双極性感情障害の症状について理解しよう。治療法や相談できる窓口も紹介!
双極性障害の症状は、躁状態(饒舌になったりテンションの高い状態)とうつ状態(憂うつになり気分が落ち込む状態)を繰り返してしまう病気のことをいいます。
とくに躁状態のときなど、周囲の方も本人も病気を自覚することが難しく、注意が必要です。
今回は詳しい症状や治療中の注意点をまとめました。心当たりのある方はひとりでかかえこまず、相談することが大切です。
双極性感情障害の症状
双極性障害の躁状態
- 睡眠時間の短縮
- 怒りっぽくなる
- 饒舌になり話が止まらない
躁状態(そうじょうたい)では、気分の高揚感が生じ「自分はすごい」「なんでもできる」といった感情が高まります。
体中からエネルギーを感じ、眠たくなくなったり、お金を散財したり、おしゃべりになったりし、活動的になりじっとしていることができなくなります。
しかし本人は自覚がないため、さまざまなトラブルを引き起こしがちです。自分の考えが異常とはまったく感じておらず、知らずに人間関係を悪化させ、社会的な信用を失うこともあります。
双極性障害のうつ状態
- ゆううつで気分の浮き沈みがある
- 自分には価値がないと感じる
- 死にたくなる
上記のような「躁状態」がつづくと、次に「うつ状態」が発生します。うつ状態になると、躁状態での行動や言葉について振り返り、強い罪悪感に苛まれてしまいます。
自分を責めるようになり、「こんな自分なんて、いなくなれば良い」「自分なんて必要ない」などとひとりで考えてしまいます。
双極性感情障害はさまざまな脳内物質の増減が原因と言われています。そのため、感情や活動が高い「躁状態」から「うつ状態」へ急激に変わることが症状の特徴のひとつです。
混合状態
気分が「躁状態」なのに「うつ状態」のような悲観的思考に捉われてしまい、「躁状態」と「うつ状態」が混ざりあった状態を混合状態と言います。
通常「躁状態」と「うつ状態」が交互にきますが、混合状態の場合は一緒にきます。
混合状態の場合は、頭はスッキリしているのに行動ができない、うつ状態だけどすぐ行動はできるなど、気分、思考、行動がバラバラな状態になってしまいします。
また「うつ状態」と「躁状態」から切り替わるときにも、混合状態になる場合もあります。
うつ病と混同されやすい
うつの症状でもある「気分の落ち込み」があらわれる双極性感情障害は、しばしばうつ病と間違えられます。
ですが、上記で解説した通り、双極性感情障害は躁状態・うつ状態・混合状態とを繰り返す病気です。
うつ状態だけが見られるうつ病と、双極性感情障害の2つは全く違う病気で、治療法も異なるため専門家による判断も慎重に行われています。
症状に心当たりのある方は、自分で判断したり対処しようとするのではなく、早めに医療の専門家に相談することが大切です。
双極性障害かもしれないと思ったら
電話相談窓口
双極性感情障害かなと思ったら、さまざまな電話相談窓口があります。
相談できる窓口は「よりそいホットライン」「こころの健康相談統一ダイヤル」などがあり、厚生労働省から推奨されていています。
窓口によっては24時間対応している機関もあるので、夜遅くに悩んでいても相談可能です。ひとりで悩まずに、電話相談を考えてみてください。
また本人が相談することにハードルを感じているときや、話せないときには、ご家族が相談してみるのも一つの方法です。
SNS相談窓口
また現在では、LINE、TwitterやFacebookなどのSNSでも「生きづらびっと」「こころのほっとチャット」など相談できる窓口があります。
ことばに出せない、上手に伝えられないなどといった、こころの溜まった気持ちを文字で伝えることができます。
年齢・性別問わず利用する事が可能です。厚生労働省のホームページより、自身の相談しやすい方法を選び、「相談する」という一歩を踏み出してみてください。
精神科・心療内科
双極性感情障害の治療には、精神科または心療内科の病院・クリニックを受診することが必要です。
「この前は少し気分が高ぶっていただけ」「やる気はあるけど疲れているだけ」などと自己判断するのではなく、精神科・心療内科に相談してみましょう。
まったく治療をせずに放置すれば、症状の悪化や長期化に繋がってしまいます。
双極性障害と診断された際には、まずはその事実から受け止めることから始め、お薬を服用することやストレスへの対処方法を学ぶことで、症状を改善し再発防止をします。
専門医と一緒に、精神療法や薬物療法をすることによって適切な治療の方向性を探していくことが重要です。
双極性感情障害の治療法と注意点
双極性感情障害の治療法
双極性感情障害の治療には、心理社会的治療や薬物療法などがあり、以下でご紹介します。
心理社会的治療
双極性感情障害は「脳の不調という面」と「こころの悩みという面」2つの面があり、病気をしっかり理解し、こころの反応をよく自覚をし、脳の不調を治療していく精神療法のことが心理社会治療です。
それぞれ別の治療方法として分けるのではなく、一緒に治療をしていくことが目的であり、早期の回復につながります。
具体的には、病気の特徴や再発の兆しなどを自分自身で理解する「心理教育」や、家族の理解を深め、患者さんと家族が協力して病気に向き合えるようにする「家族療法」などがあります。
薬物療法
基本的には、気分の浮き沈みを抑える気分安定剤を使用し治療します。使用する気分安定剤は、炭酸リチウムやバルプロ酸などと言ったお薬が処方されます。
また感情や意欲の障害を改善する非定型抗精神病薬のクエチアピン、オランザピンなども使用されることが多いです。
さらには、躁・うつ状態が強い場合には抗うつ薬や感情を抑えるお薬を使用するケースがあり、患者さんの症状や全体のバランスを見てお薬が処方がされます。
双極性感情障害の注意点
気分が落ち込んだり、高まったりする双極性感情障害。どのような注意が必要かを事前に知っておくことは、症状がひどくなることなどを対処する上でも大切です。
薬を自分の判断でやめてしまいがち
双極性感情障害の患者さんには、症状が良くなったと思い、自己判断でお薬を飲むことをやめてしまうケースがあり、再発したり、症状が悪化したりすることが多く報告されています。
専門医と一緒に辛抱強く治療することが必要となり、まずは処方されたお薬は用法・用量をしっかり守っていくことが大切です。
双極性障害の方への接し方
双極性障害のうつ状態は、2週間以上続く場合があります。そのため「なぜ良くならない」と本人を焦らせる言動は治療を長引かせるきっかけであり、そのためじっくりと待つ姿勢も必要です。
また「躁状態」の時には、心身ともに活力がみなぎっており、病院を受診を拒否することがあります。ますます悪化する可能性もあるのでそんな時には家族と一緒に受診することも必要です。
精神科訪問看護を利用するという選択も
精神科訪問看護とは?
