【強迫性障害】恐怖・不安・こだわりなどの症状について解説!

強迫性障害の症状は玄関の鍵やガス栓を閉めたかどうかが気になるあまり家に何度も戻ってしまったり、汚れなどの恐怖から消毒などを過剰にくり返すなどがあります。
キレイ好きや少し神経質なだけだと深刻にとらえず進行し、うつ病など他の疾患を患ってしまう事も珍しくありません。
自分ではひどくない症状だと感じている方も心当たりのある場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
強迫性障害の主な症状
不潔恐怖と洗浄
不潔恐怖、洗浄行動とは、不潔だと感じるものに触れなくなったり、手やモノが汚れているのではと感じてしまうことから何度も繰り返し手を洗ったりすることをさします。
手を洗いすぎるあまり、ひどい手荒れを起こしてボロボロになっている方を見かけることも少なくありません。
何度も同じ食器用スポンジを使えない、歯ブラシを毎日新しいモノに替える、排便後の自分を汚く感じてしまうなどの症状などもよく見られます。
こうした行為は次第に手順が込みいっていき、何時間もかかる儀式になるなど、日常生活に大きな支障をきたすことが多いといわれています。
加害恐怖
加害恐怖とは自分の不注意などで他人に危害を与えてしまったのではないか、傷つけてしまったのではないかと不安になってしまい強迫観念が頭から離れない症状のことです。
例えば、刃モノを見ただけで、人に危害を加える自分をイメージしてしまうことや車の運転中に誰かをひいたかもしれないと不安になることなどがあげられます。
鈍器や車など、暴力にも使用できるようなものを見ると、加害者となる恐怖に悩まされてしまい、日常生活が困難になってしまいがちです。
とはいえ加害恐怖が実際に犯罪を起こしてしまう訳ではないため、そこまで深く心配する必要はありません。
確認行為
「確認行為」とはカギ、戸締り、ガス栓、電気のスイッチなどを何度も確認したり、じっと見はったり、指さし確認をしたり、手で触って確認したりすることをさします。
何度も戻ってきては確認しなければ気が済まないため、外出がおっくうになることや「遅刻」「欠席」をするなど生活上の支障をきたす場合が多いです。
またこういった確認行為を本人のみならず、家族にも強要してしまうケースが少なくありません。
自分ではばかばかしいことはよくわかっていても気になってしょうがない、気づけば何十回も確認してしまうというのが「確認行為」の特徴です。
その他の症状
- 儀式行為
- 数字へのこだわり
- 物の配置、対称性などへのこだわり
そのほかの症状として、いつどんな時でも同じ手順で行動しようとする「儀式行為」や不吉と感じる数字や幸運とされる数字に過剰なこだわりを見せる「数字へのこだわり」などがあります。
儀式行為は途中で手順を間違えるとはじめからやり直そうとし、1つのものごとを終えるまでに時間がかかるというのが特徴です。
また数字へのこだわりを持っている方はテレビ、時計、カレンダーなどさまざまなものから数字を拾い、不吉な数字を見つけるとそれを打ち消すために別の数字を思い描いたりします。
これら以外にも、物の配置や対称性に一定のこだわりを持ち、必ずその通りになっていないと不安を感じるといった方もいたりと強迫性障害の症状はさまざまです。
強迫性障害の原因
強迫性障害の原因はいまだに明らかになっていませんが、気質要因、環境要因、遺伝要因、生理学的要因などが発症に影響を与えていると考えられています。
例えば「幼少期に教えこまれたこと」「強いストレスを引き起こす出来事や虐待」「セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の異常」などが上記要因に該当します。
また物事に対してネガティブな感情を持ちやすかったり、回避してしまう行動パターンをとってしまったりする場合も強迫性障害を発症しがちです。
このように強迫性障害の明確な原因ははっきりとわかっていませんが、研究で明らかになっている部分もあり、積極的に治療に取り組めば治すことも可能とされています。
強迫性障害と併発しやすい疾患
