アスペルガー症候群の特徴とは?自閉症との症状違いについても解説!
アスペルガー症候群の特徴として、コミュニケーションが苦手、個人的な強いこだわりを示す、などが挙げられます。ですが、これらの特徴は自閉症などにみられたりもします。
これは現在、アスペルガー症候群も自閉症も自閉スペクトラム症としてまとめられているからです。
今回はアスペルガー症候群と自閉症の違いを解説していきます。
アスペルガー症候群と自閉スペクトラム症
アスペルガー症候群とは?
アスペルガー症候群とは、発達障害のひとつです。アスペルガー症候群では、こだわりの強さや相手の気持ちがわからないといったコミュニケーションの難しさが見られます。
言葉で表現する能力や会話する能力には問題がない場合もあります。そのため、アスペルガー症候群でも、周りからは一見わからないことがあります。
障害がある人というよりは、ちょっと変わった人かなという印象となります。
アスペルガー症候群は自閉スペクトラム症とまとめられている?
アスペルガー症候群は、2013年に発表された診断基準DSM-5において、自閉スペクトラム症(ASD)にまとめられました。
ASDには、コミュニケーションや社会性の困難さ、限定された興味や活動の繰り返しなどの特徴があり、アスペルガー症候群もその一種です。
自閉スペクトラム症の特徴
- コミュニケーションが困難
- 言葉の遅れはあるか
- 知的障害はあるか
- 強いこだわりがあるか
人との関係やコミュニケーションに難しさを感じます。例えば上記のような困難さがあり、あいまいな指示に従うことは難しく、相手の心を推し量ることが苦手です。
さらに、自閉スペクトラム症では、特定の物事への、こだわりの強さが共通してあります。こだわりの強さとは、興味の偏りがある、興味のあることへの集中の高さとして現れます。
アスペルガーとその他の症状の違い
その他の自閉スペクトラム症について
自閉スペクトラム症には、アスペルガー症候群以外に、自閉症や広汎性発達障害があります。それぞれについて、特徴を整理します。
①自閉症
自閉症の特徴の一つに言葉の障害があります。言葉での指示などを理解して従うことができません。また前項でも触れましたが、自分の気持ちを話すことが難しい状況があります。
さらに、聴覚などの感覚の過敏性やこだわりの強さも自閉症の特徴です。自分のこだわりとずれることがあると、感情的に乱れて、ふさぎこんだり大暴れしてしまうことがあります。
②高機能自閉症
高機能自閉症は、知的障害はないものの、言葉の遅れやコミュニケーションの困難さなどの特徴があります。
高機能自閉症の子どもは、成長するにつれて症状が穏やかになることがあります。そのような場合、アスペルガー症候群と区別がつきにくくなります。
3つの疾患の明確な違い
・アスペルガー症候群:少し困難
・自閉症 :とても困難
・高機能自閉症 :困難
言葉の遅れ
・アスペルガー症候群:✖
・自閉症 :〇
・高機能自閉症 :〇
知的障害の有無
・アスペルガー症候群:✖
・自閉症 :〇
・高機能自閉症 :✖
強いこだわり
・アスペルガー症候群:〇
・自閉症 :〇
・高機能自閉症 :〇
アスペルガー症候群、自閉症、高機能自閉症の3つで、明らかに異なる特徴のひとつは、言葉の遅れが、アスペルガー症候群にはないということです。
知的な障害は、自閉症のみにみられます。アスペルガー症候群と高機能自閉症には、みられません。
逆に、共通する特徴としては、コミュニケーションに難しさがあったり、強いこだわりを持っていたりする点です。
自閉スペクトラム症は、子どもが成長する時期に見られる障害であることから、前述した特徴的な違いも、専門家による検査を行わないと完全な判別が難しいといえます。
大人になって初めて気づくこともある
アスペルガー症候群については、コミュニケーションの難しさはあっても、違和感程度の可能性もあります。少し個性的な人、というような印象で受け止められる可能性があります。
その場合、日常生活をほとんど困難なく送れることもあります。そのため、アスペルガー症候群があるということは大人になってから初めて気づくということもあります。
仕事や家庭などで、人間関係につまづくことで、アスペルガー症候群だと気づくきっかけになることがあります。
治療について
治療の詳細
アスペルガー症候群の治療には療育などがあります。他にもどのようなことがあるのか、以下に整理します。
①療育
療育とは、障害の特徴にあわせて、成長をたすけるような支援を特別に行うことです。障害があっても、自立した生活が送れることを目標としています。
成長の度合いや障害の特徴に応じてプログラムが組まれます。接し方などについて養育者も指導をうけることができます。この接し方のポイントは、一般的な保育の場や家庭でも活用できます。
