精神疾患は絵で治療できるって本当?

精神疾患の治療として絵を描くことがあるのをご存じですか?絵画療法と言って、さまざまなメリットがあります。
言葉では言い表せないことも絵なら表現できる、という方もいらっしゃるようです。今回は、そんな絵画療法について説明をしていきます。
また、絵画療法と並行して服薬管理や生活環境の改善を行いたいというかたに向けて訪問看護の紹介もしていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
精神疾患の治療に使われる絵画療法

絵画療法とは?
絵画療法とは芸術療法の1つに位置づけられています。芸術療法に絵画の他にも、音楽や俳句などの文芸、彫刻や陶芸などその手法はさまざまです。
絵画療法の中でも一般的に行われているのが、自由画です。その名前の通り、自由に心に思いついたイメージを絵で表現してもらいます。
好きに描くことが難しい場合には、家や木など簡単な課題を出してください。同じ題材でも心の状態によっては、印象の異なる仕上がりとなります。
病院で受ける
精神科や心療内科など、精神疾患を治療する医療機関でもすべての病院で絵画療法を受けられるわけではありません。インターネットなどで調べる必要があります。
また、その位置づけも多種多様です。精神疾患のリハビリの一環として、取り入れている病院も存在します。
自身の内面と向き合いながら創作し、出来上がった作品を客観的に観察する。そして、他者の作品も同じように観察することで、内面を理解することが可能です。
創作活動から作品の観察を経て、他者とのつながりを再開・再確認する工程としても利用されています。
デイケアで受ける
デイケアとは、施設に通いリハビリを行えるサービスのことです。医師の在籍が必須で、医師の指導のもと必要なリハビリを行い生活の質を向上させる仕組みとなっています。
リハビリの種類はデイケアの施設によって異なりますが、絵画療法を取り入れている施設もあります。
内容は各施設に問い合わせることで確認することが可能です。気になる方は、近隣のデイケア施設に相談してみてください。
絵画療法のメリット

言葉や文章とちがって誰にでも比較的に容易に表現できる
絵画療法は年齢を問わず行える芸術療法です。言葉を発することが難しい疾患を抱えていても、紙と筆記用具さえあれば表現できる利便性があります。
ただし、あまりにも自由に描いて良いとされると、逆に何を描けばよいのかわからなくなる時があります。そのため、慣れるまではある程度題材を指定するなどの補助が必要です。
絵画に芸術的な判断を下すことはありません。絵画療法はあくまでも治療法で、目的は心の状態の把握や抱えている苦痛に対する癒しです。
複数の作品を保存すれば症状の履歴が確認できる
絵画療法で作成した絵を残しておけば、治療の過程やその時どんな心理状況であったかを後から振り返ることができます。
心理状況の違いによって、同じモチーフを描いても出来上がる作品は大きく印象が異なります。また、描いた本人も1つの作品として客観的に確認することが可能です。
自分自身の心や感情を、第三者の視点で見ることは自身の病状や症状を理解する上でとても重要になります。
作品を挟んで患者と医師(治療者)が話し合うことができる
1枚の絵が完成し、分析を医師と患者が話し合いながら行うことがあります。例えば、ここでこの色を使った意味は何?などの医師の質問に患者が答えるパターンです。
心の赴くままに描いた絵でも、使用した色には何かしら理由があります。それを質疑応答という形で言葉にしていく工程です。
患者自身も自分の感情や心の在り方を認識することができます。医者も絵を見るだけよりも、患者の気持ちを把握することができる点がメリットです。
絵画療法で改善が見込める精神疾患

統合失調症
統合失調症
症状
妄想・幻覚・認知障害など
治療法
抗精神病薬・リハビリテーション・精神療法
統合失調症とは、幻覚や妄想などの症状を有する精神疾患です。患者数が多く、100人に1人が発症するとのデータもあります。
治療は、薬物治療と絵画療法などの精神療法やリハビリを併用する形で行われます。治らないと思われがちな疾患ですが、適切な治療で回復することも可能です。
統合失調症の治療薬は、抗精神病薬と呼ばれます。この抗精神病薬は予防効果もあり、症状が改善した後も服薬することで再発率を減少させることができる治療薬です
うつ病
うつ病
症状
抑うつ状態・食欲減退、過食・絶望感など
治療法
支援・精神療法・薬剤
うつ病とは抑うつ状態などの症状が長期間継続し、重症であると判断された時に診断される病名です。
原因はさまざまで、アルツハイマー病など脳の病気や外部からの強いストレスや副腎皮質ステロイドなどの薬が原因になることもあります。
原因によっては抗うつ薬での治療で大きく症状を軽減することが可能です。しかし、再発予防として薬物治療の継続や精神療法は十分に行うことが必要です。
また、外部からのストレスが原因であれば、環境を変えることで改善が見込めます。うつ病は、原因に合わせて治療法を変えることが早期解決の糸口です。
不安障害
不安障害
症状
・パニック発作
・社会恐怖など
治療法
・薬物療法
・カウンセリング
・認知行動療法
不安障害とは、過度の心配や不安で日常生活に支障をきたす症状です。不安障害の症状はいくつかあり、基本的には薬や認知行動療法などで治療を行います。
治療薬として使用されるのは、抗うつ薬や抗不安薬などです。不眠の症状が現れた場合には、睡眠薬を処方されることもあります。
薬で症状が落ち着いても、根本的な解決にはなりません。状況や物事から受け取るストレスを軽減し、苦手な物を克服することで自信を取り戻すことが大切です。
他の治療方法はなにがある?

