アルコール依存症のステージについてご紹介

アルコール依存症の「ステージ」という言葉をご存知ですか?
ステージとは、アルコール依存症の軽度から重度までの段階的な状態を表す単語です。
アルコール依存症はある日突然発症するのではなく、日々のアルコールの大量摂取が積み重なって起きる依存症です。
アルコール依存症のステージを知り、今自分自身がどのような状況なのかを確認してみてくださいね。
アルコール依存症のステージ
アルコール依存症は進行性の精神疾患であり、4段階のステージでアルコールへの依存度が進行します。はじめに、アルコール依存症のステージについて見ていきましょう!
ステージとはアルコール依存度段階のこと
習慣的に大量のお酒を飲み続けることを多量飲酒といいますが、多量飲酒を続けていると、自分では気づかないうちにアルコール依存症になってしまいます。
アルコール依存症はある日突然なるわけではなく、時間の経過に伴って徐々にアルコール依存症の症状が現れてきて、最終的には肝硬変などで死亡することもあります。
アルコール依存症の進行段階のことをステージといい、アルコール依存症は「依存症との境界線」「依存症初期」「依存症中期」「依存症後期」の4段階のステージで進行します。
ステージと飲酒の影響度
依存症との境界線
・依存始める前段階
依存症初期
・飲酒が日常化する
依存症中期
・身体がアルコールを無意識に要求する
依存症後期
・日常生活・身体に影響する
依存症との境界線のステージはアルコール依存症になる前の段階であり、多量飲酒を止められなくなり、二日酔いで仕事などにも悪影響が及んできます。
依存症初期のステージでは多量飲酒が習慣になってしまい、飲酒時の記憶がなくなる「ブラックアウト」の症状が頻繁に起こるようになります。
依存症中期のステージでは飲酒のコントロールができず、身体が無意識にアルコールを求めるようになり、依存症後期のステージになると肝硬変などの身体的症状が現れます。
アルコール依存症にならない適正量
ビール:1日あたり500ml
焼酎:1日あたり100ml
ワイン:1日あたり2杯程度
アルコール依存症になりづらい酒量の適正量は上記です。
ただし、お酒に強い人・弱い人、全く飲めない人など、アルコールの耐性は個人差がありますの。自分自身のアルコールの適正量を知っておくことが大切です。
飲酒を続けると必ずアルコール依存症になるわけではなく、体質にもよりますが、適度な飲酒であればアルコール依存症になることは少ないでしょう。
アルコール依存症のステージ①依存症との境界線
アルコール依存症になるのを防ぐには、依存症との境界線を越えないように適正量の飲酒をすることが大切です。では次に、依存症との境界線のステージを見ていきましょう!
依存症との境界線になり得る状況
- 健康診断再検査
- 休肝日が作れない
- 二日酔い
- 飲酒が止まらない
- 記憶の消失
上記に該当する場合は依存症との境界線のステージに入っているため、健康診断で再検査を受けたり、二日酔いをすることが多くなってきた時は酒量を減らすことが必要です。
アルコール依存症になると多量飲酒が止まらなくなるため、お酒を飲まない休肝日を作ったり、何日間か禁酒をするとアルコール依存症になるのを防げます。
泥酔して記憶を消失するブラックアウトの症状が目立つようになってくると、アルコール依存症になる手前ですので、禁酒をするか酒量を大幅に減らす努力が必要になってきます。
記憶の消失は次のステージへ上がる兆候
依存症との境界線のステージではブラックアウトが最も深刻な症状であり、お酒を飲んで記憶の消失を頻繁に繰り返す場合は次のステージへ上がる兆候です。
次のステージへ上がってしまうとアルコール依存症の初期段階になるため、依存症との境界線を越えないようにするための努力が必要になってきます。
お酒を一切飲まない「断酒」をするのが一番良い方法ですが、お酒の量を徐々に減らしていき、適正量の飲酒を常に意識することがアルコール依存症の防止につながります。
アルコール依存症のステージ②依存症初期
依存症との境界線を越えてしまうと、依存症初期のステージに進行します。では次に、依存症初期のステージについて見ていきましょう!