- うつ病
- 不安障害
- 強迫性パーソナリティー障害
強迫性障害の人はうつ病、不安障害、強迫性パーソナリティー障害、チック症、摂食障害などほかの精神疾患を合併するリスクが高いと言われています。
特にうつ病に関しては「強迫性障害の人が一生の間で発症するリスク」が65%近くと考えられているので注意が必要です。
また強迫性障害は以前は、不安を主症状とする「不安障害」の一種とされていました。
しかし不安や恐怖よりも嫌悪感や道徳心と結びついている症状が多いことから、現在では不安障害から独立した思考や行動の病気に分類されています。
強迫性障害かもしれないと感じたら
専門家に頼る
- 戸締り確認で家に戻り約束の時間に遅刻する
- 日々の不安から心身ともに疲れている
- 強迫観念に周囲の人を巻き込んでいると感じる
強迫性障害は、誰もが生活のなかで普通にすること(戸締りの確認や手洗いなど)の延長線上にあります。
「もしかしたらちょっといきすぎか」なのか「自分は少し神経質なだけ」という判断はむずかしいところです。
例えば戸締りの確認や手洗いに時間をとられたり、火の元を確認しに家に何度も戻ったり、家族にも確認を強要したりといったことが強迫性障害の症状として考えられます。
このような症状が見られる場合には本人が「病気という程ひどくない」と感じていても医療機関に相談した方がよいでしょう。
強迫性障害の方への接し方
強迫観念や強迫行為はやめたいと思いながらも「自分の意思に反して」やめられずにいるということを理解してあげてください。
不安を解消するために強迫行為をしてしまっているので、無理やりやめさせるようなことはせず可能な限り見守ってあげることが大切です。
また少しでも強迫行為が減った場合は、それを見過ごさず評価したり褒めたりすることで「できるイメージ」がついていくでしょう。
強迫性障害の人は周りが思っている以上に強迫観念、強迫行為に苦しんでいるので、まずは病気であることをきちんと理解してあげることが大切です。
強迫性障害の治療
心理療法
強迫性障害の場合、認知面からのアプローチが困難なため「暴露反応妨害法」という行動面からのアプローチ行っていくことがあります。
意識的に行動し、症状が出ても我慢することで「不安に慣れる」「認知の変化を見つめる」というのがこの治療の目的です。
しかし、こういった心理療法はエネルギーを使うことが多いため、精神的に落ち着いているときに行っていく事が大切でしょう。
心理療法は地道な積み重ねが必要にはなりますが、少しずつ改善していくことで行動範囲やできることが広がっていきます。
薬物療法
強迫性障害での薬の目的は、「心理療法を進めるために気持ちを落ち着ける」「強迫観念によるとらわれを少しでも薄れさせる」といった2つです。
基本的にはセロトニンの働きを強める抗うつ剤(SSRI)を使用しますが、うつ病などと比べると薬の服用量が多くなりがちです。
抗うつ剤を充分につかっても効果が不十分な場合は、ドーパミンの働きを抑える抗精神病薬が有効な場合もあります。
このように強迫性障害の治療には抗うつ剤(SSRI)や抗精神病薬を使用しますが、ご自身に合った薬を選ぶことと平行して心理療法を行っていくことが大切です。
相談窓口
・よりそいホットライン
・こころの健康相談ダイヤル
電話・窓口
・保健センター
・精神保健福祉センター
強迫性障害でお悩みの方の問い合わせ窓口として、電話相談ができる「よりそいホットライン」や幅広い相談に対応している「保険センター」「精神保健福祉センター」などがあります。
「よりそいホットライン」は24時間電話相談の受付をしており、相談内容に応じて、対面相談に切り替えてくれたり、公的機関につなげたりしてくれるのが特徴です。
また保健センター、精神保健福祉センターは各センターの規模にもよりますが、医師や精神保健福祉士、臨床心理士などの専門家が在籍しています。
今すぐ誰かに話を聞いてほしかったり、1人で抱え込んで辛かったり、周りに相談できる人がいなかったりする場合にはぜひこういった相談窓口に問い合わせてみてください。
精神科訪問看護という選択肢も
精神科訪問看護とは?
