ナルコレプシーの症状ってどんなもの?
ナルコレプシーは、睡眠障害の一種として知られています。しかし、具体的な症状は、知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、ナルコレプシーの症状について詳しく解説します。
睡眠障害があり、ナルコレプシーを疑っている方は、ぜひ参考にしてください。
ナルコレプシーにはどんな症状がある?
突然強い眠気に襲われ眠ってしまう
ナルコレプシーの代表的な症状は、時間や場所を問わず、日中に突然強い眠気に襲われ、眠ってしまうことが特徴です。
夜に十分な睡眠をとったとしても、昼間に何度も眠気が襲ってくるのが特徴です。車の運転中など、重要な場面で眠気に襲われると危険なため、治療が必要です。
ナルコレプシーは、思春期をピークに10代~20代で発症することが多い過眠症の一種ですが、どの年代でも発症する可能性があります。
情動脱力発作を伴うこともある
ナルコレプシーの症状には、強い眠気に加えて、情動脱力発作を伴う場合もあります。
情動脱力発作とは、強い感情の変化(喜び、悲しみ、怒りなど)をきっかけに、全身の筋力が急に弱くなることです。
ナルコレプシーでは、日中に突然眠気が襲うことがあり、その状態で情動脱力発作が起こると、転倒の危険や転落の危険があります。
情動脱力発作は、前兆がなく突然起こるため、予防が難しいものです。そのため、事故や怪我に注意する必要があります。
睡眠麻痺や夜間熟眠障害などを伴うこともある
ナルコレプシーの症状には、日中の過度の眠気や睡眠発作に加えて、睡眠麻痺や夜間熟眠障害などの睡眠障害を伴う場合もあります。
睡眠麻痺とは、睡眠中に身体が動けず、意識ははっきりしている状態のことです。
夜間熟眠障害とは、睡眠中に十分に眠っているのに、朝起きても疲れが取れない状態のことです。
ナルコレプシーでは、意に反して起こる睡眠に脳や身体がうまく対応できず、これらの睡眠障害が現れると考えられています。
ナルコレプシーになってしまう原因は?
脳内にある神経細胞の機能低下
ナルコレプシーになる原因の1つとして考えられているのが、脳内の神経細胞の機能低下です。
興奮の伝達・抑制に作用するオレキシンという脳内物質の欠乏によるものであると言われています。
人間の体には覚醒・ノンレム睡眠・レム睡眠の3つの状態があり、オレキシンは覚醒の状態に作用する物質です。
その物質が欠乏することにより、脳の中の睡眠と覚醒の切り替えが不安定になる疾患だと言われています。
感染症などによる自己免疫過程への影響
ナルコレプシーの原因の2つ目として、風邪などの感染症による自己免疫過程への影響が考えられています。
ナルコレプシーと診断された患者の脳脊髄液中のオレキシンの濃度は、極めて低いことが知られています。
この濃度が下がる原因として、風邪などの感染症が考えられており、感染症がきっかけとなって、突然症状が現れることもあるようです。
頭部外傷や遺伝的な要因で起こることも
ナルコレプシーの原因には、頭部外傷が引き金となり、脳内のオレキシンの分泌に異常が生じて発症する可能性があると考えられています。
また他にもナルコレプシー患者の家族では、一般の家族の10倍程度の割合でナルコレプシーを発症する可能性があるという研究結果があります。
一方で、世界中で報告されているナルコレプシーの一卵性双生児16組のうち、両方ともナルコレプシーを発症したのは5組だけです。このことから、ナルコレプシーの発症には、遺伝子に加えて、ストレスなどの環境要因も関与していると考えられます。
ナルコレプシーの検査・診断方法は?
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
・脳波
・眼球運動
・心電図
・筋電図
・呼吸曲線
・いびき
・動脈血酸素飽和度など
入院日数
一泊二日
睡眠ポリグラフ検査は睡眠時無呼吸症候群などを調べる際に用いられる検査方法です。
検査は一泊二日の入院で行われ、心電図や脳波を測る機械を付けた状態で過ごします。
検査をする際に痛みなどなく、寝返りやトイレに行くことも可能です。
反復睡眠潜時検査(MSLT)
・2時間おきに睡眠潜時を計5回検査
・眠気の程度を評価
反復睡眠潜時検査は、日中に強い眠気を感じる過眠症の診断に有用な検査です。
検査では、寝付くまでの時間を2時間おき測定します。入眠潜時が短いほど、眠気が強い傾向があるといわれています。
反復睡眠潜時検査は、過眠症と診断され薬を処方する際に、考慮される検査のひとつです。
この検査を受けていない方は、過眠症の薬を服用できない可能性もあります。
覚醒維持検査
睡眠判定指標を用いた入眠潜時の測定
入院日数
・20分または40分の検査
・2時間間隔で4回
検査費用
保険適応外のため要問い合わせ
覚醒維持検査とは、眠気を誘う状況下で、どれだけ起きていられるかを測定する検査です。
眠気が強いほど長く起きていられないことを利用し、それによって眠気の強さなどを測る検査方法になっています。
この検査で測った眠るまでの時間の平均値を使って、眠気の程度を比較していきます。
ナルコレプシーの治療方法は?
