精神疾患ごとの治療薬について紹介

精神疾患を治療するにあたって、薬はとても大事です。
今回この記事では、それぞれの精神疾患と治療に使われる主な薬の種類についてご紹介します。
精神疾患の症状で悩んでいる方やそのご家族様は参考にしてみてくださいね。
おもな精神疾患と使われる薬をチェック

統合失調症
統合失調症
よく使われる薬
・クロルプロマジン
・塩酸塩
・ハロペリドールなど
統合失調症とは、現在100人に1人の割合で発症している身近な精神疾患です。幻覚や妄想などの症状が特徴的な疾患ですが、適切な治療を受けることで回復も見込めます。
治療に使用される薬は、統合失調症の治療を目的に開発された抗精神病薬です。抗精神病薬はドーパミンの働きを調整し、脳を正常な状態に整えます。
症状や体質に合わせて薬は処方されますが、現在の主流はリスペリドンなどの非定型抗精神病薬です。比較的新しい治療薬で、副作用が少ない点が特徴的です。
うつ病
うつ病
よく使われる薬
・アモキサピン
・マプロチリンなど
うつ病は「気分が重い」「眠れない」「死にたい」など、気分の落ち込みが長期間改善されない時に診断されます。
治療薬である抗うつ薬は、脳内の神経伝達系に作用して脳内の調整を行う薬です。飲み始めてから作用するまで1~2週間は時間がかかります。
投薬は約半年を目安に行われるので、症状が改善したからと言って勝手に服薬を止めないでください。うつ病は特に再発の可能性が高い精神疾患です。
うつ病に限らずどの病気でも、主治医の指示にはきちんと従ってください。
境界性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害
よく使われる薬
・アリピプラゾール
・バルプロ酸ナトリウムなど
パーソナリティ障害とは、人とは外れた行動や言動をしてしまい本人はもとより周囲にも影響を与えてしまう精神疾患です。
パーソナリティ障害は、性格が悪いのではありません。精神疾患に分類される病気で、しっかりと治療を行えば改善されます。
治療法は心理社会治療(精神療法やカウンセリングなど)が主ですが、症状によっては治療薬を併用する場合もあります。使用するのは統合失調症で使用される抗精神病薬などです。
また、パーソナリティ障害は他の精神疾患を引き起こしやすいので、そちらの治療のための薬も処方される場合があります。
解離性障害
解離性障害
よく使われる薬
精神療法が多いため主な薬はなし
解離性障害とは、感覚をまとめる能力が低下し、他人格が現れたり異常行動を起こす状態のことです。
記憶が失われたり、1つの体に複数の人格を有する多重人格障害と呼ばれる障害が表れたりします。
解離性障害は症状が複数あり、根本的な治療薬が開発されていません。そのため、治療はカウンセリングや精神療法が一般的です。
また、周囲の理解も必要なため、家族や周囲の方への情報提供にも積極的に行います。他の精神疾患を併発している場合は、その精神疾患に対しての薬物治療は行われます。
おもな睡眠剤をチェック

睡眠時間ごとの種類
時間 | 薬名 |
---|---|
超短時間型![]() |
・ハルシオン ・アモバンなど |
短時間型![]() |
・レンドルミン ・デパスなど |
中間型![]() |
・ロヒプノール ・サイレースなど |
長時間型![]() |
・ドラール ・ベノジールなど |
一口に睡眠剤と言っても、その種類・効能はさまざまです。まずは、それぞれの持続時間を紹介していきます。
超短時間型は、効果のピークが1時間未満で作用する時間も2~4時間ほどです。短時間型はピークが1~3時間、作用する時間が6~10時間になります。
中間型と長時間型はさらに長時間作用し、ピークが1~5時間で作用時間は20~24時間を超えることもあります。
ただし、処方された睡眠剤を既定の倍量飲んだとしても、作用する時間が倍になるわけではありません。眠れないからと多く服用しても意味がないのです。
不眠に効果のある抗うつ剤
薬名 | 時間 |
---|---|
ミルタザピン![]() |
1.5 |
アミトリプチリン![]() |
4.5 |
ミアンセリン![]() |
2 |
トラゾドン![]() |
3~4 |
睡眠に効果のある抗うつ薬は、特性として抗ヒスタミン作用が強いとされるNaSSAや四環系、三環系などです。
セロトニン2受容体をブロックする作用があるので、より深い睡眠をとれる効果が期待できます。このように睡眠薬代わりとされる抗うつ薬は、鎮静系抗うつ薬と呼ばれています。
この中でもアミトリプチリンは、レム睡眠を少なくする作用がある抗うつ薬です。レム睡眠の時間が減ると夢を見る頻度も減るので、悪夢に悩まされている方に処方されます。
副作用として、眠気やめまいが起こる可能性があります。自動車などの運転は注意が必要です。
不眠に効果のある抗精神病薬
薬名 | 時間 |
---|---|
リスペリドン![]() |
1~3 |
オランザピン![]() |
4.8 |
クエチアピン![]() |
2.6 |
レボプロマジン![]() |
1~4 |
クロルプロマジン![]() |
3.2 |
前述している通り、抗精神病薬においては統合失調症治療のために開発された治療薬です。睡眠薬としての作用時間は、短時間型から長時間型まで幅広く取り揃えられています。
抗精神病薬は、ドーパミンの働きを調整する薬です。鎮静効果は、薬の効果でドーパミン2受容体をブロックすることで得られます。
また、非定型抗精神病薬に分類されるレボメプロマジンとクロルプロマジンは、セロトニンにも作用するので眠りを深くする効果も期待できます。
紹介した薬は、アルコールの影響を受けます。強く効きすぎる危険性があるので注意してください。
服薬管理なら精神科訪問看護がおすすめ

