【ADHDについて】前頭葉との関係性や二次障害の特性や症状について解説
発達障害のひとつのADHDですが、前頭葉が関係性が指摘されていることを知っていますか?
ADHDは、落ち着きが無かったり時間が守れなかったりするため、生活で困ることも多い障害です。
今回は、ADHDと前頭葉の関係について詳しく解説します。ADHDの相談ができる場所も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ADHDと前頭葉の関係性
ADHDと前頭葉の関係性
現状、ADHDの発症原因は完全には解明されていませんが、脳の前頭前野の前方にある前頭葉の機能障害が原因であると考えられています。
脳の前頭部にある前頭葉は、運動や思考など、さまざまな機能を司る部分で、前頭前野は思考や判断、コミュニケーションといった人間らしい行動を担っているとされています。
ADHDの方は前頭前野の機能に偏りが生じており、そのために不注意や多動性といった特性が表れていると考えられています。
脳内の神経伝達物質の量が少ない
ADHDの原因として、脳の構造や機能の問題が挙げられています。その中でも、情報や刺激を伝達する神経伝達物質の働きに障害が起きているという指摘がされています。
神経伝達物質は、脳内の神経細胞同士の隙間であるシナプス間隔を通って情報などを伝達する役割を担っています。その中には、興奮や意欲に関わるドーパミンやノルアドレナリン、抑制に関わるセロトニンなどがあります。
ADHDの方では、これらの神経伝達物質の量が少ないことや、働きが不十分であることが指摘されています。
ADHDとは
ADHDとは注意欠陥・多動性障害のことで発達障害の一種です。忘れ物やミスが多い、不注意さ、好きなこと以外には関心を示さない「多動性」などが特徴です。
また、待てずに思いついたまま行動してしまう「衝動性」も特徴に含まれます。これらの症状は、学校や仕事、日常生活などで支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。
しかし、ADHDにはポジティブな面もあります。例えば、注意力の欠如は新しいことに興味を持ちやすい、柔軟な思考ができるなどの特徴につながります。
多動性は行動力があり、積極性があるなどの特徴につながり、衝動性は直感力があり、行動力があるなどの特徴につながります。
ADHDの方は、特性を上手く使いこなすことで、充実した生活を送ることができるでしょう。
ADHDと同分類の障害や二次障害について
ADHDと同分類の障害
知的発達の障害
自閉スペクトラム症
・対人関係が苦手
・強いこだわりの特徴をもつ発達障害
学習障害
読み書き能力や算数機能に関する特異的な発達障害
コミュニケーション症群
言語に関する障害
発達性協調運動症
個別の動きを一緒に行う運動が著しく困難な障害
かしこまりました。下記のように修正しました。
ADHDと同分類される障害には、知的発達の障害、自閉スペクトラム症、学習障害、コミュニケーション症群、発達性協調運動症の5つがあります。
これらの障害は、それぞれに異なる特性を持っていますが、複数の特性が出ている場合もあります。
例えば、ADHDの衝動性と自閉スペクトラム症のコミュニケーションの困難が併発した場合、周囲とのコミュニケーションがうまく取れないこともあります。
このような場合、周囲からの理解やサポートが大切です。また、トラブルが起きてしまったら、適切に対処することも重要です。
ADHDと二次障害について
・頭痛
・食欲不振
・不眠
精神面の不調
・過剰な不安や緊張
・抑うつ気分
・社交不安
・対人恐怖
・不登校、引きこもり
行動面の問題
・暴言
・暴力
・強い反抗
幼少期の叱責や失敗体験が重なると、ADHDの子どもは自己肯定感が低くなり、周りの人との信頼関係を築くのが難しくなることがあります。
また、追い詰められてうつ病などの二次障害を発症する可能性もあります。そうなると、本人だけでなくその家族も辛い思いをすることになります。
それを防ぐためには、周囲の大人がその子の特性に気づき、障害を理解すること、その子に合わせた環境を整えること、そしてその子ができることを認めて達成感を与えることが大切です。
そうした予防策を講じることで、ADHDの方を精神的に苦しめる二次障害を防ぐことができます。
ADHDの主な症状
不注意
- 期限を守れない
- 物事を順序立てて考えられない
- 物をなくしたり忘れ物が多い
