アルツハイマー病の診断方法|問診・MRI・PET検査の流れと早期発見の重要性
アルツハイマー病の診断について、「どんな検査や問診が行われるのか」「どのように確定されるのか」気になる方も多いのではないでしょうか。
アルツハイマー病は、医師による問診や検査を通じて総合的に判断される疾患であり、特に早期の発見がその後の治療方針を左右します。
診断の際には、本人や家族への聞き取り、MRI検査による脳の画像診断、さらにはアミロイドPET検査による脳内物質の確認など、複数の視点からアルツハイマー病かどうかを見極めます。
この記事では、アルツハイマー病の診断に関する流れや検査内容をわかりやすく解説します。
アルツハイマー病の診断方法とは?
アルツハイマー病の診断は主に問診を中心に行われますが、より正確な診断のためにはMRI検査やアミロイドPET検査など、多角的な検査が組み合わせられます。
ここでは、一般的な診断の流れと、それぞれの検査がどのような役割を持つのかを詳しく見ていきましょう。
一般的な診断の流れ
① 問診
② MRI検査
③ アミロイドPET検査
① 問診で生活状況や記憶をチェック
医師はまず、本人や家族から生活環境・既往歴・服薬状況などを丁寧に聞き取ります。
アルツハイマー病では「最近の出来事を思い出せない」「同じ質問を繰り返す」といった記憶障害が特徴的です。
また、徘徊や物忘れなどの日常行動の変化も診断の重要な判断材料になります。問診を通じて、生活上の支障や行動の変化を把握し、認知機能の低下度合いを確認します。
② MRI検査で脳の状態を確認
MRI検査では、脳の構造を詳しく観察し、特に記憶を司る「海馬」の萎縮を確認します。
アルツハイマー病では海馬が小さくなる傾向が見られるため、MRI画像によって進行度を把握できます。
早期診断ができれば、生活習慣の見直しや薬物療法で進行を遅らせることが期待できます。
・異常なアミロイドの毒素で神経細胞が死滅する
タウタンパク質
・異常が生じると神経細胞の死を招く
③ アミロイドPET検査で病変を特定
アルツハイマー病の発症に深く関わる物質として「アミロイドβ」と「タウタンパク質」があります。
アミロイドPET検査では脳内にこれらの物質がどの程度蓄積しているかを可視化し、より確実な診断を行います。
ただし、現在この検査は保険適用外のため、実施には自己負担が必要です。
それでも、正確な診断や治療方針を立てる上で非常に有用な検査といえるでしょう。
アルツハイマー病の代表的な症状とは
もの忘れ
認知障害
・失語
・失行
・失認
・機能障害
アルツハイマー病では、記憶障害をはじめ、判断力や集中力の低下、言葉の理解力の衰えなどが見られます。
初期段階では「もの忘れ」と思われがちですが、時間や場所の認識ができなくなる「見当識障害」や行動の順序がつかめなくなる「実行機能障害」なども特徴です。
これらの症状が進行すると、日常生活や社会活動に大きな影響を与えるようになります。
進行性のため早期診断・早期治療が大切
アルツハイマー病は神経細胞が徐々に破壊される進行性の病気で、一度損傷した神経は回復しません。
しかし、早期に診断することで、適切な治療やサポートを受けながら進行を遅らせることが可能です。
生活習慣の改善やリハビリ、薬物療法を組み合わせることで、認知機能の低下を最小限に抑えることが期待できます。
少しでも違和感を感じたら、早めに専門医へ相談することが重要です。
アルツハイマー病の問診診断を詳しく解説
アルツハイマー病の診断において、もっとも基本となるのが「問診」です。
問診は医師が本人や家族に対して行う聞き取りで、記憶や認知機能の状態、日常生活への影響を把握し、アルツハイマー病の診断基準に照らして総合的に判断します。
ここでは、問診の際にどのような点が確認されるのかを詳しく見ていきましょう。
問診で確認されるアルツハイマー病の基準
- 記憶障害・認知障害があるか
- 日常生活において弊害が出ているか
- 症状が進行しているか
- アルツハイマー病特有の原因があるか
① 記憶障害・認知障害があるかどうか
アルツハイマー病では、脳の海馬という部分が萎縮し、記憶障害が初期段階から現れます。
「数分前に話したことを忘れる」「同じ質問を何度もする」といった行動は、認知機能の低下を示す重要なサインです。
問診では、これらの症状がどの程度見られるか、日常生活にどのように影響しているかを確認します。
このような変化が続く場合、アルツハイマー病の早期診断につながる可能性があります。
