褥瘡(床ずれ)とは?原因・段階・予防と在宅でのケア・訪問看護
褥瘡(じょくそう)は「床ずれ」とも呼ばれ、寝たきりや長時間同じ姿勢が続くことで起こる皮膚や組織の傷です。ご自宅で療養するご家族を支えるなかで、「褥瘡ができてしまった」「悪化させないか心配」という不安はよく聞かれます。
褥瘡のケアは、毎日の予防と早めの気づき、そして専門職のサポートが大きな支えになります。褥瘡は適切なケアによって予防や重症化の抑制が期待できるといわれています。在宅での褥瘡ケアでは、訪問看護が処置や予防の相談、ご家族への支援を担います。
この記事では、褥瘡の原因や段階、ご自宅でできる予防とケア、そして訪問看護がどのように褥瘡ケアを支えるかまでをわかりやすく解説します。
褥瘡(床ずれ)とは?
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褥瘡(床ずれ)とは、寝たきりなどで体重による圧迫が続き、皮膚やその下の組織への血流が滞ることで起こる傷を指すとされています。在宅で療養する方にとって身近なトラブルであり、訪問看護でも相談の多いテーマのひとつです。圧迫された部分の血流が悪くなることで、皮膚が赤くなったりただれたりするといわれています。
褥瘡(床ずれ)の定義と起こる仕組み
日本褥瘡学会によると、褥瘡は寝たきりなどで体重で圧迫される場所の血流が滞り、皮膚の一部が赤くなったり傷ができたりする状態とされています。寝返りや体の動きが難しいまま、圧迫・摩擦・ずれといった力が皮膚に繰り返し加わると、細胞に酸素や栄養が届きにくくなり、皮膚や組織が傷んでいくと考えられています。
どんな方に多いのか(寝たきり・長時間同じ姿勢)
自分で寝返りを打つことが難しい方や、長時間同じ姿勢で過ごす方は褥瘡ができやすいといわれています。高齢の方や低栄養の方、むくみのある方は皮膚が傷つきやすい傾向があるとされています。ただし褥瘡は高齢の方に限らず、脊髄損傷や手術の前後、病気の急性期などで体を動かしにくい状態にあれば、年齢にかかわらず起こりうると考えられています。
早めに気づくことが重症化を防ぐカギ
褥瘡は、初期のうちに気づいて対応することが大切だといわれています。皮膚の赤みなど小さなサインの段階でケアを見直すことで、深い傷に進むのを抑えやすくなるとされています。気になる赤みは早めに相談することが、その後のケアを楽にする一歩になります。判断に迷うときは、自己判断せず主治医や訪問看護師に相談すると安心です。
褥瘡の症状と段階(深さ・できやすい部位)
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褥瘡は深さによって段階が分かれ、症状やケアの内容も変わってくるとされています。訪問看護では、褥瘡がどの段階にあるかを観察し、主治医と共有しながらケアを組み立てます。浅い褥瘡と深い褥瘡では、必要な治療やケアが大きく異なるといわれています。
初期のサイン(赤み・発赤と「指押し法」)
褥瘡の初期サインは、皮膚の赤み(発赤)だといわれています。気になる赤みがあるときの確認方法として、指押し法が知られています。日本褥瘡学会の情報によると、赤くなった部分を指で3秒ほど軽く押し、白っぽく変われば褥瘡ではなく、押しても赤いままなら初期の褥瘡が疑われるとされています。迷うときは主治医や訪問看護師に相談すると安心です。
浅い褥瘡と深い(真皮を越える)褥瘡の違い
褥瘡は、皮膚の浅い層にとどまるものと、皮膚の深い層(真皮)を越えて広がるものに大きく分けられるとされています。真皮を越える深い褥瘡は、より手厚い訪問看護を受けられる対象になります。深い褥瘡は「別表8(特別な管理を必要とする状態)」に当てはまり、頻回の訪問や特別な管理の対象になると定められています。段階の判断は主治医が行います。
褥瘡ができやすい部位(仙骨部・踵・大転子部など)
褥瘡は、骨が出っ張っている部分にできやすいといわれています。日本褥瘡学会の全国調査では、もっとも多いのが仙骨部(おしりの中央)で、次いで踵(かかと)、大転子部(太ももの付け根の外側)などに多いとされています。寝ている向きや座る姿勢によってできやすい場所が変わるため、こうした部位を中心に皮膚の状態を毎日確認することがすすめられています。
褥瘡ができる原因となりやすい人

