ナルコレプシーになりやすい人の特徴
ナルコレプシーは、突然の睡眠発作や脱力発作などの症状が現れる病気で、ストレスを感じやすかったり、家族にナルコレプシーの人などがなりやすいと言われています。
発症年齢は10代から20代が多く、男女差はありません。
今回この記事では、ナルコレプシーになりやすい人の特徴やナルコレプシーになってしまった場合の治療法について紹介します。
ナルコレプシーになりやすい人はどんな人?
発症は10代から20代前半に集中
ナルコレプシーの発症は10代から20代前半に集中しています。特に14~16歳にピークがあるとされています。
10代は成長期ということもあって、本人をはじめ周囲の人も病気という意識がないケースも多い傾向にあります。
眠気は誰にでも訪れるものですが、いきなり眠ってしまう場合はナルコレプシーを疑ってみましょう。
遺伝的要因
ナルコレプシーは遺伝的な要素が大きく関係していることが、ある研究でわかっています。
両親や兄弟にナルコレプシーの人がいれば、ナルコレプシーになる可能性が高くなると言われています。
日本人の有病率
ナルコレプシーは、世界中の人種で発症しますが、日本人の有病率が最も高いことが知られています。
日本人のナルコレプシーの有病率は、1万人当たり16人~18人という報告があり、約600人に1人の割合で発症すると言われています。
ナルコレプシーの症状は?
日中の強い眠気と睡眠発作
副症状
・情動脱力発作
・入眠時幻覚
・睡眠麻痺
その他
・自動症
・夜間の熟睡困難
・頭痛
・複視
ナルコレプシーは突然急激な眠気に襲われる病気で、日中突然眠ってしまう睡眠発作が起こります。
居眠りを一日に何回も繰り返したり、場所や時間に関係なく眠ってしまうため、日常生活に支障をきたすようになります。
喜怒哀楽が誘引となって、顔や首、手足の力がかくんと抜けるなどの脱力発作が数分続くこともあります。
入眠直後に目が覚めて、体を動かせなかったり声が出せなくなり不安と恐怖が強くなることもあり、代表的な睡眠発作だけではなく様々な症状が確認されています。
ナルコレプシーが起こるメカニズムは?
覚醒と睡眠リズムの乱れ
ナルコレプシーの人の昼間の居眠りは、健康な人の眠りと同じように、脳波の変化や強い刺激で目覚めるという特徴があります。
そのため、ナルコレプシーの人は睡眠そのものが違うのではなく、睡眠のリズムに乱れがあると考えられています。
具体的には、ナルコレプシーの人は、夜間に十分な睡眠をとったとしても、昼間に強い眠気を感じます。
また、夜間も浅い眠りを繰り返すため、疲労が十分に回復できず、昼間の眠気が増強されます。
ナルコレプシーの睡眠は、夜にまとまってよく眠る普通の大人の睡眠とは異なり、昼間に眠り込み、夜も深い眠りが持続しないで浅い眠りを繰りかえす特徴があります。
レム睡眠とノンレム睡眠のリズムの乱れ
睡眠は通常はノンレム睡眠で始まり、約90分程度のサイクルで交互に移行するのですが、ナルコレプシ-の場合はこのリズムが乱れます。
健康な人の睡眠は、全身の筋肉が一定の緊張を保ちリラックスしている「ノンレム睡眠」から入っていくのに対し、ナルコレプシ-のひと場合はいきなり「レム睡眠」に入ります。
レム睡眠とノンレム睡眠が乱れると、入眠時幻覚や情動脱力発作、睡眠発作、睡眠麻痺などが起きると考えられています。
睡眠リズムの中枢に障害があるという説も
ナルコレプシーの原因は、まだ完全には解明されていませんが、睡眠リズムの中枢に障害があるという説があります。
この睡眠は、周期的に浅い睡眠と深い睡眠が交互に繰り返される赤ん坊の睡眠と似ている点があると言われmナルコレプシーの患者の睡眠も、このように周期的に浅い睡眠と深い睡眠が交互に繰り返されると考えられています。
ナルコレプシーの問題点
怠け者だと思われてしまう
症状のひとつである強い眠気は、耐え難いものであり、重大な状況でも眠気に負けてしまうことがあります。そのため、怠け者だと思われてしまうこともあるのです。
緊張が強い場合、何とか眠気に耐えられることもありますが、度重なる強い眠気に勝ち続けるのは難しいことです。この眠気に襲われると、10分~30分程度くらい眠りこむことがあります。
この場合、周囲の人からは「たるんでいる」「怠け者」などと誤解されてしまうこともあるでしょう。
本人も病気であることを自覚しにくい
ナルコレプシーの患者さんは、本人も周囲の人も、病気であることを自覚しにくい傾向にあります。
その理由は、日常的に強い眠気に襲われるため、本人も眠いという自覚すら持てなくなることです。
そのため、本当にすっきりした状態を維持するのが普通なのか、眠っている状況と共存する状態が普通なのかが分からなくなり、眠い病気だという意識が薄れてきます。
さらに、それが深刻化すると、あきらめてしまうこともあります。
退職や離職を余儀なくされることも
度重なる強い眠気により、社会への適応力が低下し、最終的に退職や離職を余儀なくされるケースもあります。
眠い状態で仕事を続けることが多いため、集中力が低下したり、居眠りが多くなるなどの問題が発生します。そのため、信頼を失うことにもなりかねません。
ナルコレプシーのことを理解してくれる人が周囲に少ない場合、不利な立場に置かれやすくなり、社会生活に大きな支障をきたす場合があります。
ナルコレプシーかどうかを検査する方法は?
