軽度知的障害とは?

軽度知的障害について情報をお探しですか?軽度知的障害は知的障害の中でも85%を占めるといわれていますが、障害があることに気づかれることのないまま成長してしまい、大人になって生きづらさを感じるケースも少なくありません。
そこでこの記事では、軽度知的障害の症状や判断基準などについて詳しく見ていきましょう。
軽度知的障害の方が利用できる相談窓口についても紹介しますので、軽度知的障害でお悩みの方はぜひ最後までチェックしてくださいね。
軽度知的障害とは?

軽度知的障害の基本的な情報を説明していきます。判断が難しいため、最終的には専門医の判断が必要です。
知的機能と適応行動が平均よりやや低い
知的障害はその程度によって、4つに分類されています。軽度知的障害はその中でも、一番症状が軽い状態を指す指標です。
軽度知的障害は、平均水準よりも知的機能と適応行動がやや低いとされています。低いといっても「やや低い」です。
大きく劣ることではないため、問題が表面化しないこともあります。基本的に診断は、個別のテストを受けて判断します。
年齢ごとに受けられるテストが異なりますが、0歳から高齢者まで診断が可能です。
複雑な言語獲得や理解と学習の達成が困難
一般的に軽度知的障害者は、言葉が遅かったり成績が振るわなかったりします。これが、複雑な言語獲得や理解と学習の達成が困難だということです。
リンゴをリンゴと理解して話すことはできますが、愛や平和などの抽象的な事柄に対して説明が苦手なことが多くあります。
子供を育てるにあたって、成長を比べることはあまりよくありません。それでも、日常生活の中で、言葉が遅いなどの疑問が生じた時には小児科などを受診してみてください。
基本的な生活に必要な能力は獲得できる
知的機能などが平均よりも低く学習の遅れなどがあったとしても、成長するにつれて基本的な生活を送れるだけの能力は身に付きます。
そのため、就職し自立した生活を送っている方も大勢います。また、より安定した生活を送れるように、外部から専門のサポートを受けている方もいます。
知的障害と言っても、何もできないわけではありません。何も理解していないわけではありません。
その人に合った学習方法や接し方を周囲が理解することで、できることを増やすことは可能です。
軽度知的障害の問題点は?

自立した生活を送れるのであれば、問題ないのでは?と思われるかもしれません。しかし、軽度でも知的障害であるため問題はあります。
未就学の年齢では問題に気付きにくい
知的障害は軽度であればあるほど、幼少期の発見が難しい側面があります。軽度知的障害は小学校に入学してからわかることが一般的です。
乳幼児のころは遅いながらも言葉を話せるようになるので、さほど問題が無いように感じます。意思疎通も複雑でなければ、理解することができます。
そのため、おかしいと思うことはあっても、それを知的障害と結びつけないことも多いのです。成長すると他との違いが明確になり、障害が発覚します。
意思の疎通がとれない
前述している通り、単純な意思疎通であればそこまで問題はありません。問題は年齢を重ねるほどに増える、複雑な意思の疎通です。
スムーズに意思の疎通が取れないと、コミュニケーションも難しくなります。人間関係に溝が生まれる場合もあるので、孤立を深める結果となることもあります。
しかし、知的障害と本人も周囲も理解していれば、接し方によってカバーができる問題です。分かりやすく話すなど、接し方を改めるだけである程度のスムーズさを得られます。
自尊心が低く他者に依存的な傾向がある
自尊心の低さは、軽度知的障害の症状です。それに加えて、成長段階で周囲の同年代と比べて自分が劣っていると感じることにより、より顕著になることもあります。
依存的な傾向が強いと、他者から騙されたり犯罪に巻き込まれることも少なくありません。特に知的障害者だと、物事をしっかりと理解する力が劣っています。
そのため、知らないうちに犯罪に加担し逮捕されるなど、本人が理解していないところで不利益を被るリスクがあります。
軽度知的障害の診断方法は?

軽度知的障害は診てすぐに分かることではありません。行動などを観察し、総合的に判断して診断を下します。
原因疾患の有無を調べる
一番初めに行うのは、原因の見極めです。知的障害にはさまざまな原因がありますが、原因となる疾患を患っていることも少なくありません。
例をあげると染色体異常や先天代謝異常症などです。また、胎児のときに先天性風疹症候群を患ったため知的障害を負うこともあります。
てんかんなどの発作性疾患も原因の1つです。原因となる疾患は多岐に渡りますが、疾患が原因ではないこともあります。
日常生活の適応機能を評価
・記憶
・言語
・読字
・書字
・数学的思考など
社会的領域
・共感
・対人的コミュニケーション技能
・友情関係を築く能力
・社会的な判断能力など
実用的領域
・特にセルフケア
・仕事の責任
・金銭管理
・娯楽
・行動の自己管理など
日常生活の適応機能では、3つの領域について調べていきます。各領域の内容は表にまとめている通りです。
自宅だけではなく、学校や職場での様子も確認し判断します。多方面から判断することで、機能状態の困難さをより正確に理解することが可能です。
普段感じている生きにくさなどを表面化させることで、その人に必要なサポートを明確にすることができます。最適なサポートを行う上でも、欠かせない診断です。
日本版Vineland-II適応行動尺度
・受容言語
・表出言語
・読み書きなど
日常生活スキル
・身辺自立
・家事
・地域生活など
社会性
・対人関係
・遊びと余暇
・コーピングスキルなど
運動スキル
・粗大運動
・微細運動など
不適応行動
・不適応行動指標
・不適応行動重要事項
日本版Vineland-II適応行動尺度は、0歳から診断することができる適応行動の評価基準です。5つの領域を評価し総合的に判断します。
なぜ0歳から診断できるかと言うと、同年齢の一般人の適応行動をもとにしているからです。対象を客観的に数値化することで、特性を見極めることができます。
検査は1つだけではなく、Vineland-II以外にも日本ではASA旭出式社会適応スキルなどが使用されています。対象の年齢によって行う検査法は異なります。
軽度知的障害を治療・改善するには?

