疾患 2020-10-30

てんかんと併発しやすい精神疾患について分かりやすく紹介

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てんかんとは、意識障害やけいれんなどを発作的に起こす病気のことです。

てんかん患者の中には合併症としてさまざまな精神疾患的な症状を併発し、日常生活に支障をきたしてしまう方も少なくありません。

この記事では、てんかんと併発することのある精神症状やてんかんの基礎知識、相談窓口などについて紹介します。

てんかんに伴う精神疾患でお悩みの方やそのご家族の方は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。

てんかんと併発しやすい精神疾患的な症状

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うつ状態

てんかんを持っている患者さんはうつ状態になりやすい傾向があり、気分が落ち込んで悲観的になったり、仕事などへの意欲がなくなり、無気力な状態が続いたりします。

てんかんをお持ちの患者さんに、うつ状態の精神疾患的な症状が現れた時には、カウンセリングやお薬の処方などでうつ状態を改善していきます。

なお、てんかんの患者さんは、抗てんかん薬の副作用によってもうつ状態になることがあり、この場合は抗てんかん薬の投与量を少なくしたり、副作用が少ないお薬に変更します。

幻覚妄想状態

幻覚妄想状態とは、他の人には聴こえない声が聴こえたり(幻聴)、他人には見えないものが見えたり(幻覚)、現実にはあり得ないことを信じ込む(妄想)症状が出ることです。

てんかんの患者さんは、幻覚妄想状態が出現することがあり、幻覚妄想状態が出現した時にはストレスの軽減を行ったりお薬を調整したりして治療します。

うつ状態と同じく、抗てんかん薬の副作用によっても幻覚妄想状態が出現することがあり、この場合は抗てんかん薬の投与量を少なくしたり、副作用が少ないお薬に変更します。

心因性発作(解離症状)

心因性発作は主にストレスが原因で出現する発作で、外見上はてんかんの発作と似ていますが、心因性発作はてんかんの発作とは異なる別の病態でストレスが主な原因です。

心因性発作は、発作の原因になったストレス因子を調整することで治療を行い、ストレスに対する対応力を伸ばすことで、発作が起こりにくくすることを治療の目標にします。

心因性発作だけでなく、不眠やうつ状態の精神疾患的な症状が出ている場合は薬物治療が行われますが、心因性発作に対して抗うつ剤などのお薬が必ずしも効くとは限りません。

てんかんに伴う精神疾患的症状の要因

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てんかん病態による要因

てんかんに伴う幻覚妄想状態などの精神疾患的症状は、神経細胞が突然過剰に興奮するという、てんかんという脳の病気を患っていること自体が原因で発症することがあります。

てんかんによる脳の機能異常が原因でうつや幻覚妄想などの精神疾患的症状が出ていますので、てんかんが治ると発症している精神疾患的症状も治まります。

てんかん病態による要因で精神疾患的症状が出ている場合は、てんかんそのものが治らない限り根本的な治療法はなく、薬物療法などで発症している精神疾患的症状を抑えます。

心理社会的要因

てんかんをお持ちの患者さんに限ったことではありませんが、ストレスを溜めやすい方は日常生活におけるストレスが原因で、うつなどの精神疾患的症状が出る場合があります。

てんかんをお持ちの患者さんは楽天的な方や悲観的な方など性格はさまざまですが、性格的にストレスを溜めやすい方はうつ状態などの精神疾患的症状が出やすい傾向があります。

日常生活におけるストレスなどの心理社会的要因で、うつなどの精神疾患的症状が出ている場合は、ストレス因子の調整や薬物療法によって精神疾患的症状を治療します。

医原性の要因

てんかんの治療は抗てんかん薬による薬物療法が主流ですが、てんかんを治療するために服用している抗てんかん薬の副作用として、精神疾患的症状が出る場合があります。

服用しているお薬が原因で精神疾患的症状が出ている場合は、抗てんかん薬の投与量を減らしたり、副作用がより少ない抗てんかん薬に変えることで症状が治まる場合があります。

なお、てんかんに伴ううつ状態などの精神疾患的症状は、複数の要因が絡み合って発症するため、医師の診断に基づいて最善な方法を用いて精神疾患的症状を治療します。

てんかんに対する治療について

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抗てんかん薬・薬物療法

抗てんかん薬による薬物療法について見ていきましょう。

興奮系の働きを抑える
・フェニトイン
・カルバマゼピン
・バルプロ酸など

抑制系の働きを強める
・ジアゼパム
・クロナゼパム
・クロバザムなど
過剰な興奮を抑え抑制的な働きを強める
レベチラセタム

薬の効果からみた抗てんかん薬

てんかん発作は脳の神経細胞が突然過剰に興奮し、興奮性のシグナルと抑制性のシグナルのバランスが崩れることが原因で起こります。

てんかんを治療するためのお薬の抗てんかん薬は、興奮系の働きを抑えるものと、抑制系の働きを強めるものがありましたが、これまでとは異なる作用で、興奮系と抑制系のバランスを整える「レベチラセタム」という抗てんかん薬もあります。

