【ADHDの診断基準】受診から診断までの流れや症状の特徴について解説
ADHDは落ち着きがない、不注意が多いなどの一見しただけではわかりにくい症状が特徴の病気です。
そのため、診断基準も難しく、大人になるまで病気と診断されずに生きにくさを感じている方も多くいます。
ADHDかもしれないと困っていて、生活のサポートを必要としている方はシンプレまでお気軽にご相談ください。
ADHDの診断基準
ADHDの診断指標
・活動中に注意を持続することが困難
・話を聞いていないように見える
・課題を順序立てることが困難
・必要なものをよくなくす
・外的な刺激によってすぐに気が散る
・日々の活動で忘れっぽい
多動性・衝動性
・不適切な状況で走り回る
・じっとしていられない
・喋りすぎる
・質問が終わる前に答え始める
・順番を待つことが困難
・他人を妨害し、邪魔をする
ADHDの診断に診断基準が設けられており、上記は「DSM−5」の場合の診断基準です。
この診断基準のうち「当てはまる項目が6つ以上ある」「6ヶ月以上症状が持続している」「学業に影響を及ぼしている」といったことが基準です。
診断は、精神科、心療内科、メンタルクリニック、などの医療機関で行われます。医師や看護師から問診があるので、思うことを素直にそのまま話しましょう。
家族や友達、職場の人などの身内には言いにくい話でも、第三者である専門家になら心置きなく話せます。
病院は守秘義務を守るため、決して他の人に事情を漏らすことはありません。ありのままの気持ちを伝えれば大丈夫です。
受診から診断までの流れ
現在の困りごとやこれまでの既往歴・発達歴などの聞き取り
②チェックリストなどによる評価
行動評価尺度や子供の行動チェックリストを使用
③知能・学習能力の評価
描画テストや田中ビネーなどを使用
④医学的検査
脳波検査、CT、MRIなど
⑤診断
①~④で得られた情報から包括的に診断
まずは問診です。本人や付き添いの家族から普段の様子について聞き取ることで、症状の原因や治療方針について考えます。
内面や性格、普段の仕草に関わることは、かなりプライベートであり、人に話すのは抵抗があるかもしれません。
医療スタッフはADHD患者さんの生活を良くしたいと思って話を聞いています。頼りになるはずなので、勇気を持って話してみましょう。
子供の場合は自分で症状を説明するのは難しいことが多いため、チェックリストやスケール、知能検査を活用して客観的に評価します。
CT・MRI、脳波検査では、脳の状態を画像で視覚的に評価します。このような検査結果をみて、医師が総合的に診断していきます。
ADHDと間違われやすい病気
ADHDは、パーソナリティー障害や気分障害と似た症状が出ることがあるので、鑑別が難しい疾患です。そのため、誤診される可能性は否定できません。
また、精神の安定を求めてアルコール依存症や薬物依存症を合併してしまうこともあります。他にも、ギャンブル、恋愛、ネットなど、依存対象は様々です。
ADHDに限らず、精神疾患は基本的に他の精神疾患と鑑別がつきにくいため、メンタル面の異常を感じたら出来るだけ早く専門機関で相談するのが重要になります。
真面目で優しい性格の人ほど他人に頼らず解決しようとするため、勇気を出して相談するのが大切です。
ADHDと併存しやすい精神疾患
・学習障害
・運動能力障害
・広汎性発達障害
情緒的障害
・気分障害
・適応障害
・強迫性障害
神経性習癖
・チック症
・排泄障害
行動障害
・反抗挑戦性障害
・行為障害
よく上記のような精神疾患が併存します。社会の場でストレスを抱えやすいことや、病気について周囲の理解を得られにくいことで、メンタル不調になりやすいからです。
例えば、忘れ物が多いと「準備不足」、提出期限に間に合わないと「サボってた」、といったように思われてしまうことがあります。
しかしADHDの場合は、単なる怠けでこのようなミスをしているわけではありません。自分なりに頑張った結果なのです。
決して手を抜いているわけじゃないのにケアレスミスを連発してしまう状態であり、余計に頑張ろうとして心が疲弊してしまいます。
ADHDの二次障害
主なADHDの二次障害には、うつ病、不安障害などの精神疾患があります。
学校や職場といった社会の場で失敗を繰り返すことで自尊心が低下し、メンタル不調に陥りやすいからです。