軽度知的障害と診断されたら、どうすればよいのでしょうか。治療の方法などを解説していきます。
障害そのものの改善は難しい
残念ながら、軽度知的障害は風邪や骨折のように完治する病気ではありません。しかし、適切な治療や療育がなされた場合には、機能が向上することは分かっています。
どこまで改善するかは個人差がありますが、軽度知的障害であれば自立し社会の中で生活を送ることは可能です。
ただし、外部からのサポートを受けられるように環境を整えることが大切です。対応の仕方がわからない時には、行政機関などに相談してみてください。
適切な療育で長期的予後が改善する
療育とは障害を持つ子供に対して、それぞれ個別に問題が解決できるようにアプローチすることです。発達支援とも呼ばれています。
この療育は、早期の段階で始めることが望ましいとされています。早期からアプローチをすることで状態が安定し、行動の幅を広げることが可能です。
療育は知的障害の可能性の段階から受けることができます。そのため、心配事があるのなら小児科医などに相談し、確定する前に療育を受けさせてみるのも1つの方法です。
家族や周囲からの支援も重要
軽度知的障害者と接するには、正しい知識が必要です。接し方によって症状が改善することもあるので、日常生活を送る家庭も治療の場と言えます。
教育の場でも同じで、就学前から軽度知的障害が分かっているのなら学校は特別支援学級がある学校を選んでください。専門の教師が適切な対応で子供と接してくれます。
軽度知的障害を含め、子供の精神疾患は親も一緒に成長していかなくてはなりません。療育でも、親子で参加できるプログラムを用意しているところもあります。
軽度知的障害に関する相談窓口

・児童相談所
・保健所
・各市町村の児童家庭相談窓口など
身体障害者・知的障害者
・市町村福祉事務所
・市町村担当課(障害福祉)など
障害者の仕事に関する相談
障害者就業生活支援センターなど
障害者の人権に関する相談
・法務局
・地方法務局また支局など
知的障害は患者の年齢によって相談する機関が異なります。子供であれば、相談は主に児童相談所や保健所の窓口です。
大人なら各市町村にある福祉事務所などで請け負うことができます。また、大人の場合には相談の種類によって相談窓口を変えることで、より専門的なアドバイスをもらえます。
どこに相談してよいかわからない時には、保健所や精神保健福祉センターなどでより専門性の高い施設を紹介してもらうことも可能です。
精神科訪問看護を利用するという選択肢も

知的障害は一生付き合わなくてはならない疾患です。また、軽度の場合入院などの措置はとらずに自宅で生活を送るのが一般的です。
精神科訪問看護とは?
サービス名 | 精神科訪問看護![]() |
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ケア内容 | ・日常生活の維持 ・生活技能の獲得 対人関係の維持など |
訪問日数 | 原則 週3日以内 |
精神科訪問看護とは、精神疾患に特化した訪問看護を行うサービスのことを言います。スタッフも精神疾患に対して豊富な経験を持つ医療従事者が担います。
利用の年齢制限はなく、利用に必要な条件は医師の判断です。また、保険が適用されるため、自己負担額も少なく抑えられます。
利用者が疾患を患いながらも、日常生活や社会復帰できるように多方面をサポートしていきます。原則として週3日以内の訪問です。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
精神科訪問看護では、リストに記載されている内容を主にサポートします。前述している通り、軽度知的障害では周囲の接し方も大切です。
そのため、利用者だけでなくその家族に対しても教育などを行います。また、家族からの相談なども請け負えるので、相談の内容によっては外部の連携機関を紹介することも可能です。
訪問看護は医師の指示書が必要なため、医師に相談しておくとスムーズな利用に繋がります。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!

当シンプレ訪問看護ステーションは、2020年に開業した精神疾患に特化した訪問看護ステーションです。
シンプレ訪問看護ステーションの看護内容
・統合失調症
・アルコール依存
・薬物依存
・知的障害など
主な看護内容
・生活支援
・自立支援
・症状の悪化防止
・服薬支援など
当シンプレ訪問看護ステーションが提供している訪問看護サービスや、そのサポート内容についてまとめています。
訪問看護を利用する理由はさまざまです。そのためサポート内容も多岐に渡り、ここに記載していない内容でも対応できる場合もございます。
ご利用者様が家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようしっかりとサポートを行い、ご利用者様の考えに寄り添い、目標に向かいご支援いたします。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリアは、記載のエリアを中心に訪問看護を行っています。
今エリア外でも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
相談は電話やお問い合わせフォームなどで受付中です。サポート内容や訪問日などの詳細は、直接ご利用者様やご家族と相談し決定いたします。
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まとめ

軽度知的障害は障害が分かりにくいため、早期発見が難しい障害でもあります。しかし、早期の療養で能力の向上や安定がみられるので、早期発見はとても重要です。
疑問が生じた時には、専門の窓口に相談することで早期の発見につながります。知的障害は完治することは無いので、一生付き合わなければなりません。
そのため、外部からの定期的にサポートを受けることで日常生活が安定します。どこに相談をしたらいいかわからなくて困っている、訪問看護のサービスについて聞いてみたいなどございましたら、わたしたちへお気軽にご相談ください。
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