② 社会生活に支障が出ているか
アルツハイマー病が進行すると、日常生活に支障が出るようになります。
たとえば、買い物の支払いができない、道に迷って帰れないなどの行動が見られた場合、社会生活への影響が疑われます。
医師は本人の行動履歴や家族の話をもとに、社会的な機能障害の有無を評価します。
こうした問診内容は、介護支援や治療方針を決めるうえでも大切な情報です。
③ 症状が進行しているかを確認
アルツハイマー病は進行性の疾患であり、時間の経過とともに症状が悪化します。
問診では、発症からどのくらい経過しているか、症状がどの程度進んでいるかを把握します。
初期段階では記憶障害が中心ですが、中期以降は徘徊や失行などの行動異常が目立ち、末期では寝たきりになるケースもあります。
症状の進行を早く察知し、適切な治療やサポートにつなげることが重要です。
④ 他の疾患ではないか確認する
アルツハイマー病と似た症状を持つ疾患も存在します。
問診では、甲状腺機能低下症やパーキンソン病、うつ病などの可能性を除外するための質問も行われます。
これにより、誤った診断を避け、最適な治療法を選択できるようになります。
「他の原因による認知症ではないか」を確認することは、アルツハイマー病の診断に欠かせないプロセスです。
認知症以外の疾患や合併症の有無を確認
・脳腫瘍
・パーキンソン病 など
全身系疾患
・甲状腺機能低下症
・ビタミン欠乏症 など
物質誘発性精神疾患
・アルコール
・薬物
・タバコ など
これらの疾患も、アルツハイマー病と同じように記憶力や思考力の低下を引き起こすことがあります。
そのため、アルツハイマー病の診断では、これらの合併症や他疾患の有無を見極めることが求められます。
問診だけでなく、血液検査や画像検査などを組み合わせることで、より正確な判断が可能になります。
問診基準に自身の症状を当てはめてセルフチェック
「最近物忘れが多い」「同じ質問を繰り返してしまう」と感じたら、ここで紹介した問診基準に照らしてみましょう。
もし当てはまる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
アルツハイマー病は完治しない病気ですが、適切な治療を行うことで進行を遅らせ、生活の質を維持することが可能です。
不安を感じたら、まずは専門医に相談してみましょう。
アルツハイマー病と診断されたらどうする?
もし医師からアルツハイマー病と診断されたとしても、すぐに悲観する必要はありません。
現在では薬物療法やリハビリ、生活習慣の改善によって、進行を遅らせることが可能です。
特に早期段階での治療開始は、その後の生活の質に大きく影響します。
ここでは、アルツハイマー病の診断後にどのような対応を取るべきか、受診先や支援体制を含めて解説します。
アルツハイマー病の受診先一覧(精神科・神経内科など)
- かかりつけ医
- 神経内科
- 精神科
- 老年科
アルツハイマー病の診断や治療は、まず「かかりつけ医」から相談するのがおすすめです。
日常の様子を把握している医師であれば、症状の変化に気づきやすく、専門医への紹介もスムーズに行えます。
神経内科や精神科、老年科では、アルツハイマー病の診断に必要な詳細な検査(MRI・認知機能検査など)を受けられます。
特に神経内科では、他の認知症や脳疾患との違いを丁寧に見極めてもらえる点が強みです。
違和感を覚えたら早めに受診することが重要
「最近もの忘れが増えた」「同じ話を何度もしてしまう」と感じた時点で、早期に医療機関を受診することが大切です。
アルツハイマー病は進行性のため、放置すると認知機能の低下が進み、社会生活に支障をきたす可能性があります。
軽度認知障害(MCI)の段階で治療を開始できれば、進行を遅らせ、日常生活を維持しやすくなります。
症状に気づいたら、「気のせい」と思わず専門医に相談してみましょう。
治療や生活支援は第三者の手を借りて進めよう
アルツハイマー病と診断された後の生活は、家族だけで支えるのが難しいことも多いです。
そこで役立つのが、医療機関や訪問看護サービスなどの外部支援です。
専門の看護師や作業療法士が自宅を訪問し、服薬や生活面のサポートを行うことで、安心して療養生活を続けられる環境が整います。
シンプレ訪問看護ステーションでは、アルツハイマー病の方に向けた専門的な支援を行っており、主治医やご家族と連携しながら、在宅生活を支えるサポート体制を整えています。
また、介護保険や自立支援医療制度などを活用することで、経済的な負担を軽減しながら継続的に支援を受けることが可能です。
