学習障害になる原因はあるの?読み書きに困難などの症状や治療法を紹介

学習障害とは発達障害の1つであり、文章の読み書きや計算が困難であったりなどの特徴があります。
また発症割合的にも低い確率であり、2007年時点でカナダの子供を対象に行った調査では、全体の3.2%と記録されています。
では学習障害とはどのような原因で起こり、またどのような症状なのでしょうか。今回は学習障害をご紹介します。
学習障害とその原因
そもそも学習障害とは
学習障害は知的発達に遅れはないとされますが、文章の読み書きや会話、計算するといった能力のうち特定のものの習得や使用に関して困難な状態をいいます。
例えば、数を数えることができない、文章を読むのが極端に遅く、読み間違いが多いなどの事例が見られます。
診断が難しいとされており、小学校低学年で発覚するケースが多いとされますが、幼少期に文字に興味を示さないなどの兆候が見られる場合もあります。
知的発達に問題がないため、障害だと気づかれず勉強不足や努力が足りないと決め付けられ、自信を失う子どもが多くいます。
原因はまだ判明していない
学習障害のはっきりとした原因は判明しておらず、究明が待たれています。しかし、生まれつきの脳の機能障害を原因とする説が主流です。
具体的には、脳や脊髄を含む体のあらゆる部分の働きを指令する中枢神経に何らかの異常があり、障害を引き起こしていると考えられています。
しかし、検査を行ってもわからない現代の医学では解明できないほどの小さな異常であるため、この説の検証は難しいとされています。
また、遺伝的要因が原因とされるため、しつけや育て方は関係なく影響も与えていないと考えられています。
大人になって初めて気づく場合もある
学習障害は知的発達に問題がなく、症状も個人差があるため大人になるまで気づかれないケースもあります。
具体的には、読み書きや数字が苦手なのは障害ではなく、その人の能力だと本人も周囲も認識するなどが事例として見られます。
しかし、学生時代において問題がないまま社会人になり、メモを取ることや数字を細かく扱う業務が困難であるため、発覚するケースもあります。
その場合、職場のサポートが必須であるため、企業や雇用主には学習障害に対する正しい理解と容認する環境作りが望まれます。
症状について
症状①読字障害
読み書きを困難とする学習障害の中でも、読むことを特に困難とする状態についての詳細を以下に述べていきます。
読字障害とは
文章や文字を読むことを特に苦手とする学習障害になります。ギリシャ語で「読むことが困難」という意味のディスレクシアとも呼ばれます。
目で見た文字を音にすることが困難であり、脳の情報を伝達して処理する工程がスムーズにいっていないため、このような症状が起こると言われています。
症状の特徴
- 小さい文字を認識できない
- どこを読んでいるのかわからなくなる
- 飛ばし読み・適当読みなどをする
- 形の似た文字を理解できない
(「わ」と「ね」・「シ」と「ツ」など)
上記のような文字が塊として見えるといった視覚による情報処理に問題はあっても、音声などの聴覚情報は理解しやすいなどの特徴があります。
しかし、人によっては言葉の音を記憶するのが苦手で、初めて聞いた言葉を覚えることができず読めないといった事例もあります。
症状②書字障害
読み書きを苦手とする学習障害の中で、書くことを特に困難とする状態について以下に詳しく述べていきます。
書字障害(ディスグラフィア)とは
文章や文字を書くことが特に困難な学習障害を書字障害と呼びます。また、これをディスグラフィアと呼び、ディスレクシアとは違うとされています。
読むことも書くことも苦手とする症状が多いですが、書くことのみを苦手とする方も存在し、そちらも書字障害とされます。
症状の特徴
例としては、正確に書いているつもりでも全く違う形の文字になるといったように、文字を書くという動作そのものが困難となります。
読字障害とは異なり、脳から手を動かすという命令の伝達が上手くいっていないからではとする説が有力視されています。
症状③算数障害
数字の使用や数式の理解、そして推論を特に困難とする学習障害について、以下に詳しく解説していきます。
算数障害(ディスカリキュリア)とは
数字や算数などの計算を特に苦手とする学習障害を算数障害と呼びます。数字を習う、思い出すのが苦手だったり、計算が遅く、不正確な計算をしてしまうなどがあげられます。
数字に関する能力が苦手なため、小学校1年~4年くらいに学習についていけないなどで、学習障害が発覚するケースが多くあります。
症状の特徴
具体的には九九が覚えられない、時計を読むことができないなどがあります。このようなことが小学校高学年になってもできないことから発覚する場合が多くあります。
また、数字が持つ順序を示す意味と量を示す意味の区別がつかず、その2つを混同して考えてしまうといった特徴もあります。
治療方法について
根本的な治療方法は存在しない
