パーキンソン病の訪問看護とは?
パーキンソン病は、手足のふるえや動作の遅さなどがゆっくりと進んでいく神経の病気で、年齢を重ねた方に多い一方、40歳代以下で発症する方もいるとされています。診断を受けると、「この先も家で暮らしを続けられるだろうか」「家族だけで支えきれるのか」と不安に感じるご本人やご家族は少なくありません。そうした在宅での療養を、医療と生活の両面から支える選択肢のひとつが訪問看護です。
この記事では、パーキンソン病の訪問看護で受けられる支援の内容、使える医療保険・介護保険や医療費助成、そして家族だけで抱え込まないための相談先までを、ご本人・ご家族の目線でわかりやすく整理します。
パーキンソン病とは?症状の特徴と発症しやすい年代

パーキンソン病は、脳の中で体の動きを調整する「ドパミン」という物質に関わる神経の病気とされています。動作がゆっくりになったり、手足がふるえたりといった症状があらわれ、生活のしづらさにつながっていきます。パーキンソン病の訪問看護を考えるうえで、まずはどんな病気で、どんな方に多いのかを知っておくと、その後の保険や支援の話も理解しやすくなります。
パーキンソン病はどんな病気か
パーキンソン病は、脳の特定の神経細胞が少しずつ減っていくことで、ドパミンが不足し、体の動きの指令がうまく伝わりにくくなる病気と考えられています。アルツハイマー病に次いで患者数が多い神経変性疾患のひとつといわれています。動きにくさだけでなく、便秘や気分の変化など体のさまざまな部分に影響が及ぶことがあるのも特徴とされています。
発症しやすい年代と患者数
発症しやすいのは50〜65歳ごろとされ、高齢になるほど発症率・有病率ともに高くなるといわれています。一方で、40歳代以下で発症する「若年性パーキンソン病」もあり、全体の1割ほどを占めるとされています。つまり、高齢の方だけの病気ではなく、現役世代の方にも起こりうる病気です。高齢化に伴って患者数は増える傾向にあるといわれています。
長くつき合っていく緩徐進行の病気
パーキンソン病は、症状が急に悪くなるよりも、年単位でゆっくりと進んでいくことが多いとされています。長くつき合っていく病気だからこそ、医療と生活の両面で支える体制が大切になります。進み方や出やすい症状には個人差があるため、その時々の状態に合わせて支援を組み立てていく考え方が基本になります。
パーキンソン病の主な症状

パーキンソン病の症状は、体の動きに関わる「運動症状」と、それ以外の「非運動症状」に大きく分けて考えられています。パーキンソン病の訪問看護では、こうした症状の変化を日々の訪問で観察し、困りごとに合わせた関わりを行っていきます。どんな症状があるかを知っておくと、変化に気づきやすくなります。
運動症状(ふるえ・こわばり・動作の遅さ・転びやすさ)
代表的な運動症状は、静止時のふるえ・筋肉のこわばり・動作が遅くなること・転びやすくなることの4つとされています。じっとしているときに手がふるえる、表情が乏しくなる、歩き出しの一歩が出にくい、歩幅が小さくなるといった形であらわれることが多いといわれています。これらは進行の段階によって程度が変わってきます。
非運動症状(便秘・睡眠・気分・自律神経など)
パーキンソン病では、動きにくさ以外の症状もあらわれることが知られています。便秘や睡眠の問題、気分の落ち込みといった症状が見られることもあるとされています。においを感じにくい、立ちくらみなどの自律神経の不調があらわれることもあります。これらの一部は、運動症状より先にあらわれる場合もあるといわれています。生活の質に関わるため、見過ごさず相談していくことが大切です。
症状の日内変動(薬の効き方が変わるオン・オフ)
治療を続けるなかで、薬がよく効いて動きやすい時間帯と、効きにくく動きづらい時間帯の波があらわれることがあります。これは「オン・オフ現象」と呼ばれることがあり、日や時間帯によって動きやすさが変わるのが特徴とされています。同じ日でも状態が一定でないことを、ご家族や支援者が理解しておくと関わりやすくなります。
パーキンソン病の原因と進行の経過