依存症初期では精神がアルコールに依存し始める
依存症初期のステージになると飲酒のコントロールができなくなり、お酒なしでは生きられないほど精神的にアルコールに依存するようになってきます。
症状がさらに進むと、家庭や仕事よりもお酒を飲むことを優先させるようになり、酒気帯び運転で交通事故を起こすなど、深刻な事態が発生することもあります。
泥酔をして記憶を消失するブラックアウトは頻繁に起こり、健康診断では肝機能や血圧値の異常が目立つようになってきて、身体的にもアルコールに依存するようになってきます。
アルコール依存が進む心理的状況
- ほろ酔いで満足できない
- 飲みすぎる
- 酒なしではいられない
依存症初期のステージでは、ほろ酔いでは満足できなくなり、適正量を大幅に上回る多量飲酒を毎日続けるようになってきます。
この段階で禁酒をしたり酒量を減らすことができると症状の悪化を防げますが、多量飲酒をやめることができないと、お酒が中心の生活を送るようになってしまいます。
お酒を飲むことだけに関心が向き、仕事中でも隠れてお酒を飲むようになったり、昼夜を分かたず一日中飲酒をするようになったりします。
アルコール依存症のステージ③依存症中期
依存症中期のステージになると、身体がアルコールに依存するようになってきます。では次に、アルコール依存症の中期のステージを見ていきましょう!
禁断症状が出始める段階
依存症中期のステージになると、精神だけでなく身体もアルコールに依存するようになってきて、アルコールに対する依存の度合いが一段と進んできます。
依存症中期のステージの特徴は、禁断症状とも呼ばれる離脱症状が出てくることです。飲酒をしていないと意味もなく手が震えてきたり、大量の汗をかくようになってきます。
お酒を飲まないとイライラしてくるので、絶えずお酒を飲みたいと考えるようになり、ますます酒量が増えてきて症状が悪化するという悪循環に陥ります。
周囲とのトラブルが出始める
- 問題行動を起こす
- 酒を飲みたくて嘘をつく
- 生活が酒中心になる
依存症中期のステージになると、昼夜を問わずお酒を飲むようになるため、日常生活や社会生活に深刻な悪影響が及んできます。
離脱症状がひどくなると、嘘をついてでもお酒を飲むようになり、絶えずお酒を飲むことだけを考えるようになるので、周囲とのトラブルが出始めます。
二日酔いの症状を緩和するために迎え酒を飲むようになったりするため、肝機能の低下などの身体的症状も深刻になってきます。
アルコール依存症のステージ④依存症後期
アルコール依存症が進行すると、最終的には依存症後期のステージに至ります。では次に、アルコール依存症の後期のステージについて見ていきましょう!
酒なしでは生きられなくなる
- 生活が困難化
- 家庭・社会的信頼の失墜
- 食事よりも飲酒が第一になる
依存症後期のステージになると、完全にお酒なしでは生きられなくなり、精神も身体も強くアルコールに依存するようになってきます。
飲酒が原因で仕事を辞めたり、夫婦喧嘩が絶えず離婚をするなど、仕事や家庭も失ってしまうことも多く、社会的信頼は失墜してしまいます。
食事をせずにお酒だけを飲むようになるため栄養不足の状態に陥り、精神状態や健康状態はますます悪化してきます。
内臓疾患が顕著になる
依存症後期のステージは内臓疾患が顕著になることが特徴で、脂肪肝やアルコール性肝炎、肝硬変などの肝臓病になることが多いです。
アルコール性肝炎や肝硬変が悪化すると死亡するケースも多く、アルコール依存症が原因で死亡することはよくあります。
また、アルコール依存症の後期のステージになると脳の萎縮が進み、認知機能が低下して認知症を発症することもありますが、認知症は治療をしても完治はできません。
アルコール依存症のステージを進めないために
アルコール依存症のステージの進行を止めるには、多量飲酒をしないことが大切です。では次に、アルコール依存症のステージを進めないための方法を見ていきましょう!
