産後うつの治療が重要な理由。治療法や相談できる場所について知ろう

産後うつの治療方法をお探しですか?産後は急激なホルモンの変化によって精神状態が不安になりやすい傾向にあります。
産後うつを治療せずに放置してしまうと、重症化して取り返しのつかない事にため、早期に対策を打たなければいけません。
今回は、産後うつの治療方法や治療を受けるにはどこに相談すればいいのかなどを詳しく紹介します。
産後うつの治療が重要な理由
重症化や再発を繰り返しやすくなるため
産後うつとは、妊娠中や出産後に起こるうつ病のことです。
発症すると、子育てに自信がなくなったり、赤ちゃんのことが可愛くなくなったりして、育児や家事などができなくなったりします。
また多くの場合、抑うつ気分になり、疲れやだるさを感じてます。
産後うつを放っておくと、重症化につながり、長い間育児ができなくなったり、自殺を図ったりして健康的な生活ができません。早めに専門医の適切な治療を受けることが大切です。
子どもの発達にも悪影響が出るため
産後うつは、生まれてくる子どもに対して認知や情緒不安定とさまざまな良くない影響を与えることがあります。
抑うつ気分や意欲低下により、育児が難しくなり、子どもの認知や情緒不安定な状態へとつながります。
また睡眠が十分にとれず、食欲も落ちることが多く、授乳することが難しくなります。そのため、子どもの身体的な発育にも影響がでるとされています。
このようにご本人だけではなく、子どもに対しても悪影響を及ぼします。重症化する前に、専門医に受診することが双方にとって重要です。
そもそも産後うつとは?
出産から3ヶ月の間に現れやすいうつ病
産後うつ病は、出産直後から3ヶ月の間に発症することが多いです。しかし産後うつになる原因はさまざまあり、1年後に発症するケースもあり発症時期が異なる場合があります。
一般的に、出産のよる体力の消耗や低下により、ホルモンバランスが変化。そのためホルモンバランスが乱れ、精神的に不安定な状態を引き起こします。
そのような状況の中で、ママは育児や今後の生活に対して不安が大きくなり、産後うつになってしまうケースが多いです。
経産婦の内約10~15%が発症
産後うつは約10〜15%の確率で発症するといわれ、どんなママにでも起こりえると言えます。
産後うつになりやすい人の特徴としては、「何でも完璧にしたいかた」や「真面目で責任感が人一倍強い性格」などに当てはまるママがなりやすいと言われています。
また「家族との関係がうまくいってない」ケースも発症しやすいと言われています。産後うつ病を放っておくと、重症化してさらなる精神病を引き起こし、長引く可能性が高いです。
産後うつの症状にはどんなものがある?
- 極度の悲しみ
- 頻繁に泣く
- 気分の変動
- 易怒性および怒り
産後うつに発症すると抑うつ状態になり、突然悲しくなったり、頻繁に泣くなどの症状がみられます。
また一方で、気分の変動が大きくなり、焦ったり、イライラしたりするなど感情の起伏がみられることもあります。
そのため不安定な精神状態になり、ママは赤ちゃんとの絆をきずくことができなくなります。
産後うつが重症化すると、自殺したい気持ちや、暴力的な思考や幻覚を感じることがあり、最悪子どもを傷つけたいと考えるようにもなります。
マタニティーブルーズとの違いは?
患者の状態 | 産後うつ | マタニティーブルーズ |
---|---|---|
発症時期![]() |
・産後1年以内 (発症率10〜15%) |
・産後数日から 2週間程度 (発症率30〜50%) |
経過と対応![]() |
適切な治療や 周囲の支援が必要 |
大抵は一過性で 産後10日程度で 軽快する |
マタニティーブルーズは、約30-50%の女性が出産後に経験します。また「マタニティーブルー」とも呼ばれます。
出産後、数日から2週間程度の間に、涙が止まらなくなったり、いらいらしたり、落ち込んだりするなどの症状があらわれます。
ほかにも、眠れなくなったり、集中力が低下したり、焦ったりするなどし、情緒が不安定にもなります。
しかしマタニティーブルーズの場合は、産後うつとは違い、産後10日程度で症状が自然に回復します。そのためあまり心配する必要がないとも言えます。
産後うつになってしまう原因は?
