セロトニンが欠乏するとうつ病になる?原因や克服方法を解説

セロトニンとうつ病の関係を知っていますか?
セロトニンとは脳にある情報を伝達するための神経伝達物質のひとつで、うつ病はこのセロトニンの欠乏が原因だと考えられています。
実は、このセロトニンは生活習慣を少し見直すだけで増やすことができる物質なのです
今回は、セロトニンとうつ病の関係性やセロトニンを増やす方法を紹介します。
セロトニンとうつ病の関係性
セロトニンとは
私たちの脳の中にはたくさんの神経細胞があり、それぞれがネットワークを形成していろいろな情報を伝達しています。
それぞれ異なるはたらきを持つ神経伝達物質は100以上あり、その一つがセロトニンです。
このセロトニンは交感神経と副交感神経のバランスを取り、精神的なバランスを整えることから「幸せホルモン」とも呼ばれます。
このセロトニンはアミノ酸の一種である「トリプトファン」という物質を使用して作られることがわかっており、たんぱく質を多く含む食品から摂ることができます。
セロトニンとうつ病の関係性
神経細胞同士は直接つながって情報交換しているわけではなく、神経伝達物質が細胞の間を行き来して行っています。
セロトニンなどの物質が正常にはたらいている場合には、行動や気分、睡眠、記憶、食欲などが安定しています。
しかしそれらの物質が減少して伝達がスムーズに行えない場合に、意欲の低下や不眠、食欲低下などうつ病の症状が見られます。
そのため症状改善を目的として、セロトニンを増やす効果のある内服薬を用いて治療します。
セロトニン以外にうつ病になる原因
・大切な人の死や離別
・人間関係のトラブルなど
性格傾向
・義務感が強い
・仕事熱心
・完璧主義
・几帳面、凝り性
発症の原因はまだわかっていないことも多くありますが、精神的ストレスや身体的ストレスが原因と言われることが多くあります。
悲しい、辛いといった体験だけでなく、結婚や進学、引っ越しなどの新しい生活のスタートがきっかけでうつ病を発症することもあります。
また、正義感が強く完璧主義といったまじめな性格も発症の一因となっていると考えられています。
そのほか上記以外に、身体の病気や治療薬の作用でうつ病を発症することもあるため注意しなければいけません。
セロトニンを増やす方法
バランスの取れた食事をとる
- ビタミンB6
- マグネシウム
- ナイアシン
- トリプトファン
ビタミンB6はマグロやカツオなどの赤身魚、鶏肉などの肉類に多く含まれ、アミノ酸の代謝を促し、タンパク質からエネルギーを生み出すのを助けています。
魚介類、野菜類、豆類に多く含まれるマグネシウムが不足すると、ビタミンB 群は十分にはたらけずタンパク質からエネルギーを生み出せなくなります。
ナイアシンは魚介類、肉類に多く含まれ、タンパク質の代謝やエネルギーを生み出すことに関与しています。
トリプトファンはタンパク質を多く含む食品に含まれ、脳内でビタミンB6、マグネシウム、ナイアシンとともにセロトニンを生成します。
適度な運動を心がける
ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳など、長い時間かけてゆっくりと行う有酸素運動には、セロトニンの分泌を促す効果があることがわかってきました。
ゆっくりと呼吸をしながら筋肉への負担を少なく、また毎日少しずつでも継続して行うことでうつ病の改善や予防に有効です。
ほかにも身体を動かすことで食欲が増し、筋力がアップすることで活動的になることも期待できそうです。
身体面の効果だけでなく屋外に出る機会も増えることで、精神的にも気分転換など良い効果が得られるでしょう。
脳を活動させて感情を動かす
脳に喜怒哀楽などの活動をさせることによって、セロトニンの分泌を促す効果があります。
読書や映画鑑賞をすることで共感したり感動したり、感情を意識的に動かすことが大切です。
この時哀しむ、怒るなどの感情も有効なので、感情が揺さぶられるような作品と向き合ってみましょう。
綺麗な景色を見に行く、好きな音楽を聞くといった五感を使うような趣味も効果的です。友人と美味しいスイーツを食べながら、楽しく過ごす時間にもセロトニンは分泌されていますよ。
良質な睡眠をとる
脳の活性化を促してセロトニンの分泌を開始するには、朝起きて朝日を浴びることが大切です。蛍光灯では明るさが足りないため、屋外で「朝日を浴びること」が大切なポイントです。
そのために現在の睡眠は「寝つきはどうか」「熟睡感があるか」「すっきりと目覚めるか」など睡眠の質について見直してみましょう。
質の良い睡眠をとることで朝はすっきり目覚めることができ、日中の活動意欲も増してきます。
寝室の環境やパジャマ、枕の高さや硬さなども睡眠に影響すると言われていますので、一度見直してみてはいかがでしょうか。