早期に支援を取り入れることで、患者本人の自立を促し、家族の負担を軽減することにもつながります。
アルツハイマー病の訪問看護について
アルツハイマー病は進行とともに、日常生活に支障をきたすことが増えていきます。
通院が難しくなったり、家族の介護負担が大きくなるケースも少なくありません。
そんな時に心強いのが、訪問看護サービスです。
訪問看護では、医療の専門知識を持つ看護師が自宅を訪問し、医師の指示に基づいてケアや生活支援を行います。
ここでは、アルツハイマー病と診断された方が利用できる訪問看護の内容や、当ステーションのサポート体制をご紹介します。
訪問看護で受けられるサポートプラン
| サービス名 | 訪問看護![]() |
|---|---|
| ケア内容 | ・日常生活の維持 ・服薬支援 ・リハビリ・社会復帰支援 など |
| 訪問回数 | 週1〜3回(※必要に応じて週4回以上も可能) |
訪問看護サービスでは、看護師や作業療法士が定期的に自宅を訪問し、体調のチェックや服薬の管理、生活リズムのサポートなどを行います。
また、認知症の進行により起こりやすい不安や混乱への対応、家族へのアドバイスも提供します。
医療保険や介護保険のどちらでも利用でき、主治医の指示書に基づいて実施されるため安心して継続できます。
アルツハイマー病の診断を受けた後、通院が困難な方にとっては特に有効な在宅支援方法です。
訪問看護を利用するなら当ステーションへご相談ください
シンプレ訪問看護ステーションでは、アルツハイマー病をはじめとする精神疾患に特化した訪問看護を行っています。
専門知識と経験を持つ看護師・准看護師・作業療法士が在籍し、患者さま一人ひとりに合わせたケアプランを作成します。
当ステーションでは、主治医やご家族との連携を大切にし、患者さまの「その人らしさ」を守るケアを心がけています。
また、東京都23区を中心に西東京市・三鷹市・調布市・府中市など幅広いエリアで訪問が可能です。
祝日や土曜日の訪問にも対応しているため、急なご相談にも柔軟に対応できます。
「どんなサポートが受けられるのか知りたい」「制度の利用方法を相談したい」といったお悩みがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ|アルツハイマー病の診断は早期発見がカギ
アルツハイマー病は、問診・MRI検査・アミロイドPET検査などを組み合わせて総合的に診断されます。
特に問診では、本人や家族からの聞き取りを通じて、記憶障害や行動の変化、日常生活の支障などを細かく確認します。
MRI検査では脳の萎縮状態、アミロイドPET検査では脳内にアミロイドβが蓄積しているかを把握することで、より正確なアルツハイマー病の診断が可能になります。
これらの検査を早期に受けることで、病気の進行を遅らせ、生活の質(QOL)を維持することが期待できます。
アルツハイマー病は一度発症すると進行を止めることは難しい疾患ですが、早期に気づいて対応すれば、症状の進行を遅らせることができます。
薬物療法に加え、生活習慣の見直しやリハビリ、家族や地域のサポートを受けることが、安定した生活を続けるための鍵となります。
近年では、訪問看護などの在宅支援サービスを活用しながら、自宅で穏やかに過ごす方も増えています。
特に「シンプレ訪問看護ステーション」では、精神疾患や認知症に特化したサポートを行い、患者さまやご家族が安心して療養できる体制を整えています。
アルツハイマー病は誰にでも起こり得る病気ですが、早期発見・早期治療によって進行を遅らせることが可能です。
「最近物忘れが気になる」「家族の様子が少し変わった」と感じたら、まずは医療機関に相談しましょう。
初期のうちに診断を受けることで、今後の生活設計や介護体制を整える準備ができ、本人・家族ともに安心して生活を続けることができます。
アルツハイマー病と診断されても、周囲の支えと適切な医療・看護体制があれば、自分らしく生きる道は十分にあります。
シンプレ訪問看護ステーションでは、東京都23区や西東京市、三鷹市、調布市、府中市などを中心に訪問看護を行っています。
「アルツハイマー病の在宅ケアについて相談したい」「制度の利用方法を知りたい」といったご相談もお気軽にお問い合わせください。
患者さまやご家族が、安心して笑顔で暮らせるよう、スタッフ一同が全力でサポートいたします。
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