特に、まじめで責任感が強く、完璧主義な人のほうが、上記のような二次障害を引き起こしやすくなります。
真面目すぎる性格がゆえ、他の人も同じようにできない自分を過剰に責めたり、自分を嫌いになったりしてしまうのです。
診断基準が難しいADHD
ADHDとは
ADHDとは、不注意・多動性・衝動性の3つの症状がみられる発達障害のことで、「注意欠如・多動性障害」とも言われます。
ADHDの特徴
ADHDの症状は、一見、性格や気持ちの問題のように思えるかもしれませんが、多動・不注意・衝動からくる言動により、日常生活に支障をきたしてしまう場合もあるのです。
子供であれば学校、大人であれば職場で過ごすのが困難になり、社会に馴染みにくさを感じながら生活している状態になります。
ADHDは意外と多い疾患
ADHDの有病率は5%前後です。つまり、およそ20人に1人がADHDということになります。クラスや職場に1人いるくらいの割合だと思えば、割と身近な疾患なのです。
また、ADHDの症状が出ているのにも関わらず受診していない人のことも考慮すると、患者数はさらに多いことが予測されます。
他の精神疾患との併存も多い
ADHDが原因で、他の精神疾患を発症してしまうことがあります。ADHDの症状が学校生活や会社での仕事に影響を及ぼし、心が病んでしまう場合が多いからです。
具体的には、うつ病、双極性障害、不安症、不眠症などがあります。症状が複雑に絡み合うと根本の原因が分かりにくいため、はっきりした診断はつけ難いのです。
ADHDの原因
ADHDの原因は、はっきりとはわかっていませんが、脳の機能的な異常が関係していると考えられており、遺伝や出産時の障害、環境的要因などが複雑に絡み合っていると考えられています。
具体的には脳の働きや神経伝達物質のバランスの乱れなどです。また、家庭環境や学校環境も影響する可能性があると考えられており、研究が進められています。
ADHDの症状
多動性
・落ち着いて座っていることが困難
・遊びなどに落ち着いて参加することが困難
・過度にお喋りが多い
大人の症状
・落ち着きがない
・貧乏ゆすりなど、目的のない動きが多い
多動性からくる症状は分かりやすいため、ADHDだと気付きやすいです。特に、大人よりも子供の方が顕著に現れます。
例えば小学生の時、授業中に教室を立ち歩いていたり、先生の話を聞かずに注意されている子はいませんでしたか?これらはADHDの多動による症状です。
大人の場合だと、一見ただの癖に思えるような行動が、多動性の症状として出ている場合があります。
具体的には、貧乏ゆすりがよくある例です。貧乏ゆすりに限らず、いつもなんとなくソワソワして落ち着きがない人も、ADHDの多動性として症状が出ているかもしれません。
衝動性
・質問が終わる前に答えてしまう
・順番を待つことが難しい
・他人がしていることを遮ったり、邪魔をしてしまう
大人の症状
・思ったことを口に出してしまう
・衝動買いをしてしまう
衝動性からくる症状が出ている場合は、一旦考えてから行動に移すのが苦手です。とにかく待つことができません。
例えば一般的には、会話している時なら「まず相手の話を聞いてから意見しよう」、買い物をする時なら「同じものを持っていないか確認してから買おう」と考えます。
しかし衝動性が強いと、人の話を聞く前に自分の伝えたいことを伝える、欲しいと思った瞬間に購入する、といった行動になってしまいます。
思考よりも行動が先行している状態のため、周りの人からは「自分勝手」「計画性がない」などのように思われてしまいがちです。
不注意
・勉強などでケアレスミスが多い
・活動中に集中し続けることが困難
・興味のあることに集中しつづけてしまう(切り替えが困難)
・話を聞いていないようにみえる
・課題などを順序立てておこなうことが困難
・同じことを繰り返すことが苦手
・必要なものを失くしてしまう
・忘れっぽい
・気が散りやすい
大人の症状
・仕事などでケアレスミスが多い
・忘れ物、失くし物が多い
・約束を守れない
・時間管理が苦手
・片づけが苦手
・仕事などを順序立てておこなうことが苦手
不注意はADHDの症状の中でも、とくに問題視されやすい傾向にあります。なぜなら、不注意からくる症状は他の人にも影響を与えることがあるからです。
例えば、締め切りまでに提出物を出せない、大事なものを失くしてしまう、などの管理能力が問われるミスは、他人に迷惑をかけてしまいます。
