精神疾患で入院するとどうなるのか?

精神疾患を患うと自分ではどうすることもできずに入院をして根本から改善したいと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、入院形態や入院中にどのように過ごすのか気になりますよね。
そこで今回は、精神疾患による入院形態や入院中の一日の流れを紹介したいと思います。
入院費用についても触れているので、入院を検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。
精神疾患における4つの入院形態
一口に入院と言っても、その形態によって4つに分けられています。まずは、入院の4つの形態を解説していきます。
任意入院
・入院が必要な精神障害者
・精神保健指定医の診察は不要
任意入院とは、患者本人の意思で入院する際の入院形態です。医師が診断の結果入院の必要性を感じ、患者に打診した時に同意を得るとこの任意入院となります。
一般的な入院形態であり、医師は本人の同意を得られた任意入院に努めなくてはならないと定められています。
退院も症状が治まり、日常生活を送れるようになったと判断されれば自分の意思で行うことが可能です。また、入院期間も期限は決められていません。
措置入院
・自傷他害の恐れがある
精神障害者
・精神保健指定医2名の
診断結果が一致
措置入院とは、入院させなくては自分で自分を傷つける自傷行為を行う恐れがある方に対して行われます。
精神保健指定医2名が入院を必要と判断した時に、都道府県知事の名のもとに措置が行われる仕組みです。
入院する病院も都道府県が設置した病院、または指定した病院であることが条件になります。
精神保健指定医とは精神科の実務経験を有し指定の研修を修了した医師の内、厚生労働大臣から指定された医師のことです。
医療保護入院
・任意入院を行う状態にない
精神障害者
・家族等の同意が必要
・家族等がいない場合は市町村長の同意が必要
医療保護入院は、医師が入院が必要と判断した時に本人の同意が得られない場合に行われます。本人の同意を得られなくても、家族の同意があれば入院が可能です。
入院する施設も一般精神病棟か精神病棟となっています。任意入院との違いは、本人の同意を得られるかどうかです。
入院期間の制限は設けられていない入院で、医師が退院しても良いと判断すれば退院することができます。
応急入院
・急を要する精神障害者
・精神保健指定医の診察が必要
急を要する場合に、本人や家族の同意が得られない時には応急入院の措置が取られます。
同意を得ずに入院させるために、入院期間は72時間以内と決められています。
例えば、意識障害を起こしている方や身元が分からない方などで医療・保護が必要と判断された際に適用される入院の仕組みです。
精神疾患で入院中の過ごし方一例
入院中の大まかな流れについて説明していきます。病院や患者の症状によって違いはありますが、だいたいはこの流れで1日を過ごします。
朝
- 起床
- 朝食
- 服薬
精神科の入院では、規則正しい生活を送ることが大切とされています。入院生活で乱れた生活リズムをただし、退院後もスムーズに日常生活に戻れるように取り組みます。
そのため、朝の起きる時間や朝食の時間などはきちんと決められています。例え夜に眠れなくて寝不足の状態でも、再度布団に横にならずに身体を起こす習慣を付けてください。
生活リズムが整うと、決められた時間に自然と目覚められるようになっていきます。
昼
- 回診
- 作業療法
- 面談
- 昼食
- 自由時間
朝食を終えたら、本格的に体を動かしていく時間です。回診では主治医の先生が一人ひとり患者の話を聞いてくれるので、不調があるのならここで申告してください。
その後は、リハビリや面談で心と体に体力をつけていきます。面談は看護師や作業療法士などの専門のスタッフが患者の疑問や悩みなどに応えてくれます。
昼食後は自由時間となるので、読書や病棟の仲間との会話を楽しんでください。ただし、長時間の昼寝を行うと夜の不眠に繋がるので、身体を動かしておくことをおすすめします。
夜
- 夕食
- 入浴
- 就寝
夜は眠りへの準備を行う時間帯です。入浴後からスマホやカフェインなどの刺激物を避け、体と心を睡眠へと向かわせます。
睡眠薬など睡眠前の薬を処方されているのなら、忘れずに飲むようにしてください。薬には眠りの質を高める効果があるものもあり、決められた時間に飲むことが大切です。
眠れなくてもスマホなどは見ないようにしてください。視覚からの刺激でより目が覚めてしまうからです。
精神疾患に関する入院費用
入院費用は入院の形態ではなく、保険や年齢によって変わってきます。また、入院した際の部屋の形態でも異なるので、今回紹介するものは目安として考えてください。
社会保険・国民健康保険
・保険診療の3割
・約10万円~4万円/月
国民健康保険
・保険診療の3割
・約10万円~4万円/月
日本人は国民皆保険となっているので、全員何かしらの公的保険に加入しています。入院した際は、この医療保険が適用されます。
負担額は医療費の3割で、1カ月の入院となると4~10万円ほどの負担です。食事も1回につき460円が請求されます。
入院時の部屋の使用量は、認知症病棟だと1日550~2,200円。精神科病棟・ストレスケア個室病棟は550~5,500円かかります。
部屋の料金は部屋を使用する人数や、トイレが室内にあるかどうかで大きく開きがあります。どの部屋を使用するかでも料金は大きく変わります。
前期・後期高齢
・保険診療の1割
・上限44,400円
後期高齢75歳以上
・保険診療の3割
・上限80,100円/無料
前期高齢者とは70歳以上、後期高齢者とは75歳以上の方を指します。入院時の自己負担は、保険診療の1~3割です。