・訪問看護の利用者
訪問する人
・看護の専門職
・リハビリテーションの専門職
訪問時間
・医療保険
(30分から90分程度)
訪問看護は、看護師や作業療法士などの資格を持つスタッフがお伺いします。
訪問看護は主治医が必要と判断すれば利用することが可能であり、年齢などの制限はなく、医師の判断で利用の有無が決定します。また医療保険が適応であり、1回の訪問時間は、30〜90分です。
精神科訪問看護では、主治医や地域の支援者と連携して支援し、入院をしなくても利用者さんがその人らしい生活を継続できるように考えていきます。
精神科訪問看護のサービス内容
サービス名 | 精神科訪問看護 |
---|---|
ケア内容 |
・日常生活の維持 ・生活技能の獲得、拡大 対人関係の維持、構築 家族関係の調整 精神症状の悪化や増悪を防ぐ 身体症状の発症や進行を防ぐ ケアの連携 社会資源の活用 対象者のエンパワーメント |
訪問日数 |
原則週3日以内 (※例外もあります。) |
訪問看護の中でも精神疾患に特化したサービスができるのが、精神科訪問看護です。
原則週3日以内の訪問になりますが、精神科の知識を持った看護師等がお宅を訪問し、利用者のかたが安心して生活できるように支援します。
また日常生活や対人関係などでのお悩みについて、対応方法を一緒に考え、服薬の仕方や症状の悪化などを防ぐお手伝いをします。
訪問してご本人がでてこられなくても、ご家族に訪問看護を行い、本人の様子を伺ったり相談を受けさせていただくことも可能です。
気になる訪問看護の費用
負担割合 | 月の初回訪問 | 2回目以降 |
---|---|---|
3割負担 |
3,897円 | 2,565円 |
2割負担 |
2,598円 | 1,710円 |
1割負担 |
1,299円 | 855円 |
上記は正看護師or作業療法士が訪問した料金となります。
上記は週3回までの訪問料金となります。週4回以上訪問となる場合には料金が異なります。
訪問看護サービスには、医療保険を利用することにより自己負担を軽減できるメリットがあります。
30分を一区切りに利用可能。かかった費用については、年齢や所得によって変わり、医療費の1〜3割が自己負担となります。
また早朝や深夜などの時間外に依頼する場合や、24時間体制で連絡が付くようにする場合は別途料金が発生します。
次に外来、デイケア、訪問看護等の自己負担額を軽減できる「自立支援医療」について見ていきましょう。
自立支援医療制度とは?
区分 | 上限額 |
---|---|
生活保護 |
0円 |
低所得1 |
2,500円 |
低所得2 |
5,000円 |
中間所得1 |
5,000円 |
中間所得2 |
10,000円 |
一定所得以上 |
20,000円 |
自立支援医療制度とは、心身の障害のある方の自立を助ける公費負担医療費制度です。精神に障害のある方は、障害の軽減などのために医療の自己負担費が補助されます。
助成内容としては、精神科にかかる医療費が1割負担になることです。また所得に応じて月の自己負担上限額が設定されており、上限額を超えた場合は自己負担がなしとなります。
お薬や通院費などの医療費が自立支援医療の対象になり、精神科デイケアや精神科訪問看護を利用した場合にも補助対象です。
シンプレへご相談ください
シンプレの特徴
双極性感情障害の方への対応やケアについては、慎重に行うことが必要であり、家族や周囲のサポートが必要不可欠です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、特に精神科に特化した訪問看護サービスを展開し、患者さんが自宅でも安心してケアを受けられる看護を提供しています。
患者さんはやはり、「暮らし慣れた自宅でケアを受けながら、社会復帰を目指したい」と考えている方も多いとおもいます。精神訪問看護は、そのような方をお手伝いするサービスです。
またシンプレ訪問看護ステーションでは、そのご家族の精神的なフォローにも対応し、一緒に前向きに生活を改善していくことを目指しています。
精神科訪問看護についてくわしく知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。
シンプレの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
また、HPのほかにもTwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。 ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
これまでに紹介してきましたが、双極性感情障害は躁状態とうつ状態が混ざりあう病気であり、本人が自覚していないケースが多くあります。
そのため、気付かないうちに自分の殻に閉じこもり、自分自身を責めてしまいます。躁状態になった時でも「自分は大丈夫」と思ってしまい、早期発見が難しい病気ともいえます。
まずは自分一人だけで悩まずに、家族や専門医などに相談して、改善するきっかけを作ることが大切です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、そんな方に対してご自宅で病気のケアをしながら、社会性を取り戻す支援を行っています。
双極性感情障害についてお悩みの場合には、ぜひシンプレ訪問看護ステーションにご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
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