過食症で病院に行くか悩んだ際に見てほしい!症状や治療法について解説
過食症で病院に行くか、お悩みの方も多いと思います。
過食症は自分ひとりでは対処がなかなかむずかしい病気でもあるため、適切に病院で治療することが大切です。
コントロールできないほど食べ過ぎてしまうなどの過食に困っていて、生活のサポートを必要としている方はシンプレまでお気軽にご相談ください。
病院で治療するべき過食症の特徴
病院で治療するべき過食症には、「神経性過食症」と「過食性障害」の2種類があります。
身体・心の症状の特徴をそれぞれ順番に見ていきましょう。
神経性過食症
神経性過食症は摂食障害の一つで、「むちゃ食い」(気晴らし食い)などと呼ばれており、過食をコントロールできない感覚を伴うい、体重増加を防ぐための代償行為が特徴です。
自己評価が体型や体重の影響を強く受けており、太ることや体重増加への恐怖から、嘔吐や下剤などの代償行為を用います。
自分ではコントロールできない
この神経性過食症の特徴的な症状は、食べる行為をコントロールできず、悪影響があると分かっていても、やめたいと思っていても、食べ続ける強迫的な過食です。
大食いとの大きく異なり、自分では止められない強い苦痛を伴います。
20代女性に多い
神経過食症は特に大学生、就業者、主婦など20代の女性が90%以上を占めていると言われています。
厚生労働省が調査した結果によると、1998年の年間有病率は人口10万人に対し5.1人という割合で、16歳~23歳の女性の有病率は経年的に増加傾向にあると報告されています。
過食性障害
神経過食症とよく似た障害に「過食性障害」があります。過食性障害とは、明らかな食べ過ぎを繰り返し、本人が苦痛を感じる障害です。
自分自身では食べ過ぎをコントロールできず、3か月の間に平均して週1回以上の過食をします。食事スピートも通常より早く、例え空腹を感じずとも、お腹が苦しくなるほどたくさん食べます。
過食は一人など密かに行われ、過食後に自己嫌悪や抑うつ気分、強い罪悪感を感じるなどの特徴があります。
神経性過食症と似た症状
神経性過食症の特徴は、食べすぎたあとに嘔吐をしたり、下剤を使うなど「埋め合わせ行動」をすることです。
一方の過食障害には「埋め合わせ行動」がなく、過食をしたあとはいつも後悔をしダイエットをしますが、自分の体重や体型に関してはあまり関心がありません。
神経性過食症よりも寛解しやすい
自然経過と治療転帰の両研究による寛解(症状がなくなり持続すること)率は、過食性障害の方が、自身でのコントロールが困難な神経性過食症に比べ高いと言われています。
しかし現時点では、その理由について解明されていません。
過食症の症状
過食症の症状について「身体・心の症状」「併存しやすい精神疾患や問題行動」について表にまとめましたので、順に見ていきましょう。
身体・心の症状
まずは神経性過食症の「身体・心の症状」についてです。
・疲労感(倦怠感)
・虫歯
・唾液腺の腫れ
・のどの痛み
・低カリウム血症
・不整脈
・栄養障害
心の症状
・太ることへの恐怖
・痩せたいという強い思い
・不安
・気分の落ち込み
・無力感
・自分を責める
・こだわりが強くなる
過食によって消化器官に負担がかかり、疲労感や虫歯、唾液腺の腫れ、のどの痛みなどの症状が現れます。
また、過食後の排出行為によって、低カリウム血症や不整脈、栄養障害などの症状が現れることもあります。
心の症状としては、自分の体型や体重に過剰なこだわりを持っており、太ることを極度に恐れています。
そのため、痩せたいという強い思いから過食に走ってしまうのです。また、過食によって失敗した自分を責めたり、無力感や不安を感じたりすることもあります。
併存しやすい精神疾患や問題行動
続いて神経性過食症の「共存しやすい精神疾患や問題行動」についてです。
・気分障害
・不安障害
・アルコール依存症
・パーソナリティー障害
問題行動
・自己誘発性嘔吐
・下剤や利尿薬の乱用
・窃盗
気分障害や不安障害を併存している場合、過食や排出行為によって症状が悪化することがあります。
自己誘発性嘔吐や下剤や利尿薬の乱用は、過食症の排出行為の一種ですが、過剰に行うことで体に悪影響を及ぼす可能性があります。
窃盗は、過食症の費用を捻出するために行われることが多く、家族や友人との信頼関係を損なう可能性があります。
過食症の方は、精神疾患や問題行動を併存していることが多いため、治療には精神科医や、臨床心理士などの専門家が連携し、患者さんの健康状態を把握し、適切な治療を行う必要があります。
過食症の原因
過食症は、遺伝的要因も含めた、さまざまな要因が絡み合い起こっています。
過食症の原因と合わせて、過食症になりやすい人の特徴についてもまとめましたので、順に見ていきましょう。
さまざまな要因が絡み合って起こる
過食症の原因は、まだ完全には解明されていませんが、遺伝や環境、心理的な要因などが複合的に影響していると考えられています。
遺伝的な要因としては、脳の機能異常や神経伝達物質の異常も、過食症の発症に関与していると考えられています
環境的要因としては、スリムな体型が美の基準として広く受け入れられている現代社会の価値観や、体型に対する不安やストレスが、発症につながると考えられています。
心理的要因としては、完璧主義や自己肯定感の低下などの性格的傾向、抑うつや不安などの精神症状などが、過食症の発症に関与していると考えられています。
遺伝子的要因も考えられる
過食症を発症する特定の遺伝子はまだ特定されておらず、その原因は完全には解明されていません。
しかし、第10染色体上の領域に連鎖が確認されており、この領域の遺伝子が過食症の発症に重要な役割を果たしているのではないかと考えられています。
過食症になりやすい人の特徴
下記の表に過食症になりやすい人の特徴についてまとめました。
・若い女性
性格
・完全主義
