引きこもりと精神疾患の関係

近年は、大人の引きこもりが社会的な問題になっている「引きこもり」。実は、引きこもりと精神疾患には深い関係があることを知っていますか?
精神疾患の症状が悪いと、突発的な自殺に至る可能性もあるため早めの治療が大切です。そこで今回は、引きこもりと精神疾患の関係性や支援を受けられる場所を紹介します。
一人で問題を抱えずに、まずは支援を受けられる場所に相談しましょう!
引きこもりとは?精神疾患との関係性

「引きこもり」という言葉はよく聞きますが、精神疾患との関係性が深いといわれています。まずは引きこもりと精神疾患との関係性を見ていきましょう。
引きこもりとは
・満40歳から満64歳
・61.3万人(人口の1.45%)
2014年
・満15歳から満39歳
・54.1万人(人口の1.57%)
引きこもりの定義は、様々な要因の結果として社会的参加(学校への通学、アルバイトなどを含む就労、家庭外での交遊など)を回避している状態。
加えて概ね6か月以上にわたって家庭しとどまり続けている状態を指します。厚生労働省の調査結果では、現在20歳代の人で2.4%もの人が引きこもりを経験しています。
しかし近年では引きこもりの長期化や、社会に出た後に引きこもりになってしまうケースなどにより、30歳代以上も増加の傾向にあるのです。
引きこもりと精神疾患の関係
幻覚や妄想という症状が
特徴的な精神疾患
双極性気分障害
うつ状態とは対極の
うつ状態を繰り返す状態
うつ病
様々な理由から脳の
機能障害が起きている状態
強迫性障害
何度も同じ確認をくりかえしてしまうこと
パニック障害
理由もなく動悸やめまい、
発汗などを起こす
引きこもりの約8割は何らかの精神疾患によるものといわれており、医学的な治療が有力な支援となりえます。
統合失調症はおよそ100人に1人弱がかかる頻度の高い精神疾患です。脳の構造や働きの微妙な異常が原因と考えられています。
双極性障害は、精神疾患の中でも気分障害と分類されており、うつ状態と対局の躁状態も表れ、これを繰り返す慢性の病気です。
他にもさまざまな精神疾患が引きこもりとの関係が深いのですが、特に注意したい精神疾患を下記で解説していきます。
特に注意すべき精神疾患は?
引きこもりと関係の深い精神疾患で、適切な治療を早期に行わないと、当事者が大きな不利益をこうむることになるものがあります。
それはうつ病などの「気分障害」、2つ目に「統合失調症」、3つ目はADHDやPDDを含む「発達障害」です。
これらの診断を受け、治療に励むにはまずは引きこもり状態を長引かせている要因として、精神疾患が背景にあるということを、周囲の人間が理解していなければいけません。
引きこもりは4つのタイプに分かれる!解決策は?

引きこもりと一口に言っても、人それぞれその特徴が異なります。大きく分けて4つのタイプ/がありますので、一つずつ解説していきます。
①仕事探しが面倒で家に引きこもる
友達もいて、人間関係に問題があるようではない、また何かやらせてあげると、できないわけでもない。
でも働くように周囲が助言すると「めんどくさい」と引きこもってしまうタイプ。親としては原因が分からないという方が多いです。
またこのタイプの大きな特徴としては、子供自身は困っているようには見えない事。はっきりした理由がないのに、なんとなく引きこもってしまっている状態のことを指します。
②仕事や学校、資格などある特定に固執する引きこもり
2つ目は「夢追いタイプ」です。すぐ他人と比較し、特定の仕事や学校、資格などに固執し、夢にこだわり続けるがあまり膨大な時間をかけてしまいます。
このタイプは少ない経験の中で育まれた狭い価値観を持っており、アルバイトなどの社会体験も拒否する場合が多いです。
夢を追うことはもちろんいいことですが、色々な体験をさせて色々な話を聞かせてみて価値観を広げることが有効的な対策となります。
③親に暴力や暴言を吐いて部屋に引きこもる
3つ目のタイプは、親に暴力や暴言などがある引きこもりです。このタイプの特徴は、自分の親が暴力や暴言を受けている、という自覚が薄い場合があるということです。
なのでこのようなタイプの引きこもりであれば、親は子供との距離をとり、介入しないようにしましょう。
第三者に相談し、介入してもらうことが大切です。親子だけでの解決は諦め、様々な機関の支援を受けることをおすすめします。
④親子の関係が友達関係になっている
食事も楽しく会話しながら一緒に取り、時には一緒に外出したりもするタイプで、一見引きこもりではないようなタイプがあります。
しかし友達のように親子の関係性が出来上がっているので、「働きなさい」といった肝心な話がいつまでたってもできずにいる場合があります。
親は子に、子は親に依存してしまっている「共依存」の状態で、長期化すると子供側が依存に気が付いて暴力や暴言に発展してしまうケースがあります。
心理・社会的な支援方法

