過眠とうつの関係性について知ろう。治療法についても詳しく解説
うつ病の症状の1つに「過眠」というものがあります。過眠とは、通常の睡眠時間よりも多く寝てしまうことを指します。
理由は、通常の睡眠時間では疲労が取れず長時間の睡眠を要することになるからです。また、治療薬の副作用によって過眠してしまう場合もあります。
今回は過眠とうつ病の関係について詳しく説明していきましょう。
過眠とうつ病について
過眠とは
過眠とは、一般的とされる睡眠時間をはるかに上回り、いくらでも寝てしまう状態を指します。
いくら頑張っても強い眠気で居眠りしてしまうなど、目覚めていられない眠気は、病的であると考えられます。
過眠があると、運転中に居眠りしてしまうことがあります。居眠り運転は重大な事故を引き起こす恐れがあります。
また、さまざまな社会的な影響も考えられます。集中力が低下し、学業や仕事の効率が悪くなったり、判断力や決断力も低下するため、ミスを起こししやすくなります。
また、上記の事から周囲からは「いい加減な人」や「やる気がない人」と思われることもあるのです。
うつ病とは
うつ病とは、強いストレスや疲れなどがきっかけとなり、気持ちが落ち込んだり憂鬱な気分が続くことを言います。
気持ちの面だけではなく、動悸や震え・体のだるさ・睡眠障害など身体にも何らかの影響が出ることが多くなります。
様々な症状が出る中でも、不眠や過眠といった睡眠障害が出る方は多く、夜眠れなくなったことがきっかけでうつ病に気が付いたという方も少なくありません。
うつ病は放っておけばみずから命を絶ってしまう方もいるほど危険な病であり、早期に発見・治療することが大切です。
過眠とうつ病の関係性
うつ病で過眠症状が出る原因
うつ病の方で、過眠の症状がみられる時は、精神的にも、身体的にも疲れ果てているため、身体が疲れやすかったりだるいと感じ、過眠になっていることが考えられます。
うつ病になると、慢性的なストレスや、セロトニンの働き異常などにより、過眠の症状が出ることがあります。セロトニンの働きが低下すると、レム睡眠が優先され、深い睡眠が十分に取れません。そのため、日中の眠気が出やすくなるのです。
ストレスや不安を感じると、無意識のうちに現実から逃避しようとすることがあります。それが睡眠という行動となって現れることもあります。
睡眠は、現実から切り離され、心身を休める時間です。そのため、過眠は、ストレスや不安から逃避するための手段として機能することもあるのです。
治療薬が関係している場合もある
うつ病の治療薬には、過眠の副作用があるものがあります。
抗うつ薬には、不安や緊張などの症状を抑えるために、眠気を誘発する作用を持つものがあります。このような抗うつ薬を服用すると、日中に眠気が出やすくなることがあります。
また、睡眠薬は、うつ病の不眠症状を改善させるために使用されます。その副作用として、眠気が現れることがあります。
うつ病の治療薬による過眠が原因の場合は、主治医と相談して、薬の種類や量を調整するなどの対策をとります。また、生活リズムを整えたり、適度な運動をしたりすることも、過眠の改善に役立ちます。
不眠症状が出る場合もある
先ほどもご紹介した通り、うつ病の症状には過眠だけではなく不眠が出ることもあります。
不眠は主に、寝つきが悪い・夜中に何度も起きる・寝た気がしない・早朝に目が覚めるという症状が特徴的です。
不眠がある方はない方に比べて、うつ病になるリスクが約4倍ほど高いと言われており、睡眠とうつ病は切っても切れない関係にあるのです。
うつ病の原因と症状について
①原因
うつ病の原因は、ストレスをきっかけであることが多いと言われています。
ストレスとは、私たちの心身に負荷を与える、心身の変化や刺激のことです。ストレスとは、私たちの生活のさまざまな場面で発生します。
例えば、仕事や家庭での人間関係の悪化いじめなどの体験、大切な人やものを失うことで感じる悲しみや寂しさ等が挙げられます。
また、経済的困窮や持病など、ライフイベントによるストレスも、うつ病をの原因となることがあります。ただし、これらのストレスに対する反応には個人差があり、ストレスと感じる方もいれば、感じない方もいます。
②症状
精神症状は、うつ病の特徴的な症状で、気分の落ち込み、イライラ、意欲がなくなる、といった症状が現れます。
また、集中力がなくなる、考えがまとまらなくなる、焦りや不安などの症状が出ることもあります。さらに、自殺願望を抱く方もいます。
身体症状は、精神症状に伴って現れることが多く、疲れが取れない、身体のだるさ、食欲がわかないといった症状も現れます。
また、不眠、頭痛、めまい、肩こり、下痢や便秘などの症状が現れることもあります。
うつ病の症状は、人によって現れ方が異なり、症状の程度もさまざまで軽い症状の場合、自覚症状が乏しかったり、周囲の方からの指摘で初めて気づくこともあります。
過眠とうつ病の治療方法
治療①休養・環境調整
1つ目の治療方法は、置かれている環境を整えて原因となっている事柄を取り除くというものです。
休みを増やす・帰る時間を早めるといったものも、この休養・環境調整の治療法に含まれます。
会社や学校での人間関係が原因であるならば、休職または休学して1度その環境から離れるというのも立派な治療法なのです。
これ以上心や体に負担がかからないよう気を配り、まずは落ち着いた生活を取り戻すというのがこの治療法の目的です。
治療②薬物治療
脳の神経伝達物質を増やし抗うつ効果を発揮
抗不安薬
