認知症とよく似た精神疾患をチェック
今回この記事では、認知症のと精神疾患の症状について、似ている点・違う点を詳しくご紹介していきます。
認知症について心当たりのある方、そういった方が周りにいる方は参考にしてみてくださいね。
認知症の症状に似た精神疾患とは
そもそも認知症とは?
認知症とは、様々な原因によって脳の神経細胞が破壊・減少することにより、日常生活が送れなくってしまう状態のことを言います。
認知症にはいくつか種類があり、脳梗塞や脳出血・くも膜下出血が発症の原因になる場合があるのも特徴です。
中でも脳にある特殊なタンパク質が蓄積することで発症するアルツハイマー型認知症は、最も患者数が多いと言われています。
一般的に認知症は高齢者が発症することが多いですが30代の若い人でも発症する場合があり、女性の方が患者数が多いと言われています。
認知症の症状に似た精神疾患
認知症の症状に似た症状の精神疾患について、詳しくご紹介していきます。
うつ病
うつ病は、気分の落ち込みや悲しみ、興味や喜びの喪失などの症状が現れる精神疾患です。
うつ病と認知症は、どちらも物忘れが出る病気ですが、その原因や症状は異なり、うつ病のは、新たな事柄を覚えることが苦手になります。
一方、認知症の物忘れは、既に覚えていることを忘れてしまいます。
高齢者てんかん
高齢者てんかんとは、65歳以上の方に多くみられるてんかんです。
てんかんの代表的な症状にはけいれんが挙げられますが、高齢者てんかんの特徴は、受け答えがおかしくなったり、きっかけもなく怒り出したりなど、認知症と似た症状が現われます。
せん妄
せん妄とは、脳の機能が低下することで起こる意識障害の一種です。主に高齢者に見られる症状で、認知症と間違われやすいため注意が必要です。
せん妄の症状は、つじつまの合わない話をする、現実にはないものが見える(幻覚)、時間や場所がわからないなどの症状が現われたりします。
せん妄は、高齢者の場合、たとえば入院などで生活環境が突然変わった際に起こることがあります。
せん妄の場合は数日以内に改善し、あくまでも一時的なものであることが特徴です。
認知症の種類
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー病
脳の変化
・老人斑
・神経原線維変化
特徴的な症状
・認知機能障害
・もの盗られ妄想
・徘徊
・とりつくろい
経過
広範な障害へ徐々に進行
1つ目は、先ほども軽くご紹介した脳にある特殊なタンパク質が蓄積することで発症するアルツハイマー型認知症です。
脳の神経細胞が死滅し、認知機能が低下する進行性の病気です。アルツハイマー型認知症の症状は、人によって異なりますが、一般的に上記のような症状がみられます。
アルツハイマー型認知症の原因は完全には解明されていませんが、加齢、遺伝、生活習慣などが関係していると考えられています。
早期に診断を受けて適切な治療を受けることで、症状の進行を遅らせることができます。
レビー小体型認知症
レビー小体型
脳の変化
・レビー小体の形成
・神経細胞が死滅
特徴的な症状
・認知機能障害
・認知の変動
・幻視、妄想など
経過
良い状態と悪い状態を繰り返しながら進行
レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症次いで2番目に多い認知症です。
記憶障害の程度は軽度ですが、幻覚や手足の振るえなどのパーキンソン症状が現われます。
原因は完全には解明されていませんが、脳の広範囲にレビー小体の蓄積が関与していると考えられられています。
治療には、症状を緩和する薬物療法やリハビリテーション療法が行われています。
脳血管性認知症
脳血管性型
脳の変化
・脳の血液循環が悪くなる
・脳の一部が壊死
特徴的な症状
・認知機能障害
・手足のしびれ
・麻痺
・感情のコントロールが効かない
経過
段階的に進行していく
3つ目は、脳梗塞や脳出血・くも膜下出血により脳血管が損傷を受けたことで発症する脳血管性認知症です。
糖尿病や高血圧、高脂血病などの生活習慣病を患っている方がなりやすいとされています。
また、ストレスや喫煙も危険因子の1つと言われており、日常生活の過ごし方に注意が必要です。
先程ご紹介した記憶障害や見当識障害の他にも、徘徊や判断力の低下なども症状として現れます。
認知症の初期症状
怒りっぽくなった
1つ目の初期症状は、怒りっぽくなるというものです。怒りっぽくなるだけではなく、感情の起伏が激しくなった場合に注意が必要です。
暴力ふるうようになったりや暴言を吐くなどいつもとは違った様子や雰囲気が見受けられます。認知症の初期に怒りっぽくなるのは、脳の前頭葉の機能が低下することが原因です。
前頭葉は、感情をコントロールする役割を担っています。そのため、前頭葉の機能が低下すると、感情のコントロールが難しくなり、怒りっぽくなることがあります。
また、記憶力や判断力が低下することで、周囲の状況を理解できなくなり、不安や焦りを感じ、怒りっぽく頑固になるケースがあります。
