訪問看護と自立支援医療と負担限度額
自立支援医療とは、訪問看護などの自己負担額を軽減できる制度です。
この制度を活用することで、通院による医療費などの経済的負担が軽減でき、体調の安定や治療に専念することができます。
この記事では、自立支援医療の種類や条件、取得方法などについて詳しく紹介します。
訪問看護にも役立つ自立支援医療ってどんな制度?
外来、デイケア、訪問看護等の自己負担額を軽減できる「自立支援医療」について見ていきましょう。
自立支援医療制度の目的は?
自立支援医療制度は、根本的な治癒が難しいとされる精神疾患の医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度です。
精神疾患は時間をかけてゆっくり回復するのが特徴のため、焦らず治療に取り組むことが大切です。
毎月の診療費や薬代で家計の負担を圧迫するケースも多くみられるため、経済的負担を減らすためにこのような制度ができました。
精神疾患の治療のために医療機関へ通院する場合、基本的には1割負担になります。
対象となる障害や治療例は?
対象となる主な障害:
・精神疾患
治療例:
・通院
・お薬にかかる費用
・精神科デイケア等
更生医療・育成医療
対象となる主な障害:
・肢体不自由
・視覚障害
・内部障害
治療例:
・関節拘縮
・人工関節置換術
・白内障
・水晶体摘出術
・心臓機能障害
・弁置換術
・ペースメーカー埋込術
・腎臓機能障害
・腎移植
・人工透析
精神通院医療の自立支援医療制度が対象になるのは、精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症の方や、通院による精神医療を継続的に必要とする方です。
症状がほとんど消失している方でも、再発を予防するために通院治療を続ける必要があると判断された場合は対象となります。
精神通院医療の他、更生医療・育成医療にも適用され、心身の障害を持つ方のサポートをします。
更生医療では身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の方、育成医療では18歳未満で身体に障害を有する児童が対象です。
自立支援医療の対象となるサービス
- 病院
- 診療所
- 薬局
- 訪問看護ステーション
自立支援医療制度の対象となるサービスは上記のとおりです。各都道府県知事が指定した指定自立支援医療機関において自立支援医療制度を利用することができます。
病院や診療所だけでなく、スタッフが訪ね看護を行う、訪問看護ステーションも対象となっています。
自立支援医療制度を利用すると自己負担額が軽減できて治療を続けやすくなるので、まずは自治体の担当者やケアマネジャーなどに相談してみてください。
自立支援医療の負担限度額は?
基本的には1割負担なのですが、世帯の所得に応じた医療費の上限額が設定されているので、そちらも紹介いたします。
生活保護・低所得層
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
生活保護世帯の場合、月0円の実質負担なしとなります。市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円以下の場合、月2,500円までです。
また、市町民税非課税世帯で、患者さんの1年間の収入が80万円を超える場合は月5,000円までとなっています。
さらに東京都では、低所得1・低所得2の方について「国保受給者証」や「東京都医療費助成制度」などの医療費助成制度が適用され、上限額の自己負担が免除される場合もございます。
詳しくは最寄りの役所窓口にて相談の上ご確認ください。
中間所得層
区分 | 上限額 |
---|---|
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
中間所得層は、住民税が33,000円未満か住民税33,000円以上〜235,000円未満かで区分されます。
費用が高い治療を長く続けなければならない(重度かつ継続)方や、育成医療を受けている中間所得層の方については、さらに負担を軽減する措置があります。
「重度かつ継続」の対象疾病とは、 認知症や高次脳機能障害等の器質性精神障害、統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病、躁うつ病等の気分障害などのことです。
その他、3年以上の精神医療の経験を有する医師によって「集中的・継続的な通院治療を要する」と診断された方も含まれます。
一定所得以上
区分 | 上限額 |
---|---|
一定所得以上 |
20,000円 |
所得が一定以上ある方は、基本的には自立支援医療制度を受けることができませんが、「重度かつ継続」に該当すると判断されれば受けられます。
先述したとおり、「重度かつ継続」の対象疾病は認知症や統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病などのことで、精神疾患の場合は当てはまることが多いです。