不安や緊張を取り去る薬
睡眠導入薬
不眠症状を改善
2つ目の治療法は、薬物によるものです。医師から処方された薬を正しく服用していきます。
うつ病治療に用いられる薬としては、不安を取り除いたり不眠の症状を改善するためのものも含まれます。
これらの薬には上記でも解説した通り、副作用が出る場合があり、体のだるさや眠気に襲われることも特徴的です。
自己の判断で薬をやめてしまう方も多いと言われていますが、途中でやめてしまうと良くなっていた症状も元に戻ってしまう場合があるので注意が必要です。
治療③精神療法
・認知に働きかける
・心のストレスを軽くしていく
対人関係療法
・第三者と治療を行う
・コミュニケーションを中心とする
精神療法とは、医師や臨床心理士などの専門家との対話を通して、うつ病の原因や症状を理解し、改善していく治療法です。
認知行動療法とは、考え方や行動を修正することで、うつ病の症状を改善する治療法です。うつ病の症状の改善だけでなく、再発予防にも効果的であることが示されています。
精神療法は、自分の気持ちを言葉に出して、心の状態を客観的に理解し、改善していくための治療法です。
その他にも対人関係療法などがあり、人との関係を改善することで、うつ病の症状を改善する治療法もあり、自分の症状や状況に合わせて治療法を選択することが大切です。
疲労・倦怠感は休養と規則正しい生活を心がける
うつ病の症状には、疲労や倦怠感、過眠などの症状は、体内のリズムが乱れていることが原因とも考えられています。
そのため、十分な休養を取り、体内のリズムを調整することは、うつ病の治療において重要なことです。
スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、睡眠を妨げるといわれています。寝る前は、スマートフォンやパソコンの使用を控えましょう。
また、食事や運動などの生活習慣も、体内のリズムに影響を与えます。規則正しい生活や栄養バランスのよい食事を心がけましょう。
精神科訪問看護でサポートしてもらう
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
治療の選択肢として精神科訪問看護のサービスを利用するというのも1つの手です。
精神科訪問看護では、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「社会復帰の支援」など、症状の改善に向けてさまざまなポートを受けることができます。
訪問してご本人様と面会ができない場合でも、ご希望があればご家族様からの相談を受けることも可能であったりと、それぞれの利用者様にあった看護を行っております。
また住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、うつ病などの精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しています。
緊急のときすぐ関係機関に連絡ができるよう、バックオフィスが主治医や通っている医療機関とも密に連携をとりながら、チームでサポートできる体制をととのえています。
利用者さまが持つ病気とどう向き合っていくかを一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするための支援を心がけています。
ご家族とともに本人に寄り添い、本人らしく生きていけるようサポートします。
精神疾患の一例
気分が落ち込み憂うつになってしまう
統合失調症
・幻覚や妄想という症状が特徴的
・生活に支障をきたしてしまう
ADHD
・不注意、多動性、衝動性が特徴的
その他精神疾患全般
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、うつ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神疾患を抱えている方の中にはお子さんから高齢の方までいろいろな人がいて、一人ひとり生活環境や背景が異なります。
シンプレでは、大人になってから出た精神疾患に対してはもちろん、ADHDなど小さい頃からあるのまで幅広く対応しており、利用者様の幅広い考え方、価値観を大切にして寄り添います。
ご相談があればご利用者様との関わりなど、ご家族様へのサポートなども行っています。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションでは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
訪問対応エリアを順次拡大しています。上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
睡眠とうつ病は深い関係にあり、うつ病が原因で過眠に悩まされている方も少なくありません。
また、過眠を含めた睡眠障害は他の人に分かってもらえないことも多く、それが余計に心を苦しめることもあります。
精神疾患でお悩みの方は、1人で抱え込まずに他の人の力も借りるというのも大切なことです。
その選択肢のひとつとして精神科訪問看護があるので、サポートが必要な方はぜひ一度シンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
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