上記の他に、不注意の症状は整理整頓が苦手で、部屋がいつも散らかっていたり、片付けの最中に注意がそれて途中でやめてしまったりなどの特徴があります。
また、何かをやり遂げることが苦手で、勉強などを始めても集中力が続かず、違うことをやり始めてしまうこともADHDの特性です。
こういった行動や事象を防ぐためには、片付けであれば、集中できるよう静かな時間帯や環境を作って取り組むことなどが有効です。
また、片付けるものをリスト化し、声に出しながら片付けるなどの具体的な対策を講じることで、特性とうまく付き合うことが可能です。
多動性が見られる
- 常に手足を動かす
- じっと座ってられない
多動性の症状については、他人の話を聞いていられない、順番通りに並んでまつことが苦手などの特徴があります。特に社会人になるとデスクワークを苦手とする傾向が見られます。
このような多動性が見られる場合どのくらい時間が経つと落ち着きがなくなるのか本人や周囲の人間が把握することが大切です。
その時間を見計らって動くことができるような環境づくりを行うことで多動性は対策できます。
人との会話が待てない場合は、聞いておくべき時と発言してもよいタイミングをADHDの方に知らせることでスムーズな会話が行える場合もあります。
衝動性がある
- しゃべり過ぎる
- 衝動買いをする
- すぐイライラする
衝動性の症状については、上記以外にも思いついたことをすぐに発言して相手を怒らせてしまう、許可を得ずに勝手に他人の私物を使うなどが例として挙げられます。
特に周囲とトラブルになりやすい特性と言えます。しかし、多動性や衝動性は大人になるにつれだんだんと表面化しなくなると言われています。
よって、子どものうちから適切な行動はどうすべきかを教え、周りの子とトラブルになりそうな場面が予見できた場合にはその時取るべき行動やルールをちゃんと教えてあげるのがよいでしょう。
ADHDの治療法は?
心理士によるカウンセリング
ADHDの治療には、医師やカウンセラーと一緒に、ADHDの特性に合わせた対処方法を学び、実践していく「認知行動療法」があります。
カウンセリングの一種で、タイマーを使って注意力を維持する訓練などがあります。
また、ADHDの子どもを持つ親自身が、行動療法の考え方に基づいて、子どもの特性や接し方を学ぶことも、治療の一つです。これにより、親子関係の改善や、親のストレス軽減につながります。
薬物治療
ノルアドレナリンとドーパミンの両方の働きを強める
ストラテラ
ノルアドレナリンの働きを強める
インチュニブ
神経細胞に作用し多くの伝達物質を取り込める
抗不安薬・抗うつ薬
不安や反抗、抑うつなどを抑える薬
ADHDなどの発達障害の薬物療法は、障害そのものを治したり、特性を消すわけではありません。あくまでも、症状を軽減して、日常生活を送りやすくするためのものです。
薬物療法は、治療の1つの手段です。根本的な治療ではありませんが、適切に用いることで、生活の質を向上させる効果が期待できます。
薬物療法によって、注意力や集中力が高まり、衝動性が抑えられるなどの効果が期待できます。これにより、本人の生きづらさが軽減され、親や周囲の人も適切な関わりがしやすくなります。
薬物療法には、副作用が出る可能性があります。眠気や食欲不振、頭痛などが主な副作用ですが、重篤な副作用が出るケースもあります。そのため、医師の指示に従って服用することが大切です。
ADHDの相談ができる場所を紹介
訪問看護とは
精神科訪問看護は精神科や心療内科に通院され精神疾患と診断されている方、診断はなくとも睡眠障害などで医師が訪問看護が必要と判断された人が対象です。
看護師や作業療法士などの医療スタッフが医師の指示のもと自宅へ訪問し、病状観察や日常生活指導、また家族支援などのサポートを行います。
通常、訪問は医療保険を利用し週3回まで可能で、1回の訪問は30分から90分と決められています。体調や病状に合わせて訪問回数や時間を調整します。
外出が難しい方や精神科への入退院を繰り返している方、ご家族がどのように関わっていけばいいか困っている方は訪問看護を検討してみましょう。
訪問看護を利用するメリット
訪問看護には以下のメリットがあり、患者様やご家族様の日々の生活の助けになっています。詳しくご説明いたします。
自宅で看護を受けられる
外出が難しい方や治療を中断してしまう方も、継続的に専門的な支援を自宅で受けられることです。
