不眠症が長く続くとうつ病になりやすい?対処法や治療法を解説!

不眠症が長く続くと、うつ病を発症することを知っていますか?
「ただ眠れない日々が続いているだけ…」そんなふうに安易に考えていると、精神的にも体力的にも大きな負担をかけることになるかもしれません。
そこで今回は、不眠症になる原因や治療法、対処法について解説します。不眠症に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
不眠症とは?うつ病との関係性
不眠症とは
不眠症とは、入眠障害や中途覚醒といった症状が1ヶ月以上つづく状況のことをいいます。この症状が、単独でみられる場合もあれば、すべてある場合もあります。
また、不眠症はうつ病とも関係が深いです。
不眠症で休息が不足すると、日中に意欲の低下やだるさ、お腹が空かないといった症状で生活に支障が出ます。そして、日中にその人らしく仕事や家事をするといった活動をすることが、難しくなってしまいます。
不眠と睡眠不足の違い
・症状が1カ月以上続く
・症状が特徴的
・心因的、睡眠環境などが主な原因
ボックス:睡眠不足
・症状の期間は人それぞれ
・症状が眠気からくるものが多い
・原因も個人によって異なる
不眠症があると、自分自身は寝たいと思っていて、寝ようと試みてもいろいろなストレスなどが原因となり、いっこうに眠れないということがおきます。
こういった不眠症では、日中の集中力の低下やイライラしやすくなるといったことがおき、日常生活に悪影響が出ます。
このことにより、仕事中にミスをしやすかったり、交通事故などのトラブルが起こりやすくなります。
一方、睡眠不足は寝ようと思ったときに、環境や時間といった支障がなければ、すぐに眠れる状況です。そして眠った後に、眠気などが落ち着き、集中して日常生活が過ごせる状況になります。
うつ病との関係性
「うつ病はこころの風邪」とよく言われていますが、実際は脳内の神経伝達物質がうまく働くことができない病気です。
睡眠には単なる疲労回復のみではなく、睡眠中に脳内の整理整頓をおこなう役割があります。
このため、十分に睡眠をとることにより、うつ病の発症を減らすことができます。逆に睡眠で休息が不十分になると、うつ病をひきおこしやすくなります。
また、不眠症の患者さんの中にはうつ病を発症している人も多くいます。自分では不眠症だと思っていても、不眠の原因にうつ病があったという事があります。
不眠症の患者数
不眠症の患者数
21.7%
2016年
20.9%
2017年
21.9%
睡眠を評価する場合、睡眠の質と睡眠時間の両方を目安にすることができます。
厚生労働省による調査では、日本人の21.9%の人が睡眠による休息がとれていないと回答しています。この数字は、とても高い割合です。
睡眠による休息が取れていないという回答は、睡眠の質が良くないことを意味しています。日本人の5人に1人が十分な睡眠の質を確保できていないということになります。多くの方にとって、不眠症は他人事ではないといえます。
このように日本人の睡眠が十分でないことは、個人の健康問題をこえて、日本社会の経済生産性との関係もいわれています。
40代の平均睡眠時間
・女性:52.4%
・男性:48.5%
6時間以上7時間未満
・女性:32.9%
・男性:35.7%
7時間以上8時間未満
・女性:11.3%
・男性:12.2%
8時間以上
・女性:3.4%
・男性:3.7%
仕事や子育て、家事が重なる40代では、睡眠時間が6時間以下という方が半分に近いということがわかります。7時間未満をふくめると、40代のうち80%になります。
40代の睡眠が不十分になる原因としては「仕事・勉強・通勤・通学などで睡眠時間がとれないから」という理由が多いです。
40代の人の多くが、睡眠不足を抱えながら生活している可能性があることがわかります。
短い睡眠時間が蓄積することにより、睡眠不足だけでなく、日中のだるさや眠気に苦しまれている方も多いのではないでしょうか。
不眠症の症状
布団に入ってもなかなか眠れない
中途覚醒
夜中に目が覚めてその後眠れなくなる
早期覚醒
予定よりも早く目が覚めてその後眠れない
熟眠障害
十分な睡眠を取っているのにスッキリしない
不眠症の症状について整理しました。これらの症状がいくつか相まって夜間の睡眠が障害され、日常生活の活動に支障がある状態が不眠症です。
不眠症の原因が何なのかは、それぞれで異なります。例えば、眠れないことから、自分では、不眠症だと思っていたとしても、それがうつの症状の一つであるという場合があります。
また、アルツハイマー型認知症の方では、健康な人よりも不眠症になりやすいです。眠れないからといって、自己判断で薬を購入して対応するということは、症状を改善することにつながらないばかりか、悪化させることがあります。
不眠症かなと感じたら、一人で悩まずに精神科の専門的知識のある人に相談することが大切です。
不眠症の原因
環境やストレス
不眠症に関係するストレスは、物理的に音がうるさいといった環境以外にもいろいろなものがあります。ストレスは外部からのものと自己からのストレスに分けられます。
自己からのストレスとは、痛みなどの不快な状態があることや眠れないかもしれないといった不安などが原因でストレスがさらにひどくなることです。この、眠れないかもしれないという不安を不眠恐怖といいます。
外部からのストレスは、転職やライフイベントにともなう環境変化などが原因といえます。こういった変化の際に、緊張が長くつづくと、過度の覚醒状態につながり不眠になる場合があります。
生活の乱れ
眠れなかった日の翌日に、一日中寝ているといったような生活や朝食を抜くことは、体内時計を崩しやすくなります。こういった生活リズムの乱れが続くと、不眠症の原因になるといえるでしょう。
また、眠れなかったからといって長時間の昼寝をすることも夜間の睡眠の質を低下させます。
他にも、過剰なカフェインやアルコールの摂取も入眠困難の原因になり、睡眠の質を低下させます。
加齢
加齢とともに、さまざまな体の変化がおこります。そのひとつに、体内時計の変化があり、睡眠が変化します。このことにより、早朝覚醒と中途覚醒がおきやすくなります。
以前の自分とくらべて悩みすぎないようにして、眠くなってからベットに入ることが大切です。
