薬物依存の症状について詳しく解説
「薬物依存」って聞いたことはあるけど、実際どんな薬物があってどんな症状が出るのか分からないかたも多いと思います。
そこで今回の記事では薬物依存について分かりやすく説明していきます。
治療方法やサポート体制も紹介しますので、薬物依存について心当たりがあるかたも最後まで読んでみてくださいね。
薬物依存について紹介
薬物依存の薬物とは?
薬物依存になる違法薬物には、覚醒剤、コカイン、大麻、ヘロイン、LSD、合成麻薬のMDMAなどがあります。
これらの薬物は、法律によって所持や使用が禁止されています。また、シンナーやトルエン、接着剤、塗料などの有機溶剤も、本来の目的での使用や所持は問題ありませんが、乱用すると薬物依存になるため、規制されています。
さらに、「合法ハーブ」や「合法アロマ」「バスソルト」などの名称で販売されている危険ドラッグも、強い精神依存を引き起こすため、規制されています。
薬物依存は、身体的・精神的・社会的な問題を引き起こすため、絶対に避けなければなりません。
薬物依存の主な症状
覚醒剤
・妄想、錯乱状態
コカイン
・幻覚
大麻
・めまい
・吐き気
あへん
・慢性中毒症状
・脱力感
・倦怠感
シンナー
・大脳の萎縮
・呼吸中枢の麻痺
LSD
・幻視
・精神分裂
向精神薬
心身にさまざまな障害を及ぼす
覚せい剤は中枢神経と交感神経を興奮させる作用があり、一時的に眠気や疲労感がなくなりますが、乱用すると妄想や幻覚、錯乱状態などの症状が現れます。
大麻は乱用すると思考が分裂したり感情が不安定になり、幻覚や妄想などの症状が現れます。ヘロイン・あへんは乱用すると精神錯乱になり、精神異常をきたすことがあります。
有機溶剤は乱用すると、幻覚・妄想などの精神障害が現れ、脳が萎縮して治ることはありません。LSDは乱用を続けると、幻聴・幻覚・精神異常をきたし精神錯乱状態に陥ります。
薬に手を出してしまうきっかけ
「一度だけ」という好奇心やおもしろ半分の気持ちで覚せい剤や大麻などの違法薬物に手を出すことが多く、一度使用すると快感が忘れられなくなり、やがて常用するに至ります。
また、友人から「痩せる薬」だと勧められ、実はそれが覚せい剤だったという事例もあり、危険な薬物だとは知らずに手を出してしまうケースも多いです。
最近インターネットで「大麻は他の薬物より安全」という誤った情報が拡散しており、そのような嘘の情報を信じて大麻に手を出す若者が増えています。
依存症までの流れ
依存症になると覚せい剤や大麻、合成麻薬などの薬物の使用がやめられなくなり、やめたくてもやめられない状態が継続し、仕事や家庭よりも薬物の使用を優先させてしまいます。
「薬物は危険なのでやめたい」と頭でわかっていても、薬物の作用で脳の状態が変化してしまい、薬物に対する欲求を自分の意志では抑えられなくなります。
薬物依存症になった場合、治療を受けても薬物依存は生涯にわたって続きますが、リハビリ施設や自助グループ、訪問看護の利用などで薬物依存から回復を目指すことは可能です。
違法薬物は持ってるだけで捕まる?
覚せい剤や大麻、危険ドラッグなどの薬物は、日本の法律では所持や使用を禁止しており、違法薬物や違法ドラッグと呼ばれています。では、違法薬物について見ていきましょう!
違法薬物と法律をチェック
覚醒剤取締法
コカイン
麻薬及び向精神薬取締法
大麻
大麻取締法
あへん
あへん法
シンナー
毒物及び劇物取締法
LSD
麻薬及び向精神薬取締法
向精神薬
麻薬及び向精神薬取締法
覚せい剤や大麻、あへんなどの薬物は、「覚醒剤取締法」「大麻取締法」「あへん法」などの法律で規制対象になっており、使用はもちろん、持っているだけでも逮捕されます。
シンナーなどの有機溶剤は「毒物及び劇物取締法」の規制対象で、本来の目的のために使用・所持する場合は問題ありませんが、摂取・吸入を目的に所持していると逮捕されます。
危険ドラッグは「医薬品医療機器等法」で規制されており、危険ドラッグを譲渡、譲受、使用すると逮捕・検挙され、3年以下の懲役刑または300万円以下の罰金刑に処せられます。
向精神薬も依存症になるの?
向精神薬とは、精神的な不調を治療するために使用される薬物で、睡眠薬や精神安定剤などが含まれ、適切に使用すれば、精神的な不調を改善し、生活の質を向上させることができます。
しかし、向精神薬を誤って使用すると、依存症になる可能性があり、向精神薬は「麻薬及び向精神薬取締法」の規制を受け、法律に違反すると処罰される可能性があります。
刑罰は治療に有効なのか?
