過食してしまう原因は?症状が出た場合の治療法や予防法を解説!

過食とは、行き過ぎた食事量を摂ってしまう行為のことを言います。ポイントは過食とは、単なる空腹からくるものではないことです。
そして過食が行き過ぎると過食症という疾患を患ってしまうのです。では、疾患を患ってしまうほどの原因とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、過食に陥ってしまう原因について見ていきましょう。
過食の原因について
考えられる過食の原因
ストレスを感じ異常に食欲が湧いてしまう
無理なダイエットによるリバウンド
・極端な食事制限をしてしまう
・挫折し食欲が抑えられなくなる
ストレスによる過食は、過度な食欲によるものと食べることによりストレスを解消することを手段としていることがあります。
ストレス解消で食べ過ぎるといったことは普通の人でもよくある事と思われますが、過食はそれに精神的・肉体的苦痛を伴います。
また、極端な食事制限の反動による過食も罪悪感を伴い、悩みや新たなストレスに発展して食欲のコントロールができない事態になる場合があります。
このように過食の特徴はストレスや悩みが原因による暴食に走り、さらに心理的負担が増す悪循環に陥ることが挙げられます。
外発反応性が食欲を促進させる
空腹でない時でも香りや見た目などで食欲を湧いて食べてしまうことがあります。これを外発反応性による摂食といいます。
空腹以外の外的要素に影響されて食べ物を食べてしまう人は味にうるさく、グルメ家で偏食の傾向があるとされています。
また、満腹な状態であっても空腹感を覚え、習慣づいた時間などにつられて許容量を超えた食事をとってしまう場合があります。
このように人の食欲は単なる生理現象ではなく外的刺激や習慣通りの行動により発生してしまう面もあります。それが過食につながる可能性をもっています。
口唇欲求と寂しさも一因
人は赤ん坊の頃に母乳やミルクを飲むことで栄養以外に安心感を得て、母親への信頼を育んでいます。この時期を口唇期と呼びます。
また、口唇期に口から安心感を得たいという欲求を口唇欲求と呼びます。赤ん坊から成人になってもこの欲求は大なり小なり残るとされています。
それがタバコを吸うことや爪を噛むなどに表れる人もいますが、食べることでこの欲求を補おうとして過食に至ってしまう人もいます。
したがって、何かを食べたいと思った時、それが空腹によるものか口寂しさによるものなのか見極めることが大切です。
過食行為から過食症(摂食障害)へ
過食症(摂食障害)の症状
・食欲のコントロールができない
・頻繁に間食する
・食事後の罪悪感から不適切な減量を行う
過食症は以上のような特徴を持ち、摂食障害の1種として分類されており、神経性過食症とも呼ばれています。
また、類似した摂食障害に極度の食事制限により短期間に劇的に痩せていく神経性食欲不振症が存在します。
両者の違いは食事を摂取するかしないかですが、食事への罪悪感や肥満への恐怖など共通点も多く心身の専門的な治療が必要です。
完璧主義であったり、体重の増減があることを自分自身が認められないなどの強迫観念による摂食障害は多くの人を苦しめており、特に女性に多いことがわかっています。
不適切な減量とは
過食症の特徴として、体重を増やさないように強引な手段を使った行動があります。それらを三つほど以下に記していきます。
食物の嘔吐
体重を増やさないために大量に摂食した後、手などを使って体外へ強引に排出する症状が見られます。これを自己誘発性嘔吐と呼びます。
さらに嘔吐による胃酸で歯が溶け、手に吐きダコが見られます。また、体外への排出によりカリウムやミネラルバランスが崩れるといった影響が出ます。
ひどい場合は逆流性食道炎や胃の損傷、致死性不整脈の発生といった事態になる可能性も秘めています。
下剤などの服用
嘔吐以外にも下剤や利尿剤を使用して排出する症状もよく見られ、併せてパーシングと呼ばれる代償行動になります。
嘔吐と同じく体に必要な栄養素などを排出してしまうため、体が飢餓状態になり過食衝動がさらに激しくなるといった悪循環に陥ります。
また、下剤は水分も大量に体から出してしまうため脱水症状が表れる場合も多くあり、また違った危険性をもっています。
食事に関する制限
過度な食事をとる以外の時間は絶食するといった極端な行動も特徴の一つであり、嘔吐や下剤により栄養が取れず体は痩せ細っていきます。
そのような状態になっても太ることを気にして体重の増加につながるようなことはせず、逆に運動などでさらに痩せようと試みることもあります。
命に関わるほど痩せても嘔吐などをすることに快感を覚えてやめることができず、依存してしまうことも珍しくありません。
別の疾患を併発する場合もある
自己否定が強いため抑うつになる
不安障害
不安が不定期に襲う
低カリウム血症
・血液中のカリウム濃度が非常に低い状態
・筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、麻痺症状
・最悪心臓麻痺につながる
虫歯、逆流性食道炎
嘔吐時に胃酸が歯や食道を溶かす
低アルブミン血症
・血管内の水分が血管外に移動する
・身体の一部がむくむ
免疫の低下、便秘
消化器官の機能低下
このように過食症は身体的な影響だけでなく心にも大きな負担をもたらし、うつ病などの精神病を患う可能性があります。
過食症などの摂食障害になりやすい人は自己肯定感が低く、真面目で完璧主義なところがある人が多いと言われています。
また、自分の心のうちを打ち明けることが苦手なため、誰にも悩みを相談できず気づけば症状が表れていることも少なくありません。
過食だけでなくうつ病などを防ぐためには、信頼できる人を作るなどの環境を本人だけでなく、家族や周囲の人間も一緒に築くことが大切だと言えるでしょう。
