疾患 2121-07-17

精神疾患の身内が暴れてしまった場合の対処法

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一部の精神疾患には自身の感情などがコントロールできなくなり、人や物にあたるなど暴力的になってしまうという症状が見られます。

そういった方が暴れてしまったとき、周りの方はどうしたらいいのか悩んでしまうこともあるでしょう。

今回はそんな時にどう対処したらいいか、また、頼ることが可能な施設・サービスなどを紹介していきます。

精神疾患を持つ方が暴れてしまう場合の対処法

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対処方法一覧

対処①疾患者から逃げる

精神疾患を持っている方が暴れる場合の対処法として、速やかに患者さんから離れて逃げることが大切です。

患者さんが殴りかかってきた場合は、手や物(大きめの本やバインダーなど)で顔を守り、掴まれないように注意して素早く逃げるようにします。

暴れる患者さんから素早く逃げるには、普段から「危機離脱技法」などのトレーニングを受けておくことが大切であり、精神科の医師や看護師に相談されると良いでしょう。

対処②反論・挑発などをしない

怒りの感情をコントロールできずに暴れる患者さんには反論や挑発などをせず、黙って話しを聞いてあげましょう。もし、暴力を振るってきたら、素早く逃げてください。

怒りの感情を爆発させている患者さんに対して、反論や挑発をすると火に油を注いでしまうことになり、患者さんはますます怒りを爆発させてしまいます。

反論・挑発などをしないようにするためには、患者さんの精神疾患について正しく理解し、正しい接し方や看護の方法を体得しておくことが大切です。

対処③落ち着くまで放置

感情をコントロールできずに暴れる患者さんは、時間が経過して気持ちが落ち着いてくると暴れるのを自然にやめます。

患者さんが落ち着くまで放置しておくことも対処法として有効であり、状況に応じて臨機応変に対処してください。

もし、患者さんが落ち着かず、ずっと暴れていて身の危険を感じる場合は、ためらわずに警察を呼びましょう。

専用施設に頼ることを視野に入れてもいい

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専門施設の一例を紹介

暴れる患者さんが入所できる専門施設として、障害福祉サービスや心身障害者福祉ホーム
があります。では、暴れる患者さんの専門施設を紹介します。

①障害福祉サービス

障害福祉サービスは障害者総合支援法の規定によるサービスの総称で、統合失調症などの精神疾患で暴れる患者さんが利用できるサービスもあります。

短期入所(ショートステイ)は、障害者支援施設などに短期間入所できるサービスで、短期間だけ専門施設に入所させたい場合に適しています。

障害者総合支援法による障害者支援施設はいろいろありますので、入所を検討する場合は市町村役場の障害福祉担当窓口で相談してください。

②心身障害者福祉ホーム

心身障害者福祉ホームは、親の死亡や高齢化、病気などで自宅で生活できなくなった時に長期あるいは短期入所ができる施設です。

患者さんは施設で生活をしながら自立助長のための日常生活の援護や支援が受けられ、自立できるようにサポートしてくれます。

心身障害者福祉ホームに入所を検討する際は、住所地の市町村役場の障害福祉担当窓口で相談してください。

暴力的な言動が見られる代表的な精神疾患

幻聴_幻覚_妄想_統合失調症

自らをコントロールできなくなる疾患が多い

    病気①統合失調症
    病気②アルコール依存症
    病気③双極性障害(躁うつ病)

患者さんが暴れることが多い精神疾患として、統合失調症とアルコール依存症、双極性障害が挙げられます。では、これらの精神疾患について見ていきましょう!