パーキンソン病の原因や進み方は、ご本人やご家族がとくに気になるところだと思います。ここでは現時点でわかっているとされる範囲で、原因の考え方と進行の段階を整理します。パーキンソン病の訪問看護では、こうした経過を踏まえて、その段階に合った支援を相談しながら組み立てていきます。
原因は何と考えられているか
パーキンソン病は、脳でドパミンを作る神経細胞が減っていくことで起こると考えられていますが、なぜその細胞が減るのか、原因は完全には解明されていないといわれています。加齢が関わりの深い要因とされ、一部には遺伝が関係する家族性のものもあるとされています。生活習慣だけで発症する・しないが決まるわけではないと考えられています。
重症度のあらわし方(ホーエン・ヤール/生活機能障害度)
パーキンソン病の進み具合は、ホーエン・ヤールの重症度分類(ステージ1〜5)と、日常生活のしづらさを示す生活機能障害度(Ⅰ〜Ⅲ度)で段階的にあらわされます。この分類は、後の章で触れる医療保険の適用や難病の医療費助成の判断にも使われる、制度上も大切な指標です。どの段階にあたるかは主治医が判断します。
進行の経過と個人差
進行はゆっくりであることが多いとされますが、症状の出方や進み方には大きな個人差があるといわれています。早くから歩行が不安定になる方もいれば、長く穏やかに経過する方もいます。だからこそ「この病気だからこう」と一律に決めるのではなく、その人の状態に合わせて支援を見直していくことが基本になります。
パーキンソン病の治療法

パーキンソン病の治療は、不足するドパミンを補う薬物療法を中心に、リハビリテーションや、状態によっては手術なども組み合わせて進められるとされています。パーキンソン病の訪問看護は、こうした主治医の治療方針を在宅で支える役割を担います。どんな治療があるかを知っておくと、訪問看護で何を支えてもらえるかもイメージしやすくなります。
薬物療法と服薬タイミングの大切さ
治療の中心は、不足するドパミンを補ったり働きを助けたりする薬を使う薬物療法とされています。決まった時間に薬を飲むことが症状の安定につながりやすいといわれています。一方で、長く続けるうちに薬の効き方が変化し、効く時間が短くなったり不随意な動きがあらわれたりすることもあるとされ、その都度、主治医が薬の調整を検討します。
リハビリテーション(運動・歩行・嚥下・発声)
体を動かすリハビリテーションは、薬物療法を補う位置づけとして大切にされています。歩行や姿勢、飲み込み(嚥下)、声の出しにくさなどに対して、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が関わることがあります。リハビリで進行そのものを止められるわけではないとされますが、できる動作を保ち、生活のしづらさをやわらげることを目指します。
手術やデバイス補助療法という選択肢
薬だけでは症状の波が抑えにくくなった場合などに、脳深部刺激療法(DBS)や、薬を持続的に補う機器を使った治療といった選択肢が検討されることもあるとされています。適応となるかどうかは、脳神経内科や専門の医療機関で、ご本人の状態をふまえて医師が判断します。気になる場合は、まず主治医や専門の医師に相談することが大切です。
パーキンソン病の在宅療養で訪問看護ができること