アルコールを多量摂取をしない工夫
- 1日の酒量を守る
- アルコールが進む行為をしない
- 休肝日を設ける
アルコール依存症のステージを進めないようにするには、節度ある飲酒を常に意識することが大切です。節度ある飲酒であればアルコール依存症になることは少ないです。
お酒と合う料理を食べながら飲酒をするなど、アルコールが進む行為をするのは極力避け、節度ある飲酒をすることを絶えず意識して多量飲酒を自制するようにしましょう。
可能であれば禁酒をすることが最も望ましいですが、お酒を飲まない休肝日を設けて肝臓を労り、お酒を毎日飲むことが習慣にならないように工夫することが大切です。
アルコールが進む行為とは
多量飲酒を防ぐには、アルコールが進む行為をしないことが大切です。アルコールが進む行為には上記のようなものがあり、これらの行為をしないように注意しましょう。
多量飲酒をする人は喫煙者であるケースが多く、煙草を吸う前後にお酒を飲むことがよくあります。お酒と煙草を同時に摂取すると健康にも良くないので悪習慣を改めましょう。
ストレスを発散させるためにお酒を飲む人は多いですが、ストレス発散のために多量飲酒を続けているとアルコール依存症になりやすいので注意が必要です。
依存症に陥ったら早期治療を行う
アルコール依存症は初期のステージの段階で治療をすると早期回復が期待できるため、アルコール依存症ではないかと疑った時には、速やかに医療機関を受診しましょう。
アルコール依存症は精神疾患ですので、心療内科などのメンタルヘルス専門の病院で治療を受けることができ、アルコール依存症の専門医療機関もあります。
医療機関で治療を受けると、抗酒薬による薬物療法や断酒教育プログラムなどでアルコール依存症からの回復を目指せます。
精神科訪問看護を利用するという手段もある
精神科訪問看護の利用プラン・利用内容
サービス名 | ![]() 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 | ・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 | ・原則週3日以内 |
精神科訪問看護のサービス内容は上記のように多岐にわたり、アルコール依存症や薬物依存症、統合失調症、適応障害、うつ病、認知症などの精神疾患全般が対象になります。
一般の訪問看護は、床ずれ防止のケアや排痰ケアなどの通常の医療的処置が中心になりますが、精神科訪問看護は精神科看護に特化していることが特徴です。
精神科訪問看護を利用することで、家庭や地域社会で生活を送りながら精神疾患の治療を行えます。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担![]() | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担![]() | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担![]() | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
シンプレはアルコール依存症のサポートも行います!
シンプレ訪問看護ステーションではアルコール依存の方の訪問看護も行っています。
シンプレ訪問看護ステーションとは
シンプレ訪問看護ステーションは精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、アルコール依存症や薬物依存症などの依存症にも対応しています。
精神疾患に精通している看護師がご利用者様の自宅を定期的に訪問し、生活支援や症状の悪化防止などの支援を行い、アルコール依存症からの回復を全面的にサポートします。
シンプレ訪問看護ステーションには、アルコール依存症に関する知識や看護経験があるスタッフが多数在籍しておりますので、在宅療養でお困りのことがあればお気軽にご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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まとめ
アルコール依存症は進行性の精神疾患であり、4段階のステージを理解して、次のステージに進まないように努力をすることがアルコール依存症の予防や回復につながります。
アルコール依存症のステージが進むと在宅療養で治療を続けることがありますが、なかなか一人でアルコール依存に向き合っていくことは難しいので精神科訪問看護の利用も考えてみるといいでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションでは、精神疾患に特化した訪問看護を提供しておりますのでアルコールでお悩みで訪問看護のご利用検討されたい1度話を聞いてみたいなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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