ADHDの方へは特性をコントロールできるようにアドバイスを受けることができ、薬物療法を併用されている方には薬の管理状況の確認・援助も行います。
ご家族の負担の軽減
精神疾患を持つ方への看護は、日常生活のサポートが中心となります。食事や排泄、入浴、服薬管理、精神状態の観察や、ご家族へのアドバイスなどを行います。
精神科訪問看護を利用することで、家族はこれらの援助を一部看護師や作業療法士に任せることができ、ご家族の負担が軽減され、休息やリフレッシュの時間が確保しやすくなります。
通院の負担の軽減
通院には、交通費や時間、体力が必要です。精神障害を持つ方の中には、通院に大きな負担を感じている人も少なくありません。
また、精神状態が不安定な場合、通院が困難になることもあります。精神科訪問看護では、看護師が自宅に訪問し、病状や内服状況など、医療機関やかかりつけの医師と連携し情報を共有することができます。
精神科訪問看護
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
職種 |
・看護師 ・准看護師 ・作業療法士 |
訪問日数 |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
精神科訪問看護では、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「社会復帰の支援」など、症状の改善に向けてさまざまなポートを受けることができます。
訪問してご本人様と面会ができない場合でも、ご希望があればご家族様からの相談を受けることも可能であったりと、それぞれの利用者様にあった看護を行います。
また住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神疾患をお持ちならシンプレへ
当ステーションの特徴
シンプレはうつ病などの精神疾患を抱える患者様やご家族に向けたサービスを中心に展開しており、それを強みとしている訪問看護ステーションです。
第一にご利用者様本人の望む自分らしい生活を送れることを優先して考えており、そのためご利用者様自身の主体性を尊重性して支援しています。
バックオフィスと看護師が常に連携し、緊急を要する事態にもすぐに医療機関や行政などの各関係機関への連絡などの対応ができるよう備えています。
精神疾患の一例
・不注意さ、多動性、衝動性が特徴
自閉症スペクトラム
・他人と目を合わせることが苦手
・相手や状況に自分の行動をあわせることが苦手
・言葉の裏の意味や抽象的な言葉の意味を理解するのが苦手
双極性障害
・躁状態とうつ状態を繰り返す
解離性同一性障害
・個人に対して複数の人格を宿している
その他精神疾患全般
対象となる精神疾患は上記以外にもうつ病やアルコール依存症、統合失調症など精神疾患全般となります。
例えば、過去に起きた出来事がトラウマとなり、突然その当時のことがフラッシュバックしてしまうPTSDの方なども対象です。
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護サービスで、家族とともに本人に寄り添い、本人らしく生きていけるようサポートします。
ご利用をご検討の際はお気軽にご連絡ください。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ看護ステーションは上記エリアを中心としてサービスを承っております。
上記以外のエリアについても対応可能となる場合がございますので、お悩みであればまずはお気軽にお問合せください。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
ADHDは発達障害の一種で、脳の前頭前野の前方にある前頭葉の機能障害が原因で、不注意や多動性といった特性が表れていると考えられています。
ADHDの方は周囲との違いに悩まされた結果、うつ病などを併発してしまうケースもあります。そうならないためには周囲の方のADHDに対する理解を深めることや、一人一人に適した環境作りなどが大切です。
また、認知行動療法などによる治療や、時には薬物療法を取り入れて、生まれ持った特性を活かしながら、生きづらさを軽減していくこともできます。
シンプレではADHDの方への生活やトレーニングの支援も行うことができますので、選択肢の一つとしてまずはお気軽にご相談ください。
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