褥瘡はいくつかの原因が重なって起こると考えられており、原因を知ることが予防の第一歩になります。訪問看護では、こうした原因の一つひとつに目を配りながら、褥瘡ができにくい環境づくりを一緒に考えます。複数の要因が重なるほど褥瘡のリスクは高まるといわれています。
4つの要因(圧迫・摩擦とずれ・低栄養・皮膚の湿潤)
褥瘡の主な要因として、圧迫・摩擦とずれ・低栄養・皮膚の湿潤の4つが挙げられるとされています。長時間の圧迫だけでなく、体を動かしたときの摩擦、汗やおむつによる皮膚のふやけ、食事量の低下による栄養不足などが重なって、皮膚が傷つきやすくなると考えられています。それぞれの内容は次のとおりです。
- 圧迫:同じ姿勢が続き、体重で皮膚が押され続ける
- 摩擦とずれ:体を動かすときに皮膚がこすれる・引っぱられる
- 低栄養:栄養不足で皮膚が弱くなり、傷が治りにくくなる
- 皮膚の湿潤:汗やおむつで皮膚がふやけて傷つきやすくなる
注意したい持病や状態(糖尿病・脳血管疾患・低栄養 など)
褥瘡になりやすい状態として、自分で寝返りができない、栄養状態が良くない、皮膚が弱くなっている、むくみが強い、といったことが挙げられるといわれています。糖尿病や脳血管疾患などの持病があると、褥瘡ができやすくなる場合があるとされています。こうした背景がある方は、より丁寧な予防が大切になります。
介護する側が気づきにくいポイント
ご家族が在宅で介護していると、毎日見ているからこそ皮膚の小さな変化に気づきにくいこともあります。おむつの中や背中、かかとなどは見落とされやすい場所だといわれています。訪問看護では、ご家族が気づきにくい部分も含めて皮膚を観察し、変化の早期発見をお手伝いします。一人で抱え込まず、気になることを気軽に相談できる相手がいると安心です。
褥瘡を予防するためにできること

褥瘡は、毎日のケアの積み重ねで予防や悪化の抑制をめざせるといわれています。訪問看護では、ご家庭の状況に合わせて無理なく続けられる予防の方法を一緒に考えます。予防の基本は、圧迫を減らし、皮膚を清潔で健やかに保つことだとされています。
体位変換(体の向きを変える)の考え方
体位変換は、同じ部分に圧迫が続かないよう体の向きを変えるケアで、褥瘡予防の基本とされています。日本褥瘡学会の情報では、おおむね2時間を超えない範囲が目安とされていますが、体圧分散マットレスの種類などによって間隔は変わるといわれています。間隔や方法は人によって異なるため、主治医や訪問看護師と相談しながら、無理のない形を一緒に決めていくと続けやすくなります。
体圧分散マットレス・クッションの活用
体への圧力を分散させるマットレスやクッションは、褥瘡予防に役立つ道具とされています。体圧分散マットレスを使うと、褥瘡の発生リスクを下げやすいといわれています。エアマットレスやウレタン素材のものなど種類があり、体の状態や介護のしやすさに合わせて選ぶとよいとされています。こうした福祉用具は介護保険でレンタルできる場合があり、ケアマネジャーや訪問看護師に相談すると選びやすくなります。
スキンケアと栄養・水分の管理
皮膚を清潔に保ち、乾燥を防ぐスキンケアも褥瘡予防に欠かせないとされています。汗や排泄物で皮膚がふやけると傷つきやすくなるため、やさしく洗って保湿することが大切だといわれています。あわせて、たんぱく質やビタミンなどの栄養、十分な水分をとることも、皮膚を健やかに保つうえで役立つと考えられています。食事が進まないときは、栄養補助食品の活用などを主治医や専門職に相談するとよいでしょう。
おむつ・湿潤対策
おむつを使っている場合は、長時間濡れたままにしないことが褥瘡予防のポイントとされています。濡れたおむつを着けたままにすると、皮膚がふやけて傷つきやすくなるといわれています。排尿のパターンに合わせておむつを選び、交換のときは強くこすらないなどの工夫が知られています。具体的なやり方に迷うときは、訪問看護師と一緒に確認していくと安心です。
褥瘡の治療とケア