意欲の低下
認知症の初期症状には、意欲がなく、趣味や活動をやめてしまうというものがあります。
例えば、以前は楽しかった趣味や活動に興味がなくなったり、以前は積極的に参加していた会合や集まりに参加しなくなったりします。
また、以前はよくしていた家事や仕事が億劫になったり、以前はできていたことを忘れてしまったりします。
以前はできたことに手間取るようになる
認知症の初期症状には、以前はできていた料理や買い物が思い通りにならない、手間取るというものがあります。
例えば、以前は簡単に作れた料理が、レシピを見ながら作ったり、途中で忘れてしまったりすることが増えることがあります。
また、以前は簡単に買い物ができたのに、何を買うべきか分からなくなったり、同じような商品を何度も買ったりすることが増えることもあります。
認知症の治療方法
薬物療法
中核症状の進行を抑制
NMDA受容体拮抗剤
・脳神経の損傷を抑制
・中核症状の進行を抑制
1つ目の治療法は薬物療法です。認知症の治療に使われる薬は上記のように大きく分けて2種類あります。
1つ目は、中核症状の進行を抑えることを目的とした認知機能改善薬を使った薬物療法です。
2つ目は、向精神薬や眠薬を使った薬物療法です。認知症の方に向精神薬を使う理由は、認知症の進行を遅らせたり、幻覚や抑うつなどの症状を改善したりするためです。
向精神薬には副作用が出ることもあります。そのため、向精神薬を使用する際には、医師とよく相談することが大切です。
精神を落ち着かせる薬物治療
睡眠への導入
漢方薬
幻覚・妄想などの症状を和らげる
漢方薬は、認知症に伴う幻覚や妄想、興奮などの症状を改善する効果があるとされています。
抑肝散(よくかんさん)は、上記のような症状によく用いられる漢方薬で、イライラや怒りっぽさを抑える効果があります。
漢方薬は、副作用が出ることもあります。漢方薬を服用する場合は、医師に相談して、副作用のリスクと効果を十分に理解した上で服用するようにしましょう。
認認知症の症状がある場合は、漢方薬などの薬物療法に加えて、リハビリテーションや認知症ケアを受けることも大切です。
非薬物療法
認知機能の維持や回復を目指す
生活リハビリテーション
料理や洗濯などで回復を目指す
園芸療法
園芸を通して記憶や触覚を蘇らせる
音楽療法
音楽を通して自信を取り戻す
3つ目の治療法は非薬物療法です。これは薬を使わずにリハビリテーションなどを行うことで症状を抑えることを目的としています。
生活の質を上げることができ、人によっては薬物療法よりも合っているという場合もあります。
ゲームやパズル等の脳を使う学習療法や、料理や洗濯などの生活上の行為がリハビリテーションとして取り入れられています。
また、園芸や音楽など趣味を活かしたリハビリテーションも、心を穏やかに保つ効果があるとされています。
訪問看護という手段もある
訪問看護は、認知症の患者さんの日常生活をサポートするために行われます。
訪問看護では、認知症の患者さんの身体介護、排泄介護、食事介護、入浴介護、服薬管理などを行い、患者さんやご家族の負担を軽減します。
また、認知症の患者さんの症状を観察し、主治医や関係機関に報告することで、患者さんの状態を把握し、適切な治療を受けられるように支援します。
認知症ならシンプレ訪問看護ステーションがおすすめ
シンプレ訪問看護ステーションの特徴とは
シンプレ精神疾患に特化した訪問看護ステーションでは、うつ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神疾患を持つ患者さんが病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院され精神疾患と診断されている方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
認知症のほかにも精神疾患をお持ちの方の場合は医療保険の訪問看護になります。認知症のみの場合、介護保険の適応となります。
精神科への入退院を繰り返している方や外出が難しい方や、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
認知症とよく似た精神疾患で認知症と似たような症状があらわれる、うつ病、高齢者てんかん、せん妄について解説してきました。
認知症とよく似た精神疾患が疑われる場合は、早めに医療機関を受診して、正確な診断を受けるようにしましょう。
こころの健康問題は抱えこむのではなく、相談することが大切です。
訪問看護のサービスについて聞いてみたい、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っていた、などございましたらお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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