一定所得以上の方でも、重度かつ継続に該当する場合はきちんと自立支援医療制度を受けることができるのでご安心ください。
自立支援医療を受けるまでの流れ
自立支援医療を利用するには、利用したい医療機関を申請書に記載し申請する必要があります。流れをチェックしていきましょう。
主治医に相談
自立支援医療制度を利用するにあたり、自立支援医療受給者証と自己負担額管理票が必要です。
先述した「重度かつ継続」に当てはまるかどうかは、医師の記載する診断書で判断されます。
自立支援医療制度の利用を検討している方は、まずは主治医の先生に相談してみることが大切です。
市役所で手続きをする
主治医に自立支援医療診断書を作成してもらったら、必要書類を揃えて市役所で手続きをします。
診断書の他、印鑑、保険証の写し、マイナンバー個人番号確認書類、市民税非課税の方は年収が分かるもの、課税(非課税)証明書などが必要です。
診察券やお薬手帳など、登録したい医療機関と薬局の所在地と名称が分かるものなども必要になります。
地域によって異なる場合もあるため、どんな書類が必要になるのか、事前に市役所に連絡をして確認することをおすすめします。
自立支援医療受給者証・自己負担額管理票が届く
手続きしてしばらくすると自立支援医療受給者証と自己負担額管理票が届きますが、1ヶ月以上かかる場合がほとんどですので早めに申請しましょう。
有効期限は市町村での受理日から1年間となります。(病状や治療方針によっては2年の場合もあります。)
引き続き制度を利用したい場合は再度手続きをしてください。有効期間が終了する3ヶ月前から再認定の申請ができます。
自立支援医療で受けられる精神科訪問看護とは?
「精神科訪問看護」も自立支援医療制度の対象サービスの一つですが、ここからは精神科訪問看護についてご紹介します。
精神科訪問看護の概要
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
ケア内容 | ・日常生活の維持 ・生活技能の獲得 対人関係の維持など |
訪問日数 | 原則 週3日以内 |
精神科訪問看護は「精神科」に特化したサービスです。精神障害者の社会生活機能の回復を目的とし、さまざまサポートをおこないます。
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院され精神疾患と診断されている方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
精神科訪問看護のサポート内容
- 症状のコントロールや治療の相談
- 日常生活の援助
- 対人面の相談
- 気分転換の援助・健康管理
- 服薬管理状況確認、援助
- 家族の悩みや不安の解消
- 社会資源の活用援助
サポート内容は上記のとおりです。精神科訪問看護では、個々の患者さんに応じたプログラムや治療、症状のコントロールをおこないます。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
精神科訪問看護ならシンプレ看護ステーションへ!
最後に、当シンプレ訪問看護ステーションについてご紹介します。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
・統合失調症
・双極性障害
・アルツハイマー型認知症
・適応障害
・アルコール依存
・薬物依存
・知的障害など
主な看護内容
・生活支援
・自立支援
・症状の悪化防止
・服薬支援
・社会復帰へのサポート
・家族の方への支援
当シンプレ訪問看護ステーションでは、精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、さまざまな精神疾患に対応しています。
認知症や統合失調症、アルコール依存、薬物依存、うつ病の方のについても訪問看護を行っています。
看護師など専門職のスタッフが定期的にお宅を訪問し、家庭や地域社会で安心して日常生活を送ることができるようサポートいたします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
当ステーションは、現在、東京都を拠点に訪問看護サービスを展開しております。
記載しているエリアを中心に行っていますが、上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
精神疾患は時間をかけてゆっくり回復するのが特徴のため、家計の負担を圧迫するケースが多い傾向にあります。
経済的負担を減らすために「自立支援医療制度」というものがあるので、サポートが必要な方はぜひご利用ください。
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護サービスで、家族とともに本人に寄り添い、本人らしく生きていけるようサポートします。
ご利用をご検討の際はお気軽にご連絡ください。
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