褥瘡ができてしまった場合の治療やケアは、傷の深さや状態によって変わるとされています。訪問看護では、主治医の指示のもとで処置を行い、傷の経過を観察しながらご家族のケアも支えます。浅い褥瘡と深い褥瘡では、治療の進め方が異なるといわれています。
浅い褥瘡のケア(スキンケア・体圧分散・栄養)
比較的浅い褥瘡では、圧迫を減らす体圧分散や、皮膚を守るスキンケア、栄養の管理といった保存的なケアが中心になるとされています。傷を清潔に保ち圧迫を避けることが、回復を後押しすると考えられています。どのようなケアが合うかは傷の状態によって異なるため、主治医や訪問看護師と相談しながら進めます。
深い褥瘡の治療(処置・外科的治療)
真皮を越える深い褥瘡では、傷の状態に応じた専門的な処置が必要になるとされています。傷んだ組織を取り除く処置は「デブリードマン」と呼ばれ、医師が必要性を判断して行います。訪問看護では、こうした処置の後のケアや観察を、主治医と連携しながら担います。
在宅でのケアと「自己判断しない」大切さ
ご自宅でのケアでは、傷の様子や体調の変化を毎日見守ることが大切だといわれています。傷の悪化や発熱などに気づいたら、自己判断せず主治医や訪問看護師に相談しましょう。やり方や使う物品は、地域・施設・主治医の方針や本人の状態によって異なる場合があります。迷ったときに相談できる相手がいることが、在宅ケアを続ける支えになります。
在宅の褥瘡ケアを支える訪問看護

在宅での褥瘡ケアにおいて、訪問看護は処置や予防の相談、ご家族への支援など幅広い役割を担います。看護師が定期的に訪問し、皮膚の状態を観察しながら、主治医と連携してケアを組み立てます。褥瘡の処置だけでなく、予防や生活面の相談にも対応します。
訪問看護がしてくれること(観察・処置・予防の相談)
訪問看護師は、褥瘡やその周りの皮膚を観察し、主治医の指示にもとづいて処置を行います。体位変換や栄養、スキンケアの相談に応じ、続けやすい予防を一緒に考えます。これまでご家族が続けてこられたやり方を確認しながら、困ったところを補っていくイメージです。
主治医・ご家族との連携(看護師は橋渡し役)
訪問看護師は、観察した皮膚の状態や体調の変化を主治医に報告し、必要なケアにつなげる橋渡しの役割を担います。ケアの方法や処置の内容を判断・指示するのは主治医です。看護師はその指示のもとで処置やケアを行い、ご家族の相談にも応じます。なお、医療面のケアは訪問看護、掃除や買い物などの生活援助は訪問介護というように、役割を分け合いながら在宅生活を支えます。
訪問の頻度と別表8・特別訪問看護指示書の特例
訪問の頻度は、指示書で細かく決まっているわけではなく、本人の状態やニーズをふまえて、ステーションやケアマネジャーと相談しながら決まっていきます。医療保険では原則週3日までですが、深い褥瘡などでは特例があります。真皮を越える褥瘡は「別表8」に当てはまり、主治医が必要と判断して「特別訪問看護指示書」を交付すると、その期間は週4日以上の頻回の訪問が可能になります。この指示書は、真皮を越える褥瘡の場合は1か月に2回まで交付できると定められています。
ご家族だけで抱え込まないための相談先
在宅での褥瘡ケアは、毎日の予防や見守りでご家族の負担が大きくなることもあります。専門職に相談できる体制があると、ご家族だけで抱え込まずにすみます。多くの訪問看護ステーションでは24時間対応の体制を整えており、夜間や急な変化のときに相談できる場合があります。ただし対応できる内容はステーションによって異なるため、契約前に確認しておくと安心です。困りごとは、訪問看護師やケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)にも相談できます。
褥瘡ケアにかかる費用と保険のしくみ