学習障害は中枢神経が原因と見られているため、根本的な治療法は見つかっておりません。また、治療薬なども開発されていません。
そのため、治療することよりも個人の症状に合わせた教育を行い、障害と折り合いをつけて生きていく方法を学ぶことが重要とされています。
しかし、ADHDやASDを併発しているケースがあり、それらの症状を抑える薬を飲んだ場合、学習障害の症状も緩和する場合があります。
そのような場合もあるため、個人の特性をしっかりと見定めて服薬やトレーニングなどの最適なプラン設計や環境作りが大切です。
学習障害で困った際の相談先
学習障害に関して悩まれている場合、抱え込まずに以下の施設やサービスへの連絡や相談を利用してみることも手段の一つです。
病院やクリニックに受診
学習障害により心に負担が生じてしまい、うつ病や統合失調症を患う場合があります。そういった場合には心療内科等へ受診する必要があります。
また、同時に学習障害のトレーニングもできる施設もありますので、少しでも異変を感じる場合、受診を検討しましょう。
保健所・精神保健福祉センター
保健所では、精神保健福祉士などの専門の方へ患者様やご家族の悩みについて、面談や家庭に訪問して相談することができます。
また、精神保健福祉センターでも同様の相談ができ、相談やアドバイスを受けられますので、悩む前にまずは連絡しましょう。
電話・SNS相談
面談が億劫な場合は、厚労省が運営する電話相談窓口の「よりそいホットライン」や「こころの健康相談統一ダイヤル」があります。
また、文部科学省による子ども専用の「24時間子どもSOSダイヤル」というサービスもあり、SNSでの相談も厚労省のHPからアクセスすることができます。
精神科訪問看護も利用してみる
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護は精神疾患に特化した訪問看護サービスであり、学習障害の方へも必要の場合は支援することができます。
特にADHDやASDを併発している場合や心の負担により、うつ病や引きこもってしまったケースなど様々あります。
そういった複雑化したケースにおいても、患者様に合わせたケアや食事の準備など適切な支援ができます。
また、ご家族への負担軽減にもつながりますので、第三者が助けてくれる手段もあるということを知っていただければと思います。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレは精神科訪問看護を中心にサービスを展開しており、患者様やそのご家族への支援を日々行っております。
また、精神疾患への知識や理解も深いスタッフも数多く在籍しており、学習障害が原因で不調となってしまった方への支援も適切に対応をすることができます。
上記のような専門性に加え、親身になった思いやりの心も強みとしているため、安心して生活が送れるよう努めることができます。
また、地域の施設や行政とも連携がとれるよう準備しておりますので、緊急の場合でも迅速に対応することが可能です。
対象となる精神疾患
- 学習障害
- ADHD
- うつ病
- 自閉スペクトラム症
- アルコール依存症
- 統合失調症
- その他精神疾患全般
シンプレで支援の対象となる精神疾患は上記の他にも数多くあります。また、障害が併発しているケースでも対応可能です。
例えば、過去のトラウマがフラッシュバックしてしまうPTSDや突発的に動悸やめまいなどが起こるパニック障害などです。
どちらも発作が突然起こるので、日常生活に支障をきたしてしまいますが、シンプレでは少しでも安心して生活できるように努めて参ります。
お悩みごともいつでも吐き出せるように親身になって対応しますので、共に安心した生活を目指して歩んでいきましょう。
シンプレの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションでは、上記のエリアを主としてサービスを展開し、支援に励んでいます。
学習障害により心に不調をきたした方のために、親身で寄り添った支援や対応ができる準備ができております。
また、上記エリア以外でも対応可能な場合があり、エリア拡大中でもありますのでお気軽にご相談ください。
サービスの内容なども電話で説明させていただきますので、患者様の自主性を重んじた当看護ステーションの強みを知っていただければと思います。 ご相談のお問い合わせはこちら
まとめ
学習障害は知的能力に問題はありませんが、読み書きが極端に苦手などの症状を伴う発達障害の一種であり、発覚しないまま大人になるケースもあります。
原因は判明していませんが、脳の中枢神経の伝達が上手くいっていないからだと言われており、それにより読字や書字、算数障害が発現すると考えられています。
治療方法はなく、患者様個人に適した訓練により症状とうまく付き合った生活をすることが一般的です。
シンプレではそういったトレーニングも支援できますので、悩みや生活の困りごとなどのご相談をお待ちしております。