精神疾患ごとの治療薬について紹介
精神疾患を治療するにあたって、薬はとても大事です。
今回この記事では、それぞれの精神疾患と治療に使われる主な薬の種類についてご紹介します。
精神疾患の症状で悩んでいる方やそのご家族様は参考にしてみてくださいね。
おもな精神疾患と使われる薬をチェック
統合失調症
統合失調症
治療薬
・クロルプロマジン
・リスペリドンなど
統合失調症は、幻覚や妄想などの症状が特徴的な疾患です。幻覚とは、実際には存在しないものを見たり聞いたりすることであり、妄想とは、現実にはあり得ないことを信じ込むことです。
統合失調症は、適切な治療を受けることで、症状をコントロールしていくことができます。
治療に使用される薬は、統合失調症の治療を目的に開発された抗精神病薬です。抗精神病薬はドーパミンの働きを調整し、脳を正常な状態に整えます。
症状や体質に合わせて薬は処方されますが、現在の主流はリスペリドンなどの非定型抗精神病薬です。比較的新しい治療薬で、副作用が少ない点が特徴的です。
うつ病
うつ病
治療薬
・パキシル
・マプロチリンなど
うつ病は「気分が重い」「眠れない」「死にたい」など、気分の落ち込みが長期間改善されない時に診断されます。
治療薬である抗うつ薬は、脳内の神経伝達系に作用して脳内の調整を行う薬です。飲み始めてから作用するまで2~4週間は時間がかかります。
投薬は約半年を目安に行われるので、症状が改善したからと言って勝手に服薬を止めないでください。再発してしまわないためにも、自己判断せず主治医の指示に従うようにしましょう。
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害
治療薬
・オランザピン
・バルプロ酸ナトリウムなど
パーソナリティ障害とは、人格障害とも言われ、人とは外れた行動や言動をしてしまい本人はもとより周囲にも影響を与えてしまう精神疾患です。
パーソナリティ障害は、性格が悪いのではありません。精神疾患に分類される病気で、しっかりと治療を行うことで克服していくことを目指せます。
治療法は心理社会治療(精神療法やカウンセリングなど)が主ですが、症状によっては治療薬を併用する場合もあります。
また、パーソナリティ障害は他の精神疾患を引き起こしやすいので、そちらの治療のための薬も処方される場合があります。
解離性障害
解離性障害
よく使われる薬
有効な薬がないといわれている
解離性障害とは、感覚をまとめる能力が低下し、他人格が現れたり異常行動を起こす状態のことです。
記憶が失われたり、1つの体に複数の人格を有する多重人格障害と呼ばれる障害が表れたりします。
解離性障害は有効な薬がないといわれているます。そのため、治療はカウンセリングや精神療法が一般的です。
まず、患者さんと精神療法家の間に信頼関係を築くことが非常に重要です。その上で、現れた複数の人格に対してアプローチをし、トラウマ体験の記憶に対処する方法を学んでいきます。
おもな睡眠剤をチェック
睡眠時間ごとの種類
時間 | 薬名 |
---|---|
超短時間型 |
・ハルシオン ・アモバンなど |
短時間型 |
・レンドルミン ・リスミーなど |
中間型 |
・ユーロジン ・ベンザリンなど |
長時間型 |
・ドラール ・ロゼレムなど |
一口に睡眠剤と言っても、その種類・効能はさまざまです。まずは、それぞれの持続時間を紹介していきます。
超短時間型は、効果のピークが1時間未満で作用する時間も2~4時間ほどです。短時間型はピークが1~3時間、作用する時間が6~10時間になります。
中間型と長時間型はさらに長時間作用し、ピークが1~5時間で作用時間は20~24時間を超えることもあります。
ただし、処方された睡眠剤を既定の倍量飲んだとしても、作用する時間が倍になるわけではありません。眠れないからと多く服用しても意味がないのです。
不眠に効果のある抗うつ剤
薬名 | 時間 |
---|---|
ミルタザピン |
1.5 |
アミトリプチリン |
4.5 |
ミアンセリン |
2 |
トラゾドン |
3~4 |
睡眠に効果のある抗うつ薬は、特性として抗ヒスタミン作用が強いとされるNaSSAや四環系、三環系などです。
セロトニン2受容体をブロックする作用があるので、より深い睡眠をとれる効果が期待できます。このように睡眠薬代わりとされる抗うつ薬は、鎮静系抗うつ薬と呼ばれています。
この中でもトリプタノールなどは、レム睡眠を少なくする作用がある抗うつ薬で少量使われることがあります。
レム睡眠の時間が減ると夢を見る頻度も減るので、悪夢に悩まされている方に処方されます。
副作用として、眠気やめまいが起こる可能性があります。自動車などの運転は注意が必要です。
不眠に効果のある抗精神病薬
薬名 | 時間 |
---|---|
リスペリドン |
1~3 |
オランザピン |
4.8 |
クエチアピン |
2.6 |
レボプロマジン |
1~4 |
クロルプロマジン |
3.2 |
ドパミン2受容体の働きを調整することで、鎮静効果をもたらす作用があります。ドパミンは、脳内の神経伝達物質の一種で、意欲や運動、認知、感情などに関与しています。
また、一部の非定型抗精神病薬(SDAやMARTAなど)は、セロトニン2A受容体もブロックする作用を持っています。この作用により、睡眠の質が改善され、より深い睡眠の期待できます。