部分発作
・カルバマゼピン
・フェニトイン
・ゾニサミドなど

欠神発作
・バルプロ酸
・エトスクシミド
・クロバザムなど

強直・間代発作
・バルプロ酸
・フェノバルビタール
・クロバザムなど

ミオクロニー発作
・バルプロ酸
・クロナゼパム
・クロバザム
・フェニトイン

その他のてんかん
・スチリペントール
・ルフィナミド
・ビガバトリン

発作(ほっさ)型からみた抗てんかん薬

てんかん発作は「部分発作」と「全般発作」に分けられ、部分発作は脳の一部分が興奮することで発作が起き、全般発作は脳の大部分が興奮することで発作が起きます。

脳の大部分が興奮することで起きる全般発作は、「欠神発作」「強直・間代発作」「ミオクロニー発作」に分けられ、発作のタイプに応じて最適なお薬が処方されます。んかん発作タイプを正確に診断することは、てんかんの治療では非常に重要です。

外科治療

手術の種類 目的
根治手術

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発作消失
緩和手術

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発作の軽減

てんかんの治療の主流は抗てんかん薬による薬物療法ですが、お薬だけではてんかん発作を抑えきれない難治性てんかんの患者さんには、外科手術による外科治療が検討されます。

部分発作は脳の興奮が起こる部位を外科手術で切除しても障害が残らない場合は外科治療が可能で、全般発作は脳梁離断術などの外科手術が可能であれば外科治療が検討されます。

てんかんの外科治療は根治手術と緩和手術に分けられ、根治手術は発作が起きなくなることを目指し、緩和手術は発作が起きるのを少しでも軽減することを目指します。

食事療法

薬物療法だけでは治療が難しい難治性てんかんの患者さんには、「ケトン食療法」などの食事療法が検討されます。

ケトン食療法とは、糖質や炭水化物の摂取量を減らし、脂肪の摂取量を増やす療法で、てんかんの発作のタイプを問わず、てんかん発作が減少する効果が期待できます。

ケトン食療法は低血糖や下痢、便秘などの副作用が出る恐れがあるため、副作用が起きないかを観察したうえで入院治療の段階から導入され、効果があれば2年程度続けられます。

てんかん患者が利用できる制度

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自立支援医療(精神通院医療)
外来医療費や薬代の自己負担分が軽減される

精神障害者保健福祉手帳
障害者雇用枠での就労支援や税金の控除を受けられる

障害者年金制度
障害程度に応じて年金が支給される

てんかんの治療は長期に及び、てんかんをお持ちの患者さんは検査代や治療費などの経済的負担が重くのしかかります。

てんかんをお持ちの患者さんは、自立支援医療(精神通院医療)、精神障害者保健福祉手帳、障害者年金制度などの福祉制度を利用でき、経済的負担を軽減できます。

また、てんかんをお持ちの患者さんでも加入できる「ぜんちのあんしん保険」という医療保険もあり、4大保障が受けられます。

てんかんの相談はどこにすればいい?

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てんかんについての相談窓口

  • てんかん診療拠点病院
  • 保健所
  • 精神保健福祉センター

てんかん診療拠点病院に指定されている大学病院や赤十字病院には、てんかんの専門医が在籍しており、てんかんの治療や合併症による精神疾患的症状の相談ができます。

てんかん診療拠点病院は18道府県にあり、首都圏では埼玉医科大学病院や千葉県循環器病センター、聖マリアンナ医科大学病院などがてんかん診療拠点病院に指定されています。

また、最寄りの保健所や精神保健福祉センターでも、てんかんや合併症による精神疾患的症状について相談することができ、保健師が家庭を訪問して相談を行うことも可能です。

精神科訪問看護を利用するという選択肢も

サービス名 精神科訪問看護

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職種 看護師
准看護師
作業療法士
訪問日数 原則週3日以内

精神科訪問看護とは、精神疾患がある方や心の病気を抱えている方の自宅に看護師などがが訪問し、患者さんがより安定した生活を送れるように支援する看護サービスです。

精神科医療は入院から地域中心へと移行が進んでおり、精神科訪問看護を利用することで、家庭や地域社会で生活を送りながら、精神疾患の治療を継続することが可能になります。

一般の訪問看護は医療的処置が中心になりますが、精神科訪問看護は精神科看護に特化していることが特徴で、てんかんの治療や合併症による精神疾患的症状の相談もできます。

精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!

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シンプレ訪問看護ステーションとは?

シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、自宅療養中の患者さんのお宅に看護師や作業療法士などのスタッフが定期的に訪問します。

主治医や関係機関と連携を取り、ご利用者様が家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようしっかりとサポートを行い、ご家族の方への支援も行います。

シンプレ訪問看護ステーションには、専門知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、てんかんの治療や合併症による精神疾患的症状についても気軽に相談ができます。

シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア

新宿区中野区豊島区
杉並区練馬区板橋区

シンプレ訪問看護ステーションの拠点は東京都新宿区高田馬場にあり、上記が対応エリアになっています。

首都圏の他のエリアについても対応ができる場合がありますので、電話や問い合わせフォームなどでお気軽にお問い合わせください。

患者さんの病状は刻一刻と変化するため、シンプレは24時間365日体制で運営しておりますので、安心してご利用いただけます。

まとめ

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専門機関に相談のうえ、精神科訪問看護の利用も検討しましょう。

てんかんの治療や合併症による精神疾患的症状については、てんかん診療拠点病院、精神保健福祉センター、保健所などの専門機関で相談ができます。

退院後に自宅療養をされている患者さんは、精神科訪問看護を利用すると、家庭や地域社会で安心して日常生活を送れるようになります。

シンプレ訪問看護ステーションでは、精神に特化した訪問看護を行っており、てんかんに伴う精神疾患的症状でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。