基本的には前期高齢者は2割負担で後期高齢者は1割負担ですが、現役並みの所得を保持している方は若い方と同じように3割負担となります。
高額な料金を請求され生活をひっ迫しないように、自己負担限度額が定められています。1割負担は44,000円で3割負担は80,100円です。
所得によっても変わるので、安くなる可能性、高くなる可能性どちらも存在します。
公費医療負担
・重度医療、ひとり親:無料、または一部負担
・特定疾患:負担あり
・生保:無料
・原爆:無料
公費医療負担制度とは、特定の人たちに向けた国や地方自治体の医療給付制度です。保険の種類によって自己負担額は異なりますが、基本的に医療費や食事代は無料になります。
重度医療のひとり親の場合は、食事代は1食460円必要です。それ以外の特定疾患・生保・原爆被爆者は食事も無料になります。
特定疾患については、受給者証に自己負担額が記されています。その分は自己負担で支払ってください。
それでも、通常の医療保険と比べるととても安く医療費を抑えることができます。
シンプレなら入院までいかない精神疾患を治療するサポートが可能!
退院後、もしくは通院での療養を選んだ場合には自宅療養となります。その際に、自分自身で服薬や通院の管理が難しい場合には、外部からのサポートも考えてみてください。
シンプレ訪問看護ステーションって?
自立した生活を営めるための支援
症状の悪化防止・服薬支援
生活状況を観察しながら受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
・主治医や関係機関と連携
・社会復帰を支援
家族の方への支援
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源の活用などを支援
シンプレは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、多様な精神疾患や依存症、発達障害などでお悩みの方も利用することが可能です。
精神科訪問看護は、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
当ステーションには、専門知識や経験が豊富なスタッフが多数在籍しており、精神疾患に対する看護を行いたいという気持ちの強い看護師が集まっています。
シンプレは利用者や家族の考えや価値観を大切にし、それぞれの目標に合わせて、日常生活の自立や社会復帰に向けてご利用者様へ寄り添います。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
他のエリアの方も対応が可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
子供から大人まで年齢に関わらず利用することが可能です。TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。 ご相談のお問い合わせはこちら
訪問看護のメリット
訪問看護には、入院時では得られないメリットがあります。特に精神疾患の患者は、症状によっては自宅療養の方が望ましいことも多々あります。
自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
1つ目のメリットは、住み慣れた自宅で療養できる点です。環境を変えることなく療養できるので、患者がストレスを感じることが少なくなります。
また、食事の用意や掃除など、自分でできることは基本的に自分で行います。生活していく中で動きがあるので、ベットの上で寝たきりになることを防ぐことも可能です。
訪問看護では患者の状態によって、看護師以外のスタッフが自宅に伺います。そしてリハビリや栄養士による食事の管理など、幅広い専門的なケアを受けることができます。
定期的な通院の必要が無いので負担が減る
患者の様子は訪問看護のスタッフから主治医へ報告されます。そのため、定期的な通院をする必要が無く、通院が困難な方の負担を軽減することが可能です。
ただし、大きな医療器具などを持ち運ぶことはできないので、検査が必要な場合には通院することもあります。完全に通院が0になるわけではありせん。
それでも、月に数回タクシーや公共交通機関を利用しての通院が減ると、それだけで費用面、体力面共に利用者の負担を軽減できます。
家族への負担が軽減される
自宅療養はメリットがある反面、家族への負担が大きな選択になります。通院の付き添いもそうですが、利用者の介護は精神的にも大変な仕事です。
訪問看護はそんな家族の負担を大きく軽減できます。専門知識を持つ看護師が定期的に訪問してくれる安心感は、家族・利用者にとっても大きいものです。
また、関係機関と連携を図ることができるので、家族が地域で孤立することを防ぐ手立てにもなります。
看護や介護は長期戦です。一緒に戦ってくれるスタッフがいてくれるのは、家族にとっても大きな心の助けとなります。
まとめ
精神疾患でも入院措置をとることがあります。自己負担額は年齢などによって異なりますが、現役世代であれば3割負担です。
入院は症状が落ち着くと自宅療養に切り替わるので、その際のサポートに訪問看護を選んでみてください。
精神科に特化したシンプレ訪問看護ステーションは、こころの健康問題を抱えて悩んでいる方やそのご家族様への継続的なサポートを通じて解決への一歩をお手伝いします。
訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にご相談ください。
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