病気①統合失調症

統合失調症は妄想系の症状が出ることが特徴で、興奮して暴れることがあります。統合失調症の症状は陽性症状と陰性症状があり、暴れるのは陽性症状に多いです。

統合失調症の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、脳の機能障害が原因であると考えられており、思考の脈絡の乱れや幻聴、妄想などの症状が現れます。

統合失調症は幻聴や幻覚などの妄想系の症状が出ることが特徴ですが、人によって出現する症状はさまざまであり、意欲の減退や閉じこもりなどの症状が出る場合もあります。

病気②アルコール依存症

アルコール依存症とは、多量飲酒が原因で節度ある飲酒ができなくなってしまい、家族や仕事よりもお酒を飲むことを優先させてしまう依存症をいいます。

節度ある適度な飲酒をしていれば、アルコール依存症になるリスクは低いですが、お酒を飲む量が増えると、アルコール依存症になるリスクが高まります。

アルコール依存症になると、離脱症状(禁断症状)や不安・不眠などの精神症状、精神・身体合併症などの症状が現れ、強い離脱症状が出ると暴れることがあります。

病気③双極性障害(躁うつ病)

双極性障害(躁うつ病)は、躁状態とうつ状態の時期を繰り返して情緒不安定になる精神疾患で、躁状態の時期は感情的になって暴れることがあります。

躁双極性障害で躁状態の方が極端に多く現れる症状は躁病性精神病といい、躁病性精神病になると極端な誇大妄想を抱くことがあり、暴れることも多くなるでしょう。

通常の場合、躁双極性障害はうつ状態の時期の方が長いですが、うつ状態が極端に多く現れると幻覚や妄想などの精神病症状が出現することがあり、突然暴れることもあります。

前兆を見逃さず早期治療を進めよう

疾患者から逃げる
危害が及ぶ可能性があるため

反論・挑発などをしない
余計な刺激でさらに興奮する必要があるため

落ち着くまで放置
興奮が落ち着けばおとなしくなるため

統合失調症やアルコール依存症、双極性障害は患者さんが暴れることがありますので、暴力がひどくなる前に早めに治療を受けることが大切です。

統合失調症になると、不安や緊張感が続いて眠れなくなったり、幻覚や妄想などの症状が出現します。これらの症状は統合失調症の前兆ですので、医療機関を受診しましょう。

アルコール依存症は多量飲酒をやめられなくなるのが前兆で、双極性障害は気分の浮き沈みが激しくなることが前兆ですので、早めに医療機関を受診することをおすすめします

治療は投薬治療が一般的

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抗精神病薬を定期的に摂取させる

抗精神病薬は統合失調症や双極性障害の躁状態の治療でよく処方されるお薬で、脳内のドーパミン神経の活動を抑制させることにより興奮を抑えます。

抗精神病薬は長期間にわたって服用を続けることが必要であり、のどの渇きや便秘、排尿障害などの副作用が出ることがあります。

副作用に注意して、医師の指示に従って抗精神病薬を継続して服用すると、患者さんが暴れることは徐々に少なくなってくるでしょう。

興奮を抑える薬一覧

    治療薬①非定型抗精神病薬
    治療薬②定型抗精神病薬
    治療薬③注射剤

抗精神病薬は大きく分けて2種類があります。では、抗精神病薬を種類ごとに見ていきましょう!