アルツハイマー型認知症やうつ病といった、加齢とともにかかりやすくなる病気も不眠の原因となります。このような病気が、不眠の背景にないか気をつける必要もあります。
不眠症の治療法・対処法
薬物療法
不眠症の治療は、薬の内服のみで完治することは少ないです。しかし、医師の指示のもと薬を内服することは、不眠症の治療のポイントです。現在の睡眠薬は安全ですので、安心して内服できます。
薬物療法の基本は、過剰な覚醒状態を抑える薬と鎮静作用により睡眠を増強する薬の2種類の薬になります。
併用のできない薬や副作用として、翌日も眠気が持ち越されてしまうといった事もあります。こういったことが、医師の指示のもと内服することが大切な理由になります。
診察では、担当医に薬の副作用や効果の感じていることなどを、しっかり伝えましょう。
行動を変える
生活習慣の改善も不眠症の治療のポイントです。
睡眠時間にこだわりすぎないことが大切です。たとえ睡眠時間が短くても、日中眠くなければ、問題と考えずともよいでしょう。昼寝は15時ごろまでに、15分ほどとしましょう。
ほかには、朝起きる時間を一定にするといったことがあります。眠れないからと言って朝起きないという行動では、悪循環が続いてしまいます。決めた時間に寝る、そしてなるべく早く起きるという努力をまずしてみることが大切です。
日中、太陽の光を浴びることも大切です。太陽の光を浴びることによって、体内リズムが整います。
不眠症の相談場所
相談場所一覧
- 保健所、保健センター
- 精神保健福祉センター
- 精神科病院
- 精神科訪問看護
不眠症の症状を悪化させないためには、不眠症についての悩みを一人でかかえこまないことが大切です。
上記の相談場所一覧にあげた保健所や精神福祉センターは、法律によって各地域に設置が定められています。以下、各相談窓口の詳細を解説します。
相談窓口の詳細
保健所・保健センター
保健所には「こころの健康相談」等の名称で、精神に関する相談窓口が設けられています。窓口では、専門医や居住地域を担当する保健師に相談することができます。
また、相談者の状況や希望により、グループ活動でのサポートが受けられる場合もあります。相談の際には、悩みや問題を書面に書くなどして整理しておくとよいでしょう。
精神保健福祉センター
精神保健精神保健福祉センターは、都道府県もしくは政令指定都市に設置されている、精神保健の相談ができる支援機関です。精神保健全般に関わる相談に対応しています。
それぞれの施設により違いはありますが、精神保健福祉士や公認心理士や作業療法士といった専門職が在籍しています。
精神科病院
精神科病院には、心療内科や精神科と標榜するクリニックを含めた医療機関があります。不眠の悩みを持つ場合は、前述したクリニックへ相談することができます。
うつ病などを伴っていて、入院治療が必要な場合はクリニックの医師が入院先についても相談にのってくれます。
精神科訪問看護
精神科訪問看護は、医師の指示に基づいて、看護師等がお宅を訪問して看護を行うことです。患者様の状況により、特別訪問看護指示に基づいて、最大で週5日の訪問を行うことができます。
精神科訪問看護は、自立支援医療制度の対象です。
訪問看護では、生活リズムを整えるための支援や服薬管理、他の支援者との連携をとりサービスや社会資源利用への調整、緊急時対応などを状態にあわせて行います。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。さまざまな精神疾患や障害をお持ちの方の在宅生活を、専門知識を持った看護師等がサポートします。
それぞれの方の考え方や価値観を尊重し、寄り添います。また、事業所内でもバックオフィスを充実させることによって事業所内のチームの連携を大切にして、皆さまの在宅生活を支えます。
精神疾患の一例
・酒類(アルコール)に依存する
・アルコール中心の生活になってしまう
統合失調症
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・生活に支障をきたしてしまう
アルツハイマー型認知症
・脳の神経細胞が破壊、減少する
・徐々に日常生活が送れなくなる
発達障害
・生まれつきの障害
・多動的、衝動的な行動をとりやすい
・学習面において困難な場合がある
PTSD
・時間がたってからもトラウマが残っている
・トラウマからくる原因への逃避行動
その他精神疾患全般
シンプレは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。上記のように、さまざまな精神疾患の患者様の看護を行います。
患者様は、皆さんそれぞれに生活上の困難を感じいらっしゃいます。私たちはそのような患者様の生活を少しでも自分らしく、患者様の自主性を大切にできる生活環境を整えます。
これは、看護師だけでは行えず、地域の支援者の方とともに連携を行います。そのようにして、看護という医療の面から生活をささえる一躍を担います。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記の通りです。
これらのエリア以外も近隣のエリアであれば対応できることもありますので、お問い合わせください。
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まとめ
ここまで、不眠症とうつ病の関係について整理してきました。不眠症やうつ病の症状は誰にでも起こりうることです。
なにかストレスや難しい問題に直面した時、理想通りにできない自分を責めるのではなく、前向きに対応していくための元気を養うことを考えましょう。こころが健康で、自分らしく暮らすことは共通の願いです。
また、こころの健康問題を一人でかかえて悩むのではなく、相談することが大切です。精神科訪問看護は、社会復帰に向けて障害や病気をお持ちの方をサポートするサービスです。
私たち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。不眠症やうつ病で悩みをお持ちの方は、わたしたちにご相談ください。
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