出産時のホルモンバランスの乱れ
出産後には、ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)分泌量が減少します。
プロゲステロンは子宮内膜に作用し、受精卵が着床しやすい状態にするホルモン。
エストロゲンは女性らしさをつくるホルモン。女性らしい丸みのある体形をつくり、肌の美しさに作用があり、2つのホルモンは出産をすると著しく減少します。
一方出産すると授乳するためのホルモンが増加し、女性は出産前後においてホルモンのバランスが大きく変動をします。
その結果、脳内の神経伝達物質(セロトニン)に影響を与え、産後うつになりやすいと考えられています。
慢性的な睡眠不足と疲労
産後約3カ月ぐらいまでは、ママは2〜3時間ごとに赤ちゃんに授乳をしなければなりません。
細切れに睡眠をとることになりますが、一般的に十分な睡眠時間がとれず、ママはしっかりと休息することができません。
そのため、肉体的に疲労の蓄積によって、精神的な不調を引き起こし、心身ともに疲れ切っています。この肉体的な疲労が、産後うつを引き起こす原因の1つです。
育児不安や育児ストレス
出産後の赤ちゃんはとても繊細です。日々のお世話を通して、ママは赤ちゃんに対して一生懸命になります。
そのような状況下では、自身のペースが乱れることや、配慮の欠ける言動などに対して、敏感に感じるようになります。
また、パパや親戚などの身近な存在の言動に対しても、つらく感じストレスを抱える可能性があります。
そのためママはさまざまなストレスや不安を感じており、心を閉ざしてしまうなどし、産後うつを引き起こします。
産後うつの治療方法はどんなもの?
薬物療法
・セロトニン再取り込み阻害薬
・三環系抗うつ薬
一般的に産後うつには、脳内の神経伝達物質が減少しているため「セロトニン再度取り込み阻害剤」を投与し、セロトニンの増加を促します。
もしくは、三環系抗うつ薬を投与し、脳内の神経伝達物質の1つであるノルアドレナリンを増加させます。
授乳中の場合は、母乳を通して赤ちゃんに対しての安全性を配慮が必要です。そのため、断乳指導の上で薬物療法を行う場合があります。
心理療法
・支持的カウンセリング
・対人関係療法
・認知行動療法
薬物療法のほかに、産後うつの治療に対して心理療法も効果的です。心理療法の例としては、支持的カウンセリング、対人関係療法や認知行動療法などがあります。
支持的カウンセリングとは、医師がママのつらさや苦しみについて聞き、専門的な立場からアドバイスや手助けなどをするカウンセリングです。
対人関係療法とは、対人関係に焦点をあて、感情や行動を変化させて問題を解決するカウンセリングです。
認知行動療法は、ママの考え方や受け取り方について変化をさせて、気持ちをラクにする心理療法です。
サポート体制の構築
産後うつになった場合、育児や家事をすることは難しくなります。
赤ちゃんへの大きな責任感や、産後うつになったことに対する罪悪感が生まれ、一人で悩んでしまうことが多いです。そのため家族や周りの人のサポートが必要となります。
早期回復には、家族全体でママと子どもをケア・フォローをして、産後うつを治療することが大事です。
産後うつに関する相談先は?