パーキンソン病の訪問看護では、看護師などが自宅に訪問し、症状の観察や服薬のサポート、リハビリの視点を取り入れた関わり、ご家族の相談支援などを行います。ここで大切なのは、治療法やケアの方法を決めるのは主治医であり、訪問看護師はその方針に沿って観察・支援を行い、気づいたことを主治医に伝える橋渡し役だという点です。
服薬管理のサポートと主治医への報告
パーキンソン病では、薬を決まった時間に飲むことや、効き方の変化に気づくことが大切とされています。訪問看護師は、飲み忘れがないか、薬の効き具合や気になる様子はないかを一緒に確認します。そのうえで、観察した内容を主治医に報告し、薬の調整の判断に役立ててもらいます。薬の種類や量を決めるのは主治医で、看護師はその橋渡しと日々の見守りを担います。
リハビリ・日常動作の維持を一緒に支える
動作のこわばりを防ぎ、できる動きを保てるよう、体を動かす関わりや見守りを行うことがあります。「こうすれば必ず転ばない」といった方法をお伝えするものではなく、ご本人ができる動作を保つ支援や、安全に過ごせる環境をご家族と一緒に確認し、必要に応じて理学療法士などの専門職や主治医につなぐ関わりが中心です。日々の継続的な移動の介助や外出の付き添いは訪問介護(ヘルパー)が担う領域で、訪問看護とは役割が分かれます。
全身状態の観察(嚥下・誤嚥・血圧・転倒など)
進行に伴って、飲み込みのしづらさや誤嚥、便秘、立ちくらみ、転倒などが起こりやすくなることがあるとされています。訪問看護師はこうした全身の変化を観察し、早めに主治医へ報告して対応を相談します。小さな変化に気づける関わりは、在宅での療養を続けるうえで支えのひとつになります。
ご本人・ご家族の相談支援
在宅でのケアは、ご家族が担う場面も多くなります。訪問看護では、介助のしかたを一緒に確認したり、困りごとの相談にのったり、使える制度やサービスへの橋渡しをしたりといった、暮らしに即した相談支援を行います。ご家族だけで抱え込まずにすむよう、相談できる相手がいることを知っておいていただければと思います。
パーキンソン病の訪問看護で使える保険と医療費助成

パーキンソン病の訪問看護で使う保険は、年齢や要介護認定の有無、そして病気の重症度によって変わります。「介護保険が優先」と一言で決まるわけではなく、いくつかの条件で医療保険になる場合があります。ここでは順を追って整理します。なお制度は年度の改定や個別の状況で変わることがあるため、最終的な適用はステーションや市区町村の窓口でご確認ください。
医療保険と介護保険の使い分け(年齢・要介護認定)
まず基本の考え方です。65歳以上で要介護・要支援の認定を受けている方は、訪問看護も介護保険が使われることが多いとされています。要介護認定を受けていない方や40歳未満の方は、医療保険が使われます。また、パーキンソン病関連疾患は介護保険の「16特定疾病」に含まれます。そのため、40〜64歳の方も、要介護認定を受ければ介護保険を利用できます。どの保険になるかは、主治医・ケアマネジャー・訪問看護ステーションが状況を整理してくれるので、ご自身だけで判断する必要はありません。
別表7に該当すると医療保険が優先になる
ここがパーキンソン病で特に大切な点です。重症度が一定以上になると、年齢や要介護認定にかかわらず医療保険が優先される仕組みがあります。具体的には、ホーエン・ヤールのステージ3以上、かつ生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度に該当する場合、訪問看護の対象疾病を定めた「別表7」に当てはまり、医療保険が優先されます。この場合、医療保険の「1日1回・週3回まで」という枠が外れ、週4日以上・1日複数回の訪問や、2か所のステーションの利用も可能になります。該当するかどうかは、主治医が訪問看護指示書に重症度を記載することで決まります。
なお、進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症といったパーキンソン病に関連する病気は、重症度の条件なしで別表7に含まれるとされています。
指定難病の医療費助成・高額療養費という公費
パーキンソン病は国の「指定難病」に指定されています。重症度の条件を満たす場合、難病の医療費助成を申請でき、長期療養にかかる自己負担を軽くできるとされています。申請にあたっては、市区町村の窓口や病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)が手続きを支援してくれます。あわせて、1か月の医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度なども利用できる場合があります。利用できる公費は状況によって異なるため、最新の内容は各窓口でご確認ください。
訪問の頻度や費用は相談で決まる
訪問の回数は、指示書で細かく決められているわけではありません。ご本人の状態や生活のニーズをふまえて、訪問看護ステーション(介護保険の場合はケアマネジャー)と相談しながら決めていきます。費用も、保険の種類・自己負担の割合・加算などによって変わるため、記事内の説明はあくまで一般的な目安です。実際の頻度や費用は、契約前にステーションや窓口で確認しておくとよいでしょう。
在宅療養を続けるための支えと相談先

