精神疾患の入院|4つの入院形態・費用・過ごし方と退院後の訪問看護
精神疾患を抱えたとき、「自分や家族だけでは対応が難しい」と感じて入院を検討する方は少なくありません。
しかし、精神疾患の入院にはいくつかの形態があり、その違いや条件を知っておくことはとても重要です。
また、入院生活の流れや入院費用、退院後に利用できるサポートについて理解しておくことで、不安を軽減し安心して治療に専念できるでしょう。
本記事では、精神疾患 入院の基本知識として4つの入院形態や生活の流れ、費用の目安を解説し、退院後の選択肢として精神科訪問看護についても紹介します。
精神疾患における4つの入院形態とは?

精神疾患における入院は、症状や状況に応じて大きく4つの形態に分けられます。それぞれの仕組みを知っておくことで、もしご自身やご家族が入院することになった際も、安心して対応できるでしょう。ここでは、代表的な4つの入院形態を解説します。
①本人の同意で行う任意入院
- 本人が入院を希望する必要がある
- 精神科医が入院の必要性を認めること
- 患者本人の意思で退院可能
任意入院は、本人が精神科病院への入院を希望し、精神科医がその必要性を認めた場合に行われます。患者の自己決定権を尊重する仕組みで、退院についても原則は本人の意思で可能です。ただし、症状が急激に悪化している場合には、医師の判断により一時的に退院が制限されることもあります。
②自傷他害のおそれがある場合の措置入院
- 自分や他人を傷つける可能性がある場合
- 精神保健指定医2名が入院を必要と判断
措置入院は、本人に自傷や他害の恐れがあると判断されたときに、都道府県知事の名のもとで行われる入院です。精神保健指定医2名の診断が必要で、入院先は都道府県が設置または指定する病院に限られます。安全を最優先するための制度と言えるでしょう。
③緊急時に一時的に行う応急入院
- 精神保健指定医が入院の必要性を認めた場合
- 家族などの同意が得られないとき
- 72時間以内に限られる
応急入院は、本人に治療や保護が急ぎ必要であるにもかかわらず、家族の同意が得られない場合に適用される制度です。最大72時間という短期間に限定され、応急入院指定病院で行われます。
④家族などの同意で行われる医療保護入院
- 本人の同意が得られない場合に適用
- 家族の同意が必要
- 家族がいない場合は市町村長の同意で可能
医療保護入院は、本人が任意で入院できない状態にある場合に、家族などの同意を得て実施される制度です。連絡可能な家族がいない場合には、市町村長の同意によって入院が可能となります。
精神疾患で入院したときの過ごし方

精神疾患で入院した場合、生活リズムを整えることが治療の一環として非常に重要です。病棟の環境や患者さんの状態によって違いはありますが、おおまかな一日の流れを知っておくと、不安の軽減につながります。ここでは、精神疾患 入院中の一日の過ごし方を、朝・昼・夜に分けて紹介します。
入院生活の一例(朝の流れ)
- 起床
- 朝食
- 服薬
朝は決まった時間に起床し、朝食をとったうえで処方された薬を服用します。規則正しい生活習慣を取り戻すことが目的で、夜眠れなかった日でも再び布団に戻らず体を起こすよう指導されます。こうした積み重ねによって、自然と生活リズムが整い、退院後の社会生活にも適応しやすくなります。
昼間の活動や治療プログラム
- 回診
- 作業療法などのリハビリ
- カウンセリング・面談
- 昼食
- 自由時間
午前中には医師の回診や看護師・作業療法士との面談があり、治療や生活上の悩みを相談できます。昼食後はリハビリやレクリエーションを行うことも多く、体と心の回復をサポートする時間です。
自由時間には読書や趣味、病棟仲間との交流を楽しむことができますが、気分の落ち込みや躁状態のときは、無理せず静かに休養するよう配慮されます。こうしたプログラムによって、入院生活に安心感を持ちながら症状改善を目指せます。
夜の過ごし方と休養
- 夕食
- 入浴
- 就寝
夜は心身を休める時間帯です。刺激の強いスマホやカフェインは避け、リラックスして眠りにつけるよう工夫されます。必要に応じて睡眠薬を服用し、十分な休養を確保します。
入院中は「安全に休むこと」が最も大切であり、スタッフのサポートを受けながら安定した睡眠習慣を整えることができます。
精神疾患の入院費用について

精神疾患で入院するとき、多くの方が気になるのが「費用」です。入院期間や病院によって金額は異なりますが、基本的には医療保険の適用を受けることができます。ここでは、社会保険・国民健康保険による負担割合や、高額療養費制度など費用を軽減できる仕組みについて解説します。
社会保険・国民健康保険で利用できる制度
国民健康保険:原則として3割負担
高齢者医療制度:前期・後期で1割~3割
公費医療:重度障害やひとり親世帯などは無料、または一部負担
精神疾患の入院にかかる費用は、保険が適用されることで自己負担が軽減されます。保険診療以外にかかる費用としては、食事代やリネン費、日用品などの雑費が挙げられます。こうした出費も含めて、あらかじめ確認しておくと安心です。
また、特定疾患や生活保護を受けている場合には、さらに負担が減るケースもあります。病院の相談窓口や自治体に確認しておくと良いでしょう。
高額療養費制度などの医療費軽減制度
入院が長期化したり治療内容によっては、月ごとの医療費が高額になる場合があります。そのようなときに利用できるのが高額療養費制度です。これは、1か月あたりの自己負担額に上限を設け、それを超えた分は払い戻される仕組みです。所得に応じて上限額が異なるため、事前に確認しておくと安心です。
その他にも、自立支援医療制度や障害者医療費助成制度などを併用することで、さらに経済的な負担を減らせます。精神疾患で入院を検討している場合は、早めに医療機関のソーシャルワーカーや役所の福祉窓口に相談し、どの制度が利用できるか確認しておくとよいでしょう。
精神疾患の治療に精神科訪問看護という選択肢も