周りからは「責任感がない」「だらしない」などのレッテルが貼られてしまい、自尊心の低下につながるのです。
本人は真面目に頑張っているのにも関わらず、周りからはダメ人間な印象を与えてしまうところが社会で上手くいかないポイントです。
ADHDの治療
心理社会的治療
患者本人が取るべき方法を
理解しやすいように環境を整える
ソーシャルスキルトレーニング
状況に応じて適切な対応を取ることができるように
社会ルールやマナーを訓練する
ペアレントトレーニング
患者の親に対して、患者への関わり方などの訓練をする
まずはADHDの症状があっても社会生活に支障をきたさないように、環境を調整するのが大切です。
ケアレスミスを減らす方法、集中力を途切れさせずに作業する方法など、やり方を工夫することで解決できる問題もあるでしょう。
ソーシャルスキルトレーニングでは、社会に出たら守るべきマナーやルールを訓練できます。とくに学校や職場での人間関係の形成に役立つトレーニングです。
子供の場合はペアレントトレーニングが有効になります。子供にとって親の影響は非常に大きいため、親の関わり方によって症状を改善させられる場合もあるのです。
薬物療法
症状に合わせて3〜4種類の飲み薬で治療します。ADHDの治療薬として、具体的な薬剤名には「コンサータ」「ストラテラ」「インチュニブ」といったものが挙げられます。
また、抗うつ薬や抗てんかん薬など、症状を楽にするための薬が処方されることもあります。ADHDの根本ではなく、症状に対してアプローチする薬です。
処方された薬は絶対に自分の判断で中断したり、飲む量を変えたりしてはいけません。
薬の飲み方について思うことがある時は、必ず担当の医師や看護師、薬剤師に相談し、自己流の飲み方をするのはやめましょう。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
シンプレの特徴
- 精神疾患に特化
- 利用者様の自主性を尊重
- 利用者様それぞれに合わせた親身な対応
- 医療機関や行政との連携
当訪問看護ステーションでは、精神疾患を抱えた方が上手く病気と付き合いながら、自分らしく生きていくためのサポートをしています。
日常を過ごすなかで、世の中の生きにくさや違和感を覚えるようであれば、気軽に相談してください。
学校や職場での人間関係、勉強・部活・仕事が上手くいかなくて悩んでいるなど、どんなことでも構いません。まずは気軽に連絡してみましょう。
実際には訪問看護のサポートが不要だったとしても、自分以外の誰かに胸の内を話すだけで、気分が変わるかもしれません。
シンプレの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
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シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは上記中心に行っています。
対応エリア外でも近隣エリアであれば対応できることがありますので、お気軽にお問い合わせください。
お子さまからお年寄りのかたまで年齢問わずご利用いただけます。サービス内容についてもご質問やご相談も承っております。
また、TwitterやLINE、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますのであわせてご覧ください。
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まとめ
今回は、ADHDの診断基準の受診から診断まで、ADHDのそれぞれの特性を見てまいりました。
学校や職場で人間関係を苦手に感じていたり、できない自分を責めて落ち込んでいたりする方は、1人で抱え込まずに、専門的な知識を持った人や周りの人の力を借りながら治療していくことが大切です。
ぜひ一度、お気軽に医療機関や、わたしたちシンプレ訪問看護ステーションへご相談ください。
あなたの自身の魅力を生かし、社会に出て健康的に活躍できるようにサポートさせていただきます。
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