持続性気分障害の症状とは。やる気の減退やイライラなどでお悩みの方へ

持続性気分障害の症状はうつ病の診断を満たすほどの症状でなはないものの、憂鬱なきもちや、イライラややる気の減退などの症状が2年以上続く疾患のことをいいます。
今回は持続性抑うつ障害の詳しい症状や併存して起きやすい疾患についても解説します。
症状に心当たりのある方はこの記事を参考に早めに治療することが大切です。
持続性気分障害の症状や原因
持続性気分障害の症状
持続性気分障害で、よく現れるのが持続性抑うつ障害です。持続性抑うつ障害は、一日中、疲れや気分の落ち込みを感じる状態です。症状がない日よりある日の方が多い状態です。
上記の症状以外にも、食欲減退や亢進、不眠または過眠といった症状も現れます。これらの症状が2年以上持続することで、持続性気分障害と診断されます。
何に取り組むとしても気分的にのらないため、大変な努力を必要とします。また、不眠などにより、体力的にも限界を感じて、自分の状態に満足できないことが続きます。
持続性気分障害の原因
持続性気分障害の原因はあまりはっきりとはしていません。死別などのはっきりした、きっかけがある場合もあるようです。
生活の中での人間関係が影響しているとも考えられています。ここでいう人間関係は、家族や学校、職場といったひろい範囲でのことです。
また、もともとの性格の傾向が、不安を持ちやすかったりすると、持続性気分障害やうつ病になりやすいと言われています。この性格傾向を、神経的傾向といいます。
しかし、持続性気分障害の原因のひとつに性格的な傾向があるといっても、性格だけが原因ではありません。持続的気分障害は、うつ病のひとつであると理解することが大切です。
併存しやすい病気
- 不安症
- 境界性パーソナリティー障害
持続性気分障害は、長期間続く気分の落ち込みが改善せず、悪化してうつ病に変化する場合もあります。
また、気持ちの不安定さを持つパーソナリティー障害では、持続する抑うつ状態を併存しやすいことが分かっています。
このような状態の辛さをやわらげるために、アルコール依存症などにおちいってしまう場合もあります。
このような不快な状態や不安障害などを併発してしまっては、生活の質を落とします。なるべく早く、治療を開始することで、治る事もあります。
持続性気分障害の方への接し方
持続的気分障害をもつ方との接し方で注意することは、まず気持ちや症状について話せる関係を築くことです。持続的気分障害の方が自分を責めてしまいがちな傾向に注意します。
次に、信頼関係を持つことができたら、話す内容を否定せずありのまま聞いてあげることが大切です。ついつい、否定的過ぎる感じがしてそんなことないと否定しないようにしましょう。
持続的気分障害を持っている方も、それぞれの状況によりさまざま辛さや症状があります。
否定せずまずは聞くことに徹して、医療機関の受診などをすすめられるとよいでしょう。
持続性気分障害の相談窓口を紹介
精神科・心療内科
自分が持続性気分障害があることに気づいた場合早めに受診することが大切です。自分の性格のせいにしたりして我慢し続けることは生活の質を下げます。
精神科のクリニックの中でも、対人関係療法などを専門に治療されているところもあります。
専門的なクリニックでなかったとしても精神科のクリニックであれば対応可能です。まずはご自身の抱えているつらさや生活上の困難についてお話することが重要です。
他の精神科の病気を合わせ持っていないかなど検査してもらうことも可能です。一人で問題を抱えずに精神科医療に頼ることを考えましょう。
保健所
各市町村には保健所が設置されています。保健所には地域ごとに担当者がおり、地域で生活する上での相談が可能です。電話での相談、面接での相談が可能です。
保健所には、保健師以外の専門職も在籍しています。
持続的気分障害などの辛い症状があってもまだ病院にかかれていない人も相談することができます。すべての年代の、さまざまな状況の人からの相談を受けています。
保健所に相談に行く場合にはその旨をお電話で連絡してから行くと良いでしょう。その際にはご自身が困っていることについてメモ書きにするなど相談しやすい工夫をしていきましょう。
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神疾患を抱える人の福祉を目的に、設置されています。このセンターは、各都道府県に一か所以上あります。保健所より、難しい問題に対応しています。
保健所より、さらに精神科疾患に専門的な有資格者が在籍しています。精神科の医師や心理士などの職種です。
精神保健福祉センターでは、グループで行う精神療法や患者会、患者家族会などが行われています。さまざまな立場の人に会い、相談ができる場所です。
電話・SNS相談
・よりそいホットライン
・こころの健康相談ダイヤル
LINE
・こころのほっとチャット
・生きづらびっと
チャット
・あなたのいばしょチャット相談
・こころのほっとチャット
電話やSNSで相談することもできます。よりそいホットラインは外国語にも対応しています。さまざまな悩みの相談をFAXでも受け付けています。
生きづらびっとなどのLINE相談を利用することもできます。サービスによって時間が区切られていて、時間内に相談ができます。
FAX相談やLINE相談やチャットは、耳がきこえにくい場合にも利用できます。よりそいホットラインでは、東北で被災された方の専用電話番号もあります。
持続性気分障害の治療法を紹介
薬物療法
持続性気分障害の薬物療法では抗うつ薬が使用されます。うつや不安を軽減する目的で SSRI といったお薬が利用されます。
持続性気分障害は、お薬さえ飲めば治るというものではありません。お薬は生活のリズムを整えたり夜間の入眠を促したりといった症状に対する対処療法の目的もあります。
抑うつ的な気分の改善には、お薬以外の治療方法も併せて行うことが重要だと考えられています。
精神療法
持続性気分障害の治療では、精神療法を薬物療法と併せて行うと治療効果が発揮されます。以下、精神療法について、紹介します。
対人関係療法
対人関係療法は、対人関係の中での自分の感情に焦点をあてる精神療法です。誰かの言動で、自分がどういう感情をもったかということを治療の中で振り返ります。
