【ナルコレプシーの治療法】どんなものがあるのかを詳しく解説!
ナルコレプシーとは、強烈な眠気に襲われたり、唐突にその場で寝てしまう病気のことです。
ナルコレプシーは完治が難しい病気ですが、治療で改善することはできます。主に投薬治療ですが、生活習慣の改善でも改善していくことが可能です。
今回はナルコレプシーの治療方法について詳しくご紹介しているので、ぜひ最後までご覧くださいね。
ナルコレプシーの治療について
精神疾患の一つである「ナルコレプシー」は、あまり認知されていない方も多いと思います。そこで、ナルコレプシーとはどんな病気なのか、またその原因や治療方法を見ていきましょう。
ナルコレプシーとは
ナルコレプシーとは、日中に突然強烈な眠気に襲われる病気です。有病率は日本人の場合、600人に1人と、世界で一番高い割合といわれています。
「睡眠発作」とよばれる強い眠気を、仕事の会議中や休憩中だけでなく、運転中や商談などで感じてしまうといった、通常では考えにくい状況の中で眠ってしまう症状です。
本人が眠気に気づく前に眠ってしまう事もあり、とても注意が必要な病気です。
また、大笑いしたり、びっくりしたときに突然手足や全身の力が抜けたり、寝ようとしたときに金縛りにあうなどの症状が現れたるひともいます。
ナルコレプシーの治療について
- 投薬治療
- 生活習慣の改善
ナルコレプシーの治療は、大きく分けて「投薬治療」と「生活習慣の改善」の2種類があります。
「投薬治療」では、中枢神経刺激薬「モダフィニル」を服用することで、睡眠発作や情動脱力発作などの症状を改善します。
「生活習慣の改善」では、規則的な生活を心掛けることで、症状の悪化を防ぎます。
ナルコレプシーの原因
ナルコレプシーは、脳の覚醒状態を維持する物質「オレキシン」の働きが低下することで発症すると考えられています。
オレキシンは、脳の視床下部という部分で作られます。このオレキシンが脳の覚醒を促し、眠気を抑える働きをしています。
ナルコレプシーになると、オレキシンの働きが低下するため、脳が覚醒を維持できなくなり、日中突然眠くなることがあります。
また、オレキシンの働きが低下すると、体内時計のリズムも乱れ、夜の睡眠の質も低下することがあります。
ナルコレプシーの症状を改善するには、オレキシンの働きを高める薬を服用したり、生活習慣の改善を行うことが大切です。
ナルコレプシーの投薬治療
ナルコレプシーの治療で用いられる投薬治療ですが、どのような薬が処方されるのか、また、ナルコレプシーの症状によって服用する薬が異なりますので、具体的に解説していきます。
処方される治療薬
ナルコレプシーの症状緩和のため、処方される薬は「中枢神経刺激薬」と「三環系抗うつ薬」の2種類です。それぞれの薬の効果を見ていきましょう。
①中枢神経刺激薬
・モダフィニル
効き目
・日中の過度の眠気の改善
副作用
・頭痛
・口渇
・動悸
・不眠
ナルコレプシーの症状の一つである「睡眠発作」を改善するためには、中枢神経刺激薬「モダフィニル」を服用します。
モダフィニルは、朝1回服用することで、12時間程度効果が持続します。副作用としては、投与初期に頭痛が生じることが比較的多く、次いで動悸、吐き気、食欲低下などが起きることがあります。
②三環系抗うつ薬
・クロミプラミン
投薬推奨される発作
・情動脱力発作型
効き目
・強い感情を引き金とする急な脱力の抑制
・睡眠麻痺の抑制
・睡眠時幻覚
副作用
・口渇
・頻脈 など
ナルコレプシーの情動脱力発作や入眠時幻覚、睡眠麻痺などの症状を改善するためには、REM睡眠を抑える作用のある三環系抗うつ薬が有効です。
日本で処方されている三環系抗うつ薬の中で、REM睡眠を抑える作用が最も強いのはクロミプラミンです。クロミプラミンは、半減期が約21時間と長く、1~2週間で血中濃度が定常状態に達します。そのため、症状をコントロールするためには継続的に服用する必要があります。
ただし、クロミプラミンには、日中の眠気や消化器系の副作用(吐き気や食欲低下)などの副作用のリスクがあります。そのため、多くの場合就寝前に服用します。
睡眠発作と情動脱力発作の違い
発作の種類 | 概要 |
---|---|
睡眠発作 |
急にその場で 寝てしまう |
情動脱力発作 |
強い感情が出て 力が抜けてしまう |
ナルコレプシーの主な症状として「睡眠発作」と「情動脱力発作」がありますが、2つの発作の違いについて解説していきます。
睡眠発作は日中に突然眠ってしまう発作ですので、なにもきっかけなしに強烈な睡眠が表れます。
情動脱力発作は、喜びや驚きといった強い情動をきっかけに全身の力が抜けてしまい、眠気や眠りに繋がってしまう症状です。
ナルコレプシーの生活習慣改善治療
ナルコレプシーの治療では、薬物治療と並行して、生活習慣の改善を行って治療をする必要があります。
生活習慣の改善とは
ナルコレプシーの治療方法の1つである生活習慣の改善とは、具体的にどのようなことをすればいいのでしょうか?