過食・過食症から抜け出すために
過食の予防方法
・ストレスを定期的に発散する
・食事をストレスのはけ口にしない
無理なダイエットをしない
・一品目のみの食事制限、断食などは行わない
・定期的な軽い運動を行う
健康的な食生活を心がける
一日三食バランスの良い食事を心がける
一番に優先すべきことはストレスを溜めないことです。特に運動はストレス発散にもなりますので、取り入れた方がよいでしょう。
また、理想の体型や体重を追い求めすぎるのも原因となりますので、難しいことではありますが、ダイエットの情報などをシャットダウンすることも予防になります。
また、本人だけでなく家族や恋人も体型などに関する軽はずみな発言は控えましょう。些細な一言がきっかけになる人は多くいます。
最大の予防策は体型などに関する偏見がない社会作りですので、まずは自身の周囲からその環境を作りましょう。
過食症の治療内容
過食症の治療は大きなストレスや体型への偏った価値観を改善させ、ダメージを負った身体のケアも必要です。それらに該当する治療法を詳しく解説していきます。
精神療法(認知行動療法)
過食症の主な治療アプローチとして、認知行動療法が知られています。これは患者の考え方や価値観を楽な方へ修正する治療となります。
具体的には、体型や体重に対する偏見を医師との思考トレーニングによって多面的に捉えるようにしていくといったものになります。
詳細な過食の記録をつけ、その数字を認識することで自分の体重や体型の変化をより現実的に捉えることができます。
カウンセリングとは異なり具体的なその時々の考え方や行動を対話して変えていきますので、時間はかかる場合もありますが将来的な改善が期待できます。
薬物治療
一番に優先すべきことはストレスを溜めないことです。特に運動はストレス発散にもなりますので、取り入れた方がよいでしょう。
また、理想の体型や体重を追い求めすぎるのも原因となりますので、難しいことではありますが、ダイエットの情報などをシャットダウンすることも予防になります。
また、本人だけでなく家族や恋人も体型などに関する軽はずみな発言は控えましょう。些細な一言がきっかけになる人は多くいます。
最大の予防策は体型などに関する偏見がない社会作りですので、まずは自身の周囲からその環境を作りましょう。
精神科訪問看護も利用してみる
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護はその名の通り全ての精神疾患を抱えた方が対象となり、拒食症などの摂食障害も含まれております。
特に拒食症などにより栄養不足の場合、点滴や食事のサポートなども対応できるので体重減少や体力の衰えを防ぐことが可能です。
また、具体的な支援だけでなく胸の内や悩みを傾聴することも精神科訪問看護の基本とするところなので、ストレス軽減に努められます。
そして、患者様のご家族の負担軽減も使命の一つとして捉えているので、お悩み相談なども気軽にできる点もメリットとなります。
過食症でお悩みならシンプレ訪問看護ステーションへ
当ステーションの特徴
シンプレは精神疾患を抱えた患者様やそのご家族に寄り添うサービスを中心に展開しており、それを誇りとする訪問看護ステーションです。
ご利用者様本人の望む自分らしい生活を送れることを優先して考えており、ご利用者様自身の主体性を尊重して支援しています。
また、専門知識をもったスタッフやバックオフィスが常に連携をとり、有事の際には然るべき行政機関や医療機関と連絡をとり対応しています。
安心して生活が送れるように常に気を配って業務に励んでおりますので、お気軽にお声掛けください。
対象となる精神疾患
- 摂食障害
- アルコール依存症
- うつ病
- 自閉スペクトラム症
- 統合失調症
- ADHD
- 認知症
- その他精神疾患全般
対象となる精神疾患は上記以外にもうつ病やアルコール依存症、統合失調症など精神疾患全般がサービス対象となります。
今回、解説した拒食症の場合、栄養不足が見られる方には点滴などの対応や食事の内容を把握して適切なサポートを行います。
また、医師の指示のもとで認知行動療法などの治療のサポートも積極的に行い、患者様にとってより良い生活が送れるよう支援します。
その他にも回復に向けた支援をするだけでなく悩みや吐き出したいことをただ傾聴するなどして患者様の一番望む行動に徹するよう心がけています。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ看護ステーションは上記エリアを中心としてサービスを承っており、日々支援をしています。
また、上記以外のエリアについても対応可能となる場合がございますので、お悩みであればまずはお気軽にご相談ください。
訪問看護ステーションは患者様の自主性を何よりも重んじ、日々精進しておりますので、きっとお役に立てると思います。 ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
過食はストレスや人間関係などの心因性のものや無理なダイエットの反動によるものなど原因は様々あります。
また、口唇欲求や外発反応性による摂食などにより過食症を発症してしまう場合があります。過食症は食事を大量摂食後、嘔吐や下剤で排出しようとする特徴があります。
そのような無理な排出により歯や食道などにダメージを負い、最悪の場合致死性不整脈が発生する可能性があります。
また、精神疾患を併発する事例も多くあるため、治療には心身共に癒して治療して行く必要があり、精神科訪問看護で自宅療養する選択肢も存在します。
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