うつ病について
うつ病とは
うつ病の症状には何に対してもやる気が出ない、憂うつな気持ちが晴れないといった精神症状の他に、食欲が低下する、不眠になる、疲れやすいといった身体症状がみられます。
明らかな原因が見つからない、また原因になっていたことが解決した後にも症状が続くことで、日常生活に支障が生じているときにうつ病の可能性があります。
うつ病の治療には「休養」「薬物療法」「精神療法」がありますが、まずは原因となっていることから離れてしっかりと休養を取ることが重要だと言われています。
うつ病の患者数
うつ病の患者数は年々増加傾向にあり男女ともにどの年代でも発症しますが、世界的に見ても女性の患者が多いと言われています。
有病率
有病率とは「この中でいま現在、うつ病と診断されている人が何人いるか」ということで、うつ病では2.2%で約50人に1人の割合という結果が出ています。
近年のコロナ禍の影響で職業や生活スタイルの変更を余儀なくされた人も多く、今後の調査では変化が見られる可能性があります。
生涯有病率
生涯有病率とは「この中で今までに、うつ病と診断されたことがある人が何人いるか」ということで、うつ病では6.5%で約50人に3人が診断を受けたことがあるという結果でした。
妊娠・出産といった女性特有のイベントや社会的な役割や立場の格差などから、世界的に見ても男性よりも女性の方が罹りやすいと言われています。
うつ病の前兆
- 楽しみや喜びを感じない
- 気分が晴れない
- 趣味や好きなことが楽しめない
うつ病の前兆は精神症状や身体症状など様々で、また自分では気づかずに家族などの周囲が変化に気づくこともあります。
食欲がないなどの身体症状がでると内臓の病気を疑いますが、実はうつ病の前兆だった、ということもあります。
また表情が暗く笑顔が少ない、ネガティブな発言が多い、落ち着きがない、など普段と違う様子が見られるときには、本人はうつ病の症状で悩んでいるのかもしれません。
家庭や仕事、学校などの日常生活に支障が出ているようであれば、早めに専門機関へ相談することが大切です。
うつ病の相談ができる場所はある?
訪問看護とは
訪問看護の利用者
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・介護保険
(20分、30分、60分、90分の4区分)
・医療保険
(30分から90分程度)
病気の重症度や障害の程度に関わらず、産まれたばかりの子から高齢者まで利用できます。
主治医の指示のもとに保健師、助産師、看護師、准看護師のほか、疾患や病状に応じて理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が訪問します。
介護保険か医療保険のどちらかを使って訪問看護を利用でき、疾患や病状によってどちらを優先して使うかは決まりがあります。
介護保険と医療保険のどちらを使っても、訪問看護やリハビリテーションは基本的に同じ内容です。
訪問看護を利用するメリット
- 専門的なケアが受けられる
- 定期的な通院の回数を減らせる
- 家族の負担が軽減できる
訪問看護を利用するメリットは、産まれたばかりの子から高齢者までのすべての年代の方に、必要な専門的支援を自宅で受けられることです。
定期的に訪問することで悪化や異変に早期に気づくことができ、必要なタイミングで受診することができます。
家族が行っている援助を一緒に行い、また家族の相談にも乗ることができるため、身体的にも精神的にも家族の負担を軽減することができます。
関係機関とともに専門的な視点で、一人ひとりに合った解決方法を一緒に考えていく心強い存在になります。
気になる訪問看護の費用
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担![]() |
3,897円 | 2,565円 |
2割負担![]() |
2,598円 | 1,710円 |
1割負担![]() |
1,299円 | 855円 |
上記は正看護師or作業療法士が訪問した料金となります。
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
訪問看護の利用料金は病院等と同様に、医療保険が適用されることで実際に支払う金額は収入や年齢によって1割~3割と異なります。
また、早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、医師から健康状態に沿った訪問看護の指示があった場合、別途料金が発生します。
次は外来、デイケア、訪問看護等の自己負担額を軽減できる「自立支援医療」について見ていきましょう。
自立支援医療制度とは?