対人関係療法は、16回ほどの限られた回数で終了になります。治療期間中に学んだ、対人関係スキルを日常でいかすことで、患者さんの自信が育つことをめざす治療方法です。
支持的精神療法
支持的精神療法は、日々の診察でひろく行われています。具体的には、患者さんの持つ症状に対して、否定せずありのまま受け止めるような関わりのことです。
また、患者さんの今の悩みや気持ちについてよく聞くことも含まれます。一番の心配事について聞いたり、逆に患者さん自身が成し遂げたことについても話を聞きます。
精神疾患の方が利用できる制度
自立支援医療制度(精神通院)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
一定所得以上![]() |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援制度は、障害のある方の自立を助けるための公費負担医療費制度です。精神に障害のある方の、障害の軽減などのために医療の自己負担費が補助されます。
助成の内容としては精神科にかかわる医療費が1割負担になることと、所得に応じて月の自己負担上限額が設定され上限額を超えた分に関しては自己負担がなしとなります。
通院費やお薬にかかる費用も、自立支援医療の対象になります。そのうえで、精神科デイケアや精神科訪問看護を利用した場合に、その費用が補助されます。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害者保健福祉手帳とは、障害者手帳のひとつです。精神障害者保健福祉手帳は、持ち主が、精神の病気や障害があることを認定するものです。
手帳を持つことで、より生活しやすく、自立した生活を送れるようにすることを目的としています。手帳を持つと、税金の控除が受けられたり、公共交通機関の割引が利用できます。
この制度を利用するには、市町村の役所窓口で申請をします。申請後、精神保健福祉センターが審査をして、認定が検討されます。家族などが、代理で申請を行うこともできます。
障害が軽症化したときには更新を行わないことも可能です。
就労移行支援
就労移行支援は働きたい気持ちのある精神障害のある人を支援する制度です。障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律により細かく規定されています。
就労系福祉サービスである、就労移行支援事業所や就労継続支援型事業所などがあります。こういったサービスを利用することで、一般就労への参加や復帰がめざされます。
就労アセスメントを受けることで、利用者さんの特徴にあう場所の紹介などを支援します。実際に通い始めてからも、継続ができるように相談などの支援をうけることができます。
精神科訪問看護もおすすめ
精神科訪問看護とは
精神科訪問看護とは、住み慣れた自宅で生活する精神疾患の患者さんを支えるサービスです。訪問看護師が、自宅へ訪問して支援します。
例えば、精神科の病院に入院した場合など、自宅での生活に移りやすくなるように支援します。訪問看護を希望する事を主治医に伝えて、訪問看護指示書をもらう必要があります。
そのうえで、訪問看護ステーションを選びます。精神科訪問看護を行う訪問看護ステーションは、厚生労働省の指定する条件をクリアしている必要があります。
精神科訪問看護のサービス内容
・自立した生活を営めるための支援
・生活リズムの調整
症状の悪化防止・服薬支援
・生活状況を観察
・受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
精神的な悩みや障害により、生活に困難がある方の支援をします。利用者さんを支える看護師として、信頼していただけるように関わります。
そのうえで、具体的な困りごとについてお話をきくことができます。そうすることで、利用者さんの考えや気持ちが整理され、悩みすぎなどの解決になることがあります。
その他、生活リズムを整える方法について、一緒に考えたり、内服管理のお手伝いをしたりということができます。病気との向き合い方や就労に向けた支援をすることもあります。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護ステーションです。精神科を得意とする看護師が訪問します。シンプレの訪問看護は、自立支援医療の対象になります。
シンプレでは、利用者さんの自主性を大切に看護の立場から支援します。入院することなく、自宅療養をされている利用者さんの社会復帰をサポートします。
在宅医療で利用者さんを支えるのは、訪問看護だけではありません。クリニックなどの医療機関や地域の保健師とも連携をとり、サポートをしていきます。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記のエリアになります。順次訪問エリアを拡大中です。そのため、上記のエリア以外でも、訪問可能な場合があります。
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化しています。看護師がお宅を訪問し信頼関係を築きます。持続的抑うつ障害の方へ、うつの回復を目標に支援することができます。
訪問看護では、持続的気分障害があり、日常生活に難しさのある方の支援を行うこともできます。持続的気分障害でお悩みがあり、訪問看護を希望される方は、ぜひご相談ください ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
今回は、持続性気分障害について、症状を整理し、治療の種類や接し方のポイントについて説明しました。
持続性気分障害は、慢性的な気分変調があります。患者さん自身が、治るということに対して希望を持ちにくく、悲観的になっている可能性があります。
もし大切なお身内などが、このような症状で悩まれている場合には、気持ちを聞くことが必要です。そのうえで、専門医の受診につなげることを目標にされるとよいです。
シンプレ訪問看護ステーションでも、持続性気分障害の方が少しでも安心して生活できるように、お手伝いをすることができます。まずはお気軽に、ご相談ください。
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