吐き気はうつ病のサインのひとつ?その他の症状についてもご紹介

うつ病は、女性の5人に1人、男性の10人に1人がかかるよくある病気で、様々なストレスが原因となり発症します。
ストレスを我慢し続けていると体や心に悪影響を及ぼすことがあります。「吐き気」もそのうちの一つで、ストレスが溜まっているサインの一つだと考えられます。
今回は、うつ病と吐き気の関係や吐き気以外の身体症状などについて、詳しくご紹介していきます。ぜひ最後まで読んでくださいね。
うつ病で吐き気が起きる?
うつ病の特徴とは
・一人で多くのことを抱え込んでしまう
・几帳面で完璧でないと気が済まない
・自分を過度に責めてしまう
特徴
・夜眠れず生活が不規則になる
・外に出るのが辛くなる
・人と話すことができなくなる
うつ病は、さまざまなストレスが原因で引き起こされます。
とくに胃腸は、ストレスにとても弱い臓器です。うつ病の人は常に気分が沈み、ストレスにさいなまれおり、胃腸の消化機能が弱まることが多いです。
うつ病は身体的ストレスや精神的ストレスを背景に、脳がうまく働かなくなっている状態のため、自立神経のバランスが乱れてうまく機能しません。
そのため、胃痛、胃もたれや胸やけなどをし、胃がムカムカまたは吐き気を感じます。
頻繁に吐き気など不調を感じる場合は、うつ病を疑ってみてください。
ストレスと自律神経の関係
自律神経と胃腸などの消化器官の関係
いままで、緊張したり不安なことがあるときに、お腹が痛くなったり、下痢や便秘などになったことはないでしょうか?
実は、胃腸などの消化器官と自律神経は深い関係にあります。自律神経とは、消化や代謝、体温といった体の機能をコントロールする神経です。
全身のほとんどの器官とつながっており、自分の意志で自由に動かすことができません。無意識に呼吸器官、消化器官といった内臓器官や血管などを調整しています。
そのため、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、さまざまなからだのコントロールがうまくいかなくなり、胃腸などの不調を感じます。
胃腸の働き
働き | 胃腸 |
---|---|
自律神経![]() |
胃酸の分泌を抑える 胃・腸の動きを抑える |
副交感神経![]() |
胃酸の分泌を増やす 胃・腸の動きを活発にする |
自律神経は、体中に行き渡り24時間休むことなく働きつづけ、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。
交感神経が働くと場合は、興奮状態となり胃酸の分泌を抑え、胃腸の動きを穏やかにします。
一方、副交感神経が働く場合は、心身ともにリラックスし胃酸が分泌され、胃腸が働き出します。
ストレスがある場合は興奮状態となっており、からだの中で交感神経が優位になります。副交感神経の働きが抑制され、消化機能が弱くなり食欲がわきません。
うつ病と自律神経失調症との違い
自律神経失調症は、特定の疾患を表す病名ではありません。交感神経と副交感神経のバランスが崩れた状態のことです。
うつ病の場合は、脳のエネルギーが枯渇し、疲労、倦怠感などさまざまな肉体的な症状がおきます。
また塞ぎ込みが長く続き、喜怒哀楽といった感情が少なくなり、顔の表情がなくなります。さらに不安、焦り、抑うつ感などの深い絶望感などが生じます。
自律神経失調症の場合は、うつ病と同じように「疲れた」「眠れない」という肉体的な症状が出ます。
しかし、精神面で違いがあり、やる気や意欲という感情はあります。またイライラするなどし、感情の起伏が大きくなる傾向があります。
うつ病のからだとこころの症状
うつ病の身体症状
- 睡眠障害
- 吐き気
- 食欲減退
- 疲労、倦怠感
うつ病は、ストレスにより脳がうまく働かなくなっている状態です。
脳の神経伝達物質の働きが悪くなり、脳からの指令を各器官に正常に届けることができません。そのため、さまざまな「身体症状(からだの症状)」を現します。
不眠(眠れない、朝早く目が覚めてしまう)または過眠(起きられない・眠りすぎる)といった症状がある睡眠障害が生じます。
また食欲がなくなったり、食べすぎるなど食欲不振。吐き気や胃の不調を感じることが多いです。
さらには、疲労感(すぐに疲れる)や倦怠感(体がだるい)のほかに、頭痛、動悸、めまい、耳鳴りなどの症状も現れる場合があります。
睡眠障害の症状
睡眠障害の種類 | 症状 |
---|---|
入眠障害![]() |
なかなか寝付けない |
中途覚醒![]() |
夜中に何度も目が覚めてしまう |
熟眠障害![]() |
眠りが浅くなる |
うつ病と診断されたほとんどの人が、寝付けない、何度も起きてしまうことやぐっすり眠れないなどの睡眠障害を経験すると言われています。
そのほかにも寝すぎてしまう「過眠」もあり、以前のように睡眠が取れなくなる症状がみられるようになります。
吐き気
ストレスを感じることにより、自律神経が乱れ、脳幹部にある嘔吐中枢が刺激され、胃酸が過剰に分泌されるようになり、吐き気をもよおします。
また胃腸がうまく働かないことにより、お腹が痛くなったり、下痢や便秘なども引き起こす場合もあります。
こころの症状
- 意欲の低下
- 抑うつ気分(何をしても気分が晴れない)
うつ病では「こころの症状」が現れ、意欲の減衰が生じます。
「意欲の低下」「興味や関心や喜びの喪失」「食欲などの低下」「会話や日常生活活動の減少」などが挙げられます。
「意欲の低下」とは、やる気が起きない、疲れやすいなどといった、やる気が湧いてこない状態のことです。
何をやるにも面倒になったりし、自信の低下、不安感や恐怖などが起きやすくなってしまう事もあります。
「抑うつ気分」では、これまで楽しめていたことや、笑ってできていた行動や趣味に対して、急に関心が薄れてしまい、何をしても気分が晴れない状態が続きます。
その他の症状
・不安・焦燥感(不安な気持ちが頭から離れない)