褥瘡ケアで訪問看護を利用する際の費用は、医療保険か介護保険のどちらが使われるかによって変わります。どちらになるかは、年齢や要介護認定の有無、病状などによって決まるとされています。褥瘡の状態によっては、医療保険で手厚い訪問看護を受けられる場合があります。
医療保険と介護保険のどちらになるのか
訪問看護でどちらの保険が使われるかは、年齢や要介護認定の有無、病状などによって決まります。要介護認定を受けている方は介護保険が優先されるのが原則ですが、40歳未満の方や要介護認定を受けていない方などは医療保険が使われます。また、要介護認定を受けている方でも、病状や状態によっては医療保険が適用される場合があります。どちらになるかは個別の状況によって異なるため、ケアマネジャーや訪問看護ステーションに確認すると整理しやすくなります。
別表8(真皮を越える褥瘡)で受けられる特例
真皮を越える深い褥瘡は「別表8(特別な管理を必要とする状態)」に当てはまり、訪問看護で特別な管理の対象になると定められています。別表8に該当すると、訪問回数やステーション数の制限がゆるやかになり、特別管理加算の対象になります。ただし、要介護認定を受けている方は別表8でも介護保険が基本で、介護保険の利用枠(支給限度額)の範囲で、ほかのサービスとあわせて使います。
褥瘡の状態が悪化したときは、主治医が「特別訪問看護指示書」を交付することで、その期間は医療保険で週4日以上の頻回の訪問を受けられます。真皮を越える褥瘡の場合、この指示書は1か月に2回まで交付でき、医療保険で訪問する期間は介護保険の利用枠を使いません。該当の判断や切り替えの手続きは主治医・訪問看護ステーション・ケアマネジャーが整理するため、ご家族だけで判断する必要はありません。
費用の目安と「最新は各窓口で確認」
訪問看護の自己負担は、使う保険や所得、加算などによって変わるとされています。医療費の負担が大きくなる場合は、高額療養費制度など負担を軽くするしくみを利用できることがあります。保険の自己負担割合や料金、制度の内容は、年度の改定や地域・状態によって異なる場合があるため、最新の正確な内容は市区町村の窓口や訪問看護ステーション、医療ソーシャルワーカー(MSW)にご確認ください。
褥瘡の在宅ケアならシンプレ訪問看護ステーション

褥瘡のケアを在宅で続けるには、処置だけでなく、予防やご家族の相談まで含めて支えてくれる存在が心強い味方になります。シンプレ訪問看護ステーションでは、利用者さんお一人おひとりの状態に合わせて、在宅での療養を訪問看護で支えています。褥瘡のケアも、ご本人やご家族と一緒に取り組んでいきます。
シンプレ訪問看護ステーションの特徴
シンプレ訪問看護ステーションでは、看護師などの専門職がご自宅に訪問し、健康状態の観察や主治医の指示にもとづくケア、療養生活の相談に対応しています。お一人おひとりのペースに合わせた支援を大切にし、これまで続けてこられたケアの方法を確認しながら、無理なく続けられる形を一緒に考えます。褥瘡の予防や処置についても、主治医や関係する専門職と連携しながら支えます。
シンプレ訪問看護ステーションの対応エリア
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<東京都>
・東京23区
※足立区、荒川区は1部エリアとなります。
・西東京市
・三鷹市
・調布市
・武蔵野市
・府中市※1部エリア
・東久留米市※1部エリア
<埼玉県>
・和光市
・朝霞市
・戸田市※1部エリア
・川越市※1部エリア
・新座市※1部エリア
・川口市※1部エリア
シンプレ訪問看護ステーションの対応地域はおもに上記が中心で、訪問活動をおこなっています。該当エリアにお住まいの方はぜひご検討ください。
また上記以外のエリアにお住まいでも、対応できる場合がございますので、一度当社スタッフへご相談ください。
サービス内容を詳しく聞きたい、スケジュールの相談なども承っております。電話やメールなどで相談を受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
訪問の頻度は週1〜3回が目安ですが、状態によっては週4回以上の対応が必要になる場合もあり、ご本人の状態やご希望に合わせて相談しながら決めていきます。1回の訪問は30〜90分程度が目安で、土曜・祝日の対応や、ご本人・ご家族からの相談にも応じています。褥瘡のケアや予防について気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
ご相談の問い合わせはこちら▼
まとめ|褥瘡ケアは予防と早期対応、そして訪問看護とともに

褥瘡(床ずれ)は、寝たきりや長時間の同じ姿勢などによって起こる皮膚や組織の傷で、圧迫・摩擦とずれ・低栄養・皮膚の湿潤といった要因が重なって生じるとされています。毎日の体位変換やスキンケア、栄養の管理といった予防と、赤みなどのサインに早めに気づくことが、重症化を抑えるうえで大切だといわれています。
万一褥瘡ができてしまっても、訪問看護が主治医と連携しながら、処置や予防の相談、ご家族の支援を担います。在宅での褥瘡ケアに不安があるときは、訪問看護への相談を選択肢のひとつにしてみてください。ご家族だけで抱え込まず専門職と一緒に進めることが、安心につながります。シンプレ訪問看護ステーションでも、褥瘡ケアのご相談をお受けしています。
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※本記事は執筆時点の一般的な情報をまとめたものです。褥瘡のケアや治療の方法、制度・保険のあつかいは、地域・施設・主治医の方針やご本人の状態、年度の改定により異なる場合があります。参考:日本褥瘡学会、厚生労働省、各自治体・医療機関の公開情報。最新・正確な内容は、主治医・訪問看護ステーション・お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。
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