抗精神病薬は、アルコールの影響を受けます。強く効きすぎる危険性があるため注意が必要です。
服薬管理なら精神科訪問看護がおすすめ
服薬の状態を管理してくれる
精神科訪問看護とは、精神疾患を抱えるかたや精神的な理由で不安があるかたに対して、看護師などの専門職がご自宅におうかがいし、支援するサービスです。
精神疾患を抱えている方の中にはお子さんから高齢の方までいろいろな人がいて、一人ひとり生活環境や背景が異なります。
訪問看護のサポート内容は多岐に渡りますが、生活支援や自立支援、症状の悪化防止、服薬支援などの支援を行います。
他にも精神科の訪問看護ではこんなこともしてくれる
- 日常生活の維持
- 生活技能の獲得・拡大
- 対人関係の維持・構築
- 家族関係の調整
- 精神症状の悪化や増悪を防ぐ
- ケアの連携
- 社会資源の活用
- 対象者のエンパワーメント
精神科訪問看護では、「健康状態の観察」「病状悪化の防止・回復」「社会復帰の支援」など、症状の改善に向けてさまざまなポートを受けることができます。
訪問してご本人様と面会ができない場合でも、ご希望があればご家族様からの相談を受けることも可能であったりと、それぞれの利用者様にあった看護を行っております。
また住み慣れた自宅で療養できるので、安心感が得られることや訪問看護の職員が定期的に自宅に訪問することによって孤立や孤独感が軽減され、心の支えを得られるというメリットもあります。
そのほかにも必要に応じて、医師や保健師、ケースワーカーなどの関係機関と連携し、病状の悪化の防止や早期回復につながるようサポートを行います。
精神科訪問看護は自宅でリラックスして看護を受けられる!
精神科訪問看護は、外に出ることが難しい方やなるべく自宅で過ごしたいという方のためのサービスです。
精神疾患をもつかたの中には、環境の変化に弱く、環境が変わると強いストレスを感じる方がいます。
症状で悩まれている方に対して、生活が少しでも安心したものになるようにお手伝いします。
コミュニケーションによって病状を観察してくれる!
精神疾患の治療の中で、コミュニケーションはとても重要です。なぜならそれは、心で感じている苦しさなどを伝えてもらわないと、どんな治療法が良いのかわからないからです。
訪問看護では専門知識を持つ医療従事者が、自宅での様子や本人との会話などを観察し病状を把握することができます。
知りえた情報を医師や関係機関と共有することで、患者や家族にとってより良い治療法やサポートを提供することができるのです。
精神科訪問看護の料金をご紹介
金額は人によってさまざま
精神科訪問看護の料金は、基本療養費から加算分まで細かく決まられています。利用者によって訪問する回数や時間が異なるので、一概にいくらとは言えません。
訪問看護は医療保険の場合、30分から1時間半程度の訪問となっており、ご利用者様の体調に合わせて時間を調整いたします。
訪問回数は基本的に週に3回まで利用することはできます。ただし条件によっては週に4回以上利用することも可能です。
また、看護職員が看護師等と同時に訪問看護を行った場合や1回の訪問看護の時間が90分を超える場合にも加算されます。
シンプレ訪問看護ステーションをチェック
シンプレ訪問看護ステーションの特徴とは
シンプレは精神疾患に特化した訪問看護ステーションで、うつ病や摂食障害など、幅広い疾患を対象としています。
精神科勤務経験のあるスタッフが在籍し、病気と付き合いながら自分らしい生活ができるように、自主性を尊重した看護サービスを提供しています。
また、病院、行政、在宅との情報共有を行い、それぞれの専門性を活かしながら治療や社会復帰のサポートができるのも特徴です。
シンプレは訪問看護サービスを通して利用者の不安を受け止め、治療への頑張りを一緒に共有し、心から安心できる居場所づくりをお手伝いします。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションは、基本的にリストに記載している地区で訪問看護の活動を行っています。
上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合もありますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
年齢に関わらずご利用することが可能です。サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。
TwitterやLine、TikTokなどのSNSでも情報を発信していますので、ぜひご覧ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ
精神疾患の服薬は、精神疾患の症状を改善するためには重要なことです。しかし、服薬の管理は大変なことも多いです。精神疾患の服薬をされている方は、ご家族の協力を得ながら、服薬を継続することが大切です。
シンプレ訪問看護ステーションでは、「病気との付き合い方」を一緒に考え、自分らしく自立した生活を営めるように利用者さまを支援いたします。
わたしたち、シンプレ訪問看護ステーションもきっとお役に立てることがあります。精神疾患でお悩みの方や、そういった方が周りにわたしたちにご相談ください。
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