睡眠ポリグラフ検査(PSG)
・脳波
・眼球運動
・心電図
・筋電図
・呼吸曲線
・いびき
・動脈血酸素飽和度など
睡眠ポリグラフ検査は、睡眠中の脳波や眼球運動、心電図、筋電図、呼吸曲線、いびき、動脈血酸素飽和度などを、一晩にわたって測定する検査です。
検査は、入院して行う場合や、睡眠検査専用の施設で行う場合があります。検査当日は、頭部や顔、胸部、手足などにセンサーを装着します。
睡眠ポリグラフ検査は、ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の診断に用いられます。
反復睡眠潜時検査(MSLT)
2時間おきに睡眠潜時を
計5回検査して眠気の程度を
評価する
反復睡眠潜時検査は、などの睡眠障害の診断や睡眠時無呼吸症候群の治療効果の判定で行われます。
検査は、2時間ごとに5回、眠りにつくまでの時間を測ります。通常、前夜にPSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行い、睡眠の状態を調べます。
覚醒維持検査
・脳波を記録しながら行う
・睡眠潜時(眠りに落ちるまでの時間)を測定
所要時間
20分または40分の検査を
起床時刻から1.5~3時間後より
2時間間隔で4回
検査費用
保険適応外のため
問い合わせ
覚醒維持検査は、運転や機械操作などの危険業務に就く人や、睡眠時無呼吸症候群やナルコレプシーなどの睡眠障害の疑いがある人が、検査を行います。
眠気を誘う暗い部屋で、座った状態でどれくらい起きていられるかを測定し、検査は、2時間ごとに4回、計8回に分けて行われます。
各40分間検査は行われ。検査中は、脳波や筋電図などの生体データを記録しながら、覚醒状態をチェックします。
検査結果は、眠りに落ちるまでの時間の平均値で判定されます。睡眠潜時が短いほど、眠気の程度が強いと考えられます。
ナルコレプシーに関する相談はどこにすればいい?
睡眠障害全般を扱う睡眠外来
「ナルコレプシーかも?」と思ったら、まずは睡眠障害全般を扱う睡眠外来に相談してみましょう。
睡眠に関する問題が1ヶ月以上続いているなら、ナルコレプシーの可能性が考えられます。日常生活・社会生活に支障をきたしている場合は1ヶ月を待たず早めに受診するようにしましょう。
精神科・精神神経科・神経内科
睡眠障害全般を扱う睡眠外来の他、精神科や精神神経科、神経内科などでも相談ができます。
他の病気に伴う過眠症の可能性もあり、病院によっては他の医療機関に検査を依頼したり、他の医療機関と連携して治療するところもあります。
他の精神疾患と併発なら精神科訪問看護という選択肢
精神科訪問看護とは?
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
ケア内容 | ・日常生活の維持 ・生活技能の獲得 対人関係の維持など |
訪問日数 | 原則 週3日以内 |
精神訪問看護とは、精神科勤務経験や研修を受け資格を持っている看護師や作業療法士等が精神疾患をもつ方の自宅に直接訪問して、在宅医療を提供するサービスです。
訪問時間については医療保険の場合は30分から1時間半程度となっています。ご利用者様の体調に合わせて時間を調整いたします。
また訪問回数は基本的に週に3回まで利用することはできます。ただし条件によっては週に4回以上利用することも可能です。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
精神科訪問看護では上記のように、症状の改善に向けてさまざまなポートを受けることができます。
訪問してご本人様と面会ができない場合でも、ご希望があればご家族様からの相談を受けることも可能であったりと、それぞれの利用者様にあった看護を行っております。
また住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!
シンプレ訪問看護ステーションとは?
シンプレでは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、お子さまからお年寄りまで様々なこころの健康問題を抱えて悩む利用者様のご支援をさせていただきます。
看護師などの資格を持ったスタッフが定期的にお宅を訪問し、ご利用者様の主治医や関係機関と連携を取ることで、家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるよう治療の前進をサポートします。
ナルコレプシーや精神疾患をお持ちで、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っている、訪問看護のサービスについて聞いてみたいなどございましたら、シンプレまでご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記の通りです。
記載しているエリアを中心に行っていますが、今後はさらに事業を拡大していく予定となっています。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
ナルコレプシーは日中に強い眠気を引き起こす病気で、日本人の有病率が世界で最も高いです。
本人をはじめ周囲の人も病気であることを自覚しにくい病気ですが、ナルコレプシーを正しく理解し、病気の早期発見と治療が重要です。
生活に支障が出るほどの症状がある場合は、精神科訪問看護という選択肢も含め専門機関に早めに相談しましょう。
わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。ナルコレプシーでお悩みの方は、わたしたちにご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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