十分な夜間睡眠をとる・規則的な生活を心がける
日中の眠気を防ぐために、まずは規則正しい生活を送り、夜間に十分な睡眠を取ることが大切です。
人間の体は、夜に寝て朝起きることが基本的な生活習慣ですので、しっかり夜間に睡眠をとることでナルコレプシーの方でも日中の眠気を防ぐことができます。
また、睡眠時間をただ長くとるのではなく、毎日寝る時間と起きる時間を固定することで、生活リズムが整い、規則的な生活をすることができます。
昼休みなどに積極的に短時間の昼寝をする
ナルコレプシーの治療は短期では症状を緩和することができません。なので日中に強烈な眠気を感じている場合は、昼休みなどに積極的に昼寝をするようにしましょう。
昼間に短時間の睡眠を挟むことにより、頭がすっきりして眠気を緩和させることができます。
また、眠気を感じたら我慢をしすぎず、15分ほどの短時間睡眠をとることにより、段階的にナルコレプシーの症状を緩和させることも大切です。
カフェインを適宜摂取してもよい
・ブラック
・カフェオレなど
お茶
・緑茶
・紅茶
・抹茶など
その他
・ココア
眠気を感じたら、カフェインを適宜摂取するのも効果的です。カフェインは、コーヒー豆、カカオ豆、茶葉などの食品植物に含まれている成分です。
カフェインは中枢神経に作用して興奮を促すので、眠気やだるさを取り除くだけでなく、知的作業能力や運動能力を高めたりもします。
しかし、カフェインに弱い方が摂取すると、めまいや神経過敏、吐き気や下痢を起こすケースがありますので、摂取量には気を付けるようにしましょう。
上手くナルコレプシーと付き合う生活が大切
ナルコレプシーを完治させることは難しく、薬物治療と生活習慣の改善を行っても、早期に効果が現れるとは限りません。
眠気や脱力感などの症状を緩和させるためには、日々の薬の服用を継続的に行う必要があります。薬の服用を中断したり、不規則な生活に戻ったりすると症状が悪化することにつながります。
なので治療を先急がずことなく、上手く病気と付き合い、根気よく治療を継続することが大切です。
精神科訪問看護で治療のサポートを
精神科訪問看護は、社会復帰に向けて障害や病気をお持ちの方をサポートするサービスです。
ナルコレプシーの治療は当事者やその家族だけで抱え込むことなく、周りのサポートが必要な場合もあります。
精神科訪問看護はスタッフが定期的に自宅を訪問し、生活リズムの調整を行っていくので、ナルコレプシーの方の治療がよりよい方向に進むようサポートをしたり、ご相談があれば利用者のご家族様のサポートも行います。
精神科訪問看護とは?
精神科訪問看護の概要
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
精神科訪問看護は、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護サービスで、家族とともに本人に寄り添い、本人らしく生きていけるようサポートします。
一人ひとりに向き合った心のケアを大切にしています。ナルコレプシーの症状でお悩みで、訪問看護のご利用検討されたい、一度話を聞いてみたい等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
精神科訪問看護の内容
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院され精神疾患と診断されている方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
精神科訪問看護では、日常生活の介助や心のケアだけではなく、服薬の管理や、ご相談があればご家族様へのサポートなども行います。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担 | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担 | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
ナルコレプシーでお悩みならシンプレ訪問看護ステーションへ
シンプレ訪問看護ステーションが行っている精神科訪問看護とは何なのかを具体的に解説していきます。また、シンプレの利用可能エリアなども見ていきましょう。
シンプレ訪問看護ステーションって?
シンプレ訪問看護ステーションは、精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供している事業所で、治療がよりよい方向に進むようサポートをしたり、ご相談があれば利用者のご家族様のサポートもいたします。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
お子様からお年寄りまで幅広い世代まで利用可能で、一人一人の考え方、価値観を大切に、思いやりを持った訪問看護サービスを提供しています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では日中に強烈な眠気を伴ったり、感情的になると脱力感が出るナルコレプシーの治療方法について解説してきました。
ナルコレプシーを治療するには投薬治療と生活習慣の改善が必要になるのですが、生活習慣の改善にはサポートが必要です。
家族だけではサポートが難しい場合は、精神科訪問看護を利用するのも一つの選択肢です。
訪問看護のサービスについて聞いてみたい、どこに相談をしたらいいかわからなくて困っていた、などございましたらシンプレ訪問看護ステーションへお気軽にお問い合わせください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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