・精神科・心療内科に通院中の方
・精神疾患の診断を受けた方
・診断がなくとも医師が必要と判断した方
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱えるかたや精神的な理由で不安があるかたに対して、看護師などの専門職がご自宅におうかがいし、支援するサービスです。
同時に家族への支援も実施し、利用者さまを取り巻く環境全体を整えていく役割も担っています。
精神科訪問看護の1回の訪問時間は30分~90分が一般的で、料金については医療保険が適用されるのが特徴です。
利用対象者は「精神科・心療内科に通院している」「精神疾患の診断を受けた」といった方々ですが、少しでも気になった場合は一度相談する事をおすすめします。
精神科訪問看護のメリット
- 自宅に居ながら専門的なケアが受けられる
- 自宅での様子を主治医に連携できる
- 対人関係や日常生活の支援を受けられる
精神科訪問看護のメリットは、自宅に居ながら専門的なケアが受けられたり、自宅での様子を主治医に連携できたりする事です。
以前は、医療サービスを受ける場合、病院に行くのが基本でしたが、高齢化に伴い医療サービスの需要も増え、精神科訪問看護のサービスが増えていきました。
病気が治るまでずっと病院で治療をうける必要がなく、退院後すぐに自宅でのケアに移行できるのも訪問看護のメリットの1つです。
また自宅に訪問してもらえる事で、日常生活における悩みの解決にもつながるでしょう。
精神科訪問看護の料金
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担![]() | 3,897円 | 2,565円 |
2割負担![]() | 2,598円 | 1,710円 |
1割負担![]() | 1,299円 | 855円 |
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
精神科訪問看護では、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、長時間の訪問を行う場合は別途料金が発生します。
また自立支援医療制度いう制度を利用すると料金が1割負担になるほか、所得に応じて自己負担が0円になる場合もございます。
自立支援医療制度(精神通院)
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護![]() |
0円 |
低所得1![]() |
2,500円 |
低所得2![]() |
5,000円 |
中間所得1![]() |
5,000円 |
中間所得2![]() |
10,000円 |
一定所得以上![]() |
20,000円 |
表の料金は所得に応じた医療費の月額自己負担額の上限額となっております。
表の料金を超えた場合には、自己負担なしで医療が受けられます。
自立支援医療(精神通院医療)制度はすべての精神病を対象に、継続的な通院をしている人が申請・利用できる制度です。
この制度を利用することで、3割負担の医療費が1割負担まで軽減されるという大きなメリットがあります。
全ての医療機関で1割負担になるわけではなく、登録を行った病院・薬局・精神科訪問看護などの医療機関で対象となるため注意が必要です。
また状況にもよりますが月間の自己負担額に上限が定められるので、原則として上限を超える分の医療費は負担する必要がないのも特徴の1つでしょう。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
シンプレ訪問看護ステーションは、精神疾患をお持ちのかたの看護に特化しており、さまざまな精神疾患に対応が可能です。
各医療機関や行政と常に連携をとり、多方面から利用者さまをサポートできるよう心がけております。
また訪問看護に入らせて頂くうえで、地域で暮らす精神疾患のあるかたの自主性を尊重しているのもシンプレ訪問看護ステーションの特徴です。
強迫性障害の症状に該当するのかわからない、病気なのかどうかの判断ができないといった場合でもぜひ一度お気軽にご相談ください。
シンプレで対象となる精神疾患
・不安とりつかれて、なかなか離れない
・何度も確認しないと気が済まない
不安障害
・些細なことに不安や恐怖を感じ日常生活に支障がでる
・イライラや恐怖で夜よく眠れない
うつ病
・気分の落ち込みや意欲の低下
・体のだるさや痛み
シンプレ訪問看護ステーションでは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、強迫性障害、不安障害、うつ病などさまざまな精神疾患に対応しています。
精神疾患を抱えている方の中には、日常生活が困難になったり、人とのコミュニケーションがうまくとれなくなったりすることもあるでしょう。
シンプレ訪問看護ステーションでは、そういったお悩み、不安点についてご相談に乗り、症状や病気の回復にむけてサポートさせていただいております。
どんな小さなお悩みやご相談でも受付けしておりますので、お気軽にご相談ください。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・武蔵野市
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・新座市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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まとめ
強迫性障害の症状は「不潔洗浄」「加害恐怖」「確認行為」「儀式行為」「数字へのこだわり」「ものの配置、対称性などへのこだわり」とさまざまです。
また原因に関しても性格、生育歴、ストレス、感染症など多様な要因が関係していると考えられていますが、はっきりとわかってはいません。
しかしストレスをうまくかわせるようにしたり、無理のない生活を遅れるように心がけたりすることで症状の悪化や再発を防ぐことができるでしょう。
シンプレ看護ステーションでは、精神科に特化した専門スタッフが適切な方法でサポートいたします。
強迫性障害の症状で不安なことや気になることがあれば、どんな些細なことでもご相談に乗らせていただきますので、お気軽にご相談ください。
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