精神疾患で入院を経験した方の中には、「退院後の生活をどう過ごすか」に不安を感じる方も少なくありません。そうしたときに活用できるのが、精神科訪問看護です。入院治療が必要な状態から在宅療養へ移行するとき、自宅で継続的なケアを受けられる仕組みとして注目されています。
精神科訪問看護とは?
訪問スタッフ:看護師・准看護師・作業療法士などの専門職
訪問時間:1回30〜90分、週1〜3回(症状によっては週4回以上も可能)
精神科訪問看護は、医師の指示をもとに看護師や作業療法士が患者さんの自宅を訪問し、病状観察・服薬支援・生活指導・家族サポートなどを行うサービスです。外出が難しい方や、精神疾患による入退院を繰り返す方にとっては、自宅で安心して療養できる有効な方法となります。継続的な治療と生活支援が可能になる点が大きな特徴です。
精神科訪問看護を利用するメリット
住み慣れた自宅で看護を受けられる安心感
精神疾患で外出に不安を感じる方でも、住み慣れた自宅で看護を受けられるため、安心感を持ちながら療養できます。訪問スタッフが定期的に訪れることで孤立感が和らぎ、精神的な安定につながります。
日常の会話や観察で病状を把握してもらえる
訪問看護では、看護師や療法士が患者さんと会話をしながら体調の変化を確認します。食欲の低下や不眠などのサインを早期に発見でき、必要に応じて医師と連携して対応できるのが大きなメリットです。
生活支援や社会復帰につながるサービスを受けやすい
訪問看護では、服薬管理や日常生活のサポートだけでなく、就労支援機関や地域サービスへのつなぎ役も担います。社会復帰を目指す際に、就労支援センターやハローワークとの橋渡しをしてくれるケースもあります。
精神科訪問看護ならシンプレ訪問看護ステーションへ

シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しています。対象となるのは、うつ病・統合失調症・発達障害・双極性障害・不安障害・アルコール依存症など、幅広い精神疾患です。
私たちは利用者の自己決定を尊重し、病気と向き合いながらも自分らしい生活を続けられるようサポートしています。病院や行政との連携を重視し、治療や社会復帰を見据えた総合的なケアを行える点が大きな特徴です。
精神科訪問看護を検討している方へのサポート内容
シンプレでは、退院直後の方や在宅療養中の方に対し、以下のような支援を行っています。
- 病状観察や服薬支援
- 再発予防のための生活リズム調整
- 家族へのケアや相談支援
- 就労支援機関・地域サービスとの連携
訪問は週1〜3回、1回あたり30〜90分が目安ですが、必要に応じて回数を増やすことも可能です。土日祝日にも対応しているため、柔軟なスケジュールで利用できます。精神疾患 入院から在宅療養へ移行する方にとって、安心して続けられる支援体制が整っています。継続的なケアが受けられる点が大きな魅力です。
対応している訪問エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリアは以下の通りです。
- 東京都23区、西東京市、武蔵野市、三鷹市、調布市、府中市、東久留米市
- 埼玉県の一部地域
上記以外の近隣市区町村でも、訪問可能な場合があります。対応エリアについてはお気軽にご相談ください。
まとめ|精神疾患の入院と退院後のサポートを理解して安心へ

精神疾患で入院することは、症状の安定や治療を進めるために必要な選択肢の一つです。入院には任意入院・措置入院・応急入院・医療保護入院といった4つの形態があり、状況に応じて適切な方法がとられます。
入院中は規則正しい生活リズムを整えることが治療の一環となり、また費用についても社会保険や高額療養費制度を利用することで負担を軽減できます。
しかし、入院治療だけでなく退院後のサポート体制を考えておくことも重要です。精神疾患 入院を経験した方の中には、再発への不安や生活リズムの乱れを心配する方も多いでしょう。そんなときに役立つのが精神科訪問看護です。住み慣れた自宅で専門職による支援を受けることで、安心して療養生活を続けることができます。退院後の安心を確保するためにも、訪問看護の活用を検討することをおすすめします。
シンプレ訪問看護ステーションでは、東京23区を中心に幅広い地域で精神科訪問看護を提供しており、うつ病・統合失調症・発達障害など多様な疾患に対応しています。入院から在宅への移行期に不安を抱える方や、そのご家族の心強い支えとなれるよう、継続的なサポートを行っています。
入院を考えている方、または退院後のサポートに悩んでいる方は、まずはお気軽にご相談ください。
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