・注意・集中力の低下
・無価値感・罪業感(自分は役に立たない人間だと感じる)
・希死念慮(死にたくなる、死や自殺について考える)
うつ病と言えば「抑うつ気分」のほかに、不安や焦りなどを感じてしまうこともあります。
普段の何気ない生活や誰かと会話をしている最中でも、不安な気持ちが頭から離れず、じっとしていられないなどといった不安感や焦燥感を感じることが多いです。
自分は生きるに値しない、自分は何の役にも立たないなどと自分を責めたり、自分の過去の言動がまわりの人々に迷惑をかけたなどと考えたりして、思い込みをしてしまいます。
また自殺に対する思考・観念が精神生活全体を支配する場合もあります。消えてなくなりたい、楽になりたいといった希死念慮・自殺念慮をもちはじめた場合は、要注意です。
うつ病のきっかけとなるライフイベント
・近親者との死別
・失恋
・離婚
・子どもの独立
対人関係
・パワハラ・セクハラ
・仕事のトラブル
・夫婦の不和
・近隣トラブル
・育児ストレス
うつ病かもしれないと思ったら?
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが原因となることが多いですが、つらい体験や悲しい出来事などがきっかけとなることがあります。
きっかけとしては、近親者との死別などの喪失体験、仕事上の対人関係トラブルなどのつらい体験や悲しい体験などです。
また結婚や進学、就職、引越しなどといった嬉しい出来事の後にも発症する可能性もあります。
とくに女性の場合、妊娠や出産、更年期といったときにでもうつ病などを発症する可能性があり、うつ病は誰にでも生じる可能性がある病気です。
医療機関への相談
うつ病の場合、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れはじめます。
上記のような症状が出始め「うつ病かな?」と気になったら、まずはお近くの総合病院の精神科や心療内科、精神科クリニックなどに相談してみましょう。
また、保健所や精神保健福祉センターの相談窓口を利用することもできます。
うつ病から回復するには、早めに専門家に相談し、投薬やカウンセリングなどをしながら、十分に休養をとることが大切です。
周囲のサポート
「治療にはご家族の協力が重要」といわれますが、実際どうしたら良いかわからないと不安になると思います。
特別なことはしようとせずに、まずはご本人のお話にゆっくり耳を傾けることが大事です。
本人の話に対して「そんなことはない」などと否定せず、ご本人が一番言いたいことは何かを理解してみてください。
大切なことは、ご本人が安心して休息することです。そっと見守りながら、ゆっくり憩いの時間をとる環境を整えることが、回復力を促すことにつながります。
精神訪問看護という手段もある
・病気との付き合い方を一緒に考え、生活をサポート
・症状悪化の防止や服薬指導
・社会復帰のサポート
家族
・家族へのアドバイスや相談
・社会資源活用方法の指導
うつ病の方には、精神面でのフォローのほか、身体的な症状に対するケアなどが必要なことがあります。
「うつ病と診断された」または「家族がうつ病と診断されたけど、どうしたらよいかわからない」など、うつ病と診断された方やご家族の困り事や悩みに対して、自宅で看護を受けられるのが精神訪問看護です。
精神訪問看護では、症状悪化の防止、服薬指導や病気との付き合い方などを一緒に考え、社会復帰を目指したサポートなどを行い、利用者さまに合わせた看護を提供します。
うつ病でお悩みでしたらシンプレ訪問看護ステーションへご相談ください
シンプレの特徴
うつ病という名前はよく聞くようになりましたが、その対応やケアについてはまだまだ課題が多いです。
シンプレでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられるよう専門知識を持った看護師等がサポートします。
患者さんの中にはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら社会復帰を目指したい」という方もいるので、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
また、患者さん本人だけでなくそのご家族の精神的なフォローにも対応し、皆で一緒に前向きに生活を改善していくことを目指しています。
精神科訪問看護についてくわしく知りたい方は、シンプレまでご相談ください。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの現在の対応エリアは、上記を中心となっております。
上記以外のエリアにお住まいの方でも、対応できる場合がございますので、電話やメールなどで一度当社スタッフへご相談ください。
また、TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ
ストレスの多い現代社会では、うつ病は身近に起こりうる脳の病気です。
うつ病になるきっかけは、人それぞれで異なりますが、環境の変化や過度なストレスなどが原因です。
その結果、自律神経が乱れ、吐き気や睡眠障害などのからだの症状や不安・焦燥感などといったこころの症状が引き起こされます。
「やる気が起きない」「疲れやすい」「気分が晴れない」などと常に気分が優れず、日常生活にまで支障が起こる場合は、精神科訪問看護という選択肢も含め早めに専門機関に相談しましょう。
またうつ病が悪化すると、死にたいと希死念慮をもつようになることがあるため、なるべく早い段階で専門の医療機関を受診することが重要です。
シンプレでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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