②カウンセリング
アスペルガー症候群は一見して、障害があるとは受け止められないことがあります。しかし、本人はコミュニケーションや人間関係で難しさを感じている場合があります。
本人に改善したい気持ちがあれば、カウンセリングを受けることができます。コミュニケーションの苦手を克服することなど、患者さんの課題解決がカウンセリングの目的です。
③環境の調整
アスペルガー症候群の人は、コミュニケーションや社会性の困難さ、限定された興味や活動の繰り返しなどの特徴があります。そのため、周囲の環境を調整することで、ASDの人がより過ごしやすくなります。
ほかにも、職場での面接などは、一対一を基本として対応してもらうといいでしょう。なるべく少人数の環境が落ち着くため、誤解のないコミュニケーションがとりやすくなります。
家族等のサポートも必要
アスペルガー症候群の障害がある方のご家族は、まずそれを受け止めることが難しい場合もあります。家族には、患者さんを支えることの難しさや不安もあります。
療育や診察では、家族からの相談も受けることができます。療育などでは、家族に接し方のポイントや自立にむけた生活上の工夫などを伝える事があります。
患者さん本人が安心して生活をするためには、家族など身近で支える人も、悩みをかかえこまないことが大切です。
時には投薬治療も行う
- 抗てんかん薬
- 抗不安薬
- 睡眠薬
アスペルガー症候群に伴う不安や焦燥、興奮で日常生活に支障がある場合、薬物療法が行われます。この場合、薬でアスペルガー症候群自体を根本的に、治療することはできません。
精神的な興奮や不安、不眠などの辛い症状を緩和する目的で、薬が使われます。薬を内服することで、環境の調整など他の関わりが行いやすくなる場合があります。
周囲の人からみておかしいということで薬を内服するのではなく、患者さん本人の症状からくる苦痛をやわらげるために、最小限で使用します。
精神科訪問看護を利用してみる
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護では、精神科の知識を持った看護師がお宅を訪問します。アスペルガー症候群があっても、社会で生活できるように支援します。
利用者さんそれぞれの、日常生活や対人関係でのお悩みについて、対応方法を一緒に考えます。服薬に関する心配を聞くことや、服薬のお手伝いをします。
また、精神科看護の立場から、主治医や地域の支援者と連携して支援します。入院をしなくても、利用者さんがその人らしい生活を地域で継続できるように、支援します。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレ訪問看護は、精神科に特化した訪問看護を行っています。利用者さんが主体的にご自身の希望に沿った形で生活できるように支援します。
アスペルガー症候群があって人との関わりに自信が持てない方、感情のコントロールが難しく日常生活に支障があるなどの場合には、私たちにご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションでは、バックオフィスを活用し、ステーションごとの連携も行っています。さらには、地域の支援者の方とも連携をして、利用者さんを支えています。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリアは上記のようになります。
現在訪問先を順次拡大しております。アスペルガー症候群でお悩みで、訪問看護をご希望の方は、ぜひご相談ください。上記の対応エリア以外にも、訪問可能な場合があります。 ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
ここまで、アスペルガー症候群の特徴について整理しました。自閉症や高機能自閉症についても、アスペルガー症候群と重なる点や違う点などを解説しました。
薬物治療では根本的に治ることはなく、不快な症状を和らげることが目的になります。そのため、カウンセリング等の方法を試すことも大切です。
アスペルガー症候群は、一見して障害があることは分からない場合がおおいです。その分、不安な気持ちや生きづらさなどを、患者さんや家族だけで抱えてしまうことがあります。
訪問看護やカウンセリングを利用することで、生活がしやすくなることもあります。アスペルガー症候群でお悩みの方は、シンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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