引きこもりの状態を脱するには、様々な治療方法や支援方法があります。引きこもりのタイプに合わせて治療方法を選ぶことが大切です。
個人療法
引きこもりをしている当事者が相談や治療に参加できる場合にできるのが、「個人療法」です。
引きこもり支援において、個人療法の位置付けは他の精神疾患とはやや異なり、家族支援の比重がとても大きくなっています。
当事者が集団的な生活をできるまでを支援し、デリケートな多様な葛藤の克服を支援します。
そうしてもともと当事者に備わっている自我・活力の回復を目指し、集団療法へと移っていくのです。
集団療法
引きこもりの当事者は、他者とのコミュニケーションが不足していたり、仲間経験が不足、仲間経験の中で気う付いた過去を持っている場合があります。
そこで効果的な集団療法では、出席や発言を強制されない、発言に対して少なくとも支援スタッフからは非難されない、といった支持的な枠組みが確立されています。
しかし当事者は集団に入ると、はじめのうちは疲労感を人一倍感じるようになるので、回復には時間がかかります。
そのことを支援する側の家族やスタッフは心得ておかなければいけません。
デイ・ケア
デイ・ケアとは、スポーツや音楽などの表現活動、社会見学、そしてディスカッションなどを通じて社会復帰に必要な様々なスキルを身につけるための支援方法です。
上記のような様々な取り組みに他者と一緒に活動することで経験をつみ、他者と折り合いを付けながら適切に自己主張をするスキルを身につけていきます。
これらのデイ・ケアを通じて親密な仲間関係の経験と、社会参加のきっかけを得るということの支援効果があります。
教育機関による支援
引きこもりによって不登校になっている子供を支援するために、教育機関による支援が、様々な内容で行われます。
中でも教育相談機関では、生徒・児童およびその保護者の精神療法やカウンセリングと呼ばれる個別支援を行う役割と、学校や担当教師に支援方法をアドバイスする役割を持っています。
適応指導教室では、現役の職員に加えて、心理学や教育学に精通する指導員などが支援に当たり、個人の事情に合わせて柔軟な支援を行い、その内容は様々です。
引きこもりの相談場所を教えて!

自分の子供が引きこもりかもしれないと悩んでいる方は、以下の相談場所へ相談してみる事をおすすめします。それぞれの役割や特徴を解説していきます。
引きこもり地域支援センター
引きこもり
地域支援センター
相談方法
・電話
・面談
相談相手
引きこもり支援
コーディネーター
引きこもり地域支援センターとは、引きこもりに特化した専門的な相談窓口として全国各都道府県、指定都市に設置・運営しています。
このセンターでは、社会福祉士・精神保健福祉士・臨床心理士の資格を有する支援コーディネーターが、引きこもりの状態にある方や家族へ相談支援を実施。
また、地域における関係機関とのネットワークの構築や、地域における引きこもり支援の拠点としての役割を担っています。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センター
相談方法
・電話
・面談
相談相手
・医師
・看護師
・保健師
・精神保健福祉士
・臨床心理技術者
・作業療法士
精神保健福祉センターでは、引きこもりをはじめとした様々な精神疾患の相談に対応してくれるセンターです。
センターには、精神保健福祉士・臨床心理士・保健師・看護師などの専門職や幅広い専門知識を有している職員が在籍し、相談に対応しています。
各都道府県に設置していますが、力を入れている活動が地域によって異なりますので、お住まいの場所にあるセンターがどんな対応をしているのかを事前に確認しておきましょう。
精神科訪問看護
精神科訪問看護
相談方法
・電話
・面談
相談相手
訪問看護師
精神科訪問看護とは、引きこもりになる原因となる統合失調症やうつ病、適応障害などの精神疾患に特化した訪問看護を行うことです。
引きこもりで支援が必要、また服薬による精神疾患の治療が必要な場合に、専門資格を有した看護師や作業療法士が自宅へ訪問し、療養上のお世話や看護を行います。
また、社会復帰に向けて治療を後押しし、いずれ自立していくための支援もしてくれるので、家族だけでは支援しきれない場合に利用を推奨します。
引きこもりと関係が深い精神疾患を治療するならシンプレ訪問看護ステーションにお任せください!

家族だけでの支援が難しい場合は、当シンプレ訪問看護ステーションの利用を検討ください。
シンプレ訪問看護ステーションって?
自分らしく自立した生活を
営めるための支援
症状の悪化防止・服薬支援
生活状況を観察しながら
受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
主治医や関係機関と連携を
取りなが社会復帰を支援
家族の方への支援
家族へのアドバイスや相談、
社会資源の活用などを支援
シンプレ訪問看護ステーションは、精神疾患に特化した訪問看護を提供しており、引きこもりとの関係の深い統合失調症やうつ病の方などの支援を行っております。
訪問時に生活状況や症状を確認し、ご利用者様の主治医や関係機関と連携を取ることで、治療の前進をサポートします。
専門知識や経験が豊富な、精神疾患に対する看護を行いたいという気持ちの強いがスタッフが集まっており、精神科訪問看護サービスを受けるのが初めての方でも安心してご利用いただけます。
利用者様の主治医や通っている医療機関とも密に連携をとりながら、ご利用者様が家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようしっかりとご支援いたします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションは、現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
上記のエリア以外での利用を希望される場合でも、利用できる可能性がありますので、利用を検討している方はお気軽に相談ください。
引きこもりを引き起こす精神疾患は、周りが気付き、早期に適切な治療・支援を施すことが大切です。ひとり・家族だけでは抱え込まず、周囲の関係機関に相談しましょう。
ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事では引きこもりと精神疾患との関係性について解説してきました。
引きこもりの約8割は、統合失調症や適応障害などの神疾患が関係しているといわれていますので、早期に診断を受け、適切な支援を受けないと引きこもりが長期化してしまいます。
精神疾患の治療には時間がかかりますので、家族だけでは抱え込まずに、関係機関への相談をすることで、社会復帰へ確実な一歩が踏み出せます。
シンプレ訪問看護ステーションでは、引きこもりに対する支援・訪問看護を行っていますので、ご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にご相談ください。