種類
非定型抗精神病薬

治療薬例
・リスペリドン
・ペロスピロン塩酸塩水和物
・ブロナンセリン

治療薬①非定型抗精神病薬

非定型抗精神病薬は「新規抗精神病薬」ともいい、ドーパミン神経以外の神経伝達物質に働きかけることが特徴です。

統合失調症の症状は妄想や幻覚などの陽性症状と、意欲の減退や閉じこもりなどの陰性症状がありますが、非定型抗精神病薬は陰性症状の治療のために使用されます。

非定型抗精神病薬はリスペリドンやペロスピロン塩酸塩水和物、ブロナンセリンなどがあり、患者さんの症状に応じて最適なお薬が処方されます。

種類
定型抗精神病薬

治療薬例
・スルピリド
・スルトプリド塩酸塩
・チアプリド塩酸塩

治療薬②定型抗精神病薬

定型抗精神病薬は、脳内のドーパミン神経の活動を抑制させて興奮を抑えるためのお薬で、統合失調症の陽性症状や双極性障害の躁状態の治療によく使用されます。

ドーパミンは意欲や快楽に関係する神経伝達物質ですが、過剰に分泌されると興奮状態がひどくなり、暴れることの原因になります。

定型抗精神病薬にはスルピリドやスルトプリド塩酸塩、チアプリド塩酸塩などがあり、これらのお薬を服用することで興奮が抑えられ、暴れるのを防げます。

治療薬③注射剤

抗精神病薬は経口剤と注射剤があり、経口剤は飲み薬で注射剤は注射で注入するお薬です。注射剤にはゼプリオン持効注射剤などがあります。

抗精神病薬の注射剤は筋肉に注射をすることで、有効成分が長期間にわたって筋肉内に留まり、1回の注射で効果は2~4週間続きます。

抗精神病薬は飲み続けることが必要であり、飲み忘れに注意をしなければなりませんが、飲み薬を注射に置き換えることで薬の飲み忘れを防げます。

あくまで定期摂取が前提

患者さんが暴れるのを防ぐには、抗精神病薬の服用を続けることが必要であり、お薬を飲み忘れてしまうと、患者さんが再び暴れることの原因になってしまいます。

患者さんによってはお薬を飲むのを嫌がり、お薬を飲ませようとすると暴れることもありますので、投薬管理をしっかりと行うことが非常に大切です。

統合失調症やアルコール依存症、双極性障害などで自宅療養をしている暴れる患者さんは、精神科訪問看護を利用すると投薬管理の徹底が図れます。

精神科訪問看護のサポートを得ることも可能

マッサージ

精神科訪問看護とシンプレ訪問看護ステーション

サービス名 精神科訪問看護
看護師100のテーブル画像
職種 ・看護師
・准看護師
・作業療法士
訪問日数 ・原則週3日以内

精神科訪問看護とは、在宅療養で精神疾患の治療を受けている患者さんの自宅に、看護師などの医療従事者が訪問して適切なケアを行う訪問看護のサービスです。

統合失調症による思考障害や幻覚で暴れる患者さんや、アルコール依存症や薬物依存症で暴れる患者さんも、精神科訪問看護サービスの利用が可能です。

シンプレ訪問看護ステーションは東京都新宿区を拠点に精神に特化した訪問看護サービスを提供しており、精神疾患で暴れる患者さんの在宅療養をサポートいたします。

精神科訪問看護の内容

  • 日常生活の維持
  • 生活技能の獲得・拡大
  • 対人関係の維持・構築
  • 家族関係の調整
  • 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
  • ケアの連携
  • 社会資源の活用
  • 対象者のエンパワーメント

精神科訪問看護サービスの内容は上記のように多岐に及び、生活支援や自立支援、症状の悪化防止・服薬支援、社会復帰へのサポート、家族の方への支援などを行います。

一般の訪問看護サービスとは異なり、精神科訪問看護は精神科に特化していることが特徴で、精神医療に精通している専門職によるトータルサポートが受けられることが強みです。

精神疾患で暴れる患者さんの投薬管理にも対応しており、精神科訪問看護を利用することで、患者さんは家庭や地域社会で生活を送りながら早期の社会復帰を目指せます。

まとめ

シンプレ訪問看護ステーション

統合失調症や双極性障害、アルコール依存症などの精神疾患の患者さんは暴れることがありますが、患者さんが暴れたら速やかに逃げることで対処しましょう。

精神疾患で暴れる場合は薬物療法で治療ができ、精神科訪問看護を利用すると在宅療養での投薬管理などのサポートが受けられ、ご家族の負担は大きく軽減します。

シンプレ訪問看護ステーションでは精神に特化した訪問看護を提供しており、精神疾患で暴れる患者さんの在宅療養でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。