生活指導
ナルコレプシーの症状が軽度の場合、生活指導が行われます。生活習慣を見直して、睡眠記録表に24時間の睡眠と覚醒の状況を記録します。
医師に見てもらい、睡眠時間の調整を中心に生活習慣を見直します。短時間の昼寝やカフェインの摂取で、症状の改善を図ります。
薬物療法
ナルコレプシーの症状が中〜高程度の場合、薬物療法が行われます。睡眠時間が十分でも寝た気がしない場合は、睡眠薬で眠りを深めます。
日中に強い眠気が襲ってくる場合は、覚醒作用のある中枢神経刺激薬で覚醒を促します。いずれの場合も、副作用が出る可能性があるため、医師の指示に従って服用しましょう。
ナルコレプシーかもと思ったときの相談先は?
睡眠障害全般を扱う睡眠外来
ナルコレプシーかもしれないと思ったら、まず睡眠障害を専門に扱う病院や専門機関の睡眠外来に相談しましょう。
日本人の睡眠障害の患者さんは多く、睡眠外来のある病院はたくさんあります。
ナルコレプシーは、最初は睡眠不足で日中眠くなることと似ているため、病院に行くのをためらう人も多いようです。
しかし、突然強い眠気が襲ってくる可能性があるため、不安なときは早めに受診しましょう。
精神科・精神神経科・神経内科
ナルコレプシーかもと思ったときの相談先の2つ目は、精神科・精神神経科・神経内科などの精神系の専門機関に相談するというものです。
ただし、病院によっては診断や検査などをを他の病院や専門の機関に依頼する場合もあります。
そのため自分が行こうと思っている病院がどの程度まで診断できるのかを事前に調べておくと良いでしょう。
実際に電話で問い合わせて、ナルコレプシーの診断をしてもらえるか聞いてみるのも良いでしょう。
他の精神疾患と併発なら精神科訪問看護が利用できることも
精神科訪問看護とは?
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
対応スタッフ | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | 原則週3日以内 |
精神訪問看護は、精神科の経験や研修を受けた看護師や作業療法士が、精神疾患のある方の自宅を訪問して、医療や介護のサービスを提供するものです。
訪問時間は、医療保険の場合、30分〜1時間半程度です。ご利用者様の体調に合わせて、柔軟に対応いたします。
訪問回数は、原則として週に3回までですが、条件によっては4回以上も可能です。
精神科訪問看護のサポート内容
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護では、日常生活の介助を受けながら同時に心のケアを行います。
コミュニケーションを取りながら症状悪化の防止を意識し、気分転換の手伝いなども可能です。
また、利用する方へのサポートのみではなく、家族や対人に対するサポートやアドバイスもお受けしています。
精神疾患の場合薬が多く処方されることもあるので、飲み忘れを防ぐためも管理などのサポートもいたします。
精神科訪問看護ならシンプレ訪問看護ステーションへ!
シンプレ訪問看護ステーションの看護内容
主な看護内容
・生活支援、自立支援
・症状の悪化防止、服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援
対象者
・睡眠障害
・統合失調症
・双極性障害
・不安障害
・パーソナリティ障害など
シンプレでは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、自宅で看護を受けることができるので、外出が難しい方でも自宅でリラックスしながらサービスを受けることができます。
患者さんが持つ病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
子供から大人まで年齢に関わらず利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っています。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
ナルコレプシーの症状について解説してきました。時間や場所を問わず何度も強い眠気に襲われるという方はナルコレプシーの疑いがあります。
ナルコレプシーは車の運転中などでも起こる可能性があるので、気になる方は早めに医療機関に相談することをおすすめします。
ナルコレプシーや併発した精神疾患により家事など日常生活を送ることが難しいとなってしまった場合、精神科訪問看護を利用するのも1つの手です。
シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。利用者様へのサポートを通じて社会復帰に向けての一歩をお手伝いします。
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