・人に認められたいという思いが強い
・自己評価が低い
・ストレス解消が苦手
完全主義や人に認められたいという思いが強い人は、自分をコントロールしようとするあまり、過食を繰り返してしまうことがあります。
また、自己評価が低い人は、自分を罰するために過食に走ってしまうことがあります。ストレス解消が苦手な人は、ストレスを食事で発散しようとすることがあります。
もちろん、上記のような特徴を持つすべての人が過食症になるわけではありません。しかし、過食症のリスクを高める要因としては考えられるため、注意が必要です。
過食症になってしまった時の病院の受診
それでは過食症になってしまった時の、「受診先の選び方」や「タイミング」「過食症の検査の内容」についても触れていきましょう。
受診先の選び方
過食症の受診先は、主に精神科や心療内科の外来となります。
ただし、体重が著しく少ない、身体合併症がある、食事を全くとれない、精神的に不安定であるなどの場合には、入院療法が必要になることがあります。
外来治療は、通院がしやすいこと、仕事や学校などの日常生活を続けながら治療を受けられ、治療内容やペースを患者さんの状態に合わせて調整しやすいという点が特徴として挙げられます。
入院治療は、24時間体制で医療を受けられること、体重管理や食事療法などの治療に専念できることが特徴です。
受診のタイミング
- 過食や嘔吐、下剤や利尿剤の乱用が続いている
- 体重が著しく増減している
- 月経が止まっている
- 吐きダコやむくみなどの身体症状が現れている
- 抑うつや不安などの精神症状がある
過食症の症状に心当たりのある方の中には、自分で対処できるかもしれないい、過食症かどうかわからないなどと、受診を迷っている方がいるかもしれません。
しかし、過食症は、自分で治すことが難しい病気です。早期に治療を受けることで、回復の可能性を高めることができます。
もし、過食症の可能性があると感じたら、まずはかかりつけ医や精神保健福祉センターに相談しましょう。
医師や専門家と話をすることで、自分の症状や治療についてよりよく理解することができます。
過食症の検査・治療
つづいて過食症の「検査」「治療」「予後」について表にまとめましたので、順に見ていきましょう。
過食症の検査
まずは「過食症の検査」についてです。
歯科検査
心電図
内視鏡検査など
摂食障害は、行動の異常や体重の変化だけでなく、その背景にある心の痛みも伴う複雑な病気です。そのため、診断と治療には、患者さんの人生全体を理解することが重要です。
そのため、生まれてからこれまでの人生について、詳しくお話しいただくことがあります。
摂食障害は、極度の低体重や自己嘔吐、不適切な下剤乱用など、さまざまな身体的なリスクを伴うため、身体面の検査も行い、早期発見・早期治療に努めます。
過食症の治療
次は「過食症の治療」についてです。
・行動療法
・認知行動療法
・対人関係療法
・家族療法
・支持的精神療法
薬物療法
・抗うつ薬
・抗不安薬
過食症の治療は、心理療法と薬物療法の組み合わせが一般的です。心理療法は、上記のように過食症の原因や背景にある心理的な問題を理解し、対処していくための治療です。
薬物療法は、過食行動を抑制したり、過食症に伴ううつや不安などの症状を改善したりすることを目的とし、主な薬物には、上記のようなものがあります。
過食症に伴ううつや不安を改善のため院抗うつ薬、食症に伴う不安やイライラを改善のため抗不安薬が用いられることがあります。
過食症の予後
過食症は、改善と悪化を繰り返すしてしまうことが少なくありません。一時的に症状が回復したとしても、何かのきっかけで再発する可能性があることを知っておきましょう。
特に気分障害や不安障害などの併存精神疾患があると、慢性化や再発につながりやすくなることがあります。
そのため、過食症の治療には、心理療法や薬物療法に加えて、あせらず長期的な視点で併存精神疾患など、治療に取り組むことも大切です。
また、過食症は、本人の意思や努力だけでは克服することが難しい病気です。そのため、家族や友人の理解と協力も欠かせません。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
- 精神疾患に特化
- 利用者様の自主性を尊重
- 利用者様それぞれに合わせた親身な対応
- 医療機関や行政との連携
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、摂食障害やうつ病など、幅広い疾患を対象としています。
病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
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サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。年齢に関わらずご利用することが可能です。
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まとめ
今回は過食症の治療ができる病院や過食症原因や症状、受診時のタイミングなどに関して解説してきました。過食症は特に精神疾患と併発することで、難治化や慢性化に繋がりやすい病気です。
また、現在過食症を規定する基準は明確ではなく、それだけに医師とのしっかりとした問診がとても大切になります。
もし少しでも気にかかる点があるようでしたら、専門的な知識を持った人や周りの人の力を借りながら治療していくことが大切です。
シンプレでは過食症の方の訪問看護も行っております。現在過食症で悩んでいる方や、そういった方がご家族におられる場合は是非一度わたしたちにご相談ください。
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