うつ病エピソードの症状ってどんなもの?治療法や相談できる窓口も紹介

「うつ病エピソード」と呼ばれる症状が見られる気分障害の総称を「うつ病」といいます。
うつ病エピソードとはおもに気分が落ち込んだり、すべての物事に対する興味がなくなるなどの症状がみられます。
この記事では、具体的にはどのような症状が見られるのか、うつ病と診断されるまでの基準、相談ができる窓口についても紹介していますので、あわせてご覧ください。
うつ病エピソードの症状を3つに分類
基本症状
- 抑うつ気分
- 興味と喜びの消失
- 気力の低下・いつもより疲れやすい
うつ病は、気分障害のひとつです。うつ病エピソードには「1日中気分が落ち込んでいる」「何をしても楽しめない」などといった症状があります。
また、「眠れない」「疲れやすい」などといった身体的な症状もあらわれ、日常生活に大きな支障を生じている場合は、うつ病の可能性が高いです。
うつ病は、精神的ストレスまたは身体的ストレスが原因で、脳がうまく働かなくなっている状態です。
うつ病になると、考え方やものの見方が否定的になり、長い間塞ぎ込みがちになります。
身体の症状
- 倦怠感
- 頭痛・肩こりや体の節々の痛み
- 食欲不振や胃の痛み
- 便秘や下痢などの胃腸症状
うつ病はこころの症状だけではなく、さまざまな身体的なうつ病エピソードもあらわれます。
「倦怠感(体がだるく、重い)」「頭痛や肩こり」「食欲不振や胃の痛み(食欲が低下または過食になったり、胃の痛みや吐き気を感じる)」などの身体のいろいろな所に不調を感じます。
また「めまい」「耳鳴り」「息苦しさ」「胃腸症状(胃腸の働きのバランスを崩すことにより、便秘や下痢)」などといった身体的な症状もあらわれます。
一般的にうつ病の精神症状に気づく前に、身体の不調があらわれることが多いです。
その他症状
- 集中力や注意力の低下
- 罪責感
- 食欲減退や増加
- 睡眠障害
- 自殺の観念や行為
またその他のうつ病エピソードとしては、「抑うつ気分(物悲しい気持ちになる、気分が晴れない)」「意欲低下(やる気になくなる、好きなテレビや読書が楽しめない)」「不安・イライラ」などの精神的な症状がみられます。
その他の症状としては、「集中力や注意力の低下(仕事や家事に集中できない)」「罪責感(責任を感じ、自身を責める)」などの症状がみられます。
症状が悪化すると、「希死念慮」をもつようになり、死や自殺について考えるようになり、自殺を試みるようになります。
うつ病エピソードの発症のきっかけ
うつ病エピソードには、「ライフイベント・ストレッサー」といわれるきっかけがあります。ストレッサーとは、ストレスを引き起こす原因であり、ストレスへの刺激のことです。
「ライフイベント・ストレッサー」は健康、仕事、経済や対人関係などで、複合的な喪失体験をする状況のことをいい、うつ病を発症するきっかけとなります。
病気、失業、収入の減少、社会的・家庭内で役割の喪失や大切な人との死別などのことを喪失体験といいます。
こうした「ライフイベント・ストレッサー」を経験した場合、うつ病の発症が高いといわれています。
診断基準
うつ病の診断には、本人の感じている情報が必要となります。そのため、診断には一定の診断基準(DSM‐5)を設けており、それに当てはまるかで診断をする方法があります。
「毎日の抑うつ気分」「喜びの著しい減退」「著しい体重の減少または増加、食欲の減退または増加」「不眠または過眠」「死についての反復思考、反復的な自殺念慮」などの9つのカテゴリーがあります。
上記の症状のうち5つ以上当てはまり、2週間以上続く場合は、うつ病の可能性が非常に高いです。
治療
休養
うつ病の治療には、十分な休養をとることによって、こころと身体を休ませることが治療の第一歩です。
「休養」とは、ただ自宅や病院のベットの上でじっと横になるというわけではありません。仕事や人間関係などからのストレスから離れ、こころを落ち着かせることです。
仕事を離れて、自宅療養や配置転換をして、ストレスから離れることが大切。食事・睡眠などの生活リズムが崩れている場合があるため、心身ともの体調を整えることが必要となります。
薬物治療
うつ病は、誰にでも起こりうる脳の病気です。抗うつ薬などの使用について、抵抗を感じる方がおられますが、抗うつ薬は脳の神経を回復させる効果があるため非常に大切です。
おもに使用されるお薬には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)と呼ばれる「抗うつ薬」。
その他にも「抗不安薬」「睡眠導入剤」などがあり、患者さんの症状に合わせて処方され、早期回復につながります。
環境調整
うつ病の治療には、十分な休養をとることが大切です。
仕事先にストレスを軽減出来るように、環境を調整してもらうのもひとつです。 職場の配置転換や就業時間の短縮など、可能であれば仕事先に相談をしてみましょう。
また「休むことによって、周りに迷惑をかけてはいけない」「自分がいないとみんなが困る」などと考えてしまい、休養をとることができない場合があります。
しかし、うつ病の治療には、焦らずに休養をとることが必要。ストレスをかけず、無理なく生活できる環境を作ることが回復への早道です。
精神療法
うつ病の治療においては、休養や薬物治療のほかに「認知行動療法」や「対人関係療法」などの精神療法があります。
認知行動療法
認知行動療法とは、ストレスを感じた具体的な出来事に対して、「頭の中に浮かぶ考え(認知)」「感情」「身体の反応」「行動」に分けて、自身の認知や行動などを整理します。