専門家による相談窓口
ここでは産後うつに対して、「こころの健康損統一ダイヤル」や「よりそいホットライン」など専門家による相談窓口についてご紹介します。
こころの健康相談統一ダイヤル
「こころの健康相談統一ダイヤル」とは、自殺の危機が高まっている人に対して、話をきくことで自殺への考えを軽減または回避するために発足した相談窓口です。
各都道府県の病院や保健センターなどが連携をし、産後うつに悩んでいるかたの相談をききます。
よりそいホットライン
「よりそいホットライン」とは、生活に苦しいかた、高齢者、外国人、DV、性暴力など社会的に悩んでいるかたに対しての支援をする団体です。
産前産後のママに対して、育児相談だけでなくどんな悩みにも対応してくれます。
いのちの電話
「いのちの電話」は全国に50ヵ所以上あります。
さまざまな問題をかかえて孤独と不安に苦しみ、悩み、生きる力をうしないかけている人々に、生きる意欲を自らみいだせるように心の支えになる団体です。
精神科・心療内科
産後うつはこころの病気です。あてはまることがあれば、ひとりで抱え込むのはなく、精神科や心療内科に相談することが大切です。
医師に相談することで適切な治療やカウンセリングを受けることができます。早めに対処することが大切で、重症化を抑えることもできます。
また、産後うつなどの精神的な症状は、自分では気づきにくいことが多いです。ご家族やパートナーからみて、ママの普段との様子の違いや、気になることがあれば早めに相談したり、受診することを勧めましょう。
精神科訪問看護
サービス名 | 精神科訪問看護 |
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職種![]() |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数![]() |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
産後うつ病の方には、精神面でのフォローのほか、身の回りのケアなどが必要なことがあります。
「産後うつと診断された」または「家族が産後うつと診断されたけど、どうしたらよいかわからない」など、ご本人やご家族の困りごとや悩みに対して、自宅で看護を受けられるのが精神訪問看護です。
精神訪問看護では、症状悪化の防止、服薬指導や病気との付き合い方などを一緒に考え、社会復帰を目指したサポートなどを行い、利用者さまに合わせた看護を提供します。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
産後うつへの対応やケアについては、慎重に行うことが必要であり、周囲のサポートが必要不可欠です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、特に精神科に特化した訪問看護サービスを展開し、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられる看護を提供しています。
患者さんはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら、赤ちゃんの育児をしたい、または社会復帰を目指したい」と思っています。精神訪問看護はそのような方をお手伝いするサービスです。
またシンプレ訪問看護ステーションでは、患者さんだけでなく、そのご家族の精神的なフォローにも対応し、皆で一緒に前向きに生活を改善していくことを目指しています。
精神疾患の一例
・一日中気分が落ち込んでいる
・何をしても楽しめない
・眠れない・食欲がない・疲れやすい
自閉スペクトラム症
・正常な社会的関係を構築ができない
・強迫的な行動や儀式的な行動がみられる
統合失調症
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・生活に支障をきたしてしまう
発達障害
・生まれつきの障害
・多動的、衝動的な行動をとりやすい
・学習面において困難な場合がある
双極性障害
躁状態とうつ状態を頻繁に移り変わる
PTSD
・時間がたってからもトラウマが残っている
・トラウマからくる原因への逃避行動
その他精神疾患全般
シンプレ訪問看護ステーションではさまざまな精神疾患が対象です。
精神疾患とは、産後うつのほかにも、うつ病、自閉スペクトラム症、総合失調症やPTSD、など、気分の落ち込みや幻覚・妄想など心身に様々な影響が出る疾患のことをいいます。
おもな原因としては、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることなどによって起こるとされています。
厚生労働省の調査によると精神疾患のあるかたは、平成29年度で日本国内に約420万人いるとされ、年々増えつづける傾向です。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域は主に上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
また、HPのほかにもTwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ
産後うつは決して発症する可能性が低くはなく、その原因もさまざまです。
出産することは心理的にも、身体的にもつらく、産後うつを発症した場合、一人で悩んでいるかたが大勢いらっしゃいます。そのため家族や周囲のサポートが必要です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、そんなママに対して病気のケアや社会復帰への支援を行っています。
またご家族へのサポートも行うことで、産後うつに関わる人たちの生活を看護の立場から支援いたします。
産後うつでお悩みの場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
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