【身体表現性障害の症状】検査で異常のない吐き気や痛みがある方へ

身体表現性障害とは、吐き気・痛みなど自分では症状があるにも関わらず、検査結果で何の異常もでない状態のことをいいます。
慢性的なストレスの蓄積などで、身体に症状があらわれると言われていますが、必ずしもストレスが原因であるとは言い切れず、明確には未だ解明されていません。
症状に関してあてはまることがあれば「気持ちの問題」と片づけてしまう前に相談することが大切です。
身体表現性障害の症状
身体表現性障害(しんたいてきひょうげんせいしょうがい)は、「こころの病気」です。
「頭痛」「吐き気」「しびれ」「下痢」「疲労感」など、自分では不調を感じているものの、病院の検査でははっきりとした「体の病気」がみとめられないことです。
身体表現性障害の症状は長期的に続くことがあり、日常生活で大きな支障がでています。しかしながら本人が「こころの病気」として気づくことが難しい病気です。
からだやこころが繊細で、悲観的な物事をとらえやすい人や、ストレスがかかりやすい環境にいる人が発症しやすいです。
症状は診断基準で5つに分類される
身体表現性障害の診断は、アメリカ精神医学会による診断基準(DSM-IV)により判断されます。
さまざまな「からだの不調」や「こころの不調」を感じる症状であり、タイプが分かれます。どの症状タイプも特徴的であり、日常生活に大きな支障が出ています。
以下に具体例を紹介しますので、それぞれ確認してみてください。
大きく分類すると5つに分かれ、「身体化障害」「転換性障害」「疼痛性障害」「心気症」「身体醜形障害」と区分されます。
またこれらの症状は、患者さんが痛いふりをしているのではなく、感じているものです。
具体的な症状の例
ここでは、身体表現性障害の5つの具体的な症状についてご紹介します。
身体化障害
「身体化障害(しんたいかしょうがい)」は、重度の慢性障害です。
30歳前に出始め、頭痛・吐き気・嘔吐・腹痛・下痢・便秘・月経痛・疲れ・失神・性交痛・性欲の減退などの症状が数年にわたって繰り返し発生。とくに女性の方が多いとされています。
転換性障害
「転換性障害(てんかんせいしょうがい)」は、腕や足にしびれや麻痺を感じ、目や耳を閉じて触ったものの感覚がわからなくなり、皮膚感覚の違和を感じたりする症状のことをいいます。
1回ごとの症状は、通常は短期間しか続かず、2週間以内に症状が収まることが多いです。しかし1年以内に再発し、症状が慢性化するケースがあります。
疼痛性障害
疼痛性障害(とうつうせいしょうがい)」とは、日常生活で背中、頭、胸、お腹などに激しい痛みが続くことです。痛みの原因が説明できず、精神的な要因から影響をあたえています。
そのために仕事ができなくなったりします。また鎮痛剤や精神安定剤を使用することがあり、依存する危険もあります。
心気症
「心気症(しんきしょう)」とは、医学的に正しい診断を行ったあとでも、自分は重い病気にかかっているのではないかと恐怖や不安におそわれる症状です。
また内科や外科などの専門医に診断されても、違う奇病にかかっているといった考えを持ちます。
身体醜形(しゅうけい)障害
「身体醜形障害(しゅうけい)」は、自分の外見に欠陥や欠点があると過度に感じてしまい、些細なことにたいして気にし過ぎてしまう症状です。
実際よりも、自分のからだがほかの人よりも低いイメージをもつことが原因となります。
身体表現性障害の原因
先ほどもお伝えしましたが身体表現性障害の原因には、身体感覚に敏感で悲観的になりやすい方が発症しやすい傾向にあるといわれています。
体の過労(例えば過度の残業など)や、身の回りの環境の変化(例えば、職場異動や引っ越しなど)のストレスを認識しておらず、言語化できない場合に身体表現性障害の症状がでるとされています。
例えば、「転換性障害」では、子どもの時からの強い抑圧が引き起こされるケースがあり、腕や足にしびれや麻痺や無感覚症などに転換されていると考えられています。
どこに相談したらいい?
