害
・アルツハイマー型認知症適応障害など
主な看護内容
・生活支援、自立支援
・症状の悪化防止、服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援
シンプレでは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、自宅で看護を受けることができるので、外出が難しい方でも自宅でリラックスしながらサービスを受けることができます。
専門知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、精神疾患に対する看護を行いたいという気持ちの強い看護師が集まっています。
ひとりひとり、違った意見や考え方があることを尊重し、患者さんが持つ病気とどう向き合っていくかを看護師が一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのサポートを心がけています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
子供から大人まで年齢に関わらず利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っています。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ

時間や場所を問わず何度も強い眠気に襲われるという方はナルコレプシーの疑いがあります。
ナルコレプシーは車の運転中などでも起こる可能性があるので、気になる方は早めに医療機関に相談することをおすすめします。
ナルコレプシーや併発した精神疾患により家事など日常生活を送ることが難しいとなってしまった場合、精神科訪問看護を利用するのも1つの手です。
シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。利用者様へのサポートを通じて社会復帰に向けての一歩をお手伝いします。
ご相談の問い合わせはこちら▼