薬物依存の特徴をチェック

覚せい剤やシンナー、大麻など薬物の乱用は、薬物依存を引き起こす原因になります。
一度薬物依存になると、自分の意思だけでは薬物使用を止めることができないことがほとんどです。
そのため、薬物依存の特徴が見られたらまずは医療機関に相談することが大切です。そこで今回は薬物依存について解説します。該当するものがないが確認しましょう。
薬物依存の特徴は?

自己コントロールが効かない
まず、大きな特徴として薬物依存になると自己コントロールができません。自己コントロールが効かないため、何度も何度も繰り返し薬を使用してしまいます。
「今回で薬をやめよう」と思っても、薬物の依存性は非常に強く、自分の意思だけでやめることができないのですね。
実際に、興味本位で「一度くらい…」「自分は絶対大丈夫」と思い手を出す人が多いです。
薬物への警戒心が薄くなっている
薬物への警戒心が薄くなってくるのも特徴です。一度の使用だと大した変化を感じられないことも多く、「もう一回」と何度も繰り返すようになります。
何気ない一回が徐々に大きくなるのですね。徐々に薬物への警戒心が薄くなり、やがて習慣的に使用するようになります。
薬物の作用に体が慣れてしまい、使用量がどんどん増えるケースも多いです。警戒心が薄くなっているので、快感を得るために摂取量を増やしてしまうのです。
いずれは薬物の入手方法や薬物を購入するための資金についてなど、薬のことしか考えられなくなり様々な問題が生じていきます。
半永久的に元の状態には戻らない
薬物の乱用をやめてこれまでの生活を送るようになっても後遺症が出たりと、一度薬物依存に陥ると半永久的に元の状態には戻りません。
ただ、日常生活や社会人としての生活に支障をきたさない程度にすることは可能です。このことを「回復」と言います。
回復しても、ちょっとしたきっかけでまた薬物を利用してしまう人がいるのも事実です。
ですので、回復後は適切な指導を受け続けるなどして薬物に手を出さない精神状態や環境を整えていくことが重要です。
そもそも薬物依存って?

薬物依存とは
薬物依存は薬物がやめられなくなる怖い病気です。依存性が非常に強く、薬物の危険性を理解しているのにやめることができません。
覚せい剤や大麻などが有名ですが、処方薬や市販薬、有機溶剤をやめられなくなるというケースもあります。薬物依存というのは身近に潜んでいるのですね。
やめようとしてもやめられない、頭でわかっていてもやめられない、という状態が続き、日常生活にも支障が出てきます。
薬物依存は一人で治すことが困難なので、専門機関に相談した上で医師による治療や適切なサポートを受けることが重要です。
薬物の種類と特徴
「薬物依存」に陥りやすいものにはどのようなものがあるのでしょうか?薬物の種類について見ていきましょう。
覚せい剤
覚せい剤は神経を興奮させる作用が強いです。気分が高揚し、頭が冴えたような感覚になります。疲れが取れて集中力がつく、と感じる人も多いです。
しかし、そのような作用はあくまで一時的な効果で長くは続きません。数時間で神経を興奮させる作用は切れ、その後は激しい脱力感や倦怠感に襲われます。
覚せい剤を使った時の高揚感が忘れられず、数回使用するうちにやめられなくなるケースが多いのです。
乱用すると幻覚妄想や不安感などの後遺症に悩まされ、さらには肺機能障害、心不全、不整脈、心臓発作を引き起こすリスクもあります。
大麻
大麻(マリファナ)は合法化している国もあるので他の薬物に比べて安全と思われているようですが、幻覚や妄想などの後遺症が残ることがあります。
病気を治すなどポジティブな噂を耳にすることがあるかもしれませんが、未だ解明されていないことが多く、大麻は様々なリスクがあるとされています。
精子の減少や月経異常、知的機能の低下を引き起こし、生殖機能に支障をきたした結果、不妊や流産につながる可能性もあります。
有機溶剤
有機溶剤は非水溶性の物質をよく溶かす化合物の総称で、代表的なものにシンナー、ボンド、接着剤があります。
有機溶剤は手に入りやすいものなので若い人たちに乱用されることが多く、他の薬物使用への入り口になる場合もあります。
しかし、有機溶剤を乱用すると大脳が萎縮することもあり大変危険です。長期間使用すると幻覚、妄想が出現することもあります。
一度破壊された脳の働きは乱用を辞めても元には戻らず、長期乱用は多くの身体障害を起こします。
処方薬・市販薬
医師から処方された薬なら安全、と思っていませんか?実は処方薬やドラッグストアなどで売っている鎮痛薬や咳止めなどにも危険は潜んでいます。
抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬は「医薬品」として流通していますが、多量に摂取すると心身への障害が生じます。
処方薬を乱用するケースも多く、薬物依存に陥ると病院を転々として大量に手に入れようとします。
また、市販薬も乱用すると薬物依存の原因になるので、用法・用量はしっかり守りましょう。
薬物依存の症状