薬物依存症からの回復という点については刑罰に限界があります。刑務所にいる間、薬物が使えないので、薬物依存症が改善したように見えることがあります。
しかし、刑務所を出所した後、再び薬物に手を出す可能性があります。刑罰ではなく、専門的な治療を受けることが重要です。
薬物依存の治療方法
薬物依存は生涯にわたって続きますが、適切な治療を受けると薬物依存からの回復を目指せます。では次に、薬物依存の治療方法を見ていきましょう!
時期 | 内容 |
---|---|
導入期 |
依存症が病気 であることを 知ってもらう |
脱慣期 |
・中毒症状の治療 ・再発防止の教育 |
脱薬継続期 |
実生活で断薬 継続を試みる |
薬物依存の症状が重い場合は入院し治療に専念します。治療プログラムの流れは、導入期、脱還期、そして断薬継続期の3つの段階を経て薬物依存からの回復を目指します。
導入期は治療を始める前の段階であり、患者さんやご家族に薬物依存の治療の目的を説明し、断薬の必要性を納得してもらい、薬物依存は回復が可能であることを知ってもらいます。
脱還期は中毒症状の治療と断薬を継続するための教育を行う段階で、断薬継続期は通院や自助グループへの参加、訪問看護などで断薬を継続し、回復を目指す段階です。
再乱用防止プログラム
・出所後に必要な支援等のアセスメント
・患者に対する指導監督
・回復プログラムを行う
患者家族
・医療機関は患者だけでなく家族の意向も汲む
・保護観察終了後も支援を行う
薬物依存は生涯にわたって続くため、断薬を継続することが重要です。再乱用防止プログラムは、薬物再乱用を防止するための認知行動療法型のプログラムです。
再乱用防止プログラムでは、患者さん本人に対して支援と指導監督を行い、断薬を継続するための回復プログラムを実施します。
また、断薬を継続するためには、患者さんと同居する家族の協力が欠かせないため、再乱用防止プログラムでは家族に対して、患者さんへの対応や看護の方法などを教育していきます。
薬物依存症の自助グループ
自分一人で断薬を継続することは難しく、途中で心が折れてしまって再び薬物を乱用するケースが多いですが、自助グループに参加することで断薬に成功する可能性が高まります。
薬物依存からの回復を目指す自助グループとして、ナルコティクス アノニマス(NA)やナラノン(Nar-Anon)などがあり、全国各地で参加することができます。
民間リハビリ施設
民間リハビリ施設とは、薬物依存からの回復を支援する民間の施設です。日本では、DARC(ダルク)など、多くの民間リハビリ施設があります。
DARCの施設は北海道から沖縄まで全国に展開しており、断薬に取り組んでいる人は施設に入寮して、仲間と一緒に依存症のつらさを分かち合いながら、薬物依存からの回復を目指します。
訪問看護
訪問看護は病気や障害などで自宅療養をしている方の自宅に、看護師などの医療従事者が定期的に訪問し、医師の指示に基づいて病気のケアやサポートを行います。
訪問看護は総合型と特化型があり、精神疾患に特化した精神科訪問看護は、薬物依存からの回復を目指して自宅療養をしている方などが利用できます。
薬物依存症者に対して訪問看護はなにができる?
精神科訪問看護は、薬物依存からの回復を目指している方におすすめです。次に精神科訪問看護の主なサービス内容について見ていきましょう!
回復に必要な食事指導
薬物依存は、身体に大きなダメージを与えます。そのため、回復のためには、健康的な食事を摂ることが重要です。
訪問看護では、患者さんの食事状況を把握し、必要な栄養素を摂取できるように食事指導を行います。
患者さんへのアドバイスや相談
患者さんは、薬物に依存することで、社会から孤立し、自分自身を見失ってしまうことがあります。
訪問看護では、患者さんの自宅に定期的に訪問し、患者さんの話を聞いたり、患者さんが抱えている問題や悩みについて、アドバイスしたりします。
家族の方への支援
薬物依存は、家族にも大きな負担がかかります。訪問看護では、ご家族に対して、薬物依存の理解を深めるための教育を行います。
またご家族がどのように関わっていけばいいか困っている場合は、患者さんのサポート方法について相談にのったり、アドバイスをすることができます。
シンプレ訪問看護ステーションの紹介
シンプレの特徴は?
シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護を提供しております。
自宅で看護を受けることができるので、外出が難しい方でも自宅でリラックスしながら生活を送れるようにするためのサポートします。
利用者さまが持つ病気とどう向き合っていくかを一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのサポートを心がけています。
シンプレの訪問看護エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
上記エリアにお住まいの方も対応ができる場合がありますので、薬物依存症の治療や自宅療養などでお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
覚せい剤や大麻などの違法薬物を乱用すると薬物依存症になり、薬物依存は生涯にわたって続きますが、適切な治療を受けリハビリ施設などを利用することで回復を目指せます。
薬物依存から抜け出すためには家庭や地域における治療が有効であり、在宅療養をサポートする精神科訪問看護の利用も、薬物依存からの回復に貢献します。
シンプレ訪問看護ステーションは精神疾患に特化した訪問看護サービスを提供しており、薬物依存の治療や断薬などでお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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