専門家による相談窓口
よりそいホットライン
SNSの相談窓口
保健所や保健センター
身体表現性障害の相談について、さまざまな専門の相談先があります。
「こころの健康増段統一ダイヤル」「よりそいホットライン」などが厚生労働省から推奨されており、本人やその家族からの相談が可能です。
電話、SNSやメールでも相談が可能。24時間相談できる窓口もあります。ご自身の相談しやすい方法を自由にえらべます。
また本人が相談することにハードルを感じているときや、話せないときには、ご家族が相談してみるのも一つの方法です。
お近くの保健センターなどでも対応でき、相談しやすい方法をえらんで早めに対応をしましょう。
精神科・心療内科
身体表現性障害の治療には、精神科または心療内科の病院・クリニックを受診することをおすすめします。
身体表現性障害の原因は「こころの病気」でもあり、身体面に「頭痛」「吐き気」「しびれ」「下痢」「疲労感」などの不調を感じています。
そのため、精神状態や身体の症状の両方から診察することが重要であり、複合的に判断してもらうと症状が改善する可能性があります。
精神療法や薬物療法をすることによって、症状を和らげ、適切な治療の方向性を探していきます。
治療方法
なるべく普段通りの日常生活
身体表現性障害は、心理的な要因が関わっていることが多いといわれていますが、まだまだわかっていないことが多いです。
まずは、本人が身体的な問題がないことからしっかりと理解することからはじまります。
身体表現性障害の方は、つらい症状のため身体的な問題がないと納得し、受け入れることが難しいことが多いです。
そのため不安から何度も検査をし、治療が始まっていないケースがあります。検査結果に基づかない治療をし続けていても、改善はしません。
症状が軽い場合は症状について理解をし、普段通りの生活をすることが大切です。
薬物療法
基本的に、お薬は使用しないことが多いです。
しかし、身体表現性障害によってストレスが蓄積し、うつ状態や不安障害を併発する可能性があります。そのため、病気の心配が増えてしまい悪循環をおこすケースがあり、お薬で抑うつ状態や不安感などの症状を予防、軽減することがあります。
また、疼痛性障害の特徴がある場合には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や三環系抗うつ薬などの抗うつ薬を使用することがあります。
さらに「体と症状」と「こころの症状」のバランスをとるために、漢方薬を処方されるケースもあります。
認知行動療法
認知行動療法(にんちこうどうりょうほう)とは、偏った考え方を見直したり、行動を変えたりする精神療法の一種です。
ストレスを感じた具体的な出来事に対して、「頭の中に浮かぶ考え(認知)」「感情」「身体の反応」「行動」に分けて、自身の認知や行動などを整理します。
「頭の中に浮かぶ考え(認知)」について考え方を分析し、変化させることで症状の改善、問題の対処方法が身につく治療です。
一般的に、医師や専門のカウンセラーと面談しながら行い、認知の考え方を変化させることにより、ストレスを軽減させる治療方法です。
精神療法
ほかにもさまざまな精神療法があります。
精神療法は、おもに「こころの奥にある葛藤」や「目の前のストレスに対する回避」について治療をします。
まずはこころの奥にある葛藤や悩みを分析し、現在の悩みは何かポイントを少しずつしぼっていきます。
また身体表現性障害の方には、感情表現が苦手な方が多く、うまく気持ちを伝えることができないケースがあります。そのため、ストレスの対処が上手ではありません。
専門のカウンセラーが、一緒に症状の原因となるストレスを理解し、対処法を考えていきます。
精神科訪問看護
・看護師
・准看護師
・作業療法士
訪問日数
・原則週3日以内
身体表現性障害の方には、精神面でのフォローのほか、身の回りのケアなどが必要なことがあります。
「身体表現性障害と診断された」または「家族が診断されたけど、どうしたらよいかわからない」など、ご本人やご家族の困りごとや悩みに対して、自宅で看護を受けられるのが精神訪問看護です。
精神訪問看護では、症状悪化の防止、服薬指導や病気との付き合い方などを一緒に考え、社会復帰を目指したサポートなどを行い、利用者さまに合わせて提供します。
また、訪問してご本人がでてこられなくても、ご家族に訪問看護を行い、相談を受けさせていただくこともできます。
精神科訪問看護ならシンプレへ
シンプレの特徴
身体表現性障害への対応やケアについては、慎重に行うことが必要であり、家族や周囲のサポートが必要不可欠です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、特に精神科に特化した訪問看護サービスを展開し、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられる看護を提供しています。
患者さんはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら、社会復帰を目指したい」と考えている方も多いとおもいます。精神訪問看護は、そのような方をお手伝いするサービスです。
またシンプレ訪問看護ステーションでは、患者さんだけでなく、そのご家族の精神的なフォローにも対応し、一緒に前向きに生活を改善していくことを目指しています。
精神科訪問看護についてくわしく知りたい方は、まずはご相談ください。
疾患の一例
・胃が痛い
・体がだるい
・吐き気、動悸がする
うつ病
・一日中気分が落ち込んでいる
・眠れない・疲れやすい・食欲がない
アルコール依存症
・酒類(アルコール)に依存する
・アルコール中心の生活になってしまう
その他精神疾患全般
身体表現性障害はさまざまな症状がある上、他の精神障害とにているところもあります。
そのためうつ病や双極性障害などと、最初に診断されることもあり、また併発することも考えられます。放置すると多重人格などを引き起こす可能性があります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した訪問看護を行っております。
専門のスタッフが、利用者さんのもとにお伺いし、生活支援、症状の悪化防止、服薬支援や社会復帰へのサポートなどを行います。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
また、HPのほかにもTwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。 ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
これまでに紹介してきましたが、身体表現性障害は「こころの病気」であり、体の不調が気になり本人が気付くことが難しい病気です。
また症状についても、さまざまなケースがあり、ご自身や家族だけでは治療が進まないことがあります。
治療には心理的にも身体的にもつらく、またご自宅で一人で悩んでいるかたが大勢いらっしゃいます。
シンプレ訪問看護ステーションでは、そんな方に対して病気のケアや社会復帰への支援を行っています。
またご家族へのサポートも行うことで、うつ病に関わる人たちの生活を看護の立場から支援いたします。
身体表現性障害でお悩みの場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