服薬の状態を管理してくれる
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱えるかたや精神的な理由で不安があるかたに対して、看護師などの専門職がご自宅におうかがいし、支援するサービスです。
精神疾患を抱えている方の中にはお子さんから高齢の方までいろいろな人がいて、一人ひとり生活環境や背景が異なります。
訪問看護のサポート内容は多岐に渡りますが、生活支援や自立支援、症状の悪化防止、服薬支援などトータルサポートを行います。
他にも精神科の訪問看護ではこんなこともしてくれる
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
サポートの対象は患者本人に限らず、精神疾患で治療を受ける利用者さまだけでなく、自宅で支援をおこなう、ご家族さまのご相談も行います。
また、同時にご家族さまへの支援も実施し、利用者さまを取り巻く環境全体を整えていく役割も担っています。
精神科訪問看護は自宅でリラックスして看護を受けられる!
精神科訪問看護は、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
精神疾患をもつかたの中には、環境の変化に弱く、環境が変わると強いストレスを感じる方がいます。
症状で悩まれている方に対して、生活が少しでも安心したものになるようにお手伝いします。
コミュニケーションによって病状を観察してくれる!
精神疾患の治療の中で、コミュニケーションはとても重要です。なぜならそれは、心で感じている苦しさなどを伝えてもらわないと、どんな治療法が良いのかわからないからです。
訪問看護では専門知識を持つ医療従事者が、自宅での様子や本人との会話などを観察し病状を把握することができます。
知りえた情報を医師や関係機関と共有することで、患者や家族にとってより良い治療法やサポートを提供することができるのです。
精神科訪問看護の料金をご紹介

金額は人によってさまざま
精神科訪問看護の料金は、基本療養費から加算分まで細かく決まられています。利用者によって訪問する回数や時間が異なるので、一概にいくらとは言えません。
シンプレでは原則行っていませんが、症状や環境によっては1日に複数回訪問することもあります。その際は1日の回数に応じて基本料金に加算される仕組みです。
例えば、1日に2回訪問した際は+4,500円で、3回以上では+8,000円です。ただし、保険適用となるので全額負担するわけではありません。
また、看護職員が看護師等と同時に訪問看護を行った場合や1回の訪問看護の時間が90分を超える場合にも加算されます。
シンプレ訪問看護ステーションをチェック

シンプレ訪問看護ステーションの特徴とは
シンプレでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。さまざまな精神疾患や障害をお持ちの方の在宅生活を、専門知識を持った看護師等がサポートします。
関係機関との連携を大切にし、看護という医療の面から生活をささえる一躍を担います。
こころの健康問題を抱えて悩んでいる方やそのご家族様への継続的なサポートを通じて解決への一歩をお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ

精神疾患の多くは、服薬で高い治療効果を出すことができます。しかし、精神疾患をおもちのかた本人やご家族様が服薬の管理をすることは大変なことも多いです。
こころの健康問題は1人で抱え込まずに、専門的な知識を持った人や周りの人の力を借りながら治療していくことが大切です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、「病気との付き合い方」を一緒に考え、自分らしく自立した生活を営めるように利用者さまを支援いたします。
わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。精神疾患でお悩みの方や、そういった方が周りにわたしたちにご相談ください。
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