芸術療法(アートセラピー)以外の治療方法
絵画療法以外の芸術療法の中には、音楽や陶芸、俳句などがあります。共通している点は、言葉では表すことができない心の奥の感情の発露です。
自分でも気づいていない感情を作品として完成させることで、心に押し込めていた感情を解き放つことができます。
何かを作り上げる行程は脳の広範囲を活性化効果が期待できる治療法です。細かい作業も必要で、五感をフルに活用するため、認知症などの予防にも使用されています。
薬物療法
薬物治療は精神疾患の原因の内、生物学的要因に効果を発揮する治療法です。目的としては、各症状の改善です。
治療薬だけでは根本的解決はできないことが多いので、多くの精神疾患で非薬物治療と併用して治療を行っています。
また、抗うつ薬・抗精神病薬・気分安定薬には、少なからず予防効果があります。症状が落ち着いてからも処方されるのは、この予防効果が理由です。
そのため、安易に自分の判断で薬を中断しないでください。処方に対して疑問がある場合には、主治医に相談することをおすすめします。
訪問看護
訪問看護とは、自宅で療養を行っている方に向けて支援を行うサービスです。同じようなサービスに訪問介護がありますが、医療行為ができるのは訪問看護になります。
訪問看護で訪れるスタッフは、国家資格を持つ看護師などの医療従者です。医師の診察のもと指示があれば、医療行為もサポート内容に加わります。
利用するのに年齢の条件は設けられていません。また、基本的には医療保険が適用されるので、自己負担は全体の1~3割です。
訪問看護ステーションをご紹介!

シンプレ訪問看護ステーション
当シンプレ訪問看護ステーションは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、自宅で看護を受けることができるので、外出が難しい方でも自宅でリラックスしながらサービスを受けることができます。
スタッフが定期的に自宅を訪問し、生活リズムの調整や服薬管理など利用者さまの状態にあわせた支援をおこないます。
医療機関と連携をとりながら、利用者様の治療がよりよい方向に進むようサポートをしたり、ご相談があれば利用者のご家族様のサポートもいたします。
シンプレの訪問エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリアは、リストに記載している通りです。
子供から大人まで年齢に関わらず利用することが可能です。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談のお問い合わせはこちら
シンプレ訪問看護の頻度や時間をチェック

シンプレでは週に何回の訪問が可能?
訪問者 | 訪問回数 |
---|---|
・看護師 ・保健師 ・作業療法士 ![]() |
週1回~週3回 |
訪問看護の訪問回数は、週に3日以内です。ただし、ある条件を満たすことにより週に4日以上の訪問も可能となります。
詳しい条件は次の項目で説明いたしますが、医師が判断に基づき決定していきます。
家庭の事情等で訪問日数を増やしてほしいなどの要望は、スタッフや主治医に相談してみてください。他の公的機関などを利用して支援の輪を広げることも可能です。
シンプレではどのくらい訪問する?
訪問者 | 訪問時間 |
---|---|
・看護師 ・保健師 ・作業療法士 ![]() |
30分~ |
訪問看護の訪問時間は、基本的に1回30分以内です。
体調を崩した場合などには、まずはかかりつけ医に相談してください。かかりつけ医であれば、病状も把握しているので適切な処置を行えます。
増やすこともできる
訪問回数は条件を満たすと増やすことができると説明しました。その条件とは医師が頻繁な訪問が必要と判断した時と、厚生労働大臣が定める疾病や状態に陥っている場合などです。
医師が頻繁な訪問が必要と判断するのは、急激に状態が悪くなった時や退院から3カ月以内で環境に慣れるまで状態の把握が必要な時などになります。
医師の判断に基づき1か月のうち2週間だけですが週に5回の訪問が可能となります。
まとめ

精神疾患の多くが、薬物療養と非薬物治療の2つを併用して治療を進めていきます。非薬物治療のうち、芸術療法の1つとして位置づけられているのが絵画療法です。
統合失調症やうつ病に効果的な治療法ですが、精神疾患の多くに特効薬はなく治療には時間がかかります。
こころの健康問題は1人で抱え込まずに、専門的な知識を持った人や周りの人の力を借りながら治療していくことが大切です。
訪問看護のサービスについて聞いてみたい、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っていた、などございましたらお気軽にお問い合わせください。
おすすめはシンプレ訪問看護ステーションです。精神科に特化した訪問看護を行う施設で、投薬の管理など幅広い事柄に対してサポートをしてくれます。