パーキンソン病の在宅療養は、医療的なケアだけでは完結しません。日々の暮らしを支える仕組みや、ご家族が相談できる先を知っておくことが、長く在宅で過ごすうえでの安心につながります。ここでは、パーキンソン病の訪問看護とあわせて知っておきたい支えと相談先を整理します。
在宅には医療と生活の両面の支えが必要になる
在宅療養が長くなると、医療的なケアに加えて、食事・入浴・移動といった日々の暮らしの支えも必要になっていくことが多いとされています。これらをすべてご家族だけで担おうとすると、負担が大きくなりがちです。生活の支えは、ご家族の手だけでなく、福祉用具や本人なりの工夫、地域のサービスなど、いくつもの形があります。医療面は訪問看護、生活面はほかのサービス、と役割を分け合う考え方が、無理なく続けるうえで役立ちます。
介護保険サービスを併用できる場合
前章で触れたとおり、パーキンソン病関連疾患は16特定疾病に含まれます。そのため、40歳以上で要介護認定を受けた方は、訪問看護(重症度によっては医療保険)に加えて、生活援助や身体介護を行う訪問介護、福祉用具の貸与などを介護保険で併用できる場合があるとされています。どの制度をどう組み合わせられるかは年齢や状態によって異なるため、ケアマネジャーやMSWが整理してくれます。短期の入所でご家族が休める仕組みなどもあり、状況に応じて相談できます。
家族だけで抱え込まないための相談先
困ったときの相談先を知っておくと、ひとりで抱え込まずにすみます。ケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、訪問看護ステーションなどが相談先になります。制度のことも介助方法のことも、相談にのってもらえます。「どこに聞けばいいかわからない」というときは、まず関わりのある訪問看護ステーションやかかりつけ医に声をかけてみるところからで大丈夫です。
パーキンソン病の在宅療養はシンプレ訪問看護ステーションへ

パーキンソン病とともに自宅で過ごすには、症状の観察や服薬のサポート、ご家族の相談支援など、継続して支える存在があると心強いものです。シンプレ訪問看護ステーションは、医療面のケアと暮らしの相談の両面から、在宅での療養に寄り添います。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師などの専門職がご自宅に訪問し、全身状態の観察や服薬管理のサポート、リハビリの視点を取り入れた関わり、ご本人・ご家族の相談支援を行います。治療の方針は主治医と連携しながら、観察した内容を医師に橋渡しし、その方を支える体制づくりをお手伝いします。一人ひとりの状態やペースに合わせた関わりを大切にしています。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
-
<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問の頻度は、状態に合わせて週1〜3回ほどを目安に、重症度によっては週4日以上の頻回な訪問が必要になる場合もあります。1回の訪問はおおむね30〜90分で、土曜・祝日の対応も行っています。ご本人のケアだけでなく、ご家族からの介助方法や生活面のご相談もお受けしています。まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ|パーキンソン病の在宅療養を訪問看護で支える

パーキンソン病は、ゆっくりと進んでいく神経の病気で、年代も症状の出方も人によってさまざまです。在宅での療養を、医療と生活の両面から支えてくれるのが訪問看護です。服薬のサポートや全身状態の観察、ご家族の相談支援などを通じて、その時々の状態に合わせた関わりを受けられます。
保険は「介護保険が優先」と一律に決まるわけではなく、年齢や要介護認定、重症度(別表7に該当するか)によって医療保険になる場合があります。指定難病の医療費助成や高額療養費といった公費も利用できることがあり、手続きはケアマネジャーやMSWが支えてくれます。家族だけで抱え込まず、相談できる相手を持つことが、在宅療養を続けるうえでの支えになります。パーキンソン病の訪問看護について気になることがあれば、シンプレ訪問看護ステーションへお気軽にご相談ください。
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※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。制度の内容や保険のあつかいは年度の改定・地域・ご本人の状態により異なる場合があります。参考:難病情報センター、日本神経学会、厚生労働省(特掲診療料の施設基準等別表第七)、各保険者・自治体の公開情報ほか。最新・正確な内容は主治医・訪問看護ステーション・市区町村の窓口などでご確認ください。
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