一般的に、医師や専門のカウンセラーと面談しながら行い、認知の考え方を変化させることにより、ストレスを軽減させる治療方法です。
対人関係療法
対人関係療法とは、自身に影響を与えている人間関係の問題に焦点をしぼります。
認知行動療法と似たような部分は多いですが、「頭の中に浮かぶ考え(認知)」はせずに、人間関係だけの感情に対して分析します。
その人間関係に距離を取ったり、和らげたりし、対処できるようにトレーニングを行う治療方法です。
運動療法
うつ病の治療においては、より健康的な心身を作り、うつ状態に再びならないようにする生活習慣を身につけることが大切です。
復職すれば、満員電車、長距離の通勤などさまざまな身体的なストレスのある生活が予想され、それをこなしていかなければなりません。
療養で体力が低下し、身体が疲れやすくなっており、このようなストレスでもうつ病を再発する可能性があります。
そのため、復職に向けた体力をつけることは、根本的な治療において欠かせません。
うつ病かもしれないと感じたら
身近な人に相談
「最近疲れがとれない」「ずっと憂鬱だ」などと感じ、うつ病かな?と思うようであれば、専門の病院やクリニックに相談することをおススメします。
また「自分は大丈夫だ」「病院に行くことに抵抗がある」「大げさにしたくない」などと考える方もおられます。そういった場合には、まずは身近な人に相談することをはじめましょう。
相談することで、自然と心が晴れたり、問題への対策法が見えてきたりし、解決する可能性があります。
「これくらいでうつ病なわけがない」と思いこんでしまう前に、まずは周囲に相談して客観的な判断をしてもらうことも大切です。
専門窓口
うつ病に対しては、「こころの耳相談」「よりそいホットライン」などの相談ができる専門窓口があります。本人やその家族からの相談が可能。
本人が相談することにハードルを感じているときや、話せないときには、まずはご家族が相談してみるのも一つの方法です。
心の悩みや生活苦など、さまざまな悩みに24時間無料で電話相談できる窓口もあります。また相談窓口には、電話、SNSやメールでも可能な場合もあり、相談しやすい方法を選べます。
精神科医師に相談
うつ病の治療には、自己判断だけせずに、専門の病院やクリニックなどの医師に相談することが、早期の回復につながります。
精神状態や身体の症状などの悩んでいることを相談し、複合的に診察してもらうことが大切です。
自己判断で「これくらいの抑うつ状態は病気じゃない」と思ったり、「うつ病だから会社を辞めよう」と行動をすれば、症状の悪化や大きな後悔につながってしまう恐れがあります。
薬物療法や休職、これからの過ごし方など適切な治療の方向性が見えてきます。
精神科訪問看護
うつ病の方には、精神面でのフォローのほか、身の回りのケアなどが必要なことがあります。
「うつ病と診断された」または「家族がうつ病と診断されたけど、どうしたらよいかわからない」など、ご本人やご家族の困りごとや悩みに対して、自宅で看護を受けられるのが精神訪問看護です。
精神訪問看護では、症状悪化の防止、服薬指導や病気との付き合い方などを一緒に考え、社会復帰を目指したサポートなどを行い、利用者さまに合わせて提供します。
また、訪問してご本人がでてこられなくても、ご家族に訪問看護を行い、相談を受けさせていただくこともできます。
訪問看護ならシンプレへご相談ください
シンプレの特徴
うつ病への対応やケアについては、慎重に行うことが必要であり、家族や周囲のサポートが必要不可欠です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、特に精神科に特化した訪問看護サービスを展開し、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられる看護を提供しています。
患者さんはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら、社会復帰を目指したい」と思っています。精神訪問看護は、そのような方をお手伝いするサービスです。
またシンプレ訪問看護ステーションでは、患者さんだけでなく、そのご家族の精神的なフォローにも対応し、皆で一緒に前向きに生活を改善していくことを目指しています。
精神科訪問看護についてくわしく知りたい方は、まずはご相談ください。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
また、HPのほかにもTwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ
うつ病は決して発症する可能性が低くはなく、その原因もさまざまです。
心理的にも身体的にもつらく、一人で悩んでいるかたが大勢いらっしゃいます。そのため家族や周囲のサポートが必要です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、そんな方に対して病気のケアや社会復帰への支援を行っています。
またご家族へのサポートも行うことで、うつ病に関わる人たちの生活を看護の立場から支援いたします。うつ病でお悩みの場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
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