自立支援医療制度は、根本的な治癒が難しいとされる精神疾患の診療費や薬代を軽減する公費負担医療制度です。世帯の所得に応じた医療費の上限額が設定されています。
生活保護・低所得層
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
生活保護世帯の場合、自己負担はなしとなります。市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円以下の場合、月2,500円までです。
また、市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円を超える場合は月5,000円までとなります。
さらに東京都では、市町民税非課税世帯の方について「国保受給者証」や「東京都医療費助成制度」などの医療費助成制度が適用される場合がありますので、詳しくは最寄りの役所窓口にて相談の上ご確認ください。
中間所得層
区分 | 上限額 |
---|---|
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
中間所得層は、住民是によって区分され、住民税33,000円未満の場合は月5,000円まで、住民税33,000円以上〜235,000円未満の場合は月10,000円までとなります。
「重度かつ継続」の対象疾病とは、 認知症や高次脳機能障害等の器質性精神障害、統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病、躁うつ病等の気分障害などのことです。
その他、3年以上の精神医療の経験を有する医師によって「集中的・継続的な通院治療を要する」と診断された方も含まれます。
一定所得以上
区分 | 上限額 |
---|---|
一定所得以上![]() |
20,000円 |
所得が一定以上ある方は、基本的には自立支援医療制度を受けることができません。
ただ、「重度かつ継続」の場合は自立支援医療制度を受けることが出来ます。
「重度かつ継続」の対象疾病は認知症や統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病などになります。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
都内を中心に展開しており精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、うつ病や認知症、統合失調症など精神疾患をもつ方のご自宅へ訪問し、看護サービスを提供します。
精神疾患を抱えている方の中にはお子さんから高齢の方までいろいろな人がいて、一人ひとり生活環境や背景が異なります。
それぞれの生活スタイルや考え方を尊重し、その人らしく安心して生活できるように支援します。
また各医療機関や行政とも連携を取り、訪問している看護師だけでなく地域全体でサポートします。
精神疾患の一例
気分が強く落ち込み憂うつになってしまう
統合失調症
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・生活に支障をきたしてしまう
ADHD
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・不注意さ、多動性、衝動性が顕著
その他精神疾患全般
当ステーションの対象は精神疾患全般ですが、症状はさまざまですので対象疾患の一例をご紹介します。
精神疾患は気分の落ち込みなどの精神症状だけでなく、眠れない、食べたくないなどの身体症状が絡み合っていることが多く見られます。
またじっとしていられない、集中が続かないといった行動で、学校で気づかれることが多い多動性障害のような症状も対象となります。
ストレスによる気持ちの落ち込みや、眠れないといった症状は、誰もが経験することですが、この原因が解消したあとも症状が続き日常生活に支障がでると治療対象となります。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対象エリアは上記の通りです。
記載の対象エリアを中心に対応していますが、対応エリア外でも近隣地域であれば訪問可能なことがありますのでまずはお気軽に一度ご相談ください。
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まとめ
生涯で50人に3人は罹ると言われていることからも、うつ病は精神疾患の代表的な疾患のひとつです。
原因として大きなストレスの他にセロトニンなどの神経伝達物質が関わっていることがわかっています。うつ病の予防や改善のために、規則正しい生活と食事でセロトニンを増やすことが効果的です。
一度うつ病になると立て直すことは難しいことが多く、社会復帰には専門のサポートが有効です。
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、うつ病で悩んでいる方やそのご家族への継続的なサポートを通じて解決への一歩をお手伝いします。
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