薬物依存の症状を順番に解説すると、まず訪れるのが依存期です。薬物を使いたいという気持ちが強く現れるようになり、次第に自分ではコントロールできなくなります。
離脱症期になると、薬物の切れ目に不快感や不眠、動悸、めまいなどの不調が現れるようになります。薬物がないと落ち着かず、イライラすることもあります。
薬物依存はその薬物を使用し続ける限り悪化する一方で、何度も繰り返しますが一人で治すことが困難です。
幻聴、幻視、被害妄想をはじめ、判断力が鈍くなったり、物忘れが生じたり、認知障害を引き起こすこともあります。
薬物依存の治療法と種類

心理療法
気持ちを楽にする精神療法
マインドフルネス
受け入れる習慣を身につける
ソーシャルスキルトレーニング
スキルを身につける訓練を行う
心理療法と一口に言っても様々な種類がありますが、中でもよく用いられている心理療法がこちらです。
認知行動療法では思考のバランスを取り悲観的になりすぎないように導き、ストレスに上手く対応できる精神状態をつくっていきます。
その他、今現在において起こっている経験に注意を向けるマインドフルネスや、対人関係や集団行動を上手に営んでいくためのソーシャルスキルトレーニングが有効です。
作業療法
治療名 | 内容 |
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作業療法![]() |
対象者の健康と幸福を促進する |
趣味活動やレクリエーションなどを通して、対象者の健康と幸福を促進するのが作業療法です。
他者とのコミュニケーション能力や基礎体力の回復なども目的としており、専従の作業療法士がレクリエーションなどを行います。
症状の軽減や心身機能回復、対人関係の改善などの効果が見込め、安心できる場を獲得しつつ早期の社会復帰を目指していきます。
生活環境調整
治療名 | 内容 |
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生活環境調整![]() |
改善更生に適した環境をつくる |
薬物のことを思い出させる物や人、状況に刺激されることもあるため、薬物依存の治療には、改善更生に合う環境をつくることも大切です。
人脈や環境を変えていくことで薬物を使わない生活を目指す施設や治療プログラムもあります。
依存症回復施設や薬物依存症リハビリセンターでは、生活環境を整え依存症からの回復を目指します。
薬物依存は完治することはありませんが回復することはできる病気なので、薬をやめ続けるための治療プログラムやメンテナンス、努力が必要です。
薬物依存を治療するならシンプレ!

シンプレ訪問看護ステーションって?
自分らしく自立した生活を営めるためのサポート
症状の悪化防止、服薬支援
生活状況を観察しながら受診や服薬を支援
社会復帰へのサポート
主治医や関係機関と連携を取りなが社会復帰を支援
家族の方への支援
家族へのアドバイスや相談、社会資源の活用などをサポート
シンプレ訪問看護ステーションは精神科に特化した訪問看護を提供しておりアルコール依存症の方の訪問看護も行っております。
専門職のスタッフが定期的にお宅を訪問し、症状の悪化防止や服薬の管理など、ご家庭や地域社会で安心して生活を送ることができるよう支援を行いますので、お気軽にご相談ください。
利用者さまが持つ病気とどう向き合っていくかを一緒に考え、患者さんらしさを失わないよう自立した生活をするためのサポートを心がけています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
- 新宿区・中野区・練馬区・豊島区
- 文京区・杉並区・渋谷区・千代田区
- 板橋区・葛飾区・江東区・江戸川区
- 墨田区・荒川区・北区・世田谷区
- 西東京市・三鷹市・武蔵野市・台東区
シンプレ訪問看護ステーションの訪問エリアは、上記中心に行っています。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ

薬物依存は完治することはありませんが回復することはできる病気です。一人で治すことが困難なので、精神科訪問看護という選択肢も含め専門機関に早めに相談しましょう。
シンプレは精神科に特化した訪問看護サービスを提供しており、薬物依存症にも対応しています。
薬物依存症になると、薬をやめ続けるための治療プログラムやメンテナンスが必要です。わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。悪化防止や回復へ向けての支援を行いますのでお気軽にご相談ください。